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第1章
4話 前世の記憶
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僕には、誰にも言えない秘密がある。
————前世の記憶があるのだ。
それに気付いたのは数か月前。
おそらく、救世の巫子カイトがこの世界に現れた頃だろう。
それは唐突に訪れたのだ。
だが、それだけではない。
どうも、それは単なる前世の記憶とは言い難いものだった。
前世も今と同じ時代、同じ世界、同じ家で生まれ育って。
このクレイン公爵家の子として生を受け、そして……死んだ。
そして、その死から約半年前の世界に戻って来たのだ。
悪夢から目覚める様にして気付いたその事実に、心底恐れおののいて。
でも、こんな事、誰にも話せる訳もなく。
しばらく酷く混乱していたが、自室の鏡に映る自身を虚ろな目で見つめている内に、違和感に気付いた。
(あれ?そういえばここは…僕の部屋だよな………そうだ、“僕”だ。)
部屋の窓から見える庭。
そこで遊ぶ、幼いいとこ達。
それを見守る叔母と、世話をして一緒に遊んでいる乳母達。
皆同じなのに。
自分だけ違う————。
(何故だ?あの子達は夢と同じなのに、自分は違った。僕はシリル…男なのに……夢の中の自分は————…)
“シルヴィア”
女の子……令嬢だったのだ。
————前世の記憶があるのだ。
それに気付いたのは数か月前。
おそらく、救世の巫子カイトがこの世界に現れた頃だろう。
それは唐突に訪れたのだ。
だが、それだけではない。
どうも、それは単なる前世の記憶とは言い難いものだった。
前世も今と同じ時代、同じ世界、同じ家で生まれ育って。
このクレイン公爵家の子として生を受け、そして……死んだ。
そして、その死から約半年前の世界に戻って来たのだ。
悪夢から目覚める様にして気付いたその事実に、心底恐れおののいて。
でも、こんな事、誰にも話せる訳もなく。
しばらく酷く混乱していたが、自室の鏡に映る自身を虚ろな目で見つめている内に、違和感に気付いた。
(あれ?そういえばここは…僕の部屋だよな………そうだ、“僕”だ。)
部屋の窓から見える庭。
そこで遊ぶ、幼いいとこ達。
それを見守る叔母と、世話をして一緒に遊んでいる乳母達。
皆同じなのに。
自分だけ違う————。
(何故だ?あの子達は夢と同じなのに、自分は違った。僕はシリル…男なのに……夢の中の自分は————…)
“シルヴィア”
女の子……令嬢だったのだ。
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