262 / 336
続編 開き直った公爵令息のやらかし
39話 叶わない贖罪
しおりを挟む
「シルヴィア…?」
「……ヒブリスの事は、取り敢えず…まぁいいわ。私が単にムカついてるだけだし。でもお兄様!アイツは駄目!あのクソ王子は駄目だからね。それなのに……お兄様ったらよりにもよって、アイツの部下になるなんて!なんでカレンもカイトも止めてくれなかったの?!」
ずっと不満に思ってたのよ!と、ここぞとばかりにシルヴィアは吠えだした。
「……うぅぅ。本当にごめんってば、シルヴィアァ……。ユリウスとも結構相談したんだけど、これ以外、上手く収まる方法が思いつかなくてぇ……。シリルがちょっとでも嫌がったら、やっぱ考え直そうとしたんだけどさぁ…」
怒りの矛先を向けられたカイトは、ビクビクしながら項垂れる。
どうしようかと視線を泳がせていたら、カレンがそっと僕に教えてくれた。
「シリル、昨日サフィルと先にお城に帰っちゃったでしょ?あの後大変だったのよ……。シルヴィアが殿下にキレ散らかしてたから……」
「え“……。シルヴィア、そうなの?」
「えぇそうよ。言いたい事全部言ってやったわ!」
ふんす!と鼻息荒く頷くシルヴィアに、僕は頭がクラクラする思いだったが。
しかし、聞いてしまったからには確かめるしかない。
「……教えて。一体何がどうしてそうなったの…?」
恐る恐る尋ねると。
腕を組んでシルヴィアはそっぽを向くし。
僕がこのアデリートに来る事に主導して加担したカイトは、気まずそうに項垂れたままだ。
結局、溜息をついたカレンが、昨日の事の顛末を教えてくれた————…。
昨夜、サフィルが僕を抱えて先にこの店を出て帰ってしまった後。
「……あとは皆様どうぞごゆっくり~。」
と、店内を見て来る、というもっともらしい言い訳をして、モニカさんと共にリアーヌさんは、面倒事から逃げる様にそそくさとその場から立ち去って行った。
その場に取り残された者は皆、一様にポカンとしてしばらく動けないでいたが。
やがて、その空気を深い溜息と共に解いたのは、ロレンツォ殿下だった。
「……引き篭もりが急に外へ出る様な事したら、これだから…」
はぁ…。と心底疲れを滲ませた声で呟いたが。
その言葉に強く反応したのがシルヴィアだったそうだ。
真ん中のテーブルをバン!と強く叩いて立ち上がって。
「そうよ!だからこの世界へ戻って来たの!!お兄様をあんなに苦しめてしまったのは、私の所為だから!けど、アンタだってしたでしょう?!あんな酷い事っ!!何なら何度殺してやっても足りないくらいなのにっ!!」
急にそう叫んだシルヴィアは、令嬢らしい淑やかさや恥じらいなどまるで捨て去り、叩いた真ん中のテーブルを大股で跨いでは、向かいに座していた殿下へと飛び掛かり、また彼の胸倉を乱暴に掴んでソファーへと押し倒した。
もちろん、直ぐにジーノが割って入ろうとしたが、シルヴィアがその右手を振るっただけで、ジーノは軽々と後方へ吹っ飛ばされてしまった。
「ぅぐっ」
彼女にまだ触れてもいないのに、一体何が起こったのか訳が分からず、ジーノは愕然とした様だが。
すぐさま殿下の元へ戻ろうとして、彼に目線で止める様に制されて。
「シルヴィアッ!」
「ダメだよ!シルヴィアッ」
更に与えられた魔術をぶつけようとし兼ねないシルヴィアに、巫子達二人は悲鳴の様な声音で止めようとしたが、彼女の怒りは収まらない。
「シリル兄様はね、自分の代わりに私を生かそうと、命に代えてまで救おうとしてくれたのっ!それでも、この世界での命は尽きてしまっていた私は、カレン達の世界に転生する前に…この世界での思い出をくれたわ。辛い事もあったけど、楽しい事だってたくさんあったの!!だから、離れがたくて……忘れて欲しくなくて、私の生きた記憶をお兄様に受け取ってもらった!でも……それが、上手く全てが伝わらなくて…その所為でお兄様を苦しめてしまった。それだけでも、辛かった筈なのに……それなのに、アンタらはっ!!」
殿下の胸倉を掴む彼女の手は、震えていて。
そして、気付けば殿下のその頬に……シルヴィアの涙がポタリと落ちてゆく。
「何であんなに優しいお兄様を、あんなに追い詰めたの!?穢す様な真似が出来たの!それも、それも…っよりにもよってお兄様の事を好いていた、サフィルにさせるなんて!!彼は、私が夢で生きた前世でだって、落ち込んで泣いていた私にすら…そっと励ましてくれたくらい、優しい人だったのにっ!!」
遂には激情を堪え切れず。
うわぁぁと彼女は泣きじゃくる。
たとえ今が良くたって、この殿下が知り得ない事だとしても。
自分のたった一人の兄が、自身を顧みず己を救おうとさえしてくれた兄が……。
酷く傷付けられた事に、変わりはない。
……本当は、自分こそ大切な兄の為に、彼の望む幸せの為に、一番に協力したかったのに。
それさえも叶わなかった。
こんなのは、半分八つ当たりだって分かっていても。
シルヴィアはどうしても言わずにはいられなかった。
「……シルヴィア嬢、すまない。」
「何よ。気休め言ってんじゃないわよ!」
「それでも、すまない。俺は君達の様に記憶を引き継げなかった……。前の世で何を仕出かしたか、いくらサフィルから話を聞く事は出来ても……それは俺自身の記憶じゃないから、本当の意味で自分の罪だと認識出来ない。だから、贖罪する事すら、叶わないんだ。」
先月、サフィルに教えられて……愕然とした。
以前、まだエウリルスに留学中の冬の寒い日に、シリルが攫われた……あの時。
サフィルは急に前世を思い出したと口にし、シリルを想いながらも酷く絶望するその反応を見て、何となくは察したつもりだった。
サフィルはシリルに一目惚れしてから、ずっと好きでいたのはこれでもかという程に知っていたから、以前の俺はきっとそれを利用したんだろうなとは……直ぐに察しがついたんだ。
けれど、想像以上に酷いその内容に吐き気がした。
しかし……サフィルの話に素直に納得出来てしまったのも、また事実だ。
今世の俺だって、アイツの言う前世と同じ状況に追い込まれていたら、きっと同じ過ちを犯しただろう……とも。
それで母上を助ける事が出来るなら、自分の命すら惜しいとは思えない。
何故なら母には何もない。
父からはただ利用されるだけされて疎まれて、そんな父に、母は親をも奪われた。
自分には母しか居ない。
母には自分しか居ない様に。
ソフィアがこんな自分を包み込む様な優しさで、愛情を示してくれているというのに。
きっとその時にはそれすらも見失って、ただ母を救う事しか考えられなかったのだろう。
その気持ちが、よく分かる。
なぜなら今世だって、巫子達が母を救済してくれるまで、自分は同じ様な気持ちで追い詰められていたから。
救ってくれたのは巫子達だけど、その救いの手を伸ばしてくれたのは……他ならぬシリルだ。
————いけ好かない奴だと思っていた。
自分は、王子なのにも関わらず、母の身分が低いからって、父の手前勝手な都合で妃にした癖に、何の助けもないまま母共々虐げられて。
誰にも自身の存在を祝福されなかった。
母だけだったんだ、自分には。
その母も、力なくただ日々を耐えるしかなくて。
逆風の中を必死に生き抜いて来た自分と違って。
自分が必死の思いで手に入れた側近が心を奪われたのは、何の苦労も知らない、温かな家族に守られながら、ぬくぬくと育ったお坊ちゃんで。
その癖、なんの努力もせずに、自分の殻に篭って、その中で甘んじて過ごしている奴で。
自分とは正反対ともいえるソイツを目にすると、心底嫌気がさした。
そんな奴を慕う馬鹿な側近にも。
だから知らなかった。
彼の境遇も、きっとしたくても出来なかった事の数々も。
知らないから、上辺だけを見て、ただ嫌って軽蔑していた。
そんな彼に、手を差し伸べられるまで、自分は本当に何も知らなかったんだ。
「謝りたくても、謝れない。話を聞く事は出来ても、それは自分自身の記憶じゃない。それをシリルも分かっているから、俺に謝罪を求める事はしないんだ。……だから、謝罪すら出来ないのなら、感謝で返すしか、俺には出来ないんだよ。」
「……っ」
「俺は俺の出来る事で、彼に返していくしかない。」
一生かかったとしても、それしか自分に取れる方法はないんだ。
「だから、君には……すまないとしか言えない。」
ポツリと言葉を零す殿下からは、いつもの自信満々な気配は微塵も無く、心許なく揺らぐ瞳が。
涙する彼女を映している。
ぐっと唇を噛んだシルヴィアは、これ以上言える言葉が見つからなくて、力なく彼の胸倉から手を離した。
「………アンタの事、一生許さない。許さないから、お兄様を大切にしなさいよ。私はもう、お兄様の幸せを願う事しか出来ないんだから。」
一生許さないから、一生を賭けて幸せにしてみなさいよ。
最後に彼女はそう言うと、とぼとぼと元居た自分の席に戻って、膝を折って泣き出した。
巫子達二人は、その両側から頭と背を撫でて、ただただ慰める事しか出来ないのだった……。
「……ヒブリスの事は、取り敢えず…まぁいいわ。私が単にムカついてるだけだし。でもお兄様!アイツは駄目!あのクソ王子は駄目だからね。それなのに……お兄様ったらよりにもよって、アイツの部下になるなんて!なんでカレンもカイトも止めてくれなかったの?!」
ずっと不満に思ってたのよ!と、ここぞとばかりにシルヴィアは吠えだした。
「……うぅぅ。本当にごめんってば、シルヴィアァ……。ユリウスとも結構相談したんだけど、これ以外、上手く収まる方法が思いつかなくてぇ……。シリルがちょっとでも嫌がったら、やっぱ考え直そうとしたんだけどさぁ…」
怒りの矛先を向けられたカイトは、ビクビクしながら項垂れる。
どうしようかと視線を泳がせていたら、カレンがそっと僕に教えてくれた。
「シリル、昨日サフィルと先にお城に帰っちゃったでしょ?あの後大変だったのよ……。シルヴィアが殿下にキレ散らかしてたから……」
「え“……。シルヴィア、そうなの?」
「えぇそうよ。言いたい事全部言ってやったわ!」
ふんす!と鼻息荒く頷くシルヴィアに、僕は頭がクラクラする思いだったが。
しかし、聞いてしまったからには確かめるしかない。
「……教えて。一体何がどうしてそうなったの…?」
恐る恐る尋ねると。
腕を組んでシルヴィアはそっぽを向くし。
僕がこのアデリートに来る事に主導して加担したカイトは、気まずそうに項垂れたままだ。
結局、溜息をついたカレンが、昨日の事の顛末を教えてくれた————…。
昨夜、サフィルが僕を抱えて先にこの店を出て帰ってしまった後。
「……あとは皆様どうぞごゆっくり~。」
と、店内を見て来る、というもっともらしい言い訳をして、モニカさんと共にリアーヌさんは、面倒事から逃げる様にそそくさとその場から立ち去って行った。
その場に取り残された者は皆、一様にポカンとしてしばらく動けないでいたが。
やがて、その空気を深い溜息と共に解いたのは、ロレンツォ殿下だった。
「……引き篭もりが急に外へ出る様な事したら、これだから…」
はぁ…。と心底疲れを滲ませた声で呟いたが。
その言葉に強く反応したのがシルヴィアだったそうだ。
真ん中のテーブルをバン!と強く叩いて立ち上がって。
「そうよ!だからこの世界へ戻って来たの!!お兄様をあんなに苦しめてしまったのは、私の所為だから!けど、アンタだってしたでしょう?!あんな酷い事っ!!何なら何度殺してやっても足りないくらいなのにっ!!」
急にそう叫んだシルヴィアは、令嬢らしい淑やかさや恥じらいなどまるで捨て去り、叩いた真ん中のテーブルを大股で跨いでは、向かいに座していた殿下へと飛び掛かり、また彼の胸倉を乱暴に掴んでソファーへと押し倒した。
もちろん、直ぐにジーノが割って入ろうとしたが、シルヴィアがその右手を振るっただけで、ジーノは軽々と後方へ吹っ飛ばされてしまった。
「ぅぐっ」
彼女にまだ触れてもいないのに、一体何が起こったのか訳が分からず、ジーノは愕然とした様だが。
すぐさま殿下の元へ戻ろうとして、彼に目線で止める様に制されて。
「シルヴィアッ!」
「ダメだよ!シルヴィアッ」
更に与えられた魔術をぶつけようとし兼ねないシルヴィアに、巫子達二人は悲鳴の様な声音で止めようとしたが、彼女の怒りは収まらない。
「シリル兄様はね、自分の代わりに私を生かそうと、命に代えてまで救おうとしてくれたのっ!それでも、この世界での命は尽きてしまっていた私は、カレン達の世界に転生する前に…この世界での思い出をくれたわ。辛い事もあったけど、楽しい事だってたくさんあったの!!だから、離れがたくて……忘れて欲しくなくて、私の生きた記憶をお兄様に受け取ってもらった!でも……それが、上手く全てが伝わらなくて…その所為でお兄様を苦しめてしまった。それだけでも、辛かった筈なのに……それなのに、アンタらはっ!!」
殿下の胸倉を掴む彼女の手は、震えていて。
そして、気付けば殿下のその頬に……シルヴィアの涙がポタリと落ちてゆく。
「何であんなに優しいお兄様を、あんなに追い詰めたの!?穢す様な真似が出来たの!それも、それも…っよりにもよってお兄様の事を好いていた、サフィルにさせるなんて!!彼は、私が夢で生きた前世でだって、落ち込んで泣いていた私にすら…そっと励ましてくれたくらい、優しい人だったのにっ!!」
遂には激情を堪え切れず。
うわぁぁと彼女は泣きじゃくる。
たとえ今が良くたって、この殿下が知り得ない事だとしても。
自分のたった一人の兄が、自身を顧みず己を救おうとさえしてくれた兄が……。
酷く傷付けられた事に、変わりはない。
……本当は、自分こそ大切な兄の為に、彼の望む幸せの為に、一番に協力したかったのに。
それさえも叶わなかった。
こんなのは、半分八つ当たりだって分かっていても。
シルヴィアはどうしても言わずにはいられなかった。
「……シルヴィア嬢、すまない。」
「何よ。気休め言ってんじゃないわよ!」
「それでも、すまない。俺は君達の様に記憶を引き継げなかった……。前の世で何を仕出かしたか、いくらサフィルから話を聞く事は出来ても……それは俺自身の記憶じゃないから、本当の意味で自分の罪だと認識出来ない。だから、贖罪する事すら、叶わないんだ。」
先月、サフィルに教えられて……愕然とした。
以前、まだエウリルスに留学中の冬の寒い日に、シリルが攫われた……あの時。
サフィルは急に前世を思い出したと口にし、シリルを想いながらも酷く絶望するその反応を見て、何となくは察したつもりだった。
サフィルはシリルに一目惚れしてから、ずっと好きでいたのはこれでもかという程に知っていたから、以前の俺はきっとそれを利用したんだろうなとは……直ぐに察しがついたんだ。
けれど、想像以上に酷いその内容に吐き気がした。
しかし……サフィルの話に素直に納得出来てしまったのも、また事実だ。
今世の俺だって、アイツの言う前世と同じ状況に追い込まれていたら、きっと同じ過ちを犯しただろう……とも。
それで母上を助ける事が出来るなら、自分の命すら惜しいとは思えない。
何故なら母には何もない。
父からはただ利用されるだけされて疎まれて、そんな父に、母は親をも奪われた。
自分には母しか居ない。
母には自分しか居ない様に。
ソフィアがこんな自分を包み込む様な優しさで、愛情を示してくれているというのに。
きっとその時にはそれすらも見失って、ただ母を救う事しか考えられなかったのだろう。
その気持ちが、よく分かる。
なぜなら今世だって、巫子達が母を救済してくれるまで、自分は同じ様な気持ちで追い詰められていたから。
救ってくれたのは巫子達だけど、その救いの手を伸ばしてくれたのは……他ならぬシリルだ。
————いけ好かない奴だと思っていた。
自分は、王子なのにも関わらず、母の身分が低いからって、父の手前勝手な都合で妃にした癖に、何の助けもないまま母共々虐げられて。
誰にも自身の存在を祝福されなかった。
母だけだったんだ、自分には。
その母も、力なくただ日々を耐えるしかなくて。
逆風の中を必死に生き抜いて来た自分と違って。
自分が必死の思いで手に入れた側近が心を奪われたのは、何の苦労も知らない、温かな家族に守られながら、ぬくぬくと育ったお坊ちゃんで。
その癖、なんの努力もせずに、自分の殻に篭って、その中で甘んじて過ごしている奴で。
自分とは正反対ともいえるソイツを目にすると、心底嫌気がさした。
そんな奴を慕う馬鹿な側近にも。
だから知らなかった。
彼の境遇も、きっとしたくても出来なかった事の数々も。
知らないから、上辺だけを見て、ただ嫌って軽蔑していた。
そんな彼に、手を差し伸べられるまで、自分は本当に何も知らなかったんだ。
「謝りたくても、謝れない。話を聞く事は出来ても、それは自分自身の記憶じゃない。それをシリルも分かっているから、俺に謝罪を求める事はしないんだ。……だから、謝罪すら出来ないのなら、感謝で返すしか、俺には出来ないんだよ。」
「……っ」
「俺は俺の出来る事で、彼に返していくしかない。」
一生かかったとしても、それしか自分に取れる方法はないんだ。
「だから、君には……すまないとしか言えない。」
ポツリと言葉を零す殿下からは、いつもの自信満々な気配は微塵も無く、心許なく揺らぐ瞳が。
涙する彼女を映している。
ぐっと唇を噛んだシルヴィアは、これ以上言える言葉が見つからなくて、力なく彼の胸倉から手を離した。
「………アンタの事、一生許さない。許さないから、お兄様を大切にしなさいよ。私はもう、お兄様の幸せを願う事しか出来ないんだから。」
一生許さないから、一生を賭けて幸せにしてみなさいよ。
最後に彼女はそう言うと、とぼとぼと元居た自分の席に戻って、膝を折って泣き出した。
巫子達二人は、その両側から頭と背を撫でて、ただただ慰める事しか出来ないのだった……。
12
お気に入りに追加
1,598
あなたにおすすめの小説
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
僕はただの妖精だから執着しないで
ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜
役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。
お願いそっとしてて下さい。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
多分短編予定
なぜか第三王子と結婚することになりました
鳳来 悠
BL
第三王子が婚約破棄したらしい。そしておれに急に婚約話がやってきた。……そこまではいい。しかし何でその相手が王子なの!?会ったことなんて数えるほどしか───って、え、おれもよく知ってるやつ?身分偽ってたぁ!?
こうして結婚せざるを得ない状況になりました…………。
金髪碧眼王子様×黒髪無自覚美人です
ハッピーエンドにするつもり
長編とありますが、あまり長くはならないようにする予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる