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エピローグ
淡路アンという男
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兵庫県神戸市の私立ハリハリ中学校。
そこでの出来事が俺の人生を変えたんだ。
今でも覚えている。あの日。クラスメート。そしてあいつ、姫路トオルの顔だけは絶対に忘れない!
あれは、4月の中学3年の始業式。
クラスに新しい転校生がやってきた。それが姫路トオルだ。
ちなみにうちの中学は3年間クラス替えなしの仲良し学校だ。
俺みたいな帰宅部はクラスだけで友達の輪が完結してしまうそんな世界になっている。
身長180cmはありそうな姫路トオルは、転校生あるあるでクラスメートに囲まれて質問攻めされていた。
長身で短髪、がっしりした肩でなにかスポーツもやっているんだろう。
俺からは顔は見えなかったが、女子の反応からしてイケメン爆ぜろ!!と思ったのは内緒だ。
俺は今日も時間ぎりぎりに登校したから、その転校生のかたまりを避けてさっさと席に着かなければならない。
今日のファーストミッションだ。
心の中で中二病なセリフをつぶやき、ミッションを開始する。
まわりを素早く確認。なにもうひとつのドアから入ればいいだろう。
しかしそんな俺を笑うように、そこには学年からよりすぐりの運動部キャプテンが集まっている。
何を食っているのか知らないが、とにかくデカイやつが多い。
そう考えると転校生、姫路の背中のスペースを通り抜けるほうが早くて安全だろう。
この選択に俺は後悔することになるなんて思っていなかった。
「キャッ!」
ちなみにこれは取り巻きの声で、だんじて俺ではない。
俺がすり抜けるタイミングで転校生が後ろに下がってきて、まさかの床ドンされるとは!!!
いや、わかっている転校生は悪くない。
腕立て伏せの体制で俺にのしかかるのを耐えているんだ。
しかも「あれ?女の子?ごめんね倒しちゃって。」などとセリフも優しいんだ。
男だけどな!!
そりゃあ背も低いし、カーディガンだし声も高い、極めつけは小顔で女顔だからズボン履いてなかったら女に見えるだろう!
しかしだ、クラスのみんなはそれを聞いた瞬間大爆笑だ。
「アンちゃん可愛いって。」
「アンちゃん、初めてみたら女の子に見えるよね。」
「淡路くんならアイドルになれそうー」
「アンちゃん、大丈夫ー?」
「姫路くん、起こしてあげなよ。」
「神よ、あなたはなぜ淡路を男に生んだのですか。。。」
「(すき)」
まわりの観衆に、耳も顔も真っ赤になった俺は、恥ずかしすぎて教室を走り出て、そして、、、
家に帰った。
放課後クラスの誰だかがカバンを持ってきてくれたそうだが、耳に入ってこなかった。
そして、俺はひきこもったんだ。
その時は誰も思わなかっただろう。これが伝説のアイドルの始まりになるなんて。
そこでの出来事が俺の人生を変えたんだ。
今でも覚えている。あの日。クラスメート。そしてあいつ、姫路トオルの顔だけは絶対に忘れない!
あれは、4月の中学3年の始業式。
クラスに新しい転校生がやってきた。それが姫路トオルだ。
ちなみにうちの中学は3年間クラス替えなしの仲良し学校だ。
俺みたいな帰宅部はクラスだけで友達の輪が完結してしまうそんな世界になっている。
身長180cmはありそうな姫路トオルは、転校生あるあるでクラスメートに囲まれて質問攻めされていた。
長身で短髪、がっしりした肩でなにかスポーツもやっているんだろう。
俺からは顔は見えなかったが、女子の反応からしてイケメン爆ぜろ!!と思ったのは内緒だ。
俺は今日も時間ぎりぎりに登校したから、その転校生のかたまりを避けてさっさと席に着かなければならない。
今日のファーストミッションだ。
心の中で中二病なセリフをつぶやき、ミッションを開始する。
まわりを素早く確認。なにもうひとつのドアから入ればいいだろう。
しかしそんな俺を笑うように、そこには学年からよりすぐりの運動部キャプテンが集まっている。
何を食っているのか知らないが、とにかくデカイやつが多い。
そう考えると転校生、姫路の背中のスペースを通り抜けるほうが早くて安全だろう。
この選択に俺は後悔することになるなんて思っていなかった。
「キャッ!」
ちなみにこれは取り巻きの声で、だんじて俺ではない。
俺がすり抜けるタイミングで転校生が後ろに下がってきて、まさかの床ドンされるとは!!!
いや、わかっている転校生は悪くない。
腕立て伏せの体制で俺にのしかかるのを耐えているんだ。
しかも「あれ?女の子?ごめんね倒しちゃって。」などとセリフも優しいんだ。
男だけどな!!
そりゃあ背も低いし、カーディガンだし声も高い、極めつけは小顔で女顔だからズボン履いてなかったら女に見えるだろう!
しかしだ、クラスのみんなはそれを聞いた瞬間大爆笑だ。
「アンちゃん可愛いって。」
「アンちゃん、初めてみたら女の子に見えるよね。」
「淡路くんならアイドルになれそうー」
「アンちゃん、大丈夫ー?」
「姫路くん、起こしてあげなよ。」
「神よ、あなたはなぜ淡路を男に生んだのですか。。。」
「(すき)」
まわりの観衆に、耳も顔も真っ赤になった俺は、恥ずかしすぎて教室を走り出て、そして、、、
家に帰った。
放課後クラスの誰だかがカバンを持ってきてくれたそうだが、耳に入ってこなかった。
そして、俺はひきこもったんだ。
その時は誰も思わなかっただろう。これが伝説のアイドルの始まりになるなんて。
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