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第1章 迷々の森
7.ロドクス・オルトゥムという人は…
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今回は主人公視点から見たロド爺のお話です♪
――――――――――――――――
黒ワンコこと妖狼くんが、一緒に住むようになってから少し経ち、今は夏の終わりくらいの8月です。
妖狼くんに名前はつけていません。
名前をつけるということは、主従契約を結ぶことになるそうで私的には家族や友達のような関係を望んでいるので、名前はつけません。
あ、性別はくんとつけているのでわかると思いますが、オスですよ。
一緒に暮らすようになってからいつも一緒にいるのですが、お風呂のときだけロド爺が妖狼くんと入り私とは一緒に入らせないようにしています。
まだ子供なので、動物を洗うのは危ないとでも思われているのでしょうかねー…。
さて、そのロド爺ことロドクス・オルトゥムという人が、ここ数ヶ月で凄すぎるということがわかりました。
【まず1つ目】
「ロド爺ー、このまあるい黒い台座みたいなものなあに?」
部屋を探検中につまづき危うく転びそうになり、つまづきの原因が直径50cmくらいの円の台座らしきものだったので、なんだかわからなかったから聞いてみたのだ。
…下を見て歩いていればつまづかなかったかもしれないが、上にも色々あったからつい、ね?
「んー?
おぉ、それかー?
それは、複製装置じゃよ」
複製…コピー機みたいなものだろうか?
首をコテンと傾ければ、ロド爺が追加説明してきた。
「いやのぅ、わしが作成したものが商品として店に置きたいと言われてのぅー。
一々作るのも面倒じゃから、一度モノを記録したらあとは品名と数を入力すれば、その品が出来るようになればいいのかと思って作ったんじゃよ。
作動させるには魔力が必要じゃが、一個を手作りするより魔力を使わんように作ったから、楽ちんかつ魔力消費も減ってお金も稼げるという一石三鳥じゃな~」
「へぇーロド爺すごーい!」
【2つ目】
そういえば、ロド爺の作る料理って日本で食べてたものに近いかも。
今度作ってるところを見せてもらおう。
そう思いロド爺に調理の見学許可をもらい、いざ見せてもらったんだが...醤油や味噌、マヨネーズなどなどが揃っていてとても驚いた。
「ロ、ロド爺、これって…」
醤油や味噌に指を指しながら、恐る恐る尋ねればこう返ってきた。
「お?
それに興味があるのかのぅ?
それは、わしが美味しいものを作る研究過程で、作られたモノたちなんじゃよ。
これらによって料理の幅がかなり広がって、国々の料理レベルがぐんと上ったんじゃ。
あの料理革命で食べすぎて肥える者が続出していたぁな~。
ま、これもわしのいい収入源になっとる品々だのぅーフォフォフォ」
「へ、へぇー…すごい、ね」
ロド爺って……………転生者?
「ロド爺、地球、日本って言葉知ってる?」
「?
知らない言葉じゃな…リアの知っている言葉なのかの?」
「…ううん。
前にもう誰だか覚えてないけど、聞いたことのない知らない言葉だったから、頭が良いロド爺なら知ってるかなって思って聞いただけ」
「そうかー。
もし、知る機会があればリアに教えよう」
「うん」
【3つ目】
いつも通り何かの研究をしていたロド爺が、何か思い出したのか声をあげた。
「そうじゃ、そろそろカバンを店に送らねばならんかった」
「カバン?」
「ほら、前に複製装置の話をしたじゃろ?
複製装置を、作るきっかけになった品なんじゃよ。
ちなみに、これじゃよ」
そう言って、ラフィリアに見せてきたカバンは普通の肩掛けポシェットのような物だった。
これが、人気の商品?
「このカバンが人気なの?」
「そうじゃよ。
なんてったって、異次元収納カバンじゃからなー。
お・ま・け・に、いくらでも入るし、購入した者以外使えないようにしとるしのぅ。
我ながら良いものを作ったわい」
ロド爺がうんうん頷いている横で、思わず無言になってしまったことに気づき、すぐに称賛の言葉をかけた。
「ロド爺って、すごく柔軟な頭を持ってるんだね」
【4つ目】
「ロ、ロド爺!
ち、血、血がいっぱい!!」
思わず叫んでしまった。
いや、誰でも今のロド爺の姿を見れば叫ぶと思う。
だって………頭から何から全身真っ赤な上に服もボロボロ状態なんだよ。
あれだ、あれ。
ホラーな1シーンを生で見せられてる感じ。
「わっはっはっ!
こんなの全然なんともないものじゃよー」
あ、あの血はすべて返り血で、服がボロボロなのは攻撃をギリギリ躱していたからか。
心配がなくなり、ほっと安堵のため息が出てしまった
「じゃあその血はロド爺の血じゃないってことなんだねー。
もぉーすごくびっくりしちゃったよー」
「いや、すべてわしの血じゃよ」
「うぇぇぇええっ?!
じゃ、じゃあ早く治療―――」
「必要ないよ?
わし、不老不死じゃから傷とか少ししたら完全に治っちゃうからのぅー」
ほら、っとばかりにボロ服をめくって肌を見せてきたが…………本当にどこにも傷がなかった。
「心配させてしまってすまんかったのぅ。
最近は、わしの不老不死は周知のことじゃったから…。
あー、ついでに言っておこうかのぅ。
わし、今の姿は年寄りじゃが100歳になると16歳に若返るから驚かんようにのぅー」
爆弾発言したロド爺は、笑いながらその場から風呂場へと去って行った。
残された私は、ついにこの言葉を言ってしまった。
「転生者の私よりロド爺の方がチートォ!」
この叫びを聞いたのは、ラフィリアには見えていない精霊たちと部屋にいた妖狼くんだったが、意味がわからず首をひねっていた。
今回は主人公視点から見たロド爺のお話です♪
――――――――――――――――
黒ワンコこと妖狼くんが、一緒に住むようになってから少し経ち、今は夏の終わりくらいの8月です。
妖狼くんに名前はつけていません。
名前をつけるということは、主従契約を結ぶことになるそうで私的には家族や友達のような関係を望んでいるので、名前はつけません。
あ、性別はくんとつけているのでわかると思いますが、オスですよ。
一緒に暮らすようになってからいつも一緒にいるのですが、お風呂のときだけロド爺が妖狼くんと入り私とは一緒に入らせないようにしています。
まだ子供なので、動物を洗うのは危ないとでも思われているのでしょうかねー…。
さて、そのロド爺ことロドクス・オルトゥムという人が、ここ数ヶ月で凄すぎるということがわかりました。
【まず1つ目】
「ロド爺ー、このまあるい黒い台座みたいなものなあに?」
部屋を探検中につまづき危うく転びそうになり、つまづきの原因が直径50cmくらいの円の台座らしきものだったので、なんだかわからなかったから聞いてみたのだ。
…下を見て歩いていればつまづかなかったかもしれないが、上にも色々あったからつい、ね?
「んー?
おぉ、それかー?
それは、複製装置じゃよ」
複製…コピー機みたいなものだろうか?
首をコテンと傾ければ、ロド爺が追加説明してきた。
「いやのぅ、わしが作成したものが商品として店に置きたいと言われてのぅー。
一々作るのも面倒じゃから、一度モノを記録したらあとは品名と数を入力すれば、その品が出来るようになればいいのかと思って作ったんじゃよ。
作動させるには魔力が必要じゃが、一個を手作りするより魔力を使わんように作ったから、楽ちんかつ魔力消費も減ってお金も稼げるという一石三鳥じゃな~」
「へぇーロド爺すごーい!」
【2つ目】
そういえば、ロド爺の作る料理って日本で食べてたものに近いかも。
今度作ってるところを見せてもらおう。
そう思いロド爺に調理の見学許可をもらい、いざ見せてもらったんだが...醤油や味噌、マヨネーズなどなどが揃っていてとても驚いた。
「ロ、ロド爺、これって…」
醤油や味噌に指を指しながら、恐る恐る尋ねればこう返ってきた。
「お?
それに興味があるのかのぅ?
それは、わしが美味しいものを作る研究過程で、作られたモノたちなんじゃよ。
これらによって料理の幅がかなり広がって、国々の料理レベルがぐんと上ったんじゃ。
あの料理革命で食べすぎて肥える者が続出していたぁな~。
ま、これもわしのいい収入源になっとる品々だのぅーフォフォフォ」
「へ、へぇー…すごい、ね」
ロド爺って……………転生者?
「ロド爺、地球、日本って言葉知ってる?」
「?
知らない言葉じゃな…リアの知っている言葉なのかの?」
「…ううん。
前にもう誰だか覚えてないけど、聞いたことのない知らない言葉だったから、頭が良いロド爺なら知ってるかなって思って聞いただけ」
「そうかー。
もし、知る機会があればリアに教えよう」
「うん」
【3つ目】
いつも通り何かの研究をしていたロド爺が、何か思い出したのか声をあげた。
「そうじゃ、そろそろカバンを店に送らねばならんかった」
「カバン?」
「ほら、前に複製装置の話をしたじゃろ?
複製装置を、作るきっかけになった品なんじゃよ。
ちなみに、これじゃよ」
そう言って、ラフィリアに見せてきたカバンは普通の肩掛けポシェットのような物だった。
これが、人気の商品?
「このカバンが人気なの?」
「そうじゃよ。
なんてったって、異次元収納カバンじゃからなー。
お・ま・け・に、いくらでも入るし、購入した者以外使えないようにしとるしのぅ。
我ながら良いものを作ったわい」
ロド爺がうんうん頷いている横で、思わず無言になってしまったことに気づき、すぐに称賛の言葉をかけた。
「ロド爺って、すごく柔軟な頭を持ってるんだね」
【4つ目】
「ロ、ロド爺!
ち、血、血がいっぱい!!」
思わず叫んでしまった。
いや、誰でも今のロド爺の姿を見れば叫ぶと思う。
だって………頭から何から全身真っ赤な上に服もボロボロ状態なんだよ。
あれだ、あれ。
ホラーな1シーンを生で見せられてる感じ。
「わっはっはっ!
こんなの全然なんともないものじゃよー」
あ、あの血はすべて返り血で、服がボロボロなのは攻撃をギリギリ躱していたからか。
心配がなくなり、ほっと安堵のため息が出てしまった
「じゃあその血はロド爺の血じゃないってことなんだねー。
もぉーすごくびっくりしちゃったよー」
「いや、すべてわしの血じゃよ」
「うぇぇぇええっ?!
じゃ、じゃあ早く治療―――」
「必要ないよ?
わし、不老不死じゃから傷とか少ししたら完全に治っちゃうからのぅー」
ほら、っとばかりにボロ服をめくって肌を見せてきたが…………本当にどこにも傷がなかった。
「心配させてしまってすまんかったのぅ。
最近は、わしの不老不死は周知のことじゃったから…。
あー、ついでに言っておこうかのぅ。
わし、今の姿は年寄りじゃが100歳になると16歳に若返るから驚かんようにのぅー」
爆弾発言したロド爺は、笑いながらその場から風呂場へと去って行った。
残された私は、ついにこの言葉を言ってしまった。
「転生者の私よりロド爺の方がチートォ!」
この叫びを聞いたのは、ラフィリアには見えていない精霊たちと部屋にいた妖狼くんだったが、意味がわからず首をひねっていた。
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