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番外編その2 サフィル・アルベリーニの悔恨
22話 ※
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「……いや、それは無い。」
シリル様は、その目を伏せ俯かれながらも、はっきりとそう仰った。
それは、明確な拒絶の言葉で。
どんなに彼に乞い願っても。
その無垢な白い肌を無遠慮に貪って、脅してみせても。
どう足掻いても、その気を変えては下さらない。
もう時間も無い。
本当に、此処で私に是と言って下さらないと……貴方の命は無いんだ!
何故それを分かってくれない?!
何で、何でっ!!
殿下に投げられ蹴り倒されても、決して折れなかった御方だ。
………こんなんじゃ、生温いのだろうか。
もっと、直接痛めつけないと、伝わらないのか?
この彼を頷かせる為には。
「……っ————なら、仕方ありません。」
酷く落胆した声で、なんとか絞り出した声でそう言うと。
私はきっと今までで一番暗い色を瞳に宿し。
もう、完全に自棄になった。
「いだ…っ!!」
あんなに交わらせたかった視線も耐えられなくなって、彼の顔を乱暴に床に押し付けると。
彼の扇情的な細腰を掴んで、その双丘を突き出させる。
手に吸い付く様な滑らかさだったが、もう躊躇う事はしなかった。
拒絶された悲しみと怒りとで、頭がぐちゃくちゃになってしまって。
それをぶつける様にして、彼の双丘を掴むと。
潤滑油なんて無いから、双丘のその奥の秘部へ、己の唾液を垂れ流し。
もう無理矢理に指を押し入れて、無茶苦茶に彼の中を暴きにかかる。
「んいっ…あ“っ……あぁぁっ!!」
思い知らせる為に、わざと痛めつけているのに。
彼は苦しさに短く喘ぐも、それでも決して降参はしてくれなくて。
きっと、とても痛いだろうに。
それでもやっぱり彼は応じてくれない。
私は彼をこれでもかと追い詰めながら、己の胸がズキズキと痛むのに目を背けて。
もう、意地になっていた。
侮蔑する様な殿下の視線を感じたが、構わず己の前を寛げると。
こんな状況でも興奮して屹立してしまっている己の陰茎を、私に暴かれて哀れにも赤くなってしまっているその秘部へ、無理矢理に捩じ込んだ。
「んぎっ!」
恐らく、予想以上の痛みに耐えかねたシリル様は、とても苦し気に呻き声を上げられる。
その身も大きく跳ねられて、余程痛かったのだろう。
見ると、後孔の縁が切れてしまって、血が滲んでいる。
……ねぇ、お願い、お願いだから……もういい加減、諦めてよ。
此処までされて、何をそんなに意地を張らねばならないのですか。
私如きに此処までされて、悔しいでしょう、憎いでしょう。
それでいいですから。
いつか同じ目に……いや、それ以上に残酷にでも、何でもいいから。
そんな事を理由にしてでも構わないから。
どうか、折れてくれ。
彼の中を己の其れで、何度も何度も酷く打ち付け抉るが、彼は。
「あ“っ!あ”ぐっ!」
ただただ哀れに喘ぐだけだ。
「アッハハハッ!もっと啼けよ!あの眉目秀麗でいつも澄ましてた生意気な公爵令息とは思えないなぁ~!!ほら、その汚ねぇ面見せてみろっ」
ロレンツォ殿下はこの惨状をいたくお気に召されて、そんな言葉を吐くと。
シリル様の頭を抑えつけていた私の手を払いのけられ、彼の前髪を乱暴に掴み上げると、その顔を覗き込まれて嗤われる。
「うっは!最っ高ー!やっぱいいねぇ~、澄ました奴を堕とすのは。あー面白かったぁー!……ほら、サフィル!いつまで腰振ってんだよっ!そろそろ終われ。この駄犬がっ!」
「っ」
殿下はそう言い捨てて、私の背中を強く蹴りつけられた。
その衝撃で、一際奥に打ち付けてしまって、彼は悲鳴すら上げずに、その背を仰け反らせる。
「もうタイムオーバーだなぁ~。いい加減諦めろ~。俺達は先に行くからな。お前も汚ねぇそれ仕舞って、さっさと戻って来いよー!……んじゃぁねー、大罪人のメス豚ちゃん♡」
抑えつけてしまった為に、床に擦り付けられて汚れてしまったシリル様の額にデコピンをして、ロレンツォ殿下は心底愉快な嗤い声を上げながら、ジーノを伴って、さっさとこの地下牢を後にされた。
————もう終わりだ、何もかも。
残された私は、茫然自失となって。
しばらく動く事が出来なかった。
二人の足音が聞こえなくなって、やっと身じろぎをして。
酷く痛めつけてしまった彼の後孔から、せめてゆっくりと己の陰茎を引き抜いたら。
「んあっ」
それまでの苦し気な声と異なり、彼はまた少し甘い嬌声を上げられる。
けれど、抜き取った後、彼の後孔を見やると、無残に赤くなって、切れてしまった縁はまだ血が滲んだままだ。
犯してしまった。
その言葉の意のままに。
凌辱の跡が、己の罪の深さを雄弁に物語っていた……。
シリル様は、その目を伏せ俯かれながらも、はっきりとそう仰った。
それは、明確な拒絶の言葉で。
どんなに彼に乞い願っても。
その無垢な白い肌を無遠慮に貪って、脅してみせても。
どう足掻いても、その気を変えては下さらない。
もう時間も無い。
本当に、此処で私に是と言って下さらないと……貴方の命は無いんだ!
何故それを分かってくれない?!
何で、何でっ!!
殿下に投げられ蹴り倒されても、決して折れなかった御方だ。
………こんなんじゃ、生温いのだろうか。
もっと、直接痛めつけないと、伝わらないのか?
この彼を頷かせる為には。
「……っ————なら、仕方ありません。」
酷く落胆した声で、なんとか絞り出した声でそう言うと。
私はきっと今までで一番暗い色を瞳に宿し。
もう、完全に自棄になった。
「いだ…っ!!」
あんなに交わらせたかった視線も耐えられなくなって、彼の顔を乱暴に床に押し付けると。
彼の扇情的な細腰を掴んで、その双丘を突き出させる。
手に吸い付く様な滑らかさだったが、もう躊躇う事はしなかった。
拒絶された悲しみと怒りとで、頭がぐちゃくちゃになってしまって。
それをぶつける様にして、彼の双丘を掴むと。
潤滑油なんて無いから、双丘のその奥の秘部へ、己の唾液を垂れ流し。
もう無理矢理に指を押し入れて、無茶苦茶に彼の中を暴きにかかる。
「んいっ…あ“っ……あぁぁっ!!」
思い知らせる為に、わざと痛めつけているのに。
彼は苦しさに短く喘ぐも、それでも決して降参はしてくれなくて。
きっと、とても痛いだろうに。
それでもやっぱり彼は応じてくれない。
私は彼をこれでもかと追い詰めながら、己の胸がズキズキと痛むのに目を背けて。
もう、意地になっていた。
侮蔑する様な殿下の視線を感じたが、構わず己の前を寛げると。
こんな状況でも興奮して屹立してしまっている己の陰茎を、私に暴かれて哀れにも赤くなってしまっているその秘部へ、無理矢理に捩じ込んだ。
「んぎっ!」
恐らく、予想以上の痛みに耐えかねたシリル様は、とても苦し気に呻き声を上げられる。
その身も大きく跳ねられて、余程痛かったのだろう。
見ると、後孔の縁が切れてしまって、血が滲んでいる。
……ねぇ、お願い、お願いだから……もういい加減、諦めてよ。
此処までされて、何をそんなに意地を張らねばならないのですか。
私如きに此処までされて、悔しいでしょう、憎いでしょう。
それでいいですから。
いつか同じ目に……いや、それ以上に残酷にでも、何でもいいから。
そんな事を理由にしてでも構わないから。
どうか、折れてくれ。
彼の中を己の其れで、何度も何度も酷く打ち付け抉るが、彼は。
「あ“っ!あ”ぐっ!」
ただただ哀れに喘ぐだけだ。
「アッハハハッ!もっと啼けよ!あの眉目秀麗でいつも澄ましてた生意気な公爵令息とは思えないなぁ~!!ほら、その汚ねぇ面見せてみろっ」
ロレンツォ殿下はこの惨状をいたくお気に召されて、そんな言葉を吐くと。
シリル様の頭を抑えつけていた私の手を払いのけられ、彼の前髪を乱暴に掴み上げると、その顔を覗き込まれて嗤われる。
「うっは!最っ高ー!やっぱいいねぇ~、澄ました奴を堕とすのは。あー面白かったぁー!……ほら、サフィル!いつまで腰振ってんだよっ!そろそろ終われ。この駄犬がっ!」
「っ」
殿下はそう言い捨てて、私の背中を強く蹴りつけられた。
その衝撃で、一際奥に打ち付けてしまって、彼は悲鳴すら上げずに、その背を仰け反らせる。
「もうタイムオーバーだなぁ~。いい加減諦めろ~。俺達は先に行くからな。お前も汚ねぇそれ仕舞って、さっさと戻って来いよー!……んじゃぁねー、大罪人のメス豚ちゃん♡」
抑えつけてしまった為に、床に擦り付けられて汚れてしまったシリル様の額にデコピンをして、ロレンツォ殿下は心底愉快な嗤い声を上げながら、ジーノを伴って、さっさとこの地下牢を後にされた。
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残された私は、茫然自失となって。
しばらく動く事が出来なかった。
二人の足音が聞こえなくなって、やっと身じろぎをして。
酷く痛めつけてしまった彼の後孔から、せめてゆっくりと己の陰茎を引き抜いたら。
「んあっ」
それまでの苦し気な声と異なり、彼はまた少し甘い嬌声を上げられる。
けれど、抜き取った後、彼の後孔を見やると、無残に赤くなって、切れてしまった縁はまだ血が滲んだままだ。
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