全てを諦めた公爵令息の開き直り

続編 開き直った公爵令息のやらかし

４７話 無我夢中※

それからはもう、無我夢中だった。

ぐったりと横たえているシリルを仰向けにして、その両膝を抱え、彼の後孔に己の怒張するソレを、もう馬鹿みたいに必死になって打ち付ける。

「あ“っ……あ”っ…あ“…っ」
「ぅっ———シリル、シリルッ！も、無理…っ善過ぎてっ」
「い“っ？！お、奥…っ深ぁ…！……ぁ”っ？そ、それぇ！や“ぁっ！」

蕩けた顔をして、短い喘ぎ声だけを上げていたシリルだったが、私が最奥を突き、責め立てると。
目を大きく見開いて、ガクガクと体を震わせる。
咥え込んでいる陰茎に絡みつく襞が痙攣して、根元から先端まで余すことなく吸い付いて来る。
訳が分からないくらい気持ち良い。
ただただ夢中で穿って貫いて。

「はっ……く、イくっ！」
「～～～～っ！！」

限界まで怒張した陰茎をひと際強く打ち付けたら、最奥で弾けた。
顎を仰け反らせて快感に打ちひしがれる彼は、声にならない嬌声を上げて、ビクビクと体を痙攣させながら、私の放った精を受け止めている。
己は精を果てる事無く。

「あっ…あっ……？」

焦点の定まらない目で宙を仰ぎ見て、体を震わせて。

「はひ…？イッた…のに、出ない…」

確かに強い絶頂を感じている様だったのに、快感が最高潮の筈なのに、精を放っていない……コレは。

「……もしかして、ドライでイッた？」
「…へ？どらいぃ？————ひゃあっ！」
「あぁもう、シリル！可愛すぎるっ！！」
「あぅっ」

どうしよう！
可愛い！可愛すぎる！！
善過ぎてドライでイくなんて！
彼が可愛くて仕方が無い。
嬉しくて力いっぱい抱きしめたら。
肌が触れたその刺激だけでも、シリルはビクッと体を震わせた。

「ひゃ？！さひぅ、今イッたばっかいらのにっ？！～～～んぁあっ！！」

達した筈の己のソコは、彼の可愛くも淫らな反応に、愚かにももう芯を取り戻し始めている。
開放する事なんて到底出来ずに、また体位を変えて。
うつ伏せにさせたシリルの体を、今度は背後からギュッと抱きしめた。

そして、またその後孔を激しく突き始めると。
イッた直後で敏感になっている状態なのにも関わらず、無遠慮に、馬鹿みたいに腰を振って。
その結合部からは、さっき放ったままの白濁がごぷごぷと音を立てて、突き上げる度に溢れ出て来るのがよく見えた。

どちゅん、どちゅん！と好き勝手に打ち付けられて、シリルは呂律も回らないまま、ずっと背をしならせている。

「はぁっ……すっごい音。貴方のココを突く度にしてる、やらしい音…分かる？」
「あ“～～～っ！らめっ……んあ、ひぃっ！ちくびも？！らめらってぇ…っ！」

恥ずかしがって少し俯くシリルのうなじに、ちゅうちゅうと吸い付くキスをして。
後ろから回した両手で、胸の突起もくりくりと捏ねてあげると。
ベッドに埋めた顔を上げ、後ろから覆い被さる私の胸に背をピッタリと付け、堪らず悲鳴を上げて啼いている。
それがまた可愛い。

容赦なく責め立てられて、また彼はガクガクと震え出した。

「あっ……あぁっ……クるっ……なんか、キちゃうぅっ！ぁ“っ～～～～！」
「あっ…出っ！」

一段と甲高い声を上げて、私の肩口に己の頭を預けたシリルは。
強く強く仰け反って。
ブシャッと先端の鈴口から弾け飛んで来たのは、白濁ではなくて……透明な愛液だった。

そして、その強過ぎる快感に、ギュッと搾り取られる様にて締め付けられたから。
私も中にまた吐精してしまった。

お互いぐったりし過ぎて、少しの間放心状態になっていたが。
やがてのろのろと動き出した私は、彼の体を抱き寄せる。
朦朧としてベッドに沈み込むシリルの顎をそっと掴み、やや強引に後ろを向かせ、キスをして。

「………今、潮吹いた？」
「……は、あひっ……あ、んむ…っ」

尋ねられたところで訳が分からないシリルは、目を白黒させながらも、喰らい付かれた唇が気持ちイイのか、目を閉じて応じてくれた。
目が虚ろになってきていたが、それでも精を吐き出しきれずに疼くのか、彼はビクビクと身を震わせて体を寄せて来る。
意識的にか無意識か、苦しそうに身悶えて、自身の勃ち上がったままの陰茎を私の太腿へ摺り寄せて来られるから。
そっと触れて軽く扱いて差し上げたら。

「…んっ……ふっ…」

ふるっと軽く震えて、溜まっていた精をようやく放てたが。
もはや勢いは無く、とろとろと溢れ出て来るだけだった。

猛烈に襲って来た疲れと眠気には勝てないのか、瞼が重い。
そんなぐったりとしているシリルすら愛おしくて仕方なくて。
またキスをして、口内を優しく舐る。

互いに何もかもが混じり合ってドロドロのまま、夢中で貪り合っていたのだった……。