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49 第三王子と作戦会議
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ジョアンの手が緩み、私が顔を上げると目の前にハンカチが差し出されました。
「少しは安心できたかな?」
「はい。すみません、取り乱してしまいました」
「いやいや、君は本当によく頑張っていると思うよ。心細かっただろうに」
「ありがとうございます」
思いがけないほどの優しい声に胸が熱くなりました。
「皇太子が立てている杜撰な計画は後ほどゆっくり説明することにして、まずは食事をしよう。紹介したい人もいるしね」
ジョン第三王子殿下が手を叩くと、料理が次々に運ばれてきました。
私にとっては三回目、ジョアンにとっては二回目のサシミあります。
「ワサビは大人向きな味だけど、エヴァン卿はチーズにのせて食べると旨いって言ってたよ。ああそうだ、君も一緒に食べたのだったね」
「はい、私の故郷はハイド領の隣ですので、エヴァン様と一緒に帰郷したときにいただきました」
「うん、花火の下でプロポーズしたって聞いたけど?」
ジョアンの目が一瞬こちらに向きました。
脳内ではサミュエル殿下の笑い声も聞こえます。
真っ赤になって俯いた私を気遣ったのか、ジョン殿下がひとつ咳払いをして話を変えました。
「食事をしながら話を進めようか。私はまだ半信半疑なのだけれど、君たちは声に出さずに会話をできるのって本当なの?」
「ええ、本当ですよ。天才型自閉症とよばれる子供たちが全員できるわけではないのです。資質は持っているようですが、その力を持っている子供はテレパスで、何かに特化した才能を持っているわけではないようです。まだ研究途中ではっきりと分かったわけではありませんが、テレパス能力を持っている子供は物凄く優秀な分析能力を有しているのですが、ジョアン達のように、ずば抜けたひとつの能力を…ってごめんなさい。一人で話しちゃいました」
「いや、とても興味深いよ。是非じっくりと聞いてみたいところだけれど、今日は少し時間が無いんだ。君も今日の話をイーリス国に伝えなくてはいけないだろう?手紙のやり取りには数日かかるし、考える時間も必要だしね」
「ああそれは大丈夫です。今現在もイーリス国の国王や宰相、そして第三王子殿下と繋がっていますよ。リアルタイムで話ができます」
「そ…それは?どういう事かな?」
「私とサミュエル殿下がテレパス能力を有していて、と言っても私の能力はとても少ないので、途中で中継地を設けていて直接やり取りしているのです」
サミュエル殿下の声が聞こえました。
〈ローゼリア、その説明だけで時間が足りなくなるから。それより叔母上の話をして納得してもらった方が早い〉
〈わかりました〉
「ジョン殿下もよくご存じの方も同じ能力を有しています。イーリス国第一王女であり、ノース国国王の正妃であるテレザ皇后陛下です」
「えっ!母上が?いやいやいやいや!ないないないない!えっ?マジで?」
ジョン殿下の口調が完全に崩壊しています。
私は笑いをこらえながら頷きました。
「知らなった…今は離宮でお過ごしなのだが…すまん。やっぱりまだ信じられん」
「それはそうでしょうね。俄かに信じられる話ではないですよ。では証明しましょう。私たちは絶対に知らないことで、テレザ陛下は知っているジョン殿下の話を聞いてみましょうか?」
「ああ、そうだね。では私が三歳の頃飼っていた犬の名前は?」
〈テレザ陛下、聞こえますか?ジョン殿下が三歳の時に飼っていた犬の名前です。〉
〈懐かしい話が出たわね。三歳の頃とならイース国から献上された犬だわ。真っ白で大きなモサモサした犬で、名前は確かモンチーだったわね。可愛かったのよリブもモンチーも〉
「モンチーですね?」
「ええええっっっ!マジ?」
「リブもモンチーもとってもかわかったって言われてますよ」
「リブって家族しか呼ばない名前だ…信じるしかなさそうだね。では遠いイーリスと繋がるってのも本当なの?」
「ええ、試してみますか?」
「うん。叔父上はそこにいるの?もしいるなら俺が最初に叔父上に貰ったものを聞いてみて?」
〈陛下からジョン殿下に初めて贈られたものを聞いておられます〉
〈ちょっと待ってね〉
暫し沈黙が流れますが、サミュエル殿下が国王陛下に聞いているのでしょう。
〈イーリス王国の近衛騎士団の制服だってさ。子供サイズで作らせたそうだ〉
「イーリス国の近衛騎士団の制服で、子供サイズ別注品ですね?」
「参った。降参だ。全面的に信用するよ。今繋がっているの?お二人にも?」
「はい」
「母上、ご無沙汰しています。叔父上、お久しぶりです。この度は愚兄がとんでもないご迷惑をかけておりまして。心よりお詫び申し上げます」
私は頭の中で復唱しました。
お二人からはほぼ同時に、健康を気遣う言葉が返ってきました。
それを殿下にお伝えしていた最中にドアが開き、懐かしい顔が入ってきました。
「ヤマーダさん!」
ハイド領で海鮮レストランのシェフをしているヤマーダさんです。
少しだけ予想はしていましたが、実物を見るとやはり驚いてしまいます。
「ローゼリア様、お元気そうですね?でも少し瘦せたかな?ちゃんと食べないとだめですよ?」
「お久しぶりです、ヤマーダさん。ここシェフはやっぱりあなたでしたね」
「ええ、実はこちらが本店です。私はハイド港の方を担当していたのですが、こっちのシェフが怪我をしてしまって、出張していたのです。でも私がここにいたのは天啓でした。私は今、皇太子殿下の側近からの依頼で、エヴァン様とマリア王女が軟禁されている軍艦のシェフをしているのですよ。お互い言葉を交わしたわけではありませんが、エヴァン様も私のことが分かったようです」
「そうですか、本当に天のお導きのようです。感謝します」
「エヴァン様もマリア王女も食事はきちんととっておられますが、監視の目がことのほか厳しくて、できれば伝言でも預かって来たかったのですが、疑われては元も子もありませんから、今回は諦めました」
「ありがとうございます。私はエヴァン様がご無事だということが分かっただけでも嬉しいです」
ひとしきり再会を喜んだあと、時間も無いということで作戦会議が始まりました。
ジョン殿下の話では、皇太子はマリア王女とエヴァン様の不貞に激怒して、ワイドル国に攻め入ることにしたというシナリオを描いているそうです。
国王陛下の容態は一時期よりも回復してきたそうですが、どうも皇太子が毒を盛っているのではないかということでした。
戦争をするために実の父親を殺そうとするなんて信じられないバカタレですね。
「だから俺としては、国王を隠居させて皇太子を廃したいと考えている。皇太子の言いなりになっている第二王子も幽閉だな。その上で共和国として再生する道を模索する」
ジョアンの声が響きます。
〈最終形は共和国でも民主国家でも良いと思うが、緩やかな移行を目指さないと上手くは行かないだろう。クーデターというより王宮内での後継者争いに留めて、無血開城させないと民衆が犠牲になるぞ〉
私はそのまま伝えました。
「でもそれでは私が王位を欲したばかりに、兄たちを弑したというスタイルにならないか?」
〈そう見せない為にも隠密裏に事を運ぶ必要があるな、どちらにしても民衆はもちろん兵の血も流れてはならない〉
「もちろんそれが理想だが、奴らは戦端を開くためにエヴァン卿とマリアを公開処刑するつもりだぞ」
〈事前に阻止です。しかしマリアはそうは思っていないだろう?〉
「マリア皇太子妃はアランとかいう本当の恋人をイース国に逃げる手筈が整っていると信じているよ。処刑されるのは本物のエヴァン卿と自分の替え玉だと思っている」
〈なるほどな。相変わらず自分勝手で傲慢な女だな〉
サミュエル殿下とジョアンがほぼ同時に舌打ちしました。
〈あの女が替え玉と入れ替わるより先に、兄上を替え玉と差し替えてしまおう。今回の物資補給後はジョン第三王子の配下が乗船するのだろう?〉
「そうなんだ。皇太子の側近が泣きついて来たから即了承しておいた。乗船人数も減らす意向だそうだから、精鋭部隊を乗せようと思っている」
〈替え玉は本物の恋人にやらせよう。ルーカス兄がアランを確保して国境まで連れてきているから簡単だ〉
サミュエル殿下が言いました。
私はアランの名前が出て少し心が痛みましたが、自分で蒔いた種ですので自分で刈り取って貰いたいです。
その後も詳細部分を相談し、その日の会合は終了しました。
皇后陛下の私財から出されるクーデター資金は、地震の心配があることから、主に救済物資の調達資金として活用する方向で調整されることになりました。
その後ジョン殿下の手足となって動いてくれる方達を紹介されて、宿舎まで送っていただきました。
帰ったら王宮に地震に関する提言に行っていたベック副所長と、同席されたカーティス皇太子殿下とルーカス王配が難しい顔で待っていました。
「少しは安心できたかな?」
「はい。すみません、取り乱してしまいました」
「いやいや、君は本当によく頑張っていると思うよ。心細かっただろうに」
「ありがとうございます」
思いがけないほどの優しい声に胸が熱くなりました。
「皇太子が立てている杜撰な計画は後ほどゆっくり説明することにして、まずは食事をしよう。紹介したい人もいるしね」
ジョン第三王子殿下が手を叩くと、料理が次々に運ばれてきました。
私にとっては三回目、ジョアンにとっては二回目のサシミあります。
「ワサビは大人向きな味だけど、エヴァン卿はチーズにのせて食べると旨いって言ってたよ。ああそうだ、君も一緒に食べたのだったね」
「はい、私の故郷はハイド領の隣ですので、エヴァン様と一緒に帰郷したときにいただきました」
「うん、花火の下でプロポーズしたって聞いたけど?」
ジョアンの目が一瞬こちらに向きました。
脳内ではサミュエル殿下の笑い声も聞こえます。
真っ赤になって俯いた私を気遣ったのか、ジョン殿下がひとつ咳払いをして話を変えました。
「食事をしながら話を進めようか。私はまだ半信半疑なのだけれど、君たちは声に出さずに会話をできるのって本当なの?」
「ええ、本当ですよ。天才型自閉症とよばれる子供たちが全員できるわけではないのです。資質は持っているようですが、その力を持っている子供はテレパスで、何かに特化した才能を持っているわけではないようです。まだ研究途中ではっきりと分かったわけではありませんが、テレパス能力を持っている子供は物凄く優秀な分析能力を有しているのですが、ジョアン達のように、ずば抜けたひとつの能力を…ってごめんなさい。一人で話しちゃいました」
「いや、とても興味深いよ。是非じっくりと聞いてみたいところだけれど、今日は少し時間が無いんだ。君も今日の話をイーリス国に伝えなくてはいけないだろう?手紙のやり取りには数日かかるし、考える時間も必要だしね」
「ああそれは大丈夫です。今現在もイーリス国の国王や宰相、そして第三王子殿下と繋がっていますよ。リアルタイムで話ができます」
「そ…それは?どういう事かな?」
「私とサミュエル殿下がテレパス能力を有していて、と言っても私の能力はとても少ないので、途中で中継地を設けていて直接やり取りしているのです」
サミュエル殿下の声が聞こえました。
〈ローゼリア、その説明だけで時間が足りなくなるから。それより叔母上の話をして納得してもらった方が早い〉
〈わかりました〉
「ジョン殿下もよくご存じの方も同じ能力を有しています。イーリス国第一王女であり、ノース国国王の正妃であるテレザ皇后陛下です」
「えっ!母上が?いやいやいやいや!ないないないない!えっ?マジで?」
ジョン殿下の口調が完全に崩壊しています。
私は笑いをこらえながら頷きました。
「知らなった…今は離宮でお過ごしなのだが…すまん。やっぱりまだ信じられん」
「それはそうでしょうね。俄かに信じられる話ではないですよ。では証明しましょう。私たちは絶対に知らないことで、テレザ陛下は知っているジョン殿下の話を聞いてみましょうか?」
「ああ、そうだね。では私が三歳の頃飼っていた犬の名前は?」
〈テレザ陛下、聞こえますか?ジョン殿下が三歳の時に飼っていた犬の名前です。〉
〈懐かしい話が出たわね。三歳の頃とならイース国から献上された犬だわ。真っ白で大きなモサモサした犬で、名前は確かモンチーだったわね。可愛かったのよリブもモンチーも〉
「モンチーですね?」
「ええええっっっ!マジ?」
「リブもモンチーもとってもかわかったって言われてますよ」
「リブって家族しか呼ばない名前だ…信じるしかなさそうだね。では遠いイーリスと繋がるってのも本当なの?」
「ええ、試してみますか?」
「うん。叔父上はそこにいるの?もしいるなら俺が最初に叔父上に貰ったものを聞いてみて?」
〈陛下からジョン殿下に初めて贈られたものを聞いておられます〉
〈ちょっと待ってね〉
暫し沈黙が流れますが、サミュエル殿下が国王陛下に聞いているのでしょう。
〈イーリス王国の近衛騎士団の制服だってさ。子供サイズで作らせたそうだ〉
「イーリス国の近衛騎士団の制服で、子供サイズ別注品ですね?」
「参った。降参だ。全面的に信用するよ。今繋がっているの?お二人にも?」
「はい」
「母上、ご無沙汰しています。叔父上、お久しぶりです。この度は愚兄がとんでもないご迷惑をかけておりまして。心よりお詫び申し上げます」
私は頭の中で復唱しました。
お二人からはほぼ同時に、健康を気遣う言葉が返ってきました。
それを殿下にお伝えしていた最中にドアが開き、懐かしい顔が入ってきました。
「ヤマーダさん!」
ハイド領で海鮮レストランのシェフをしているヤマーダさんです。
少しだけ予想はしていましたが、実物を見るとやはり驚いてしまいます。
「ローゼリア様、お元気そうですね?でも少し瘦せたかな?ちゃんと食べないとだめですよ?」
「お久しぶりです、ヤマーダさん。ここシェフはやっぱりあなたでしたね」
「ええ、実はこちらが本店です。私はハイド港の方を担当していたのですが、こっちのシェフが怪我をしてしまって、出張していたのです。でも私がここにいたのは天啓でした。私は今、皇太子殿下の側近からの依頼で、エヴァン様とマリア王女が軟禁されている軍艦のシェフをしているのですよ。お互い言葉を交わしたわけではありませんが、エヴァン様も私のことが分かったようです」
「そうですか、本当に天のお導きのようです。感謝します」
「エヴァン様もマリア王女も食事はきちんととっておられますが、監視の目がことのほか厳しくて、できれば伝言でも預かって来たかったのですが、疑われては元も子もありませんから、今回は諦めました」
「ありがとうございます。私はエヴァン様がご無事だということが分かっただけでも嬉しいです」
ひとしきり再会を喜んだあと、時間も無いということで作戦会議が始まりました。
ジョン殿下の話では、皇太子はマリア王女とエヴァン様の不貞に激怒して、ワイドル国に攻め入ることにしたというシナリオを描いているそうです。
国王陛下の容態は一時期よりも回復してきたそうですが、どうも皇太子が毒を盛っているのではないかということでした。
戦争をするために実の父親を殺そうとするなんて信じられないバカタレですね。
「だから俺としては、国王を隠居させて皇太子を廃したいと考えている。皇太子の言いなりになっている第二王子も幽閉だな。その上で共和国として再生する道を模索する」
ジョアンの声が響きます。
〈最終形は共和国でも民主国家でも良いと思うが、緩やかな移行を目指さないと上手くは行かないだろう。クーデターというより王宮内での後継者争いに留めて、無血開城させないと民衆が犠牲になるぞ〉
私はそのまま伝えました。
「でもそれでは私が王位を欲したばかりに、兄たちを弑したというスタイルにならないか?」
〈そう見せない為にも隠密裏に事を運ぶ必要があるな、どちらにしても民衆はもちろん兵の血も流れてはならない〉
「もちろんそれが理想だが、奴らは戦端を開くためにエヴァン卿とマリアを公開処刑するつもりだぞ」
〈事前に阻止です。しかしマリアはそうは思っていないだろう?〉
「マリア皇太子妃はアランとかいう本当の恋人をイース国に逃げる手筈が整っていると信じているよ。処刑されるのは本物のエヴァン卿と自分の替え玉だと思っている」
〈なるほどな。相変わらず自分勝手で傲慢な女だな〉
サミュエル殿下とジョアンがほぼ同時に舌打ちしました。
〈あの女が替え玉と入れ替わるより先に、兄上を替え玉と差し替えてしまおう。今回の物資補給後はジョン第三王子の配下が乗船するのだろう?〉
「そうなんだ。皇太子の側近が泣きついて来たから即了承しておいた。乗船人数も減らす意向だそうだから、精鋭部隊を乗せようと思っている」
〈替え玉は本物の恋人にやらせよう。ルーカス兄がアランを確保して国境まで連れてきているから簡単だ〉
サミュエル殿下が言いました。
私はアランの名前が出て少し心が痛みましたが、自分で蒔いた種ですので自分で刈り取って貰いたいです。
その後も詳細部分を相談し、その日の会合は終了しました。
皇后陛下の私財から出されるクーデター資金は、地震の心配があることから、主に救済物資の調達資金として活用する方向で調整されることになりました。
その後ジョン殿下の手足となって動いてくれる方達を紹介されて、宿舎まで送っていただきました。
帰ったら王宮に地震に関する提言に行っていたベック副所長と、同席されたカーティス皇太子殿下とルーカス王配が難しい顔で待っていました。
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