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第1章 迷々の森
5.保護者で師匠なおじいさん
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主人公視点、
と後半にちょっぴりおじいさんと精霊たち視点(^^)
――――――――――――――――
「―――と、言う訳でお前さんの両親や村の悪いことをしていたものは捕まったぞ。
弟妹たちに関しても、きちんとした孤児院に行っていずれはまともな者のところへ貰われていくか、そのまま孤児院で勉強し職に就くかになるじゃろう。
お前さんの兄たちの保護も、もちろんできていて同じ孤児院に行くことになった。
ただ…1人だけラフィートという者は、すでに騎士の道に進むと決めているそうでな、もう騎士付き見習いをしているそうじゃよ。
それで、そのラフィートがのーお前さんも一緒に住めるようにその自分が見習いとして付いている騎士に許可を取ったらしいんじゃが、それは無理じゃと断った」
「ほえ?
私に聞かずに断っちゃったの?
なんで??」
本当に何でなんだろう?
そういうこときちんと聞いてきそうなのに…。
「勝手に断ったことは本当に申し訳ない…。
じゃがな、ちゃんとした理由があるんじゃよ。
お前さんはな、精霊たちがいうには神の愛し子でわしの弟子にしても大丈夫なほどの資質を持っているらしくてな?
だから、ちゃんと魔法とか自己防衛とか色々できるようにならないと自分自身ももちろんのこと、自分の周囲も危険なんじゃと。
それらのことが出来るようになるまでは、この森から出ることわし以外の人と直接接触することを、精霊たちから禁止令が出た。
ただし、せっかく兄弟たちが見つかったのだから話したいじゃろう?
精霊たちに、水晶鏡か手紙かどちらか出来るように交渉しとくから少しだけ時間をくれないか?」
おぉー…異世界あるあるなチートがもしかして私にも備わっている?
神の愛し子とか全然実感ないんだけど(笑)
まぁそれよりも兄弟たちとのやり取りねぇー…ラト兄はたくさんあるかもだけど他は何を話せるかわかんない。
けど…、意外と話せるかもしれないから必要、かもね。
「うん。
わかったよ。
私や私の近くにいる人が、危ない目にあうのは嫌だから魔法とか頑張って出来るようになる!
あと、兄弟たちとはお話が出来るならしてみたい、かな。
あのー、今更なのだけど…おじいさんのお名前はなんていうの?
私の名前はね、ラフィリアっていうのよ」
そういえば、自己紹介をしていなかったなと思って言ってみたんだけど、言った途端おじいさん雷に打たれたみたいに口や目を大きく開いてピシって固まってたよ。
面白くて笑っちゃったら、固まってたおじいさんが動き出した。
「いやー…自己紹介が頭からすっかり抜け落ちていたのぅ。
お前さんはラフィリアというのじゃな。
響きのきれいな名前じゃのぅ。
わしは、ロドクス・オルトゥムという名じゃ。
これからは、わしがラフィリアの保護者で師匠となる。
けど、んー、わしという家族ができたと思えばえぇよー」
ロドクス・オルトゥム…か。
ふむふむ…ならば―――。
「ロド爺って読んでいい?
あとね、私の名前を褒めてくれてありがとう。
ラフィリアって名前はね、ラト兄がつけてくれたの。
とっても可愛くて気に入っているの」
「そうかそうか。
わしのことは、好きに呼んでくれて構わんよ。
ラフィリアはー…ラフィ、リア、どちらがいいかのぅ?」
「んー…ラフィはラト兄が僕以外に呼ばせないでっていうからリアって呼んで?」
「よし!
じゃあ、リアよ、今からわしは精霊たちと外で交渉してくるのから、部屋でこれでも見てゆっくりしているんじゃよ?」
そう言って渡してきたのは薬草図鑑だった。
…あれ?
字の勉強してないのに読める………これも転生特典だったりするのかな?
「はーい。
ロド爺、精霊さんたちとの交渉頑張ってね!
いってらっしゃーい」
―――――――――――――――
リアを自宅に残して外で数体の精霊たちと話し合いをしとるんじゃが…。
「精霊たちよ、水晶鏡か手紙は許可しないとリアの兄が暴走してしまう結果が待っているぞ。
リアへの執着を見てれば、それくらい想像できるじゃろうて…」
提案した途端、精霊たちは皆不機嫌な明滅と毛羽立ちになってしまった。
気持ちはわかるがのぅ…。
『でも…』
「直接触れ合う距離ではないのだし、これくらいは譲歩してやった方がリアも安全じゃ。
抑え込むのは、却って危険を生むことになると思うぞ」
『あの身内は危険、でもリアがもっと危険になるのはダメ』
『しょうがないから、一ヶ月に1度の手紙と半年に1回の水晶鏡は許可するの』
「よしよし。
許可が出たから向こうに連絡せんとな」
精霊たちから許可が出たので、水晶鏡のある自宅へと向かったわしは、しゃべりが苦手な精霊がつぶやいていたことに気づかなかった。
『危険、ラフィートの他にもいる、まだ自覚ない、から大丈夫…か?』
と後半にちょっぴりおじいさんと精霊たち視点(^^)
――――――――――――――――
「―――と、言う訳でお前さんの両親や村の悪いことをしていたものは捕まったぞ。
弟妹たちに関しても、きちんとした孤児院に行っていずれはまともな者のところへ貰われていくか、そのまま孤児院で勉強し職に就くかになるじゃろう。
お前さんの兄たちの保護も、もちろんできていて同じ孤児院に行くことになった。
ただ…1人だけラフィートという者は、すでに騎士の道に進むと決めているそうでな、もう騎士付き見習いをしているそうじゃよ。
それで、そのラフィートがのーお前さんも一緒に住めるようにその自分が見習いとして付いている騎士に許可を取ったらしいんじゃが、それは無理じゃと断った」
「ほえ?
私に聞かずに断っちゃったの?
なんで??」
本当に何でなんだろう?
そういうこときちんと聞いてきそうなのに…。
「勝手に断ったことは本当に申し訳ない…。
じゃがな、ちゃんとした理由があるんじゃよ。
お前さんはな、精霊たちがいうには神の愛し子でわしの弟子にしても大丈夫なほどの資質を持っているらしくてな?
だから、ちゃんと魔法とか自己防衛とか色々できるようにならないと自分自身ももちろんのこと、自分の周囲も危険なんじゃと。
それらのことが出来るようになるまでは、この森から出ることわし以外の人と直接接触することを、精霊たちから禁止令が出た。
ただし、せっかく兄弟たちが見つかったのだから話したいじゃろう?
精霊たちに、水晶鏡か手紙かどちらか出来るように交渉しとくから少しだけ時間をくれないか?」
おぉー…異世界あるあるなチートがもしかして私にも備わっている?
神の愛し子とか全然実感ないんだけど(笑)
まぁそれよりも兄弟たちとのやり取りねぇー…ラト兄はたくさんあるかもだけど他は何を話せるかわかんない。
けど…、意外と話せるかもしれないから必要、かもね。
「うん。
わかったよ。
私や私の近くにいる人が、危ない目にあうのは嫌だから魔法とか頑張って出来るようになる!
あと、兄弟たちとはお話が出来るならしてみたい、かな。
あのー、今更なのだけど…おじいさんのお名前はなんていうの?
私の名前はね、ラフィリアっていうのよ」
そういえば、自己紹介をしていなかったなと思って言ってみたんだけど、言った途端おじいさん雷に打たれたみたいに口や目を大きく開いてピシって固まってたよ。
面白くて笑っちゃったら、固まってたおじいさんが動き出した。
「いやー…自己紹介が頭からすっかり抜け落ちていたのぅ。
お前さんはラフィリアというのじゃな。
響きのきれいな名前じゃのぅ。
わしは、ロドクス・オルトゥムという名じゃ。
これからは、わしがラフィリアの保護者で師匠となる。
けど、んー、わしという家族ができたと思えばえぇよー」
ロドクス・オルトゥム…か。
ふむふむ…ならば―――。
「ロド爺って読んでいい?
あとね、私の名前を褒めてくれてありがとう。
ラフィリアって名前はね、ラト兄がつけてくれたの。
とっても可愛くて気に入っているの」
「そうかそうか。
わしのことは、好きに呼んでくれて構わんよ。
ラフィリアはー…ラフィ、リア、どちらがいいかのぅ?」
「んー…ラフィはラト兄が僕以外に呼ばせないでっていうからリアって呼んで?」
「よし!
じゃあ、リアよ、今からわしは精霊たちと外で交渉してくるのから、部屋でこれでも見てゆっくりしているんじゃよ?」
そう言って渡してきたのは薬草図鑑だった。
…あれ?
字の勉強してないのに読める………これも転生特典だったりするのかな?
「はーい。
ロド爺、精霊さんたちとの交渉頑張ってね!
いってらっしゃーい」
―――――――――――――――
リアを自宅に残して外で数体の精霊たちと話し合いをしとるんじゃが…。
「精霊たちよ、水晶鏡か手紙は許可しないとリアの兄が暴走してしまう結果が待っているぞ。
リアへの執着を見てれば、それくらい想像できるじゃろうて…」
提案した途端、精霊たちは皆不機嫌な明滅と毛羽立ちになってしまった。
気持ちはわかるがのぅ…。
『でも…』
「直接触れ合う距離ではないのだし、これくらいは譲歩してやった方がリアも安全じゃ。
抑え込むのは、却って危険を生むことになると思うぞ」
『あの身内は危険、でもリアがもっと危険になるのはダメ』
『しょうがないから、一ヶ月に1度の手紙と半年に1回の水晶鏡は許可するの』
「よしよし。
許可が出たから向こうに連絡せんとな」
精霊たちから許可が出たので、水晶鏡のある自宅へと向かったわしは、しゃべりが苦手な精霊がつぶやいていたことに気づかなかった。
『危険、ラフィートの他にもいる、まだ自覚ない、から大丈夫…か?』
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