始まりは最悪でも幸せとは出会えるものです

夢々(むむ)

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第1章 迷々の森

3.暗闇で…

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はぁっ…はぁっ…




とりあえず、まっすぐ進んで行けば村からは離れられる。

それにしても…目が慣れてきてるはずなのに暗く見えるということは、森の何かの力でそう見えるようになってる?



「っはぁ、ふぅー、ちょっと疲れたから進行方向向いたまま木にもたれて休もう」



村からどのくらい離れれただろう。

5歳の子供の足で、進める距離なんてそうでもないのはわかっている。




静か…だなぁー。

自分の荒い息遣いと木々の葉が揺れて鳴る音は聞こえるけど、生き物の声が一切聞こえない。

魔物って確か、『グルル』とか『ギャーギャー』とか鳴いてたのを聞いたことがあったんだけど…森の中にはいないのかなぁ?

上を見れば、木が空を覆っていてただ暗闇があるだけ、木が揺れようが空を見るための隙間すらできない。

目を正面に向ければ、そこもまた暗闇があるだけ。

でも…



「不思議と家にいるより落ち着くなぁー…」



一見暗闇だからとおどろおどろしく感じていたが、体に当たる風は優しく心地よい。

目を閉じれば、緑のいい香りが鼻に通る。



「あぁ…これもアロマテラピーのようなものになるのかなぁー」



夜、森の中で魔物避けをしているとはいえ、こうも気を緩めていいものか?

でも、私の現状は気を緩めまくっていて眠気で欠伸まで出てきてしまうくらいゆるゆるだ。

まぁ、眠くなるのはしょうがないよね。

だって、精神が大人でも今の体は5歳なんだもの。

いっぱい頑張って走ったし、しょ…う……が………な……………Zzz。










***********











ザッ…ザッ……ガサガサ………




「これこれ、わかっとる。ここにいるんじゃなー……………………幼女?」







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