始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第1章 迷々の森

10.家事魔道具②

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今日も更新できました(^^)
あと、この話の後の話も同時更新してます。
2話同時更新しちゃいました♪

─────────────────




空気清浄魔道具はあれで完成だし、後のことはロド兄に任せ(るという名の放棄をし)次いってみよー!


んー……あっ!

前世であった洗濯機なんてどうだろう?

水と風と光…いや、単純に水の魔法だけでいってみるか。

いやいや、空気清浄魔道具は光属性だけでいけたから、こっちももしかして……?





「おぉー、箱の中に汚れた服を入れるだけで汚れがきれいになるんじゃのぅー。

それに、4、50㎝くらいのそれなりの大きさなのに、とても軽いのじゃ!


ほぉー、この部分は空気清浄魔道具と同じく蓄魔素が出来、使用者は微量の魔力だけで良いのか。



のぅのぅ、これ、使ってみてもいいかの?」



「え、別に良いけど……洗濯物なんてそんなにあったっけ?」



こまめに、汚れ物は洗濯していたと記憶していたはず。 

でも、ロド兄の忙しない目の泳ぎを見れば、そうではないのだろう。

リアの目につく所にはないってことは、汚れ物はどこに??



「実はのー、研究に没頭してると色々……そのー……風呂や飯はちゃんととるんじゃが、掃除・洗濯は後でやろうとカバンにぽぽーんと、のぅ」



……………確か、カバンには時間停止もついてるって後から聞いたっけ。

臭いの熟成は、ないだろう。

だけど、前世では時間が経つとただのくさいが、ものすっ…………ごくくさいに変わる…………という感覚があるせいか気分的に、ちょっと。



「ロド兄。

時間経過がないっていうのは理解してるんだけど、洗濯魔道具を試すなら外か結界魔法の中、でお願い」



「うむ。

じゃあ、ここで結界張るから実際に使ってるのを、客観的に見てるといいかもしれんぞー?」



……なるほど、使ってるのを見てみるのもいいかも。



「うん。

結界の外から見てみる」



ロド兄が結界を張り、カバンからドバッと汚れ物を出した。

と、思ったらかなりの量があって、ロド兄が見えなくなった。



「うっわー…………これ、溜めすぎでしょう。



ロド兄、埋まって……いや、埋まったら普通に苦しいんじゃ……?

ロ、ロド兄?!息できて───」



りあが、結界外から焦っていると中から物音とくしゃみ、咳そして嘔吐いていた。



「ぶえーっくしょん!!

げほっごほっ。

うおぇっ……。



これだけ量があると、さすがに臭いがすごいのぅ……。

不死じゃなければ、臭いで死んでいたかもしれんなぁー。

ほっほっほっ、くさ過ぎて笑ってしまうわい。






わし、永ーく生きてきたが、今日この時ほど不老不死で良かったと心底思うたのぅ」




















「……………今日、初めて不老不死で良かったと思ったの?

こんな、自業自得なことで?

えぇぇぇー……」



リアがポツリとつぶやいたことは、ロド兄には聞こえていなかった。

だけど、やっぱりリアに見えていない精霊たちには聞こえていて、リアと同じように残念なものを見るような目をして、ロド兄を見つめていた。



『ロドクス、いつもすごい、でも残念、いつも』








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