10 / 10
⑩
しおりを挟む今日で完結です☆
─────────────────
初彼氏を、飛び蹴りして逃げた翌日でございます。
朝から胃がキリキリします.....。
あの後、彼に電話してひたすら謝りました。
彼は許してくれた...というか〝俺もごめん。ゆっくり慣れていこう〟とまで言ってくれた。
電話の声では怒ってなさそうだったけど...、顔を見て話したわけではないから.....ちょっと不安だ。
「姉ちゃん.....なんか、顔色悪くないか?」
「え?
だ、大丈夫。
ちょっと考え事してて寝不足なだけだから」
いけない!
大事な弟に心配かけてしまったぁぁ!
「ふーん?
あんまり悩みすぎるなよ?」
「うん、悩みすぎないようにする!」
弟に心配をかけてしまう悩み事などポイですよ、ポイ!
...などと心の中で思っておりましたが、悩みの元を目の前にするとポイっと捨てたものが再び戻ってきた。
心の中でも、ポイ捨てはやっぱりいけませんね...。
「おはよう」
「お、おはようございます。
...昨日は本当にごめんなさい!
蹴られた場所とか痛くなってない?」
「大丈夫。
俺、そんなに柔じゃないから!
じゃ、学校に行こっか」
「うん」
学校では、小桃やヒロインちゃんなどにお付き合いを始めたと報告した。
小桃はイケメンゲットだね!と騒ぎ、ヒロインちゃんは...目をうるうるさせながら、頑張ってと何かあったら力になるから、と少し不安を呼ぶ言葉を言われた。
ヒロインちゃんからは追加で、会長と今度デートに行くことになったという報告付きでした。
ヒロインちゃんも順調に進んでいるようで何よりです。
モブ子なのに、ヒロインちゃんより先に攻略キャラの1人と付き合うことになった負い目が、軽減されるというものです。
そして........
この日からずっと、彼はキスしてこようとはしなかった。
手を繋いだりデートしたりと、本当にゆっくり進めようとしてくれているというのがわかった。
だから...私の家での自宅デートの時に彼からのキスを受け入れた。
「ん.....」
「.....信子、可愛い。
もう一回してもいい?」
「ふぇ?
................うん、いいよ」
それから何度も乞われ段々とキスが深くなるし押し倒され、これ以上は無理っ!というところで彼の脇腹にパンチをお見舞いしキスを止めた。
キスより先はまだ........................いや、だいぶお待ち下さいませ、陽二くん。
* * *
「ああ........信子可愛すぎる」
今日、やっと信子とキスをした。
恥ずかしがり屋で警戒心も強いから、なかなか唇の許しを得るのに時間がかかった。
身体の許しはもっとかかりそうだけど、数年以内には抱かせてくれるだろう。
もうずっと...十数年間待ったのだからあと数年位なんてことはない。
や っ と 見 つ け た 。
信子があの子なのだから。
はじめから、信子とは離れ難かった。
あの時はなぜだかわからなかったけど...きっと、本能ではあの子だと気付いていたんだと思う。
〝ノーカン〟
あの公園でこの言葉を聞いた時、あの子も言っていたと思い出した。
そして、あることを思い出した。
あの子の左の目尻とまぶたに小さな黒子が一個ずつあったことを。
そしてその特長は、信子にもあった。
その後、告白してOKをもらいつい勢いでキスをしようとして飛び蹴りされたけど、全然気にしてない。
むしろ、暴走を止めてもらえて良かったと思ってる。
今回ずっと求めていた唇にキスできた。
キスして...確信した。
「ごめんね、信子。
生涯俺の心が動く女性は、あの幼い時にキスした事で決まっちゃったんだって確信した。
だからもうこれから先嫌われたとしても、死ぬまで離してあげられない。
もし、別れを口に出されたなら...............監禁しちゃうかもなーハハ」
その後、二人に様々な波乱が何度もあってもそれを乗り越え、幸せな結婚をしたしたとかなんとか........。
【完】
0
お気に入りに追加
25
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
あなたの剣になりたい
四季
恋愛
——思えば、それがすべての始まりだった。
親や使用人らと退屈ながら穏やかな日々を送っていた令嬢、エアリ・フィールド。
彼女はある夜、買い物を終え村へ帰る途中の森で、気を失っている見知らぬ少年リゴールと出会う。
だが、その時エアリはまだ知らない。
彼との邂逅が、己の人生に大きな変化をもたらすということを——。
美しかったホワイトスター。
憎しみに満ちるブラックスター。
そして、穏やかで平凡な地上界。
近くて遠い三つの世界。これは、そこに生きる人々の物語。
著作者:四季 無断転載は固く禁じます。
※2019.2.10~2019.9.22 に執筆したものです。
【完結】名前もない悪役令嬢の従姉妹は、愛されエキストラでした
犬野きらり
恋愛
アーシャ・ドミルトンは、引越してきた屋敷の中で、初めて紹介された従姉妹の言動に思わず呟く『悪役令嬢みたい』と。
思い出したこの世界は、最終回まで私自身がアシスタントの1人として仕事をしていた漫画だった。自分自身の名前には全く覚えが無い。でも悪役令嬢の周りの人間は消えていく…はず。日に日に忘れる記憶を暗記して、物語のストーリー通りに進むのかと思いきや何故かちょこちょこと私、運良く!?偶然!?現場に居合わす。
何故、私いるのかしら?従姉妹ってだけなんだけど!悪役令嬢の取り巻きには絶対になりません。出来れば関わりたくはないけど、未来を知っているとついつい手を出して、余計なお喋りもしてしまう。気づけば私の周りは、主要キャラばかりになっているかも。何か変?は、私が変えてしまったストーリーだけど…
逆ハーレムエンド? 現実を見て下さいませ
朝霞 花純@電子書籍化決定
恋愛
エリザベート・ラガルド公爵令嬢は溜息を吐く。
理由はとある男爵令嬢による逆ハーレム。
逆ハーレムのメンバーは彼女の婚約者のアレックス王太子殿下とその側近一同だ。
エリザベートは男爵令嬢に注意する為に逆ハーレムの元へ向かう。
私、魔法使いになりたいって言ったよね?ハッピーな記憶を届ける魔法使いに。
釋圭峯
恋愛
ここは魔法が人々と共存する世界。とある村に一人の女の子がいた。
名前はブルックリン。茶色の髪を持つ勝ち気で明るい女の子だ。ある日魔法使いの旅芸人の見世物を見て魔法に憧れる。自分も使えるようになりたい。
ただブルックリンの家は一般市民なうえに5人も兄弟がいたのだった。元々の頭は悪くないので国立カーティス魔法学園の特待生試験を受け見事に合格するのだが、世の中はそんなに甘くはなく何と自分と同じ成績の生徒が居る事を知る。
相手の情けにより特待生の権利を貰う事に成功する。そして入学試験もまたしても同点で1位になるのだった。
(完結)嫌われ妻は前世を思い出す(全5話)
青空一夏
恋愛
私は、愛馬から落馬して、前世を思いだしてしまう。前世の私は、日本という国で高校生になったばかりだった。そして、ここは、明らかに日本ではない。目覚めた部屋は豪華すぎて、西洋の中世の時代の侍女の服装の女性が入って来て私を「王女様」と呼んだ。
さらに、綺麗な男性は、私の夫だという。しかも、私とその夫とは、どうやら嫌いあっていたようだ。
些細な誤解がきっかけで、素直になれない夫婦が仲良しになっていくだけのお話。
嫌われ妻が、前世の記憶を取り戻して、冷え切った夫婦仲が改善していく様子を描くよくある設定の物語です。※ざまぁ、残酷シーンはありません。ほのぼの系。
※フリー画像を使用しています。
婚約破棄されたので王子様を憎むけど息子が可愛すぎて何がいけない?
tartan321
恋愛
「君との婚約を破棄する!!!!」
「ええ、どうぞ。そのかわり、私の大切な子供は引き取りますので……」
子供を溺愛する母親令嬢の物語です。明日に完結します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる