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続編2 手放してしまった公爵令息はもう一度恋をする
28話 式典
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「わぁ!エミリオ兄様、カッコイイー!ね、ソフィア様もそう思うでしょ?」
「はい、ヴィオラ様。とっても素敵でいらっしゃいますね。」
「そうよね。でも、ヴィオラ、あんまりエミリオばっかり贔屓にしたら、貴女のお兄様がまた拗ねちゃうんじゃない?」
「カルラ姉様!ちょっとくらいいいじゃない!だってカッコイイんだもの!」
王族用の貴賓席にて、年若い姫君達がキャッキャとはしゃいで楽しそうにお喋りをされておられる。
第5王子ロレンツォ殿下の隣に座るソフィア様は、隣を陣取られた同い年の王女ヴィオラ殿下と、その上の姉姫カルラ殿下とも親しくなられた様で、遠目から見ても仲が良い様子だ。
カルラ様と同い年の第2王女エレオノーラ殿下は、母であり王妃のセラフィーナ様とその隣に座される第1王女アザレア殿下を挟んで席に着かれており、母と二人で何やらアザレア様にひそひそ話をされているご様子だ。
そして、それに対してアザレア様は顔を紅潮させては怒って言い返されている。
「……アザレア様、王妃様とエレオノーラ様に挟まれてらっしゃいますが、お二人はそんな意地の悪い事をなさる方ではございませんから、大丈夫ですよ。……あぁ、でもやっぱりちょっと意地悪かな?見て、シリル。アザレア様、ちょっと顔を赤くして怒ってらっしゃいますね。きっとアレですよ。フェリチェ修道院でシャンデル卿とお会いになられた事がバレたんでしょうね。……シリル?」
「………。」
王族用の席からは少し離れた貴族席の末端に座していた僕に、隣のサフィルがこっそり教えてくれたが。
僕はと言えば、そんな彼の話は、耳には入って来ているものの、内容を解さずに、ただ音として受け取っているだけだった。
「シリル、シリル。」
「…え。あ、ごめん、何?」
「いえ、何でも無いのですが……その、大丈夫ですか?」
「………うん。ごめん、ちょっとぼ~っとしちゃってた。」
虚ろな目をしている僕の顔を覗き込んで、サフィルは心配して尋ねてくれたが。
無理矢理微笑んで、短い返事だけを返し、また会場の正面の方に目をやった。
“……おい、サフィル。お前本っ当に心当たり無いのか?”
“無いと言うか………分からないんだ。もしかしたら、アレかな……この前の、やっぱり私が飲んだのは間違いだったかも…。後の方、ほとんど覚えてないから…”
“なんだ。また酒飲んで暴走したのか?!”
ぼんやりと前を見つめる僕の横で、テオが小声でサフィルに問い質していた。
その声も断片的には耳に入るが、ただ通り過ぎる音でしかない。
気力を失くして明らかにおかしくなっていった僕を、周囲の皆は酷く心配してくれたけれど、何も言えなかった。
何をどう言葉にして言えばいいのか、自分自身、分からなかったからだ。
ただ、この今日のこの式典が終われば、立て続けに組まれていた主だった行事は全て完遂する。
そうすればまた屋敷の方へ戻り、普段の生活へと戻れるのだ。
なので、ロレンツォ殿下はソフィア様やベルティーナ様と共に、かなり心配してくれたが、取り敢えずは予定を全て終えてから、しばらく屋敷の方でゆっくり休養を取る様に勧めてくれた。
それに、ゆっくりと頷いたのは、朧げに記憶している。
わぁぁ!
ひと際明るい歓声が上がり、人々は皆同じ方向へ視線を向けた。
この国の国王陛下であるアデリート国王が王妃と共に、会場へお出ましになられたからだ。
それに対し、ヴァレンティーノ王太子と共に最前列で出迎え、対応されているのが、第1側妃カサンドラ様の次男で第4王子のエミリオ殿下だ。
元々剣術が優れていた第4王子は、政治の舞台よりも国防の方面に関心を寄せられ、国軍へ入隊された。
そして、軍の上級士官としてこの国の為に尽くされている。
日々お忙しく、王宮でも拝見できる機会は少なかったが、本日は軍の栄えある式典の為、最上級の軍服に身を包まれ、その軍の上位幹部のお一人として、国王陛下に拝謁を賜る栄誉を受けられていた。
そんな堅物で普段はあまり姿を見せない第4王子の、美しく着飾った晴れ姿を目の当たりにして、式典に参加をされた兄弟の王女殿下方は、上品に微笑まれながらも高揚しておられたのが、少し離れた席に居た僕達にも分かった。
国王陛下は大事な国防を担う軍の者達、そして、この王都ヴェネトリアを守護する者達への労いと更なる忠誠を期待する旨を述べられ、式典は恙なく進行していった。
そして、国王陛下の退席後、そのまま陛下の後に続く様に軍楽隊によるパレードが列を連ね、市井の人々は周囲を警備する騎士達に、通路の前に出ず後ろへ下がる様に注意を受けながら、皆目を輝かせてパレードを見送って行った。
楽し気に笑う人々の声が遠ざかり、ようやく静けさを取り戻した会場は、無事に式典を終え、散会となった。
「ヴァレン兄上、エミリオ兄上、お疲れ様。」
会場を退席して舞台裏から帰城前に談笑していた兄君に、ロレンツォ殿下は声を掛けたら。
「あぁ、ロレン!お疲れ。」
「未だにお前に兄と呼ばれるのは違和感しかないが。」
声を掛けられて、ニカッと笑う王太子と異なり、隣の第4王子は淡々とした口調で言い返される。
「まーた言ってる。同い年だろうが、生まれ月はそっちの方が早いんだから、兄貴は兄貴だろ。」
「お前も軍に入れば良かったのに。そしたら俺がしごいてやったものを。」
「だぁー!尚更嫌だー。エミ兄、ぜってー容赦してくんねーもん。」
「ふ。当たり前だ。馬鹿弟。」
「馬鹿は余計だよ!馬鹿はっ!」
兄弟3人で男同士、肩を叩いて笑い合っておられる。
真面目な軍人然とした第4王子は、フラフラと自由気ままに行動する同じ歳の弟の事を、手放しには賛同出来ないでいる様だが。
父王に若干の反発心は見せながらも、長兄には二心なく補佐に全力で勤め、また先日には自身の同母の兄で第2王子を気に掛け、度々顔を見せてはあの不憫な境遇の兄の事を喜ばせてくれている様だから。
「困った奴め。」
そう口にしながらも、ロレンツォ殿下の肩を少し乱暴に叩いて、笑んでおられた。
その様子を少し離れた所でぼんやりと見守りながら、片や、王女達の方へ目を向けると。
国王陛下と共に退席された王妃様はともかく、第1王女アザレア殿下と第2王女エレオノーラ殿下はエミリオ殿下達に軽く労いの言葉を掛けられてから、城へと戻る馬車の方へ向かわれ、そのまま真っ直ぐお帰りになる様だ。
ロレンツォ殿下達はまだしばらく立ち話をしておられる。
それぞれ単なる雑談やら、情勢の事等、話は多岐に渡る様だ。
サフィルの後ろでその姿をぼんやりと眺めていたら、後ろから声を掛けられた。
「シリル様。」
「………ソフィア様。」
「殿下達、まだお話長引きそうですね。」
「えぇ、そうみたいです。」
振り返ると、お付きの専属侍女と一緒にいらっしゃったのはソフィア様だった。
彼女は僕の方へ寄って来られ、耳打ちする様な小声で軽く囁かれた。
「王女様方のお誘いで、ちょっと寄り道して帰ろうって事になって。良かったら、シリル様もご一緒にどうかしら?気分転換になると思いますし。」
「……。」
優しい笑みを向けて下さり、下がり気味だった視線を上げた僕に、彼女は改めて笑って下さる。
「ソフィア。王女様のお供だなんて。厳戒態勢とはいえ、最近は治安もあまり良くない。上の王女様方の様に、真っ直ぐ帰った方が良い。」
ちょっとした楽しみを兄の立場から窘めるサフィルに、今度はそちらに対してソフィア様は囁いた。
「でも、カルラ様もヴィオラ様も行く気満々よ?これを楽しみに参加されてらっしゃったんだから。数少ない外出のチャンスを止めてしまったら、抜け出してでも強行されるおつもりよ。お二人は。だったら、まだ街に慣れている私もご一緒した方が良いと思うわ。」
「なら、殿下にも……」
「止した方がいいわ。ロレン様は最近、お茶会に誘い過ぎだって、シリル様を連れ回される事に対してお二人に苦情を言われたら、倍になって返されて、軽く口喧嘩なされていたから。………それに、シリル様の事、お兄様も心配でしょう?私の方からもそれとなく聞いてみるから。もしかしたら、お兄様に直接言いづらい事で悩んでおられるのかもしれないもの。」
だから、ね?
と、宥める様に諭されて、サフィルはうっ。と言葉を詰まらせていた。
急に元気を失くした僕に対して、サフィルも皆も、酷く心配してくれたが、誰が尋ねても口を噤むしかしない様子に、皆薄々感じておられた様だった。
最愛のサフィルにまでも、言えない何かがあるのだと。
それを察したソフィア様は、渋る兄を説き伏せ、王女様方のお供に誘って下さったのだった。
「はい、ヴィオラ様。とっても素敵でいらっしゃいますね。」
「そうよね。でも、ヴィオラ、あんまりエミリオばっかり贔屓にしたら、貴女のお兄様がまた拗ねちゃうんじゃない?」
「カルラ姉様!ちょっとくらいいいじゃない!だってカッコイイんだもの!」
王族用の貴賓席にて、年若い姫君達がキャッキャとはしゃいで楽しそうにお喋りをされておられる。
第5王子ロレンツォ殿下の隣に座るソフィア様は、隣を陣取られた同い年の王女ヴィオラ殿下と、その上の姉姫カルラ殿下とも親しくなられた様で、遠目から見ても仲が良い様子だ。
カルラ様と同い年の第2王女エレオノーラ殿下は、母であり王妃のセラフィーナ様とその隣に座される第1王女アザレア殿下を挟んで席に着かれており、母と二人で何やらアザレア様にひそひそ話をされているご様子だ。
そして、それに対してアザレア様は顔を紅潮させては怒って言い返されている。
「……アザレア様、王妃様とエレオノーラ様に挟まれてらっしゃいますが、お二人はそんな意地の悪い事をなさる方ではございませんから、大丈夫ですよ。……あぁ、でもやっぱりちょっと意地悪かな?見て、シリル。アザレア様、ちょっと顔を赤くして怒ってらっしゃいますね。きっとアレですよ。フェリチェ修道院でシャンデル卿とお会いになられた事がバレたんでしょうね。……シリル?」
「………。」
王族用の席からは少し離れた貴族席の末端に座していた僕に、隣のサフィルがこっそり教えてくれたが。
僕はと言えば、そんな彼の話は、耳には入って来ているものの、内容を解さずに、ただ音として受け取っているだけだった。
「シリル、シリル。」
「…え。あ、ごめん、何?」
「いえ、何でも無いのですが……その、大丈夫ですか?」
「………うん。ごめん、ちょっとぼ~っとしちゃってた。」
虚ろな目をしている僕の顔を覗き込んで、サフィルは心配して尋ねてくれたが。
無理矢理微笑んで、短い返事だけを返し、また会場の正面の方に目をやった。
“……おい、サフィル。お前本っ当に心当たり無いのか?”
“無いと言うか………分からないんだ。もしかしたら、アレかな……この前の、やっぱり私が飲んだのは間違いだったかも…。後の方、ほとんど覚えてないから…”
“なんだ。また酒飲んで暴走したのか?!”
ぼんやりと前を見つめる僕の横で、テオが小声でサフィルに問い質していた。
その声も断片的には耳に入るが、ただ通り過ぎる音でしかない。
気力を失くして明らかにおかしくなっていった僕を、周囲の皆は酷く心配してくれたけれど、何も言えなかった。
何をどう言葉にして言えばいいのか、自分自身、分からなかったからだ。
ただ、この今日のこの式典が終われば、立て続けに組まれていた主だった行事は全て完遂する。
そうすればまた屋敷の方へ戻り、普段の生活へと戻れるのだ。
なので、ロレンツォ殿下はソフィア様やベルティーナ様と共に、かなり心配してくれたが、取り敢えずは予定を全て終えてから、しばらく屋敷の方でゆっくり休養を取る様に勧めてくれた。
それに、ゆっくりと頷いたのは、朧げに記憶している。
わぁぁ!
ひと際明るい歓声が上がり、人々は皆同じ方向へ視線を向けた。
この国の国王陛下であるアデリート国王が王妃と共に、会場へお出ましになられたからだ。
それに対し、ヴァレンティーノ王太子と共に最前列で出迎え、対応されているのが、第1側妃カサンドラ様の次男で第4王子のエミリオ殿下だ。
元々剣術が優れていた第4王子は、政治の舞台よりも国防の方面に関心を寄せられ、国軍へ入隊された。
そして、軍の上級士官としてこの国の為に尽くされている。
日々お忙しく、王宮でも拝見できる機会は少なかったが、本日は軍の栄えある式典の為、最上級の軍服に身を包まれ、その軍の上位幹部のお一人として、国王陛下に拝謁を賜る栄誉を受けられていた。
そんな堅物で普段はあまり姿を見せない第4王子の、美しく着飾った晴れ姿を目の当たりにして、式典に参加をされた兄弟の王女殿下方は、上品に微笑まれながらも高揚しておられたのが、少し離れた席に居た僕達にも分かった。
国王陛下は大事な国防を担う軍の者達、そして、この王都ヴェネトリアを守護する者達への労いと更なる忠誠を期待する旨を述べられ、式典は恙なく進行していった。
そして、国王陛下の退席後、そのまま陛下の後に続く様に軍楽隊によるパレードが列を連ね、市井の人々は周囲を警備する騎士達に、通路の前に出ず後ろへ下がる様に注意を受けながら、皆目を輝かせてパレードを見送って行った。
楽し気に笑う人々の声が遠ざかり、ようやく静けさを取り戻した会場は、無事に式典を終え、散会となった。
「ヴァレン兄上、エミリオ兄上、お疲れ様。」
会場を退席して舞台裏から帰城前に談笑していた兄君に、ロレンツォ殿下は声を掛けたら。
「あぁ、ロレン!お疲れ。」
「未だにお前に兄と呼ばれるのは違和感しかないが。」
声を掛けられて、ニカッと笑う王太子と異なり、隣の第4王子は淡々とした口調で言い返される。
「まーた言ってる。同い年だろうが、生まれ月はそっちの方が早いんだから、兄貴は兄貴だろ。」
「お前も軍に入れば良かったのに。そしたら俺がしごいてやったものを。」
「だぁー!尚更嫌だー。エミ兄、ぜってー容赦してくんねーもん。」
「ふ。当たり前だ。馬鹿弟。」
「馬鹿は余計だよ!馬鹿はっ!」
兄弟3人で男同士、肩を叩いて笑い合っておられる。
真面目な軍人然とした第4王子は、フラフラと自由気ままに行動する同じ歳の弟の事を、手放しには賛同出来ないでいる様だが。
父王に若干の反発心は見せながらも、長兄には二心なく補佐に全力で勤め、また先日には自身の同母の兄で第2王子を気に掛け、度々顔を見せてはあの不憫な境遇の兄の事を喜ばせてくれている様だから。
「困った奴め。」
そう口にしながらも、ロレンツォ殿下の肩を少し乱暴に叩いて、笑んでおられた。
その様子を少し離れた所でぼんやりと見守りながら、片や、王女達の方へ目を向けると。
国王陛下と共に退席された王妃様はともかく、第1王女アザレア殿下と第2王女エレオノーラ殿下はエミリオ殿下達に軽く労いの言葉を掛けられてから、城へと戻る馬車の方へ向かわれ、そのまま真っ直ぐお帰りになる様だ。
ロレンツォ殿下達はまだしばらく立ち話をしておられる。
それぞれ単なる雑談やら、情勢の事等、話は多岐に渡る様だ。
サフィルの後ろでその姿をぼんやりと眺めていたら、後ろから声を掛けられた。
「シリル様。」
「………ソフィア様。」
「殿下達、まだお話長引きそうですね。」
「えぇ、そうみたいです。」
振り返ると、お付きの専属侍女と一緒にいらっしゃったのはソフィア様だった。
彼女は僕の方へ寄って来られ、耳打ちする様な小声で軽く囁かれた。
「王女様方のお誘いで、ちょっと寄り道して帰ろうって事になって。良かったら、シリル様もご一緒にどうかしら?気分転換になると思いますし。」
「……。」
優しい笑みを向けて下さり、下がり気味だった視線を上げた僕に、彼女は改めて笑って下さる。
「ソフィア。王女様のお供だなんて。厳戒態勢とはいえ、最近は治安もあまり良くない。上の王女様方の様に、真っ直ぐ帰った方が良い。」
ちょっとした楽しみを兄の立場から窘めるサフィルに、今度はそちらに対してソフィア様は囁いた。
「でも、カルラ様もヴィオラ様も行く気満々よ?これを楽しみに参加されてらっしゃったんだから。数少ない外出のチャンスを止めてしまったら、抜け出してでも強行されるおつもりよ。お二人は。だったら、まだ街に慣れている私もご一緒した方が良いと思うわ。」
「なら、殿下にも……」
「止した方がいいわ。ロレン様は最近、お茶会に誘い過ぎだって、シリル様を連れ回される事に対してお二人に苦情を言われたら、倍になって返されて、軽く口喧嘩なされていたから。………それに、シリル様の事、お兄様も心配でしょう?私の方からもそれとなく聞いてみるから。もしかしたら、お兄様に直接言いづらい事で悩んでおられるのかもしれないもの。」
だから、ね?
と、宥める様に諭されて、サフィルはうっ。と言葉を詰まらせていた。
急に元気を失くした僕に対して、サフィルも皆も、酷く心配してくれたが、誰が尋ねても口を噤むしかしない様子に、皆薄々感じておられた様だった。
最愛のサフィルにまでも、言えない何かがあるのだと。
それを察したソフィア様は、渋る兄を説き伏せ、王女様方のお供に誘って下さったのだった。
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