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第145話 勇者、ババァの悲劇を知る
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翌朝、ミカドが住んでいたという内裏に向かおうとしていた俺達だったが、なんとババァの屋敷に魔物が侵入したとの報告が入った。
「大変です将軍! 雪姫様のお屋敷に魔物が侵入したとの事です!?」
「何だと!?」
キュウさんも都市の中に魔物が出現したとあって緊迫した様子を見せる。
「それで魔物の数は!? 近隣住民の避難は済んでおるのか!?」
さすがこの国を統一した将軍だけあって質問の内容は簡潔かつ適格だ。
状況によっては俺も手伝う必要があるな。
しかしやって来た使者の報告に俺達は首を傾げる事になる。
「それが、現れた魔物は一体だけです。それも屋敷の警備によって既に退治されたとのこと」
「一体だけだと? しかももう退治された後!?」
キュウさんが首を傾げるのも無理からぬ話だ。
通常都市の周囲には魔物と獣対策として壁が作られている。
しかも衛兵が常時警備に就いているので魔物を見逃す事はまずない。
となると考えれるのは空を飛べる魔物と言う事になるが、そもそも町には魔物避けの結界が張ってある。
それはレイリィの住んでいたバラサの町の一件で分かっている。
つまり魔物は結界を突破できるだけの力を持っていたと言う事だ。
なのにそれだけ危険な魔物が屋敷の護衛に倒された?
屋敷の護衛がそれだけ手練れだったという可能性もあるが、どうにも解せない。
「とにかく現場を改める必要があるだろうな。勇者殿、済まぬがともに行って貰えるか? 本来なら部下の仕事なのだが、場所が場所なのでな。それに雪姫の安否も気にかかる。……部下の謝罪では雪姫の癇癪も収まらぬだろうしなぁ」
あ、そっちが本命の理由ですか。
……いや待て、それもしかして俺にご機嫌取りをしろって事じゃないだろうな!?
キュウさんをジロリと見つめると、キュウさんは流れる様な動作でフイッっと視線をそらした。
やっぱりかぁぁぁぁぁっ!!
「そ、それなのですが……」
と、まだその場に控えていた部下の人が青い顔で報告を行う。
「雪姫様は……現在行方不明との事です」
「な、何だと!?」
これにはさすがのキュウさんも顔色が変わった。
ババァがババァだとしても、仮にも皇族、それも最後の一人だ。
まぁミカガミノツルギが姫も皇族と言っているので実は最後の二人なのだが。
「詳しく説明しろ!」
キュウさんに問い詰められ、部下の人が悲鳴をあげながら報告を続ける。
いやー、仮にも戦乱の世を統一した人だからねー。
本気になると迫力があるわー。
「は、はい! 朝侍女が雪姫様のお部屋に入ると、そこに姫様の姿はなく、代わりに世にも恐ろしい魔物が姫の部屋に居たそうです。そして侍女の悲鳴を受けてやって来た護衛によって即座に魔物は退治されたとの事」
ババァの部屋に魔物が居てババァ本人の姿は無かった?
つまり喰われた後って事か?
「姫が魔物に襲われた後と言う事か?」
「いえ、姫のお部屋が血に汚れた様子は無く、侍女も魔物の姿を見るまでは何も違和感を感じなかったとの事です」
「じゃあ誘拐か?」
「そうなると残った魔物は伝令であった可能性があるな」
ババァを人質に取って何かを要求するつもりだったって訳か。
「魔物は何か要求してこなかったのか?」
護衛が殺してしまったとはいえ、それまでの間に侍女が何かを聞かなかったかとキュウさんは尋ねる。
「それが、侍女は恐怖でその時の事を碌に覚えていないとの事です」
まぁ普通主人の部屋に魔物が居るなんて思わないだろうからなぁ。
「更に魔物が雪姫の着物を着ていた事で猶更驚いたとの事です」
「魔物が雪姫の着物を?」
何だそりゃ!?
「我々をからかう為に着た……のか?」
ババァの着物を着るとは悪趣味な。
もしかして本人が着ていた物を剥ぎ取って……止めよう、そんな絵面の悪い羅生門は想像もしたくない。
「ともかく、町の警備の強化と姫の捜索隊を急ぎ結成するのだ! 家老達を呼びだせ! 緊急会議だ!」
と、キュウさんは朝食もそこそこに部屋を出ていくのだった。
偉い人は大変だなぁ。
まぁでも相手はババァだからな。
俺は当初の予定通りミカドの屋敷に向かうとするか。
一応身分証代わりにミカガミノツルギを持っていくとするか?
俺は祭壇に飾られたミカガミノツルギをちらりと見る。
しかしそこにミカガミノツルギの姿は無かった。
「あれ?」
「ん~、この国の食事も美味しくなったものですねぇ」
と思ったらちゃっかり人型になってキュウさんが食べ残した食事に舌鼓を打っていた。
「……人の食べ残しを食べるのははしたないと思うぞ」
「いえいえ、殆ど食べていなかったので大丈夫ですよ。神剣的にセーフです」
すっごいアバウトなセーフだな。
「……所でさ、ババァの居場所って分かるのか?」
いや、ふと思ったんだ。皇族である姫の居場所が分かったのなら、ババァの居場所も分かるんじゃないかなって。
ババァを助ける義理なんてないが、後でキュウさんに教えておけばキュウさんへの義理は果たせるだろう。
「居ませんよ」
「……それは、お前の探知できる範囲内には居ないって事か?」
だとしたら予想以上に不味いかもしれない。
ババァを攫った相手は短時間で神剣の捜索範囲外に逃げれるだけの移動手段を持っていると言う事だ。
もしかしたら転移魔法を使える可能性もある。
いや、結界の類かもしれないな。
「いいえ、既に雪姫はこの世に居ません」
「っ!? 本当なのか!?」
まさか、最初から人質として使う気が無かったって事か⁉
「反応の消えた場所は分かるか?」
これは予想以上に危険な状況かもしれない。
となるとババァを攫ったのは只のデモンストレーションって事か?
「はい、雪姫の反応が消えた場所は彼女の屋敷内です」
「ババァの屋敷の中!? つまり死体は屋敷内に隠されているって事か⁉」
しかしミカガミノツルギは澄ました様子で首を横に振る。
「隠されてなど居ませんよ」
「え?」
「魔物は雪姫の部屋で発見されたのでしょう? そしてその場で殺された……」
なんでこの場でババァの部屋に現れた魔物の話が出て来るんだ?
確かにあのババァはある意味魔物みたいなもんだったがそれでも長年使えて来た侍女が魔物と間違えるとは思えない。……間違えないよな?
「更に魔物は雪姫の着物を着ていたそうですよね? それは羽織っていただけですか? それとも帯まで締めていましたか? もしかしてきていたのは寝間着ではありませんでしたか?」
ええっと、そこまでは聞いてないんだが……
「なぁ、何か知ってるのか?」
ミカガミノツルギの態度は明らかにおかしい。
なんというか何か確信をもって魔物をババァだと断言しているかのような口ぶりだ。
「もったいぶってないで教えてくれよ」
「ではあーんしてください」
と言いながらミカガミノツルギは俺の箸を卵焼きに突き刺す。
「……はいはい。ほらアーン」
「あーん、もぐもぐ」
ミカガミノツルギがご満悦で卵焼きを頬ばる。
「グヌヌヌヌッ、片刃の癖にぃぃぃ!」
腰から変な理由で悔しがる声が聞こえるが、今は無視しておく。お前まで参加すると絶対ややこしい事になる。
「で、どうなんだ?」
俺が促すと、ミカガミノツルギは俺の膝の上に乗ってもたれかかりながら答えを口にした。
「率直に答えますと魔物の正体は雪姫です。彼女の末路の姿ですよ」
「末路?」
「ええ、末路。人を呪った者の末路です」
人を呪った? それはもしかして姫の事か?
「呪いという物には二通りの解呪方法があります。一つは術そのものを分解する方法。ただそれには手間がかかります。呪いの解体をすると言う事は、構造を理解せねばなりませんから」
成程、爆弾解体みたいなもんか。
「もう一つの方法は?」
「簡単です。呪いをかけた本人に返せばよいのです」
「返す?」
「これを呪詛返しと言います。跳ね除けられた呪いは行き場を失い術者を襲います。未熟な呪術師はそれが原因で自滅します」
成程、人を呪わば穴二つって訳か。
「あのババァ、呪いなんて使えたのか」
「いいえ、使えないと思いますよ?」
ん? それだとおかしくないか? 呪いは掛けた相手に返るんだろう?
「普通の呪術師は術が跳ね返された時の為に身代わりを用意する者です。そう考えれば雪姫も身替わりを用意した筈です」
「と言う事は?」
「おそらく程度の低い術者が自分に呪いが帰って来ることの無いよう、何かしら言い包めて雪姫を呪い返しの身代わりにしたのでしょう」
なんとまぁ……
「控えめに言って自業自得、普通に言って因果応報ですね」
えー、それどっちも同じ意味じゃないかな?
「長く続く戦乱で腕の良い術者も減っていたでしょうし、年を重ねただけの我が儘姫ではまともな術者を雇う事など出来なかったという事でしょう」
「なんとも救いのない話だ。結局自滅じゃないか」
キュウさんになんて説明したもんかなぁ……
結局、その後結成されたババァ捜索隊の必死の捜索にも関わらず、ババァの行方はようとして知れず、数年が経った後にはババァ捜索隊は解散されたのだった。
「大変です将軍! 雪姫様のお屋敷に魔物が侵入したとの事です!?」
「何だと!?」
キュウさんも都市の中に魔物が出現したとあって緊迫した様子を見せる。
「それで魔物の数は!? 近隣住民の避難は済んでおるのか!?」
さすがこの国を統一した将軍だけあって質問の内容は簡潔かつ適格だ。
状況によっては俺も手伝う必要があるな。
しかしやって来た使者の報告に俺達は首を傾げる事になる。
「それが、現れた魔物は一体だけです。それも屋敷の警備によって既に退治されたとのこと」
「一体だけだと? しかももう退治された後!?」
キュウさんが首を傾げるのも無理からぬ話だ。
通常都市の周囲には魔物と獣対策として壁が作られている。
しかも衛兵が常時警備に就いているので魔物を見逃す事はまずない。
となると考えれるのは空を飛べる魔物と言う事になるが、そもそも町には魔物避けの結界が張ってある。
それはレイリィの住んでいたバラサの町の一件で分かっている。
つまり魔物は結界を突破できるだけの力を持っていたと言う事だ。
なのにそれだけ危険な魔物が屋敷の護衛に倒された?
屋敷の護衛がそれだけ手練れだったという可能性もあるが、どうにも解せない。
「とにかく現場を改める必要があるだろうな。勇者殿、済まぬがともに行って貰えるか? 本来なら部下の仕事なのだが、場所が場所なのでな。それに雪姫の安否も気にかかる。……部下の謝罪では雪姫の癇癪も収まらぬだろうしなぁ」
あ、そっちが本命の理由ですか。
……いや待て、それもしかして俺にご機嫌取りをしろって事じゃないだろうな!?
キュウさんをジロリと見つめると、キュウさんは流れる様な動作でフイッっと視線をそらした。
やっぱりかぁぁぁぁぁっ!!
「そ、それなのですが……」
と、まだその場に控えていた部下の人が青い顔で報告を行う。
「雪姫様は……現在行方不明との事です」
「な、何だと!?」
これにはさすがのキュウさんも顔色が変わった。
ババァがババァだとしても、仮にも皇族、それも最後の一人だ。
まぁミカガミノツルギが姫も皇族と言っているので実は最後の二人なのだが。
「詳しく説明しろ!」
キュウさんに問い詰められ、部下の人が悲鳴をあげながら報告を続ける。
いやー、仮にも戦乱の世を統一した人だからねー。
本気になると迫力があるわー。
「は、はい! 朝侍女が雪姫様のお部屋に入ると、そこに姫様の姿はなく、代わりに世にも恐ろしい魔物が姫の部屋に居たそうです。そして侍女の悲鳴を受けてやって来た護衛によって即座に魔物は退治されたとの事」
ババァの部屋に魔物が居てババァ本人の姿は無かった?
つまり喰われた後って事か?
「姫が魔物に襲われた後と言う事か?」
「いえ、姫のお部屋が血に汚れた様子は無く、侍女も魔物の姿を見るまでは何も違和感を感じなかったとの事です」
「じゃあ誘拐か?」
「そうなると残った魔物は伝令であった可能性があるな」
ババァを人質に取って何かを要求するつもりだったって訳か。
「魔物は何か要求してこなかったのか?」
護衛が殺してしまったとはいえ、それまでの間に侍女が何かを聞かなかったかとキュウさんは尋ねる。
「それが、侍女は恐怖でその時の事を碌に覚えていないとの事です」
まぁ普通主人の部屋に魔物が居るなんて思わないだろうからなぁ。
「更に魔物が雪姫の着物を着ていた事で猶更驚いたとの事です」
「魔物が雪姫の着物を?」
何だそりゃ!?
「我々をからかう為に着た……のか?」
ババァの着物を着るとは悪趣味な。
もしかして本人が着ていた物を剥ぎ取って……止めよう、そんな絵面の悪い羅生門は想像もしたくない。
「ともかく、町の警備の強化と姫の捜索隊を急ぎ結成するのだ! 家老達を呼びだせ! 緊急会議だ!」
と、キュウさんは朝食もそこそこに部屋を出ていくのだった。
偉い人は大変だなぁ。
まぁでも相手はババァだからな。
俺は当初の予定通りミカドの屋敷に向かうとするか。
一応身分証代わりにミカガミノツルギを持っていくとするか?
俺は祭壇に飾られたミカガミノツルギをちらりと見る。
しかしそこにミカガミノツルギの姿は無かった。
「あれ?」
「ん~、この国の食事も美味しくなったものですねぇ」
と思ったらちゃっかり人型になってキュウさんが食べ残した食事に舌鼓を打っていた。
「……人の食べ残しを食べるのははしたないと思うぞ」
「いえいえ、殆ど食べていなかったので大丈夫ですよ。神剣的にセーフです」
すっごいアバウトなセーフだな。
「……所でさ、ババァの居場所って分かるのか?」
いや、ふと思ったんだ。皇族である姫の居場所が分かったのなら、ババァの居場所も分かるんじゃないかなって。
ババァを助ける義理なんてないが、後でキュウさんに教えておけばキュウさんへの義理は果たせるだろう。
「居ませんよ」
「……それは、お前の探知できる範囲内には居ないって事か?」
だとしたら予想以上に不味いかもしれない。
ババァを攫った相手は短時間で神剣の捜索範囲外に逃げれるだけの移動手段を持っていると言う事だ。
もしかしたら転移魔法を使える可能性もある。
いや、結界の類かもしれないな。
「いいえ、既に雪姫はこの世に居ません」
「っ!? 本当なのか!?」
まさか、最初から人質として使う気が無かったって事か⁉
「反応の消えた場所は分かるか?」
これは予想以上に危険な状況かもしれない。
となるとババァを攫ったのは只のデモンストレーションって事か?
「はい、雪姫の反応が消えた場所は彼女の屋敷内です」
「ババァの屋敷の中!? つまり死体は屋敷内に隠されているって事か⁉」
しかしミカガミノツルギは澄ました様子で首を横に振る。
「隠されてなど居ませんよ」
「え?」
「魔物は雪姫の部屋で発見されたのでしょう? そしてその場で殺された……」
なんでこの場でババァの部屋に現れた魔物の話が出て来るんだ?
確かにあのババァはある意味魔物みたいなもんだったがそれでも長年使えて来た侍女が魔物と間違えるとは思えない。……間違えないよな?
「更に魔物は雪姫の着物を着ていたそうですよね? それは羽織っていただけですか? それとも帯まで締めていましたか? もしかしてきていたのは寝間着ではありませんでしたか?」
ええっと、そこまでは聞いてないんだが……
「なぁ、何か知ってるのか?」
ミカガミノツルギの態度は明らかにおかしい。
なんというか何か確信をもって魔物をババァだと断言しているかのような口ぶりだ。
「もったいぶってないで教えてくれよ」
「ではあーんしてください」
と言いながらミカガミノツルギは俺の箸を卵焼きに突き刺す。
「……はいはい。ほらアーン」
「あーん、もぐもぐ」
ミカガミノツルギがご満悦で卵焼きを頬ばる。
「グヌヌヌヌッ、片刃の癖にぃぃぃ!」
腰から変な理由で悔しがる声が聞こえるが、今は無視しておく。お前まで参加すると絶対ややこしい事になる。
「で、どうなんだ?」
俺が促すと、ミカガミノツルギは俺の膝の上に乗ってもたれかかりながら答えを口にした。
「率直に答えますと魔物の正体は雪姫です。彼女の末路の姿ですよ」
「末路?」
「ええ、末路。人を呪った者の末路です」
人を呪った? それはもしかして姫の事か?
「呪いという物には二通りの解呪方法があります。一つは術そのものを分解する方法。ただそれには手間がかかります。呪いの解体をすると言う事は、構造を理解せねばなりませんから」
成程、爆弾解体みたいなもんか。
「もう一つの方法は?」
「簡単です。呪いをかけた本人に返せばよいのです」
「返す?」
「これを呪詛返しと言います。跳ね除けられた呪いは行き場を失い術者を襲います。未熟な呪術師はそれが原因で自滅します」
成程、人を呪わば穴二つって訳か。
「あのババァ、呪いなんて使えたのか」
「いいえ、使えないと思いますよ?」
ん? それだとおかしくないか? 呪いは掛けた相手に返るんだろう?
「普通の呪術師は術が跳ね返された時の為に身代わりを用意する者です。そう考えれば雪姫も身替わりを用意した筈です」
「と言う事は?」
「おそらく程度の低い術者が自分に呪いが帰って来ることの無いよう、何かしら言い包めて雪姫を呪い返しの身代わりにしたのでしょう」
なんとまぁ……
「控えめに言って自業自得、普通に言って因果応報ですね」
えー、それどっちも同じ意味じゃないかな?
「長く続く戦乱で腕の良い術者も減っていたでしょうし、年を重ねただけの我が儘姫ではまともな術者を雇う事など出来なかったという事でしょう」
「なんとも救いのない話だ。結局自滅じゃないか」
キュウさんになんて説明したもんかなぁ……
結局、その後結成されたババァ捜索隊の必死の捜索にも関わらず、ババァの行方はようとして知れず、数年が経った後にはババァ捜索隊は解散されたのだった。
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