初キスから初恋に?

夢々(むむ)

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今日で完結です☆

─────────────────



初彼氏を、飛び蹴りして逃げた翌日でございます。

朝から胃がキリキリします.....。

あの後、彼に電話してひたすら謝りました。

彼は許してくれた...というか〝俺もごめん。ゆっくり慣れていこう〟とまで言ってくれた。

電話の声では怒ってなさそうだったけど...、顔を見て話したわけではないから.....ちょっと不安だ。



「姉ちゃん.....なんか、顔色悪くないか?」



「え?

だ、大丈夫。

ちょっと考え事してて寝不足なだけだから」



いけない!

大事な弟に心配かけてしまったぁぁ!



「ふーん?

あんまり悩みすぎるなよ?」



「うん、悩みすぎないようにする!」



弟に心配をかけてしまう悩み事などポイですよ、ポイ!









...などと心の中で思っておりましたが、悩みの元を目の前にするとポイっと捨てたものが再び戻ってきた。

心の中でも、ポイ捨てはやっぱりいけませんね...。



「おはよう」



「お、おはようございます。

...昨日は本当にごめんなさい!

蹴られた場所とか痛くなってない?」



「大丈夫。

俺、そんなに柔じゃないから!

じゃ、学校に行こっか」



「うん」



学校では、小桃やヒロインちゃんなどにお付き合いを始めたと報告した。

小桃はイケメンゲットだね!と騒ぎ、ヒロインちゃんは...目をうるうるさせながら、頑張ってと何かあったら力になるから、と少し不安を呼ぶ言葉を言われた。

ヒロインちゃんからは追加で、会長と今度デートに行くことになったという報告付きでした。

ヒロインちゃんも順調に進んでいるようで何よりです。

モブ子なのに、ヒロインちゃんより先に攻略キャラの1人と付き合うことになった負い目が、軽減されるというものです。



そして........



この日からずっと、彼はキスしてこようとはしなかった。

手を繋いだりデートしたりと、本当にゆっくり進めようとしてくれているというのがわかった。

だから...私の家での自宅デートの時に彼からのキスを受け入れた。



「ん.....」



「.....信子、可愛い。

もう一回してもいい?」



「ふぇ?

................うん、いいよ」



それから何度も乞われ段々とキスが深くなるし押し倒され、これ以上は無理っ!というところで彼の脇腹にパンチをお見舞いしキスを止めた。

キスより先はまだ........................いや、だいぶお待ち下さいませ、陽二くん。






      *  *  *






「ああ........信子可愛すぎる」



今日、やっと信子とキスをした。

恥ずかしがり屋で警戒心も強いから、なかなか唇の許しを得るのに時間がかかった。

身体の許しはもっとかかりそうだけど、数年以内には抱かせてくれるだろう。

もうずっと...十数年間待ったのだからあと数年位なんてことはない。



や っ と 見 つ け た 。



信子がなのだから。

はじめから、信子とは離れ難かった。

あの時はなぜだかわからなかったけど...きっと、本能ではあの子だと気付いていたんだと思う。



〝ノーカン〟



あの公園でこの言葉を聞いた時、あの子も言っていたと思い出した。

そして、あることを思い出した。

あの子の左の目尻とまぶたに小さな黒子が一個ずつあったことを。

そしてその特長は、信子にもあった。

その後、告白してOKをもらいつい勢いでキスをしようとして飛び蹴りされたけど、全然気にしてない。

むしろ、暴走を止めてもらえて良かったと思ってる。

今回ずっと求めていた唇にキスできた。

キスして...確信した。



「ごめんね、信子。

生涯俺の心が動く女性は、あの幼い時にキスした事で決まっちゃったんだって確信した。

だからもうこれから先嫌われたとしても、死ぬまで離してあげられない。



もし、別れを口に出されたなら...............監禁しちゃうかもなーハハ」








その後、二人に様々な波乱が何度もあってもそれを乗り越え、幸せな結婚をしたしたとかなんとか........。





【完】




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