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第1章 迷々の森
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注意))お花畑なクズが出ます
次から主人公視点のお話…の予定(^^)
――――――――――――――――
今、私の目の前に容姿がとても整った男女がいる。
縛られた状態で、だ。
「おい、今回お前たち夫婦は子供を違法とわかりながら奴隷商に売っていた罪で捕まった訳だが…一応聞いておこう。
お前たち夫婦は、自分の子供を売ることに悲しみや後悔はないのか?」
「悲しみ?後悔?
そんなものないわ。
子供は自分たちが愛し合って作られた作品なのよ?
作品を売って何が悪いの?
ねぇケビン?」
「そうだ!
画家が描いた絵を売るように、我々は子供を作って売っただけだ。
何も悪いことではないだろう!
あぁ愛しいマリー…!」
あぁ…これが一時話題になった2人か。
なるほどな、お花畑クズとはピッタリな言葉であったのだと実感した。
この美しい容姿の男女は夫婦で元貴族だ。
貴族時にも色々やらかして、貴族籍から抜かれ平民になったと聞いていたが……しぶとくもそれなりにいい暮らしをしていたようだ。
……子供を売った金でのいい暮らしという悪い方法でな。
「そうか…。
して、今回売ろうとしていた女児はどこだ?
隠しても無駄だぞ」
女児の居場所を聞いた途端、女のほうが眉根を寄せ頬を膨らませた。
「そんなのこっちが知りたいくらいよ。
今日は、奴隷商が来るから用意しようとしたらもういなかったんだもの。
自分勝手で困るわ、本当に!」
ギリッ――――
腹が立ったが歯を噛みしめることで流した、が――――
――――バンッ――――
急に扉が開いて誰かが入ってきた…誰かはわかってるが。
「バルーチェス様!
どこにも僕の愛しい愛しい妹がいない!
…おい。
そこのクズ親ども、僕の愛しいラフィリアをどこにやった。
どこにいるか教えてくれたなら、今なら特別サービスで100回半殺しで済ませてあげるよ?
さぁ…あの子はどこ?」
顔を手で覆ってため息を吐きたくなったが、早くこの目が笑っていない黒い笑みを浮かべた美少年を抑えないと、大変なことになる。
「やめなさい、ラフィート。
この者たちは知らない。
この嘘発見器が、それを証明している」
「なら、なら僕の愛しいあの子はどこに…?」
「隊長!
今しがたオルトゥム殿から連絡が来まして、昨夜この村から逃げたという女児を保護したとのことです」
「…!
そうか!それなら今から迎えに―――――」
「いえ、それがまだ続きがありまして…精霊たちがその女児を守っているらしくオルトゥム殿以外近づくことを良しとしないらしくしばらく迷々の森は不可侵となる、らしいです。
なんでも『何人たりとも女児に近づくことを許さない』
と、精霊たちが言っているそうで…」
精霊たちが、ここから逃げた女児を守る…?
精霊とは、気まぐれに気に入った相手を助けたり契約したりとすることはあるが、精霊たちと言ったということは…。
「それは――――…」
「あら?
いなくなったあの子が、見つかったなら予定通り売れるのね。
でも、あの子私達の子にしては少し地味だから……値は少し落ちるわね、きっと。
ちょっと、いい加減この縄ほどいてよ!
跡が残っちゃうじゃないのー」
…自分の状況を、正しく理解できてないのはわかっていた、が今この場で彼がいる前で言うべきではなかった。
なぜなら、彼、ラフィートはこのクズ親共が言う少し地味な女児を過度に溺愛しているのだ。
その女児を、貶す発言をすれば彼がどうなるかなんて必然だ。
―――ゾワッ―――
一瞬で冷や汗がどっと出るほどの殺気が側から放たれ、次の瞬間にはあのクズ親どもが壁に激突して口や頭から血を流し気絶している光景になっていた。
「ゴミ以下のクズ共が………っ!
お前らに僕の愛しいラフィリアを貶す権利なんて粒ほどもない。
ねぇ、バルーチェス様。
やっぱり僕の手で殺しちゃ、ダメ?」
自分の親たちを壁へ蹴り飛ばし絶対零度の目を向けていたかと思えば、無邪気に楽しそうに恐ろしい言葉を私に投げかけてきた。
………恐ろしい6歳児だ。
「ダメだ。
人を殺せば犯罪者となる。
犯罪者となって、お前の愛しい妹に胸を張って会えるのか?
もし仮にお前や、妹が気にしなくても周囲がそうじゃないだろう。
そうなるとどうなるか、なんて…敏いお前ならわかるだろ?」
そう諭せば、彼は無邪気な顔をやめ一つため息を吐いた。
「僕が妹を不幸にするのは、僕自身が望んでいないから殺すのは諦めるよ。
ところで…さっき言ってた妹に近づくことがダメなのっていつまでなのかな?
僕、もう1年近く妹に会ってないからものすっ………ごく妹不足なんだけど」
次から主人公視点のお話…の予定(^^)
――――――――――――――――
今、私の目の前に容姿がとても整った男女がいる。
縛られた状態で、だ。
「おい、今回お前たち夫婦は子供を違法とわかりながら奴隷商に売っていた罪で捕まった訳だが…一応聞いておこう。
お前たち夫婦は、自分の子供を売ることに悲しみや後悔はないのか?」
「悲しみ?後悔?
そんなものないわ。
子供は自分たちが愛し合って作られた作品なのよ?
作品を売って何が悪いの?
ねぇケビン?」
「そうだ!
画家が描いた絵を売るように、我々は子供を作って売っただけだ。
何も悪いことではないだろう!
あぁ愛しいマリー…!」
あぁ…これが一時話題になった2人か。
なるほどな、お花畑クズとはピッタリな言葉であったのだと実感した。
この美しい容姿の男女は夫婦で元貴族だ。
貴族時にも色々やらかして、貴族籍から抜かれ平民になったと聞いていたが……しぶとくもそれなりにいい暮らしをしていたようだ。
……子供を売った金でのいい暮らしという悪い方法でな。
「そうか…。
して、今回売ろうとしていた女児はどこだ?
隠しても無駄だぞ」
女児の居場所を聞いた途端、女のほうが眉根を寄せ頬を膨らませた。
「そんなのこっちが知りたいくらいよ。
今日は、奴隷商が来るから用意しようとしたらもういなかったんだもの。
自分勝手で困るわ、本当に!」
ギリッ――――
腹が立ったが歯を噛みしめることで流した、が――――
――――バンッ――――
急に扉が開いて誰かが入ってきた…誰かはわかってるが。
「バルーチェス様!
どこにも僕の愛しい愛しい妹がいない!
…おい。
そこのクズ親ども、僕の愛しいラフィリアをどこにやった。
どこにいるか教えてくれたなら、今なら特別サービスで100回半殺しで済ませてあげるよ?
さぁ…あの子はどこ?」
顔を手で覆ってため息を吐きたくなったが、早くこの目が笑っていない黒い笑みを浮かべた美少年を抑えないと、大変なことになる。
「やめなさい、ラフィート。
この者たちは知らない。
この嘘発見器が、それを証明している」
「なら、なら僕の愛しいあの子はどこに…?」
「隊長!
今しがたオルトゥム殿から連絡が来まして、昨夜この村から逃げたという女児を保護したとのことです」
「…!
そうか!それなら今から迎えに―――――」
「いえ、それがまだ続きがありまして…精霊たちがその女児を守っているらしくオルトゥム殿以外近づくことを良しとしないらしくしばらく迷々の森は不可侵となる、らしいです。
なんでも『何人たりとも女児に近づくことを許さない』
と、精霊たちが言っているそうで…」
精霊たちが、ここから逃げた女児を守る…?
精霊とは、気まぐれに気に入った相手を助けたり契約したりとすることはあるが、精霊たちと言ったということは…。
「それは――――…」
「あら?
いなくなったあの子が、見つかったなら予定通り売れるのね。
でも、あの子私達の子にしては少し地味だから……値は少し落ちるわね、きっと。
ちょっと、いい加減この縄ほどいてよ!
跡が残っちゃうじゃないのー」
…自分の状況を、正しく理解できてないのはわかっていた、が今この場で彼がいる前で言うべきではなかった。
なぜなら、彼、ラフィートはこのクズ親共が言う少し地味な女児を過度に溺愛しているのだ。
その女児を、貶す発言をすれば彼がどうなるかなんて必然だ。
―――ゾワッ―――
一瞬で冷や汗がどっと出るほどの殺気が側から放たれ、次の瞬間にはあのクズ親どもが壁に激突して口や頭から血を流し気絶している光景になっていた。
「ゴミ以下のクズ共が………っ!
お前らに僕の愛しいラフィリアを貶す権利なんて粒ほどもない。
ねぇ、バルーチェス様。
やっぱり僕の手で殺しちゃ、ダメ?」
自分の親たちを壁へ蹴り飛ばし絶対零度の目を向けていたかと思えば、無邪気に楽しそうに恐ろしい言葉を私に投げかけてきた。
………恐ろしい6歳児だ。
「ダメだ。
人を殺せば犯罪者となる。
犯罪者となって、お前の愛しい妹に胸を張って会えるのか?
もし仮にお前や、妹が気にしなくても周囲がそうじゃないだろう。
そうなるとどうなるか、なんて…敏いお前ならわかるだろ?」
そう諭せば、彼は無邪気な顔をやめ一つため息を吐いた。
「僕が妹を不幸にするのは、僕自身が望んでいないから殺すのは諦めるよ。
ところで…さっき言ってた妹に近づくことがダメなのっていつまでなのかな?
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