65 / 105
連載
第117話 勇者、恋人達に財宝を与える
しおりを挟む
「とりあえずはこんなものですね」
サリア達が全ての財宝の鑑定を終え一息つく。
「大体の物は私達の知識で鑑定できましたけど、それでもわからない品がいくつかありましたね」
帝国の皇女であるクロワさんですら知らない財宝なんてあるんだなぁ。
帝国って並の王国数個分の大きさの領地を持ってるのに。
「マジックアイテムの類も結構多かったわね。正直なんでコレがある事をあの時に言わなかったのかと、あの時のアンタに問い正したいわ」
エアリアさんが無茶をおっしゃる。
「でもさすが勇者の財宝ですね。金銭では図れないほどの財宝が沢山ありました」
なにやらミューラが脂汗をたらしているが、大丈夫だろうか? 何か変な品でもあったか?
「……」
そんな中、シルファリアだけはじっと静かなままだった。
「シルファリア?」
「……」
返事をしない。ただの褐色魔族美少女の様だ。
「おーい!」
なので耳元で大声を上げてみたよ。
「うきゃあ!?」
意外に可愛い悲鳴をあげるシルファリア。
いや、二人きりの時は結構可愛い悲鳴あげてくれるんだけどね。
「な、何だ一体!?」
おお、正気に戻った。
「黙り込んでどうしたんだ? 何か良いお宝でもあったのか?」
「え!? あ、いや、そういう訳ではないが……」
「そうか? 欲しい物があれば言ってくれれば適当に持っていって良いぞ」
「「「「「え?」」」」」
エアリア達が目を丸くしてこちらを見てくる。
「財宝の由来や価値を調べてくれたんだからな、礼はしないといけないだろ」
そう、労働には対価が必要だ。友達価格でタダとかは絶対にしてはいけない。アレは友情を壊すと歴史の先生も言っていた。何があった先生。
「ほ、本当に良いの!?」
エアリアさんがっつき過ぎです。まぁ女の子と距離が近いというのは良いことだね。フワリと良い匂いがする。
「ああ、かまわないよ」
実際、彼女達が特定のお宝を鑑定している時だけ妙に食い入るように眺めていたのを覚えていたからだ。
そこまで気に入ったのならあげてもかまわないだろう。どうせ俺が持っていても貴族達との取引で適当に使うだけだしな。
「え、ええと、それではこの金色の盃など頂いてもよろしいのですか?」
ミューラが金で出来た大きな杯を大事そうに抱えながら聞いてくる。
ふむ、普段ならそういった成金趣味の装飾品とかにはまったく興味のなさそうなミューラが珍しいな。
金の盃とか、最初手に入れた時はこれを作らせたヤツは豊臣秀吉かよ! とつっこんだもんだが。
でも金と言えば、地球上でもっとも安定した金属と言われているからな、もしかしたら錬金術とかで重要な意味があるのかもしれない。なにせこの世界にはリアルポーションとか実在するくらいだしな。
「ああ、好きにしてくれ」
「……あ、ありがとうございます! ぜ、絶対に大切に保管しますから!」
なにやら妙にかしこまられてしまった。
単なる金の杯なんだし、プレゼントと言うほどロマンチックな物でもないわけでも……って、そうか、そういう事か!
我ながらうかつだった。
このお礼は唯のお礼じゃない。彼女たちにとってコイツは俺からのプレゼント、つまり
は『恋人からのプレゼント』という事になるからだ!
これはしまった。このままでは付き合い始めてから初めてのプレゼントがなんかよくわからんツボやらなんやらになってしまう。
いくら高価な品であったとしても、これはロマンスが足りなさ過ぎる。
「えっと……トウヤさん、私はこの剣を頂いて宜しいですか?」
だが事態は深刻だ。こんどはクロワさんが古臭い剣を欲しがりだした。剣から放たれる雰囲気から魔剣の類のようだが、護身用として欲しいという体で欲しがってるのだろう。
昔の魔剣の中には今のマジックアイテムよりもはるかに高性能な品があるとエアリアが言っていたからな。
代々伝わってきた伝説の魔剣も、後継者が生まれず継承者が途切れたり、継承しても実力不足で死んでしまう事は割とあるらしい。
だが、だがだ! こんな色気の欠片もない物をプレゼントにしてしまうのはさすがにどうかと思うんだ!
すでにあげると約束してしまった以上、いまさら撤回する訳には行かない。
だがここで話をなぁなぁにしてしまっては勇者の名折れ!
財宝をしまい終わったら急いで皆へのプレゼントを買いに行かねば!
こういう時、バルザックが居たらいろいろと教えてもらえたんだろうが、すでに袂を分かってしまった以上、あいつに頼る事はできない。
幸い、そういう事に協力してくれそうな王族の知り合いが二人ほど出来たのは行幸といえる。
プレゼントについては彼らの協力を仰ごう。
『私はこの薬が欲しいです』
今度は薬か。まったく色気がないにも程が……
だが、それを欲しがったのは俺の可愛い恋人達ではなく、穴から液体の触手が生えた木箱だった。
「……あー」
うん、そもそもコイツは恋人じゃないです。
「えーと、薬のお前が薬を欲しがるのか?」
なんという矛盾。
『私の薬としての本能がこの薬に並々ならぬ興味を示しています。是非ともこの薬をお譲り頂きたいと考えております』
薬が本能とか何の冗談ですかね?
「まぁ別にいいけど」
『感謝します』
よくゲームとかで宝箱から薬が出るじゃん? でもあれってさ、ゲームだと調べなくても名前が分かるし、鑑定スキルとかあるならそれで判明するけど、現実ではなんだかよく分からない薬が冷凍保存もされずに入ってるんだよな。
しかも製造年月日が不明。
そんな薬を飲もうと思いますか?
答えは断じてノゥ! だ!
結果、この様な怪しい薬は使われる事なく死蔵されるのであった。
当然だよね!
今回は在庫整理が出来たと思おう。
結局、エアリアはよく分からない黒い石を、サリアはリヴァイアサンの腹をかっさばいた時に俺が回収したお宝から、自分の船に乗っていた思い出の絵画を求めてきたので快く譲ってやった。
やはりアレだ。二人も遠慮してプレゼントと言うには明らかに色気のないものを欲しがった。
指輪とかネックレスとか、もっと良い物はいっぱいあるのにさ。
エアリアはニマニマと黒い石を見てうっとりし、サリアは懐かしそうに絵画を見ている。
ミューラは緊張した面持ちで金の杯を抱え、クロワさんは古い剣を後生大事に抱えている。そこのモニモニ小踊りしている薬は何を考えているのかわからんのでパス。
「あれ?」
気がつけばシルファリアがいない。
彼女にも欲しい物があったら譲ろうと思っていたんだが。
物には興味が薄かったのかな? 魔族の貴族としての知識で財宝を教えてくれていた彼女はいつのまにか姿を消していた。
彼女にも後で礼をしないとな。
だが今の俺には最優先でしなければいけない事がある!
そう、彼女達に恋人としてのプレゼントをしないと!
幸い、指のサイズなどは全員把握している。
プレゼントする品のサイズを今から調べる必要がなくて良かった。
「俺ちょっと出かけてくるから」
「「「「『行ってらっしゃーい』」」」」
彼女達の言葉を背に、俺は転移魔法でハジメデ王国へと向かった。プレゼントの品を買う為に。
だが俺は気づかなかった。
この勘違いが原因で世界を揺るがす大事件が起きてしまう事を。
あとちょっぴりびっくりする出来事がいくつか起きることも。
サリア達が全ての財宝の鑑定を終え一息つく。
「大体の物は私達の知識で鑑定できましたけど、それでもわからない品がいくつかありましたね」
帝国の皇女であるクロワさんですら知らない財宝なんてあるんだなぁ。
帝国って並の王国数個分の大きさの領地を持ってるのに。
「マジックアイテムの類も結構多かったわね。正直なんでコレがある事をあの時に言わなかったのかと、あの時のアンタに問い正したいわ」
エアリアさんが無茶をおっしゃる。
「でもさすが勇者の財宝ですね。金銭では図れないほどの財宝が沢山ありました」
なにやらミューラが脂汗をたらしているが、大丈夫だろうか? 何か変な品でもあったか?
「……」
そんな中、シルファリアだけはじっと静かなままだった。
「シルファリア?」
「……」
返事をしない。ただの褐色魔族美少女の様だ。
「おーい!」
なので耳元で大声を上げてみたよ。
「うきゃあ!?」
意外に可愛い悲鳴をあげるシルファリア。
いや、二人きりの時は結構可愛い悲鳴あげてくれるんだけどね。
「な、何だ一体!?」
おお、正気に戻った。
「黙り込んでどうしたんだ? 何か良いお宝でもあったのか?」
「え!? あ、いや、そういう訳ではないが……」
「そうか? 欲しい物があれば言ってくれれば適当に持っていって良いぞ」
「「「「「え?」」」」」
エアリア達が目を丸くしてこちらを見てくる。
「財宝の由来や価値を調べてくれたんだからな、礼はしないといけないだろ」
そう、労働には対価が必要だ。友達価格でタダとかは絶対にしてはいけない。アレは友情を壊すと歴史の先生も言っていた。何があった先生。
「ほ、本当に良いの!?」
エアリアさんがっつき過ぎです。まぁ女の子と距離が近いというのは良いことだね。フワリと良い匂いがする。
「ああ、かまわないよ」
実際、彼女達が特定のお宝を鑑定している時だけ妙に食い入るように眺めていたのを覚えていたからだ。
そこまで気に入ったのならあげてもかまわないだろう。どうせ俺が持っていても貴族達との取引で適当に使うだけだしな。
「え、ええと、それではこの金色の盃など頂いてもよろしいのですか?」
ミューラが金で出来た大きな杯を大事そうに抱えながら聞いてくる。
ふむ、普段ならそういった成金趣味の装飾品とかにはまったく興味のなさそうなミューラが珍しいな。
金の盃とか、最初手に入れた時はこれを作らせたヤツは豊臣秀吉かよ! とつっこんだもんだが。
でも金と言えば、地球上でもっとも安定した金属と言われているからな、もしかしたら錬金術とかで重要な意味があるのかもしれない。なにせこの世界にはリアルポーションとか実在するくらいだしな。
「ああ、好きにしてくれ」
「……あ、ありがとうございます! ぜ、絶対に大切に保管しますから!」
なにやら妙にかしこまられてしまった。
単なる金の杯なんだし、プレゼントと言うほどロマンチックな物でもないわけでも……って、そうか、そういう事か!
我ながらうかつだった。
このお礼は唯のお礼じゃない。彼女たちにとってコイツは俺からのプレゼント、つまり
は『恋人からのプレゼント』という事になるからだ!
これはしまった。このままでは付き合い始めてから初めてのプレゼントがなんかよくわからんツボやらなんやらになってしまう。
いくら高価な品であったとしても、これはロマンスが足りなさ過ぎる。
「えっと……トウヤさん、私はこの剣を頂いて宜しいですか?」
だが事態は深刻だ。こんどはクロワさんが古臭い剣を欲しがりだした。剣から放たれる雰囲気から魔剣の類のようだが、護身用として欲しいという体で欲しがってるのだろう。
昔の魔剣の中には今のマジックアイテムよりもはるかに高性能な品があるとエアリアが言っていたからな。
代々伝わってきた伝説の魔剣も、後継者が生まれず継承者が途切れたり、継承しても実力不足で死んでしまう事は割とあるらしい。
だが、だがだ! こんな色気の欠片もない物をプレゼントにしてしまうのはさすがにどうかと思うんだ!
すでにあげると約束してしまった以上、いまさら撤回する訳には行かない。
だがここで話をなぁなぁにしてしまっては勇者の名折れ!
財宝をしまい終わったら急いで皆へのプレゼントを買いに行かねば!
こういう時、バルザックが居たらいろいろと教えてもらえたんだろうが、すでに袂を分かってしまった以上、あいつに頼る事はできない。
幸い、そういう事に協力してくれそうな王族の知り合いが二人ほど出来たのは行幸といえる。
プレゼントについては彼らの協力を仰ごう。
『私はこの薬が欲しいです』
今度は薬か。まったく色気がないにも程が……
だが、それを欲しがったのは俺の可愛い恋人達ではなく、穴から液体の触手が生えた木箱だった。
「……あー」
うん、そもそもコイツは恋人じゃないです。
「えーと、薬のお前が薬を欲しがるのか?」
なんという矛盾。
『私の薬としての本能がこの薬に並々ならぬ興味を示しています。是非ともこの薬をお譲り頂きたいと考えております』
薬が本能とか何の冗談ですかね?
「まぁ別にいいけど」
『感謝します』
よくゲームとかで宝箱から薬が出るじゃん? でもあれってさ、ゲームだと調べなくても名前が分かるし、鑑定スキルとかあるならそれで判明するけど、現実ではなんだかよく分からない薬が冷凍保存もされずに入ってるんだよな。
しかも製造年月日が不明。
そんな薬を飲もうと思いますか?
答えは断じてノゥ! だ!
結果、この様な怪しい薬は使われる事なく死蔵されるのであった。
当然だよね!
今回は在庫整理が出来たと思おう。
結局、エアリアはよく分からない黒い石を、サリアはリヴァイアサンの腹をかっさばいた時に俺が回収したお宝から、自分の船に乗っていた思い出の絵画を求めてきたので快く譲ってやった。
やはりアレだ。二人も遠慮してプレゼントと言うには明らかに色気のないものを欲しがった。
指輪とかネックレスとか、もっと良い物はいっぱいあるのにさ。
エアリアはニマニマと黒い石を見てうっとりし、サリアは懐かしそうに絵画を見ている。
ミューラは緊張した面持ちで金の杯を抱え、クロワさんは古い剣を後生大事に抱えている。そこのモニモニ小踊りしている薬は何を考えているのかわからんのでパス。
「あれ?」
気がつけばシルファリアがいない。
彼女にも欲しい物があったら譲ろうと思っていたんだが。
物には興味が薄かったのかな? 魔族の貴族としての知識で財宝を教えてくれていた彼女はいつのまにか姿を消していた。
彼女にも後で礼をしないとな。
だが今の俺には最優先でしなければいけない事がある!
そう、彼女達に恋人としてのプレゼントをしないと!
幸い、指のサイズなどは全員把握している。
プレゼントする品のサイズを今から調べる必要がなくて良かった。
「俺ちょっと出かけてくるから」
「「「「『行ってらっしゃーい』」」」」
彼女達の言葉を背に、俺は転移魔法でハジメデ王国へと向かった。プレゼントの品を買う為に。
だが俺は気づかなかった。
この勘違いが原因で世界を揺るがす大事件が起きてしまう事を。
あとちょっぴりびっくりする出来事がいくつか起きることも。
0
お気に入りに追加
4,123
あなたにおすすめの小説
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
性的に襲われそうだったので、男であることを隠していたのに、女性の本能か男であることがバレたんですが。
狼狼3
ファンタジー
男女比1:1000という男が極端に少ない魔物や魔法のある異世界に、彼は転生してしまう。
街中を歩くのは女性、女性、女性、女性。街中を歩く男は滅多に居ない。森へ冒険に行こうとしても、襲われるのは魔物ではなく女性。女性は男が居ないか、いつも目を光らせている。
彼はそんな世界な為、男であることを隠して女として生きる。(フラグ)
お願いだから俺に構わないで下さい
大味貞世氏
ファンタジー
高校2年の9月。
17歳の誕生日に甲殻類アレルギーショックで死去してしまった燻木智哉。
高校1年から始まったハブりイジメが原因で自室に引き籠もるようになっていた彼は。
本来の明るい楽観的な性格を失い、自棄から自滅願望が芽生え。
折角貰った転生のチャンスを不意に捨て去り、転生ではなく自滅を望んだ。
それは出来ないと天使は言い、人間以外の道を示した。
これは転生後の彼の魂が辿る再生の物語。
有り触れた異世界で迎えた新たな第一歩。その姿は一匹の…
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。