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続編2 手放してしまった公爵令息はもう一度恋をする
16話 貴方には敵わない ※
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「ふふ。今日は僕がご奉仕するからね。サフィルはそのまま身を委ねて。」
「シリル……」
「シたいのは僕だって同じなんだ。だから、遠慮しないで僕にさせて。」
緩く火が付き始めた己の身を動かして、彼の首筋から胸、腹を、愛でる様に唇でなぞっていく。
そして、更に下へと下がっていき、頬に触れた剛直は、もうしっかりと反り返っている。
その反応が嬉しくて、つい軽く手を添えて緩く頬擦りしてしまうと。
ふと視線を感じて、目を向けると軽く呻いたサフィルの、さっきとは違う……余裕のない焦燥感を滲ませた顔に変わっていて。
きっと、今まで見知ったどの者より拙い手管しか持ち合わせていないこの僕などに、これほどまでに胸を高鳴らせ、反応を示してもらえるのは、恋人冥利に尽きるもの。
嬉しい。
ねぇ、この悦びを……貴方は感じてくれている?
僕のこの身の全ては貴方のもので。
貴方のこの身の全ては僕のもので。
熱に浮かされたまま、更なる熱を求めて、熱く滾ったその逞しい剛直に、先ずは触れるだけのキスを落とす。
そして、裏筋を舐め、震えるその怒張した陰茎を啄む様にキスをして。
「…はっ…シリル…っ」
「んむっ……んぐっ…ずちゅっ」
遂には己の口内へ招き入れ、含んでいく。
硬いその剛直は、ドクドクと熱を孕み、喉の奥へ奥へと貫いてゆく。
苦い。苦しい。
得も言われぬ独特の青臭さと苦みが口内を埋め尽くして蹂躙して来る。
熱くて硬い剛直に喉奥を犯されて、息もまともに出来ない。
苦しくて、涙で視界が滲むのに。
それ以上に……どうしようもなく興奮する。
「あっ……やっぱり…凄いっ!こんな、美しくて…可愛いシリルなのに……こんなにも艶めかしくて、もうっ」
「ん“ん”っ……!!」
今度こそ。
絶対、離さないから。
僕の狭い喉奥で、彼の大きくて逞しい剛直は、さらに大きく硬さを増して。
腰を引きかけた彼を追いかけて、少し口を離して全体を舐め上げた後、再度奥へと招き入れる。
「はっ…あぁっ!それ、ダメッ」
怯む彼に容赦する処か、更に責め立てる。
顎を上下に動かして、喉奥にその陰茎をゴリゴリと擦り付けて、追い詰めていく。
これでいい?
気持ち良くなってくれてる?
焦る彼の表情をチラッと目で確認しながら、苦しくて涙目になってもじゅぽじゅぽと下品な音を立てて、剛直を責めていくと。
「も、イッ」
「!」
喉奥でひと際ドクンと反応を示した陰茎から、大量の濃い白濁が溢れ出て、口内を犯される。
「ん“っんぐっ…がっ!げほっげほっ!……はー、はは。はぁ……出来た…」
ムセて一部口の端から溢してしまったが、それでも、今度は飲み干してみせた。
ただ、呼吸がままならなくて息が出来なかったのと、どうしようもない強い興奮状態にくらくらして、一瞬眩暈がしてベッドに頭を埋めさせたが。
それでも、望んでいた欲を手に入れられて。
苦しさ以上に嬉しさと興奮で、どうにかなってしまいそう。
昂った体は小刻みに震えていた。
「んあ…っ」
「本当に飲むなんて。すぐそうやって無理するんですから。」
まだ少し熱を帯びたままの瞳で見つめられて、僕は息も絶え絶えになりながら、それでも笑って見せる。
「前に寸止め喰らったから、今度は完遂してみたかったんだぁ。」
「貴方は何処までも私を悦ばせる事ばかり言ってくれますよね。……私のを咥えて、貴方も興奮したんですか?」
最初はただ嬉し気に。
しかし、僕の敏感に震える体を目にして、彼は意地悪く笑って触れて来た。
「…あ!んぅ…あっ」
「あんな喉の奥まで締め付けて、苦しかった筈なのに、ココは違うみたい。見て?」
首筋からするすると触れる手が、下に下にと下りていき。
はだけたローブの間から飛び出た僕の陰茎に触れ、溢れた先走りをねっとりと全体にまぶされた後、その鈴口からゆっくりと人差し指を離される。
透明の液体が、トロリとその指を伝い、零れていく。
「ん。ふぁ…っ!も、意地悪ぅ……でも好きぃ…」
「ふふ。あんな苦しそうでもこんなに善がるなんて、シリルは苦しいのが好きなの?」
「貴方だから気持ちイイの!……好きにしてくれていいから。貴方の好きな様にして。」
「~~~~あぁもう。たまにはちょっと趣向を変えて、意地悪く責めてみようかと思ったけど……。貴方の方が上手なんですから、敵いませんね。」
意地悪の仮面を脱ぎ捨て、観念した様に笑うサフィルに、僕はガバッと抱き付いた。
「そんな僕こそ、貴方には敵わないよ。……ねぇサフィル、好き。大好き。どうしたら、僕のこの気持ちの全て、貴方に伝えきれるかなぁ?」
「私の方こそ、貴方が好きで、とても愛していて……。いつだって溢れて来るんです。」
「だったら全て受け取りたい。ねぇ、来てよ……サフィル。」
欲しくて欲しくて堪らない。
強く求めて眼差しを向けると、ニッと笑みを向ける彼を目にして。
あぁ、やっぱりその顔が好き。
腹の底からゾクリと身が粟立ち、今度は僕が彼にこの身を委ねた。
「シリル……」
「シたいのは僕だって同じなんだ。だから、遠慮しないで僕にさせて。」
緩く火が付き始めた己の身を動かして、彼の首筋から胸、腹を、愛でる様に唇でなぞっていく。
そして、更に下へと下がっていき、頬に触れた剛直は、もうしっかりと反り返っている。
その反応が嬉しくて、つい軽く手を添えて緩く頬擦りしてしまうと。
ふと視線を感じて、目を向けると軽く呻いたサフィルの、さっきとは違う……余裕のない焦燥感を滲ませた顔に変わっていて。
きっと、今まで見知ったどの者より拙い手管しか持ち合わせていないこの僕などに、これほどまでに胸を高鳴らせ、反応を示してもらえるのは、恋人冥利に尽きるもの。
嬉しい。
ねぇ、この悦びを……貴方は感じてくれている?
僕のこの身の全ては貴方のもので。
貴方のこの身の全ては僕のもので。
熱に浮かされたまま、更なる熱を求めて、熱く滾ったその逞しい剛直に、先ずは触れるだけのキスを落とす。
そして、裏筋を舐め、震えるその怒張した陰茎を啄む様にキスをして。
「…はっ…シリル…っ」
「んむっ……んぐっ…ずちゅっ」
遂には己の口内へ招き入れ、含んでいく。
硬いその剛直は、ドクドクと熱を孕み、喉の奥へ奥へと貫いてゆく。
苦い。苦しい。
得も言われぬ独特の青臭さと苦みが口内を埋め尽くして蹂躙して来る。
熱くて硬い剛直に喉奥を犯されて、息もまともに出来ない。
苦しくて、涙で視界が滲むのに。
それ以上に……どうしようもなく興奮する。
「あっ……やっぱり…凄いっ!こんな、美しくて…可愛いシリルなのに……こんなにも艶めかしくて、もうっ」
「ん“ん”っ……!!」
今度こそ。
絶対、離さないから。
僕の狭い喉奥で、彼の大きくて逞しい剛直は、さらに大きく硬さを増して。
腰を引きかけた彼を追いかけて、少し口を離して全体を舐め上げた後、再度奥へと招き入れる。
「はっ…あぁっ!それ、ダメッ」
怯む彼に容赦する処か、更に責め立てる。
顎を上下に動かして、喉奥にその陰茎をゴリゴリと擦り付けて、追い詰めていく。
これでいい?
気持ち良くなってくれてる?
焦る彼の表情をチラッと目で確認しながら、苦しくて涙目になってもじゅぽじゅぽと下品な音を立てて、剛直を責めていくと。
「も、イッ」
「!」
喉奥でひと際ドクンと反応を示した陰茎から、大量の濃い白濁が溢れ出て、口内を犯される。
「ん“っんぐっ…がっ!げほっげほっ!……はー、はは。はぁ……出来た…」
ムセて一部口の端から溢してしまったが、それでも、今度は飲み干してみせた。
ただ、呼吸がままならなくて息が出来なかったのと、どうしようもない強い興奮状態にくらくらして、一瞬眩暈がしてベッドに頭を埋めさせたが。
それでも、望んでいた欲を手に入れられて。
苦しさ以上に嬉しさと興奮で、どうにかなってしまいそう。
昂った体は小刻みに震えていた。
「んあ…っ」
「本当に飲むなんて。すぐそうやって無理するんですから。」
まだ少し熱を帯びたままの瞳で見つめられて、僕は息も絶え絶えになりながら、それでも笑って見せる。
「前に寸止め喰らったから、今度は完遂してみたかったんだぁ。」
「貴方は何処までも私を悦ばせる事ばかり言ってくれますよね。……私のを咥えて、貴方も興奮したんですか?」
最初はただ嬉し気に。
しかし、僕の敏感に震える体を目にして、彼は意地悪く笑って触れて来た。
「…あ!んぅ…あっ」
「あんな喉の奥まで締め付けて、苦しかった筈なのに、ココは違うみたい。見て?」
首筋からするすると触れる手が、下に下にと下りていき。
はだけたローブの間から飛び出た僕の陰茎に触れ、溢れた先走りをねっとりと全体にまぶされた後、その鈴口からゆっくりと人差し指を離される。
透明の液体が、トロリとその指を伝い、零れていく。
「ん。ふぁ…っ!も、意地悪ぅ……でも好きぃ…」
「ふふ。あんな苦しそうでもこんなに善がるなんて、シリルは苦しいのが好きなの?」
「貴方だから気持ちイイの!……好きにしてくれていいから。貴方の好きな様にして。」
「~~~~あぁもう。たまにはちょっと趣向を変えて、意地悪く責めてみようかと思ったけど……。貴方の方が上手なんですから、敵いませんね。」
意地悪の仮面を脱ぎ捨て、観念した様に笑うサフィルに、僕はガバッと抱き付いた。
「そんな僕こそ、貴方には敵わないよ。……ねぇサフィル、好き。大好き。どうしたら、僕のこの気持ちの全て、貴方に伝えきれるかなぁ?」
「私の方こそ、貴方が好きで、とても愛していて……。いつだって溢れて来るんです。」
「だったら全て受け取りたい。ねぇ、来てよ……サフィル。」
欲しくて欲しくて堪らない。
強く求めて眼差しを向けると、ニッと笑みを向ける彼を目にして。
あぁ、やっぱりその顔が好き。
腹の底からゾクリと身が粟立ち、今度は僕が彼にこの身を委ねた。
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