上 下
3 / 60

第3話 回想貧乳 彼女はバンパイア貧乳

しおりを挟む
 俺は異世界に転生して貧乳からモテるようになった。
  そんな俺は子供の頃から貧乳達にモテていた。
  具体的には友達の女の子全員からモテていた。
  そして成長して胸が大きくなった子達は俺に興味を無くした。
  割と本気で絶望したぜ。

  だがそれが悲しみだけだった訳ではない。
  なぜなら、貧乳とはいえ、俺を好きになってくれた女の子は全員が可愛かったからだ。
  ちゃんと可愛い子だけだったのは、俺に【貧乳モテ】のスキルをくれた神の計らいだったのかもしれないな。何しろトラックに轢かれた訳だから。
  あとこの世界では貧乳が良い女とされるので、俺は勝ち組になるらしい。
  貧乳好きの神らしい狂った価値観だ。
  そんな俺の貧乳モテ時代を思い出してみよう。

  ◆

 異世界に転生した俺は特にする事のない怠惰な赤ん坊時代をすごした。
  まぁこの辺は割愛だ。
  特にする事もなかったからな。
  で、体が動く様になってから俺は自分の生まれた家を探検した。
  前にも行ったとおり俺は貴族の息子だった。
  デカ過ぎず小さ過ぎずの中級貴族だ。
  正直大貴族は後継者争いや政敵との戦いで危険だし、下級貴族は生活が不安になる危険がある為、中級貴族が一番安全らしい。
  そんな訳で子供時代は何の不便もなく裕福な生活を送る事が出来た。
  ……なんて事はなかった。
  俺が動けるようになると最低限の貴族の嗜みを学ばされる。
  近隣の貴族達の間では地力で歩けるようになった子供達を合わせる公園デビューみたいな事をしていた。
  此処で子供のマナーがなってないと他の貴族に遅れを取った扱いにされる訳だ。
  どうもコレは俺達が社交界デビューをする前の予行演習も兼ねているらしい。
  と、言う訳で俺は日夜貴族のマナーを覚えさせられた。
  面倒ではあったが、子供の頃に命の危険も食事の不安もない生活を送れるのだから、学校に通う位の気持ちでやり過ごしていた。
  幸いにも、周囲の先生達はオッパイの大きい美人のお姉さん達ばかりだったので、練習が上手くできたら喜んだフリをして先生たちのオッパイに飛び込んでいた。
  俺の中身は肉体年齢よりもずっと年上なのでこうした勉強など軽いものだった。
  だがやりすぎは駄目だ。あまり上手くやりすぎると俺が成功しても喜ぶフリがわざとらしくなる。
  適度に苦戦している感じを出さなくてはいけないのだ。
  そうこうしている内に俺はだいぶ演技が上手くなっていた。
  こうして先生達のオッパイを餌に俺は様々な宮廷マナーをマスターした。
  日本の学校もオッパイシステムを採用すれば学生達のマナー学習の成果も劇的の向上するだろうになぁ。

  ◆

 そして遂にお披露目の日がやって来た。
  俺以外にも何人もの貴族の子供達が居た。
  皆綺麗に着飾って緊張した顔で周囲を眺めている。
  いや、数人はそうでもない。そういった連中は立ち振る舞いが違った。おそらくしっかりと訓練を受けた大手貴族の子女なのだろう。
  そしてお披露目が始まる。
  多くの子供達が大なり小なり失敗していく。
  その中でも大手貴族の子女は多少危なっかしいところは合ったがおおむね問題なくクリアしていた。
  彼等の親は満足そうな顔をして子供達を見守っていたのであの位出来ればよいのだろう。
  しかし此処で番狂わせが起きる。
  ある少女がほぼ完璧なお披露目を行ったのだ。
  少女は銀の髪をなびかせ、髪の色に合った絹のように決め細やかな純白のドレスで会場を魅了した。
  彼女の名はリィリス=ヴァイン。
  バンパイア族の末の姫であり、その後俺と深い関係となる貧乳の少女だった。
  この時、このお披露目の主役は彼女になると決定付けられた。
  余りにも可憐な少女のお披露目の前ではその後どれだけ完璧なお披露目をしてもかすんでしまうからだ。
  そんなリィリスのあおりを受けて後にお披露目した子供達は全員が何かしらのミスを犯してしまったのだ。俺を除いて。
  俺は危なげなく完璧にお披露目を終えた。
  最も、リィリスのお披露目の所為で俺の成功はすっかりかすんでしまっていたが。
  だがそうは思わなかった人達がいた。
  それは大手貴族の子女達だ。
  彼等は将来の知己を探す為に来た根っからの貴族だ。
  たとえ親の意図を完全に理解していなくとも、親の命令には意味があると分かっていた。
  彼等はお披露目の立ち振る舞いからその子供達が役に立つか、優秀な人材かを判断していた。
  俺の完璧なマナーは彼等の目に適った訳だ。
  とりわけ女の子に。

  お披露目が終わった俺達は親から解放され、子供達だけで交流を行っていた。
  勿論俺の周りは女の子ばかりだ。
  一部男が居るがそれはここでは関係がないので割愛だ。
  そして女の子達の中で一番目立っていたのだがリィリスだ。
  彼女は他の女の子が好意的な目で俺を見ている中、一人だけ俺に敵意を見せていた。
  正直俺が何をしたって言う位殺気の篭った目だった。
  まぁ表立って俺に敵対してきたわけではないが気分が悪い事この上ない。
  だから俺は他の子供達が別の相手と交流している時にリィリスに聞いた。

 「俺の何が気に入らないんだよ」

  リィリスは自分の敵意が気付かれているとは思ってもいなかったらしい。
  驚いた顔で俺を見てくる。そして驚きの感情が落ち着いた彼女は俺にこう言った。

 「貴方が私よりも完璧なお披露目をしたからよ」

  子供っぽい理由だと思った。
  そしてそのあと子供だったと気付く。

 「だったら、勝負するか?」

 「勝負? お披露目の日に?」

  とか言いつつもヤル気満々だ。

 「負けた奴は勝った奴のいう事を何でも聞く。絶対服従だ」

  俺の提案にリィリスは躊躇なくうなずく。

 「負けた後で命令が気に食わないからって親に言いつけたりするなよ」

  コレは保険だ。俺がこれからする命令は間違いなく子供がやったらまずい事だからだ。
  しかしリィリスは大手貴族の娘。見事俺の挑発に乗ってくれた。

 「私はヴァイン家の後継者よ。そんな恥知らずな真似はしないわ。どんな辱めだってやり遂げて見せるわ!」

  言ったな。
  俺は自分の口角が釣りあがるのを堪えるのに必死だった。

  で、勝負の結果だが。
  勿論俺の圧勝だった。
  いくらリィリスが優秀でも、それはあくまでも子供の話だ。
  中身がずっと年上の俺の敵ではない。
  と、言う訳で罰ゲームの時間だ。

 「約束、覚えているような、負けた奴は勝った奴に絶対服従」

  リィリスは悔しそうな顔で頷く。

 「分かってるわよ。ヴァイン家の名にかけて従うわ」

 「そうだな。じゃあ……」

  俺はリィリスの体を抱き寄せる。

 「これからは俺がキスをしたいと思ったらいつでもキスを受け入れろ」

 「…………え?」

  リィリスは最初、何を言われたか理解できなかったらしい。
  だが暫くするとその意味を理解したのか顔を真っ赤に染め上げた。

 「キ、キキキキスって恋人同士がするアレの事!? そ、それってそれよね!?」

  どれだよ。
  だが俺はリィリスがちゃんと理解する前にその唇を塞ぐ。
  初めてのキスは上手くできなくて、何度も息継ぎを必要とした。
  始めは唇を合わせるだけ。
  次は情熱的にむさぼるようなキス。
  そして次は舌を入れる。
  だがさすがに舌はイヤだったのかリィリスが拒絶する。
  そこで俺は昔、日本で呼んだ知識からリィリスの歯茎を舌で舐めた。
  するとリィリスが拒絶ではないうめき声を漏らす。
  何をされているのか分かっていない感じだ。
  だがその無垢さが良い。
  俺はその後もリィリスの歯茎を舌で舐めながら唇をむさぼる。
  次第にリィリスの体から力が抜けていくのを感じる。
  俺はその隙を逃さずリィリスの口の中に舌を侵入させ、リィリスの舌を歯茎を舐めた時の様に嘗め回した。
  すでに腰砕けになったリィリスは成すがままだ。
  俺はこころゆくまでリィリスとのキスを楽しんだ。
  そして親が俺達を探しに来る頃には、リィリスは俺の腕にしがみついて離れようとしない位に懐いていたのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

姫騎士様と二人旅、何も起きないはずもなく……

踊りまんぼう
ファンタジー
主人公であるセイは異世界転生者であるが、地味な生活を送っていた。 そんな中、昔パーティを組んだことのある仲間に誘われてとある依頼に参加したのだが……。 *表題の二人旅は第09話からです (カクヨム、小説家になろうでも公開中です)

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

異世界をスキルブックと共に生きていく

大森 万丈
ファンタジー
神様に頼まれてユニークスキル「スキルブック」と「神の幸運」を持ち異世界に転移したのだが転移した先は海辺だった。見渡しても海と森しかない。「最初からサバイバルなんて難易度高すぎだろ・・今着てる服以外何も持ってないし絶対幸運働いてないよこれ、これからどうしよう・・・」これは地球で平凡に暮らしていた佐藤 健吾が死後神様の依頼により異世界に転生し神より授かったユニークスキル「スキルブック」を駆使し、仲間を増やしながら気ままに異世界で暮らしていく話です。神様に貰った幸運は相変わらず仕事をしません。のんびり書いていきます。読んで頂けると幸いです。

処理中です...