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第5章
194話 そういえば※
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疲れてベッドにゴロリと横になって、改めて彼を見やって。
「…あ、ごめん。さっき達した時、かかっちゃったっ」
「え?」
彼の逞しい割れた腹に、僕の達した跡がべったりと付いたままで。
急いで何か綺麗な布で拭おうと、ベッドから降りようとして。
「?!」
僕は床に足を付けた途端、膝から崩れ落ちた。
足に力が入らないんだ。
へなへなと座り込む僕に、サフィルが驚いた声を上げた。
「シリルッ大丈夫ですか?!」
「う、うん。腰が抜けちゃったぁ…」
情けない声で笑う僕に、サフィルは反対側から降りると、床に蹲ったままの僕を軽々と抱き上げて、そっとベッドに戻してくれた。
「後で綺麗に致しますから、今はちょっとゆっくりしませんか。」
そう言って、僕の隣に横になったサフィルは、ニッコリと笑ってくれた。
「うん、その…ありがと。」
「私の方こそ。無理させてしまいましたね。痛くないですか。」
「痛くは無いけど…ちょっと変な感じ。なんか、まだ中にサフィルのがあるみたいな…」
心配してくれるサフィルに、僕が正直に言うと。
彼は自身の手で顔を覆った。
耳まで、真っ赤にして。
「~~~~だから、煽らないで下さいって、言ってるのにっ!」
「そ、そんなつもりじゃっ」
ただ正直に言っただけなのに。
彼は顔から手を離したが、まだちょっと恨めしそうに僕を見ている。
……何でだ。
「……でも、嬉しいな。こうしてサフィルと一緒になれて。」
「私の方こそ、夢の様です。」
「フフッ。でも、夢ではこんな刺激的なのは無理だなぁ。」
「そうですか?」
キョトンとした顔で首を傾げるサフィルに、僕の方こそ目を丸めた。
「うん。怖い夢ならよく見たけど。」
「……なんかシリルって、夢精とかもしたこと無さそう。」
「何それ?」
「……え“」
首を傾げる僕に、サフィルは愕然とした顔をして。
「冗談のつもりで言ったのに……本当にした事ないんですか。」
「だから、何を?」
「え、その……あー、いわゆる…うーん。こう、やらしー感じの夢を見て、起きたら吐精しちゃってる……」
「そんな事ってあるの??」
すごーく言いにくそうに話すサフィルに、僕は目を丸くして興味深く聞いていたが。
そんな僕の反応に、サフィルは口に手を当てて、しばらく考え込んだ後。
むくりと体を起こすと、伺う様に僕の方を見つめて来るので。
僕も同じく体を起こしたら。
すると彼は僕に向き直って、両肩を掴まれた。
「……本当に一度も無いんですか?」
「だって、そんな夢見た事ないし。」
「……因みに抜いた事は?」
「あ!さっき初めてサフィルにされた。“抜く”ってあの事だったんだね。テオにも聞かれたんだけどさ、あんな強烈なものだったなんて、知らなかったからびっくりしたよ。……あ、そうだ。そういや、僕もやっと精通出来て良かった~。」
「?!!」
ずっと未だだったから、どうしたらいいのかな?って思ってたんだ。
でもサフィルとずっと会えなくて悩んでる内に、その事すっかり忘れてたよ。
その後、侯爵とひと悶着あったし、その後も色々あって、せわしなかったしさ。
……なんて、あっけらかんと僕が答えると。
サフィルはぴしっと固まっていた。
なんか、見た事あるな、こんな光景。
僕はキョトンとしてサフィルを見やると。
サフィルは僕の両肩を掴んだまま、うな垂れる様に俯いて。
「さ、サフィル?」
「……申し訳ございません。本当にすみませんでした。何も知らなかった貴方に、私はなんて無体をぉぉ……」
うあぁぁ!と今度は頭を抱えて呻いている。
何をそんなに呻いているの?
「その、僕の方こそごめんね?色々無知でさぁ…。命の危険があった所為で極力表に出ない様にしてたから、世俗の事に疎くって……。その、もう解決出来たわけだから、これからは、もうちょっと外に出て、知見を深める事にするから。」
だから、これから色々教えてよ。
ウキウキした気持ちで言う僕に、サフィルはうぐっと言葉を詰まらせた。
「……せ、責任重大、ですね。」
「そ、そんなに気負わなくったっていいよっ!」
深刻な顔でサフィルが言うから、僕は口を尖らせて言い返した。
「…あ、ごめん。さっき達した時、かかっちゃったっ」
「え?」
彼の逞しい割れた腹に、僕の達した跡がべったりと付いたままで。
急いで何か綺麗な布で拭おうと、ベッドから降りようとして。
「?!」
僕は床に足を付けた途端、膝から崩れ落ちた。
足に力が入らないんだ。
へなへなと座り込む僕に、サフィルが驚いた声を上げた。
「シリルッ大丈夫ですか?!」
「う、うん。腰が抜けちゃったぁ…」
情けない声で笑う僕に、サフィルは反対側から降りると、床に蹲ったままの僕を軽々と抱き上げて、そっとベッドに戻してくれた。
「後で綺麗に致しますから、今はちょっとゆっくりしませんか。」
そう言って、僕の隣に横になったサフィルは、ニッコリと笑ってくれた。
「うん、その…ありがと。」
「私の方こそ。無理させてしまいましたね。痛くないですか。」
「痛くは無いけど…ちょっと変な感じ。なんか、まだ中にサフィルのがあるみたいな…」
心配してくれるサフィルに、僕が正直に言うと。
彼は自身の手で顔を覆った。
耳まで、真っ赤にして。
「~~~~だから、煽らないで下さいって、言ってるのにっ!」
「そ、そんなつもりじゃっ」
ただ正直に言っただけなのに。
彼は顔から手を離したが、まだちょっと恨めしそうに僕を見ている。
……何でだ。
「……でも、嬉しいな。こうしてサフィルと一緒になれて。」
「私の方こそ、夢の様です。」
「フフッ。でも、夢ではこんな刺激的なのは無理だなぁ。」
「そうですか?」
キョトンとした顔で首を傾げるサフィルに、僕の方こそ目を丸めた。
「うん。怖い夢ならよく見たけど。」
「……なんかシリルって、夢精とかもしたこと無さそう。」
「何それ?」
「……え“」
首を傾げる僕に、サフィルは愕然とした顔をして。
「冗談のつもりで言ったのに……本当にした事ないんですか。」
「だから、何を?」
「え、その……あー、いわゆる…うーん。こう、やらしー感じの夢を見て、起きたら吐精しちゃってる……」
「そんな事ってあるの??」
すごーく言いにくそうに話すサフィルに、僕は目を丸くして興味深く聞いていたが。
そんな僕の反応に、サフィルは口に手を当てて、しばらく考え込んだ後。
むくりと体を起こすと、伺う様に僕の方を見つめて来るので。
僕も同じく体を起こしたら。
すると彼は僕に向き直って、両肩を掴まれた。
「……本当に一度も無いんですか?」
「だって、そんな夢見た事ないし。」
「……因みに抜いた事は?」
「あ!さっき初めてサフィルにされた。“抜く”ってあの事だったんだね。テオにも聞かれたんだけどさ、あんな強烈なものだったなんて、知らなかったからびっくりしたよ。……あ、そうだ。そういや、僕もやっと精通出来て良かった~。」
「?!!」
ずっと未だだったから、どうしたらいいのかな?って思ってたんだ。
でもサフィルとずっと会えなくて悩んでる内に、その事すっかり忘れてたよ。
その後、侯爵とひと悶着あったし、その後も色々あって、せわしなかったしさ。
……なんて、あっけらかんと僕が答えると。
サフィルはぴしっと固まっていた。
なんか、見た事あるな、こんな光景。
僕はキョトンとしてサフィルを見やると。
サフィルは僕の両肩を掴んだまま、うな垂れる様に俯いて。
「さ、サフィル?」
「……申し訳ございません。本当にすみませんでした。何も知らなかった貴方に、私はなんて無体をぉぉ……」
うあぁぁ!と今度は頭を抱えて呻いている。
何をそんなに呻いているの?
「その、僕の方こそごめんね?色々無知でさぁ…。命の危険があった所為で極力表に出ない様にしてたから、世俗の事に疎くって……。その、もう解決出来たわけだから、これからは、もうちょっと外に出て、知見を深める事にするから。」
だから、これから色々教えてよ。
ウキウキした気持ちで言う僕に、サフィルはうぐっと言葉を詰まらせた。
「……せ、責任重大、ですね。」
「そ、そんなに気負わなくったっていいよっ!」
深刻な顔でサフィルが言うから、僕は口を尖らせて言い返した。
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