38 / 85
【第四章】学園祭は、あなたと
夜の囁き――アレクシスからの手紙
しおりを挟む「ミナさん、せっかくだからあなたも選びなさいな?」
「いえ結構です。どうせ合うサイズは無いでしょうし」
「あら? 我が店には子供服も取り揃えて...失礼致しました!」
女主人はアタシが睨み付けているのにようやく気付いたようだ。だから悲しくなんか無いんだったらぁ!
「それにシャロン様、この後日用品を買ったり冒険者ギルドに寄ったりしなきゃなりませんよ? 日が暮れる前に行きましょう」
「確かにそうですわね。残念ですがまたの機会に」
いやもう結構ですってば。
「買った物は全て女子寮に届けて頂戴。それと支払いはウチにツケといてね?」
「畏まりました。またのお越しをお待ちしております」
凄いな。さすがは公爵家。こんなお高いお店でもツケが利くんだね。
◇◇◇
「じゃあ次はウインディの日用品を揃えましょうか。マリー、その手のお店には詳しいでしょ? 案内してくれる?」
「畏まりました。こちらです」
そのためにマリーを連れて来たんだ。あと荷物持ちとしてもね。
マリーに案内されてやって来たのは、前世で言えばホームセンターのようなお店だった。
「この店で大体の物は手に入ります」
確かに品揃えは豊富だ。価格も庶民的なんで安心できる。早速見て回ることにした。
「まずは食器だね」
スプーンやフォーク、ティーカップにお皿、コップなど次々と選んで行く。物珍しいのか、ウインディはあちこちに目を向けては色々と質問して来る。
「これはどうやって使うのだ?」「これは何に使うのだ?」などなど。まぁ無理も無いよね。今まで使ったこと無いだろうし。なので一つ一つ丁寧に説明して行く。
「次はお風呂用品かな」
石鹸、シャンプー、タオルにバスタオル、あとお風呂関係無いけど歯ブラシに歯磨き粉も。近くにあったからね。
もちろんここでもウインディの質問攻めにあった。
「なるほど...人間として暮らすというのは本当に大変なことなのだな...」
さっきのブティックでも同じこと言ってたね。
「ウインディ、後悔してません?」
「いいや、寧ろ新しいことに挑戦するというワクワク感の方が強いな」
「前向きで良かったです。それじゃあ次は...」
そこでアタシの目に飛び込んで来たのは、生理用品が並んでいるコーナーだった。聞き辛いけど聞いておくべきだろう。
「あの...ウインディ...竜ってその...生理とかあるんですかね...」
女同士なんだし、恥ずかしがることは無いはずなんだけど、なんだか恥ずかしい...なんでだろ...
「生理とはなんだ?」
「あ、なんでもないです.. 」
どうやらそこは人間基準ではないらしい。
「いえ結構です。どうせ合うサイズは無いでしょうし」
「あら? 我が店には子供服も取り揃えて...失礼致しました!」
女主人はアタシが睨み付けているのにようやく気付いたようだ。だから悲しくなんか無いんだったらぁ!
「それにシャロン様、この後日用品を買ったり冒険者ギルドに寄ったりしなきゃなりませんよ? 日が暮れる前に行きましょう」
「確かにそうですわね。残念ですがまたの機会に」
いやもう結構ですってば。
「買った物は全て女子寮に届けて頂戴。それと支払いはウチにツケといてね?」
「畏まりました。またのお越しをお待ちしております」
凄いな。さすがは公爵家。こんなお高いお店でもツケが利くんだね。
◇◇◇
「じゃあ次はウインディの日用品を揃えましょうか。マリー、その手のお店には詳しいでしょ? 案内してくれる?」
「畏まりました。こちらです」
そのためにマリーを連れて来たんだ。あと荷物持ちとしてもね。
マリーに案内されてやって来たのは、前世で言えばホームセンターのようなお店だった。
「この店で大体の物は手に入ります」
確かに品揃えは豊富だ。価格も庶民的なんで安心できる。早速見て回ることにした。
「まずは食器だね」
スプーンやフォーク、ティーカップにお皿、コップなど次々と選んで行く。物珍しいのか、ウインディはあちこちに目を向けては色々と質問して来る。
「これはどうやって使うのだ?」「これは何に使うのだ?」などなど。まぁ無理も無いよね。今まで使ったこと無いだろうし。なので一つ一つ丁寧に説明して行く。
「次はお風呂用品かな」
石鹸、シャンプー、タオルにバスタオル、あとお風呂関係無いけど歯ブラシに歯磨き粉も。近くにあったからね。
もちろんここでもウインディの質問攻めにあった。
「なるほど...人間として暮らすというのは本当に大変なことなのだな...」
さっきのブティックでも同じこと言ってたね。
「ウインディ、後悔してません?」
「いいや、寧ろ新しいことに挑戦するというワクワク感の方が強いな」
「前向きで良かったです。それじゃあ次は...」
そこでアタシの目に飛び込んで来たのは、生理用品が並んでいるコーナーだった。聞き辛いけど聞いておくべきだろう。
「あの...ウインディ...竜ってその...生理とかあるんですかね...」
女同士なんだし、恥ずかしがることは無いはずなんだけど、なんだか恥ずかしい...なんでだろ...
「生理とはなんだ?」
「あ、なんでもないです.. 」
どうやらそこは人間基準ではないらしい。
39
お気に入りに追加
528
あなたにおすすめの小説
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

どうせ運命の番に出会う婚約者に捨てられる運命なら、最高に良い男に育ててから捨てられてやろうってお話
下菊みこと
恋愛
運命の番に出会って自分を捨てるだろう婚約者を、とびきりの良い男に育てて捨てられに行く気満々の悪役令嬢のお話。
御都合主義のハッピーエンド。
小説家になろう様でも投稿しています。
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。

辺境伯へ嫁ぎます。
アズやっこ
恋愛
私の父、国王陛下から、辺境伯へ嫁げと言われました。
隣国の王子の次は辺境伯ですか… 分かりました。
私は第二王女。所詮国の為の駒でしかないのです。 例え父であっても国王陛下には逆らえません。
辺境伯様… 若くして家督を継がれ、辺境の地を護っています。
本来ならば第一王女のお姉様が嫁ぐはずでした。
辺境伯様も10歳も年下の私を妻として娶らなければいけないなんて可哀想です。
辺境伯様、大丈夫です。私はご迷惑はおかけしません。
それでも、もし、私でも良いのなら…こんな小娘でも良いのなら…貴方を愛しても良いですか?貴方も私を愛してくれますか?
そんな望みを抱いてしまいます。
❈ 作者独自の世界観です。
❈ 設定はゆるいです。
(言葉使いなど、優しい目で読んで頂けると幸いです)
❈ 誤字脱字等教えて頂けると幸いです。
(出来れば望ましいと思う字、文章を教えて頂けると嬉しいです)

気だるげの公爵令息が変わった理由。
三月べに
恋愛
乙女ゲーの悪役令嬢に転生したリーンティア。王子の婚約者にはまだなっていない。避けたいけれど、貴族の義務だから縁談は避けきれないと、一応見合いのお茶会に参加し続けた。乙女ゲーのシナリオでは、その見合いお茶会の中で、王子に恋をしたから父に強くお願いして、王家も承諾して成立した婚約だったはず。
王子以外に婚約者を選ぶかどうかはさておき、他の見合い相手を見極めておこう。相性次第でしょ。
そう思っていた私の本日の見合い相手は、気だるげの公爵令息。面倒くさがり屋の無気力なキャラクターは、子どもの頃からもう気だるげだったのか。
「生きる楽しみを教えてくれ」
ドンと言い放つ少年に、何があったかと尋ねたくなった。別に暗い過去なかったよね、このキャラ。
「あなたのことは知らないので、私が楽しいと思った日々のことを挙げてみますね」
つらつらと楽しみを挙げたら、ぐったりした様子の公爵令息は、目を輝かせた。
そんな彼と、婚約が確定。彼も、変わった。私の隣に立てば、生き生きした笑みを浮かべる。
学園に入って、乙女ゲーのヒロインが立ちはだかった。
「アンタも転生者でしょ! ゲームシナリオを崩壊させてサイテー!! アンタが王子の婚約者じゃないから、フラグも立たないじゃない!!」
知っちゃこっちゃない。スルーしたが、腕を掴まれた。
「無視してんじゃないわよ!」
「頭をおかしくしたように喚く知らない人を見て見ぬふりしたいのは当然では」
「なんですって!? 推しだか何だか知らないけど! なんで無気力公爵令息があんなに変わっちゃったのよ!! どうでもいいから婚約破棄して、王子の婚約者になりなさい!! 軌道修正して!!」
そんなことで今更軌道修正するわけがなかろう……頭おかしい人だな、怖い。
「婚約破棄? ふざけるな。王子の婚約者になれって言うのも不敬罪だ」
ふわっと抱き上げてくれたのは、婚約者の公爵令息イサークだった。
(なろうにも、掲載)
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

困りました。縦ロールにさよならしたら、逆ハーになりそうです。《改訂版》
新 星緒
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢アニエス(悪質ストーカー)に転生したと気づいたけれど、心配ないよね。だってフラグ折りまくってハピエンが定番だもの。
趣味の悪い縦ロールはやめて性格改善して、ストーカーしなければ楽勝楽勝!
……って、あれ?
楽勝ではあるけれど、なんだか思っていたのとは違うような。
想定外の逆ハーレムを解消するため、イケメンモブの大公令息リュシアンと協力関係を結んでみた。だけどリュシアンは、「惚れた」と言ったり「からかっただけ」と言ったり、意地悪ばかり。嫌なヤツ!
でも実はリュシアンは訳ありらしく……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる