130 / 336
第3章
130話 白状
しおりを挟む
「僕は前世の記憶があると言っただろう?それに、前の前の世ではシルヴィアという令嬢で、ユリウス王太子殿下の婚約者だった事も。」
「え?あ、はい。」
何故、今その話?とテオは首を傾げたが。
「王太子の婚約者だったんだ。王妃教育も一通り受けて、最終盤まで来ていたんだ。だったら当然あるだろ?閨教育も」
「え“……受けたんですか。」
僕のシルヴィア時代の時の話に、テオがドン引きした顔で見て来る。
前にちゃんと話したのに、そんなに引く事ないじゃないか。
僕は若干ムスくれてやけ気味に答えた。
「当たり前だろうが。……って言っても、何処にどう入れればいいかってだけで、相手を善くするテクニック?とか、詳しい事はまだだったけど。」
「…結構ですよ。何でそこまで知ってて、こっちは知らないんです。」
「だって……もう、この際正直に言うけど。シルヴィアの時は既に初潮は迎えていたから、身体的に婚姻は問題ない状態だったけど、シリルになって、その…精通が未だなんだ。体感出来ないから何とも実感が湧かないというか…。」
「……シリル様、未だだったんですか。」
テオがまたまた引き気味に尋ねて来る。
酷いな。
これでも恥を忍んで正直に答えているんだぞ。
泣いてもいいか?
「僕はかなりマズいのか?男子は女子より成長が遅いから、多少遅くてもそんなもんかと思っていたのだが。」
楽観視し過ぎてしまっていたのか。
こんなことなら、もっと早くにそれこそ叔父やテオに相談しておくべきだったのか…。
そう不安になったが。
テオは、何故か苦し気な表情を浮かべた。
「今世だけでなく、前世のシリル様も……その、未だだったんですよね?」
「うん、そうだけど?」
「……それなのに、奴らにあんな目に……遭わされたって事なんですか?」
「……」
テオが聞いて来ているのは、前世の例の牢での事だろう。
まぁ、そうなんだけど。
テオの視線が切実過ぎて。
簡単に、そうだ。とは言えない雰囲気だった。
でも、まぁ実際そうだった訳だし、僕はおずおずと頷く事だけはしておいた。
そしたら。
テオは膝にのせていた拳をギュッと強く握りしめて。
「え?あ、はい。」
何故、今その話?とテオは首を傾げたが。
「王太子の婚約者だったんだ。王妃教育も一通り受けて、最終盤まで来ていたんだ。だったら当然あるだろ?閨教育も」
「え“……受けたんですか。」
僕のシルヴィア時代の時の話に、テオがドン引きした顔で見て来る。
前にちゃんと話したのに、そんなに引く事ないじゃないか。
僕は若干ムスくれてやけ気味に答えた。
「当たり前だろうが。……って言っても、何処にどう入れればいいかってだけで、相手を善くするテクニック?とか、詳しい事はまだだったけど。」
「…結構ですよ。何でそこまで知ってて、こっちは知らないんです。」
「だって……もう、この際正直に言うけど。シルヴィアの時は既に初潮は迎えていたから、身体的に婚姻は問題ない状態だったけど、シリルになって、その…精通が未だなんだ。体感出来ないから何とも実感が湧かないというか…。」
「……シリル様、未だだったんですか。」
テオがまたまた引き気味に尋ねて来る。
酷いな。
これでも恥を忍んで正直に答えているんだぞ。
泣いてもいいか?
「僕はかなりマズいのか?男子は女子より成長が遅いから、多少遅くてもそんなもんかと思っていたのだが。」
楽観視し過ぎてしまっていたのか。
こんなことなら、もっと早くにそれこそ叔父やテオに相談しておくべきだったのか…。
そう不安になったが。
テオは、何故か苦し気な表情を浮かべた。
「今世だけでなく、前世のシリル様も……その、未だだったんですよね?」
「うん、そうだけど?」
「……それなのに、奴らにあんな目に……遭わされたって事なんですか?」
「……」
テオが聞いて来ているのは、前世の例の牢での事だろう。
まぁ、そうなんだけど。
テオの視線が切実過ぎて。
簡単に、そうだ。とは言えない雰囲気だった。
でも、まぁ実際そうだった訳だし、僕はおずおずと頷く事だけはしておいた。
そしたら。
テオは膝にのせていた拳をギュッと強く握りしめて。
63
お気に入りに追加
1,598
あなたにおすすめの小説
愛などもう求めない
白兪
BL
とある国の皇子、ヴェリテは長い長い夢を見た。夢ではヴェリテは偽物の皇子だと罪にかけられてしまう。情を交わした婚約者は真の皇子であるファクティスの側につき、兄は睨みつけてくる。そして、とうとう父親である皇帝は処刑を命じた。
「僕のことを1度でも愛してくれたことはありましたか?」
「お前のことを一度も息子だと思ったことはない。」
目が覚め、現実に戻ったヴェリテは安心するが、本当にただの夢だったのだろうか?もし予知夢だとしたら、今すぐここから逃げなくては。
本当に自分を愛してくれる人と生きたい。
ヴェリテの切実な願いが周りを変えていく。
ハッピーエンド大好きなので、絶対に主人公は幸せに終わらせたいです。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
僕はただの妖精だから執着しないで
ふわりんしず。
BL
BLゲームの世界に迷い込んだ桜
役割は…ストーリーにもあまり出てこないただの妖精。主人公、攻略対象者の恋をこっそり応援するはずが…気付いたら皆に執着されてました。
お願いそっとしてて下さい。
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
多分短編予定
雫
ゆい
BL
涙が落ちる。
涙は彼に届くことはない。
彼を想うことは、これでやめよう。
何をどうしても、彼の気持ちは僕に向くことはない。
僕は、その場から音を立てずに立ち去った。
僕はアシェル=オルスト。
侯爵家の嫡男として生まれ、10歳の時にエドガー=ハルミトンと婚約した。
彼には、他に愛する人がいた。
世界観は、【夜空と暁と】と同じです。
アルサス達がでます。
【夜空と暁と】を知らなくても、これだけで読めます。
随時更新です。
【完結】薄幸文官志望は嘘をつく
七咲陸
BL
サシャ=ジルヴァールは伯爵家の長男として産まれるが、紫の瞳のせいで両親に疎まれ、弟からも蔑まれる日々を送っていた。
忌々しい紫眼と言う両親に幼い頃からサシャに魔道具の眼鏡を強要する。認識阻害がかかったメガネをかけている間は、サシャの顔や瞳、髪色までまるで別人だった。
学園に入学しても、サシャはあらぬ噂をされてどこにも居場所がない毎日。そんな中でもサシャのことを好きだと言ってくれたクラークと言う茶色の瞳を持つ騎士学生に惹かれ、お付き合いをする事に。
しかし、クラークにキスをせがまれ恥ずかしくて逃げ出したサシャは、アーヴィン=イブリックという翠眼を持つ騎士学生にぶつかってしまい、メガネが外れてしまったーーー…
認識阻害魔道具メガネのせいで2人の騎士の間で別人を演じることになった文官学生の恋の話。
全17話
2/28 番外編を更新しました
俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします
椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう!
こうして俺は逃亡することに決めた。
嫌われ者の長男
りんか
BL
学校ではいじめられ、家でも誰からも愛してもらえない少年 岬。彼の家族は弟達だけ母親は幼い時に他界。一つずつ離れた五人の弟がいる。だけど弟達は岬には無関心で岬もそれはわかってるけど弟達の役に立つために頑張ってるそんな時とある事件が起きて.....
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる