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第128話 勇者、遭遇する(とても怖い)
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今回も書き下ろしありでとってもお徳ですよ!
買ってくれると作者がとっても喜びます!
また、とらのあな様でお買い上げの方には先着で特典SSが付いてきます!
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それでは本編をどうぞ!
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「これは……転移ゲートか」
聖剣を探す為に再び聖教都市に戻ってきた俺は、教会本部の地下に隠されていた転移ゲートを発見した。
「ここから聖剣を外に持ち出したと考えるのが妥当かなぁ」
真なる魔王は台座ごと聖剣を運び出したという。
となればそんなものを運び出そうとしたら目立つだろう。
本部の建物内であっても、事情を知らない一般の神官に見られる危険がある。
「どのみちこんな怪しいモンがあったら調べるべきか」
この転移ゲートはそれだけ異様だった。
「つーかデカいな」
そう、コイツはとにかく大きいのだ。
この転移ゲートは地下室全体に広がっており、ざっと20mはあろうかという大きさだ。
そんで俺が今まで見てきた転移ゲートは大体5m位の大きさだったので、このゲートはじつに4倍の大きさであった。
「一度に大量に転送する為にコレだけ大きいのか、それともこの大きさでないと駄目だったのか……」
この転移ゲートは随分と古いものだった。
装置の角はそこかしこが使い込まれた様に丸まっていて、色が退色したり、ところどころ塗装が剥げている。
スキマに詰まった汚れもまた、この装置が時間をかけて色々なモノを蓄積してきた歴史を感じさせる。
まぁ要するに古臭いって事なんだが。
そんなわけで、この転移ゲートがここまで大きいのは、一度に転送できる量を増やすか大きな何かを転送する為、もしくは古いから機械がこれだけ巨大化してしまったのどちらかではないかと思ったのだ。
「問題はちゃんと動くかだよなぁ」
古いという事はそれだけ壊れる危険があるという事だ。
だがこんな怪しい代物が何の関係も無いとは思えない。
「そうだ、こういう時こそミューラに聞いてみよう」
俺は個別通信魔法を発動させてミューラに思念を投げかける。
『ミューラ、今教会本部にいるんだが、地下で古い転移ゲートらしき装置を発見した。何か知らないか?』
だがミューラから返ってきたのは困惑した返事だった。
『転移ゲートですか? いえ、そのようなものは聞いたこともありません』
ほう、聖女であるミューラにも知らされていなかったゲートか。
これは逃亡用の非常口という事で正解の可能性が高いな。
『分かった、ありがとう』
俺は通信を切ると、このゲートに入る事を決意する。
幸いゲートは起動したままらしく、魔方陣の中央から魔力が放たれている。
おそらくこっちにいる人間が全員向こうに行った為にスイッチを切る人間が居ないのが原因だろう。
「そんじゃ入りますか」
俺は気軽に転移ゲートへと足を踏み入れる。
なに、いざとなったら転移魔法で逃げればいいだけだ。
教会の人間が逃げ込んだんだから、入っただけで死ぬような場所でもないだろうし、俺には魂の力の防御もある。
念のため体を魂の力と魔力防御で固めておこう。
そして、俺が魔方陣の中央に立ったところで、周囲の空間が歪み始める。
古い装置だから発動まで時間がかかるのかね?
などと思っていたら、ふっと足元が消える感覚と共に体が浮遊感に包まれ、俺は転移した。
◆
「ふむ、地下遺跡かな?」
無事転移が成功した俺は、まず周囲を確認して敵の有無を調べる。
気配である程度は分かるが、それでも隠密行動の上手いヤツは居るからな。
「見張りは無しか」
ざっと見回して人の姿が無い事を確認した俺は、目に付いた扉に向けて歩き出す。
扉の向こうは左右に通じる通路。薄暗いので奥の壁は見えない。
「むっ!?」
と、その時、右奥から人の気配を感じたので俺は部屋に戻り、扉を少しだけ開けておく。
「急げ! アレが逃げる前に転移装置を止めるんだ!」
む? アレ? 逃げる? 何かトラブルか?
だが幸い俺が侵入した事はまだ気付かれて無いみたいだな。
迎撃するかやり過ごすかは、相手を見て状況を判断するとしよう。
俺は入り口の真上にジャンプすると、そのまま壁の突起を指で掴んで体を固定する。
歴史の先生、貴方のアドバイスのおかげでボルダリングのコツがわかりましたよ!
異世界じゃこのテクニックかなり役に立ってます! いや授業中に普通壁なんて登ぼらねぇよ、なんて思ってスンませんっした!
などと歴史の先生に感謝していると、ドアが開いて複数の男達が入って来る。
「急げ! アレはこっちに向かってきているらしいぞ!」
「この転移装置を使って逃げるつもりでしょうか?」
「おそらくはな」
男達は教会の白い神官服を着ており、人目で教会関係者と分かる。
そのうちの一人は司祭服を着ており、この男がこの中で一番偉いみたいだな。
そして何者かがここから逃げない様に先回りをしたと。
ふむ、今のうちに逃げるのも良いけど、この施設内を捜索するのなら捜索しやすい格好をするべきかな。
となれば、一番位の高いこの男から服を借りるのが良いかもしれない。
俺はそっと床に降りると、気配遮断魔法を発動して後ろから神官達を気絶させてゆく。
神官達は急いでいるらしく、仲間達が気を失っても気付く様子が無い。
「ええい、何をしておる! 早くせんか!」
とそこで装置の停止作業が進まない事に業を煮やした司祭がこちらを向く。
「……っ!?」
俺は声を出される前に司祭の鳩尾に一撃を加え気絶させる。
「っっぁっ!?」
うん、気絶というか悶絶だ。
人間そう簡単に人に意識を奪ったりとか出来ないよね。
首筋や鳩尾を殴って気絶させるとかファンタジーですから。
え? ならさっきの神官達はどうやって気絶させたかって?
そら後ろから思いっきり殴ったんですよ。
「どうなさいましたか司祭さ……っ!?」
おっといかん、向こう側で作業していた神官達にバレてしまった。
俺は足裏に魔力を集中させて速攻で彼等の懐に飛び込み全員を殴る。
うん、意識を失うまで殴っておいた。
慌てると上手くいかんね。
「えーっとロープロープ」
俺は魔法の袋からロープを取り出すと、神官達を縛って転移装置の中央に放り込んでいく。
これで彼等は聖教都市側の転移装置に放り出されるので、誰かがここに来ても侵入者にやられたって気付かないって寸法だ。
「そんじゃま、服をお借りしますねー」
俺は悶絶する司祭から服を奪うと、彼もロープで縛ってついでに猿轡もして転移装置に放り込む。
「んじゃ行きますか」
司祭の服に着替えた俺は、再度通路に出る。
「確か司祭達は右から来たっけ」
俺は右側に向かって進んでゆく。
すると十字路に突き当たったのでどちらに進もうかと悩んでいると、左のほうからザワザワと音が聞こえていた。
「とりあえず左に向かうか」
まぁ変装してるし、簡単にはバレないだろう。
そう思って左に向かうと、人々の騒ぐ音が大きくなってくる。
「アレはまだ捕まらんのか!?」
「は、はい、アレ依然地下の転移装置に向けて進行中です!」
どうやら謎のアレさんはまだ捕まってないみたいだ。
「ふん、既に転移装置は停止している。後は再度回収するだけだ」
いやいや、全然元気に稼動してますよー。
などと内心で思っていると、通路の先のざわめきがひときわ大きくなる。
どうやらアレさんがここまでやってきたみたいだ。
「よし、ここで止めるぞ! 総員捕縛結界を展開しろ!」
「「「「はっ!」」」」
神官達が数人がかりで捕縛魔法を発動させる。
おお、結構本気だな。
一人でもそれなりに強力な捕縛魔法を複数人で使うとは、よほどアレさんはやっかいな存在らしい。
捕縛魔法が産み出した魔力の鎖が通路の先にいる何かに向かって延びていく。
「よし! やったか!?」
後ろで控えていた司祭がアカンセリフを口にする。それを言っちゃあいけないよ。
予想通り、魔力の鎖がパキンと弾け飛ぶ。
何者かの魔力を伴った光り輝く斬撃によって。
「んん?」
なんか今の光見覚えがあるような。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
と思っていたら、おそらくはアレさんが放ったのであろう魔力刃の放射によって神官達と司祭が吹き飛ばされる。
「うう……」
魔力による斬撃を飛ばして一撃で倒しておきながら、命までは奪ってはいない。
これは相当な使い手だぞ。
そして通路の暗がりからソレが姿を現した。
「……」
まず最初に見えたのは足だった。
靴も履いていない素足だ。
続いてふくらはぎ、更に太もも。
ここまで布地のぬの字も見えない。
まって、ふとももがそこまで見えるという事は、スカート履いてない? 短いパンも見えないよ。
まさか、パンツ、丸、出、し、ですか?
「ゴクリ」
俺が驚愕にノドを鳴らすと、その先の姿が見えた。
剣の刀身だ、何か見覚えのある刀身だがそれはどうでも良いからその後ろを見せろ、早く見せろ。
次に見えたのは剣の鍔だ。
いやだからそれはどうでもいいんだよ。
次いで握りが見え、最後に柄頭が見えた。
「ん?」
おかしい、握りが見えて柄頭が見えた?
それはおかしいだろう?
だって、それじゃあ……
「どうやって持ってるんだ?」
俺は、それが暗がりから完全に出てきた事でその答えを知った。
「……ゑ?」
それは剣だった。
とても神々しい輝きを放つ……
艶かしい足の生えた剣が、俺の前に居た。
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「これは……転移ゲートか」
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「つーかデカいな」
そう、コイツはとにかく大きいのだ。
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そんで俺が今まで見てきた転移ゲートは大体5m位の大きさだったので、このゲートはじつに4倍の大きさであった。
「一度に大量に転送する為にコレだけ大きいのか、それともこの大きさでないと駄目だったのか……」
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スキマに詰まった汚れもまた、この装置が時間をかけて色々なモノを蓄積してきた歴史を感じさせる。
まぁ要するに古臭いって事なんだが。
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古いという事はそれだけ壊れる危険があるという事だ。
だがこんな怪しい代物が何の関係も無いとは思えない。
「そうだ、こういう時こそミューラに聞いてみよう」
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『ミューラ、今教会本部にいるんだが、地下で古い転移ゲートらしき装置を発見した。何か知らないか?』
だがミューラから返ってきたのは困惑した返事だった。
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ほう、聖女であるミューラにも知らされていなかったゲートか。
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幸いゲートは起動したままらしく、魔方陣の中央から魔力が放たれている。
おそらくこっちにいる人間が全員向こうに行った為にスイッチを切る人間が居ないのが原因だろう。
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なに、いざとなったら転移魔法で逃げればいいだけだ。
教会の人間が逃げ込んだんだから、入っただけで死ぬような場所でもないだろうし、俺には魂の力の防御もある。
念のため体を魂の力と魔力防御で固めておこう。
そして、俺が魔方陣の中央に立ったところで、周囲の空間が歪み始める。
古い装置だから発動まで時間がかかるのかね?
などと思っていたら、ふっと足元が消える感覚と共に体が浮遊感に包まれ、俺は転移した。
◆
「ふむ、地下遺跡かな?」
無事転移が成功した俺は、まず周囲を確認して敵の有無を調べる。
気配である程度は分かるが、それでも隠密行動の上手いヤツは居るからな。
「見張りは無しか」
ざっと見回して人の姿が無い事を確認した俺は、目に付いた扉に向けて歩き出す。
扉の向こうは左右に通じる通路。薄暗いので奥の壁は見えない。
「むっ!?」
と、その時、右奥から人の気配を感じたので俺は部屋に戻り、扉を少しだけ開けておく。
「急げ! アレが逃げる前に転移装置を止めるんだ!」
む? アレ? 逃げる? 何かトラブルか?
だが幸い俺が侵入した事はまだ気付かれて無いみたいだな。
迎撃するかやり過ごすかは、相手を見て状況を判断するとしよう。
俺は入り口の真上にジャンプすると、そのまま壁の突起を指で掴んで体を固定する。
歴史の先生、貴方のアドバイスのおかげでボルダリングのコツがわかりましたよ!
異世界じゃこのテクニックかなり役に立ってます! いや授業中に普通壁なんて登ぼらねぇよ、なんて思ってスンませんっした!
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「急げ! アレはこっちに向かってきているらしいぞ!」
「この転移装置を使って逃げるつもりでしょうか?」
「おそらくはな」
男達は教会の白い神官服を着ており、人目で教会関係者と分かる。
そのうちの一人は司祭服を着ており、この男がこの中で一番偉いみたいだな。
そして何者かがここから逃げない様に先回りをしたと。
ふむ、今のうちに逃げるのも良いけど、この施設内を捜索するのなら捜索しやすい格好をするべきかな。
となれば、一番位の高いこの男から服を借りるのが良いかもしれない。
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神官達は急いでいるらしく、仲間達が気を失っても気付く様子が無い。
「ええい、何をしておる! 早くせんか!」
とそこで装置の停止作業が進まない事に業を煮やした司祭がこちらを向く。
「……っ!?」
俺は声を出される前に司祭の鳩尾に一撃を加え気絶させる。
「っっぁっ!?」
うん、気絶というか悶絶だ。
人間そう簡単に人に意識を奪ったりとか出来ないよね。
首筋や鳩尾を殴って気絶させるとかファンタジーですから。
え? ならさっきの神官達はどうやって気絶させたかって?
そら後ろから思いっきり殴ったんですよ。
「どうなさいましたか司祭さ……っ!?」
おっといかん、向こう側で作業していた神官達にバレてしまった。
俺は足裏に魔力を集中させて速攻で彼等の懐に飛び込み全員を殴る。
うん、意識を失うまで殴っておいた。
慌てると上手くいかんね。
「えーっとロープロープ」
俺は魔法の袋からロープを取り出すと、神官達を縛って転移装置の中央に放り込んでいく。
これで彼等は聖教都市側の転移装置に放り出されるので、誰かがここに来ても侵入者にやられたって気付かないって寸法だ。
「そんじゃま、服をお借りしますねー」
俺は悶絶する司祭から服を奪うと、彼もロープで縛ってついでに猿轡もして転移装置に放り込む。
「んじゃ行きますか」
司祭の服に着替えた俺は、再度通路に出る。
「確か司祭達は右から来たっけ」
俺は右側に向かって進んでゆく。
すると十字路に突き当たったのでどちらに進もうかと悩んでいると、左のほうからザワザワと音が聞こえていた。
「とりあえず左に向かうか」
まぁ変装してるし、簡単にはバレないだろう。
そう思って左に向かうと、人々の騒ぐ音が大きくなってくる。
「アレはまだ捕まらんのか!?」
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どうやら謎のアレさんはまだ捕まってないみたいだ。
「ふん、既に転移装置は停止している。後は再度回収するだけだ」
いやいや、全然元気に稼動してますよー。
などと内心で思っていると、通路の先のざわめきがひときわ大きくなる。
どうやらアレさんがここまでやってきたみたいだ。
「よし、ここで止めるぞ! 総員捕縛結界を展開しろ!」
「「「「はっ!」」」」
神官達が数人がかりで捕縛魔法を発動させる。
おお、結構本気だな。
一人でもそれなりに強力な捕縛魔法を複数人で使うとは、よほどアレさんはやっかいな存在らしい。
捕縛魔法が産み出した魔力の鎖が通路の先にいる何かに向かって延びていく。
「よし! やったか!?」
後ろで控えていた司祭がアカンセリフを口にする。それを言っちゃあいけないよ。
予想通り、魔力の鎖がパキンと弾け飛ぶ。
何者かの魔力を伴った光り輝く斬撃によって。
「んん?」
なんか今の光見覚えがあるような。
「ぐわぁぁぁぁ!!」
と思っていたら、おそらくはアレさんが放ったのであろう魔力刃の放射によって神官達と司祭が吹き飛ばされる。
「うう……」
魔力による斬撃を飛ばして一撃で倒しておきながら、命までは奪ってはいない。
これは相当な使い手だぞ。
そして通路の暗がりからソレが姿を現した。
「……」
まず最初に見えたのは足だった。
靴も履いていない素足だ。
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ここまで布地のぬの字も見えない。
まって、ふとももがそこまで見えるという事は、スカート履いてない? 短いパンも見えないよ。
まさか、パンツ、丸、出、し、ですか?
「ゴクリ」
俺が驚愕にノドを鳴らすと、その先の姿が見えた。
剣の刀身だ、何か見覚えのある刀身だがそれはどうでも良いからその後ろを見せろ、早く見せろ。
次に見えたのは剣の鍔だ。
いやだからそれはどうでもいいんだよ。
次いで握りが見え、最後に柄頭が見えた。
「ん?」
おかしい、握りが見えて柄頭が見えた?
それはおかしいだろう?
だって、それじゃあ……
「どうやって持ってるんだ?」
俺は、それが暗がりから完全に出てきた事でその答えを知った。
「……ゑ?」
それは剣だった。
とても神々しい輝きを放つ……
艶かしい足の生えた剣が、俺の前に居た。
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