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第13話 森の魔物と貧乳耳かき

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「森の魔物?」

  それは少し前から流れてきた噂だった。
  学園の裏にある森の中に魔物が住み着いたという噂だ。
  魔物は森に潜み、森に入った人間を襲うのだという。

 「そう、その魔物に隣のクラスの子が怪我をさせられたみたいよ」

  リィリスが知り合いから聞いたという噂を語る。

 「でも森の中は先生達が定期的に見回りをしていますから、魔物の隠れる場所なんてありませんよ」

  ユキハの言う通りだ。この学園は貴族の通う学園。それゆえに学園の防衛には相当力が入っている。
  何しろトラブルが起こったら教師の責任だからな。貴族の子供に何かあったら大騒ぎになる。
  だからそんな事が起こらないように、警備員は闘気レーダーや魔法レーダーで外部からの侵入者がやって来ないか常にチェックしているのだ。
  魔物が入ってくる余地なんで何処にもない。


 「俺もユキハの意見に賛成だな。もし学園に魔物が入ってきたのならそれこそ大騒ぎだろう」

 「でも怪我をした子がいるのよ」

 「先生が授業で回収し忘れた鹿か猪を見て驚いたんじゃないのか?」

  基本森に獣が放たれるのは実技の授業の時だけだ。学園は大きな壁がに囲われている。実技で使う森や岩山もその壁の中に入っている以上、外から野生の動物が入ってくる事自体が不可能なのだ。

 「でも、小さな生き物が襲ってきたって言っていたから猪や鹿じゃないわ」

  リィリスが食い下がる。

 「小さな生き物といえば、この間の授業でライトが捕獲した女子も同じ事を言っていたよね」

  オウルが余計な事を蒸し返す。
  やめろ、あの子達も俺に惚れて放課後ハーレムの一員になったから、その話はリィリス達の機嫌が微妙になるんだ。

 「そうだったわね」

 「そうですね、あの子達もライト君の獲物になりましたよね」

  一応言っておくが、リィリスとユキハは俺の恋人と言う訳ではない。
  そう言う意味では俺の放課後ハーレムの貧乳達と平等なのだ。
  だが彼女達の間では平等と言う言葉はない。
  リィリスとユキハは大手貴族の仲でも最大手の家柄だ。
  リィリスは貴族の種族と有名なバンパイア族のお嬢様であり、俺の初めてのキス相手でもある。
  そしてユキハは天才種族の鬼人族、どちらも国の中枢に食い込んで切り離せない種族の出身だから他の貴族の貧乳娘達との間に大きな上下関係ができているのだそうだ。
  ちなみにそれを教えてくれたのはオウルである。
  以外にオウルは目端が利く。

 「はいはーん、皆さん席についてください」

  ケミリカ先生が教室に入ってくると、皆雑談をやめて席へと付く。

 「授業が始まる前に皆さんにお伝えしたい事があります」

  ケミリカ先生が珍しく真面目モードだ。
  この人いつもフニャフニャしてるからなぁ。

 「最近森の中で魔物に襲われたという話が相次いでいるのは皆さん知っていますね」

  話と言うのは今まさに噂していた魔物の事の様だ。

 「先生達が調べた所、魔物の存在は確認されていませんが、それでも怪我をした人達がいるのは事実です。ですので、安全が確認されるまでは森の中に入るのを禁止します」

  生徒達の間から不満の声が上がる。
  それも当然か。あの森は生徒達の逢引の場所から、学園内でおおっぴらに闘気や魔法の訓練ができる場所なのだから。

 「今週末、先生達が総出で調べるのでそれまで我慢してください。先生だって休日出勤で悲しいんですよ」

  生々しい本音が出た。

 「では授業を始めます」

  ケミリカ先生のON/OFFの切り替えが激しい。
  俺達が呆然としている間に授業の雰囲気となってしまった。
  クレームを言おうとしていた生徒達も渋々教科書に目を通し始める。

  ◆

「勝負をしようぜ」

  放課後、森が封鎖された所為で学校に残って遊ぶ空気でもなくなった為、さっさと帰ろうかと考えていた俺の前にラインハルトが現れた。
  何を言いたいのかまる分かりだ。

 「森は侵入禁止だぞ」

 「バレなきゃ良いんだよ」

  馬鹿馬鹿しい。誰が何の得にもならない勝負なんかうけるかよ。

 「逃げるのか臆病者」

  それで挑発しているつもりかコイツは。

 「何の特にもならない事をする義理なんかない。勝負したいのなら闘技の授業で俺より良い成績を出せば良いだろ」

 「っ!」

 「それに森に入ろうとしても先生達に察知されて捕まるのが関の山だ。学園の警備を甘く見るなよ」

  至極当たり前の正論を言われて顔を赤くするラインハルト。
  おいおい、この程度の挑発に乗るなよ。

 「ふん、とんだ臆病者だな。まぁいい、明日の朝を楽しみにしていろ」 

  あー、これはフラグが立ったかな。
  けどまぁいいや。なんかあっても先生達がなんとかするだろう。

  ◆

 ラインハルトを置いて家に帰ろうとしていた俺の前に貧乳女子がやってくる。

 「ライトくーん、今一人? 一緒に遊んでいかない?」

  俺に抱きついてきた貧乳女子が空き教室を指差す。
  うーん、さっきあのアホの所為で気分が滅入ってたからな、気分転換は必要だろ。

 「いいよ、たっぷり遊んでいこう」

  俺は貧乳女子を連れて空き教室に入る。
  教室には誰も居ない。念の為ドアに内鍵を掛けて逃げる時間を確保しておく。
  いざとなれば窓から逃げればよいのだ。

 「じゃあさっそく遊ぼうか」

  貧乳女子が待ちきれないとばかりに俺にキスをしてくる。
  俺は押し倒されないように受け止めた後、貧乳女子の耳を撫でる。
  細長い耳、エルフだ。
  耳の付け根をなぞるとその度に貧乳エルフが震える。
  今度は耳を付け根から先端まで指先でつつっとなぞった。

 「ふぁ……ん……」

  貧乳エルフがたまらず声を上げる。
  攻守交替だ。
  俺は貧乳エルフを机に寝かせると太ももを撫でながら耳の内側を指でなぞる。

 「今日は何時もと違う遊びをしようか」

 「え? 何? キスじゃないの?」

 「ふふふ、コレさ」

  俺が取り出したのは、細長い棒だった、棒の先端は円弧を描いたツメがついている。

 「これって」

 「そう、耳かきさ」

  貧乳エルフが顔を真っ赤にして耳かきを見る。

 「まって、そんなの早すぎる」

 「人間にとっては普通の行為だよ」

 「嘘、人間ってそんなにスゴイの!?」

  俺も机の上に乗って貧乳エルフの頭を乗せる。

 「さぁ耳垢を取ってあげよう」

 「え、あ……」

 「動くと危ないよ」

  ビクンと震えて貧乳エルフが身を固くする。
  俺は耳かきを貧乳エルフの耳の中、その浅い部分に当てた。

 「ふぁっ」

  貧乳エルフが身を振るわせる。

 「じっとしてて」

  俺は優しく耳垢と削り取る。

 「んんんんっ!」

  貧乳エルフは目じりに涙を滲ませながら耳かきに耐えていた。
  エルフにとって耳かきは至上の快楽。
  それを他人にやって貰うのだから、その悦楽は計り知れない。

 「ふうううんっ」

 「今度はもう少し深い所をかくから動かないようにね。

 「うん……」

  息も絶え絶えに答える貧乳エルフ。
  俺は彼女が動いても大丈夫な様に慎重にさっきより少しだけ深い場所に耳かきを差し込んだ。

 「……っ!!!」

  耳穴の肉壁に耳かきが触れる度にもれそうになる声を手で塞いで必死で堪える貧乳エルフ。
  今彼女は、若いエルフとして初めての未経験ゾーンへと突入していた。

 「綺麗になったよ」

  そう言って耳かきの反対側の綿毛で耳を優しくケアしてやる。

 「……あ、ありがとう」

  腰砕けになったエルフが半泣き状態で俺を見つめる。

 「じゃ、反対側ね」

 「っっっっっっっっ!!!?」

  そして彼女は未体験ゾーンえお飛び越えたレッドゾーンへと飛び込んでいった。

  その後、下校時間になった後も貧乳エルフは腰砕けの茫然自失状態となってしまった為、やむなく彼女を負ぶって帰路に付くハメになってしまうのだった。
  耳かきってヤバいね。 

  ◆

 夜、そろそろ眠ろうと思っていた所でなにやら音が聞こえた。
  何事かと思ったら、屋敷の門の辺りが騒がしい。
  俺は両足に闘気を纏わせて、窓から飛び降りる。
  もしメイド達に見つかったら爺や達のお説教で日が暮れるところだ。
  見つからないように門に近づくと、口論する声が聞こえる。

 「だから、若様はもうお休みになられた。こんな時間に人と合わせる訳にはいかん」

  俺の事か?

 「ラインハルト様が屋敷に帰ってきていないのです。最後にお話をしていらっしゃったのがこちらの若君と聞きました。どうかお目通りを!」

  どうやらバカがやらかしたらしい。
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