全てを諦めた公爵令息の開き直り

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第3章

130話 白状

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「僕は前世の記憶があると言っただろう?それに、前の前の世ではシルヴィアという令嬢で、ユリウス王太子殿下の婚約者だった事も。」
「え?あ、はい。」

何故、今その話?とテオは首を傾げたが。

「王太子の婚約者だったんだ。王妃教育も一通り受けて、最終盤まで来ていたんだ。だったら当然あるだろ?閨教育も」
「え“……受けたんですか。」

僕のシルヴィア時代の時の話に、テオがドン引きした顔で見て来る。
前にちゃんと話したのに、そんなに引く事ないじゃないか。
僕は若干ムスくれてやけ気味に答えた。

「当たり前だろうが。……って言っても、何処にどう入れればいいかってだけで、相手を善くするテクニック?とか、詳しい事はまだだったけど。」
「…結構ですよ。何でそこまで知ってて、こっちは知らないんです。」
「だって……もう、この際正直に言うけど。シルヴィアの時は既に初潮は迎えていたから、身体的に婚姻は問題ない状態だったけど、シリルになって、その…精通が未だなんだ。体感出来ないから何とも実感が湧かないというか…。」
「……シリル様、未だだったんですか。」

テオがまたまた引き気味に尋ねて来る。

酷いな。
これでも恥を忍んで正直に答えているんだぞ。
泣いてもいいか?

「僕はかなりマズいのか?男子は女子より成長が遅いから、多少遅くてもそんなもんかと思っていたのだが。」

楽観視し過ぎてしまっていたのか。
こんなことなら、もっと早くにそれこそ叔父やテオに相談しておくべきだったのか…。
そう不安になったが。

テオは、何故か苦し気な表情を浮かべた。

「今世だけでなく、前世のシリル様も……その、未だだったんですよね?」
「うん、そうだけど?」
「……それなのに、奴らにあんな目に……遭わされたって事なんですか?」
「……」

テオが聞いて来ているのは、前世の例の牢での事だろう。
まぁ、そうなんだけど。
テオの視線が切実過ぎて。
簡単に、そうだ。とは言えない雰囲気だった。
でも、まぁ実際そうだった訳だし、僕はおずおずと頷く事だけはしておいた。

そしたら。
テオは膝にのせていた拳をギュッと強く握りしめて。
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