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ひと月の間に② 【 ? 】

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 すみません、予約設定をミスってました。
 何度も同じミスを繰り返す私……ごめんなさい。


 一方ディアファンは、一緒に学校に派遣されることになった友人のランプシィーと一緒に東京へ行ったり北海道へ行ったり忙しくしていました。

 本人は知らないのですが、奈穂美の授業状況もしっかり見学したりしています。
 ディアファンは彼女がはるかの友人だと知っていますから、興味津々だったようです。

「なかなか良い先生だね」

 ランプシィーの言葉にディアファンは何度も頷きました。

「うん、授業内容は教科書通りだけれど、あの先生は見えないボクたちの存在を認識しようと頑張っていたね。とても好感が持てたよ」

「そうだね。戸惑いながらも手を取ろうとしているのが伝わってきたね。真面目な性格なんだろうね、今に壊れなきゃいいけど」

「壊れないようにボクらが行くってことだよね。ずっと無意味だと思っていたけれど、子供を見守ると同時に先生の精神面もフォローが必要だって感じたよ」

 ランプシィーがニヤッと笑いました(見えないけど)

「おっ! 珍しいなぁ、ディアファンがやる気になっている」

「うん、ちょっとやる気になってきた。でもずっとは嫌だな」

「俺もずっとは嫌だよ。でもさ、多分だけどすぐにこの施策は崩壊するよ」

 ディアファンがそう言ったランプシィーの顔をのぞきこみます。

「どうして?」

「だって無理でしょ? よくあるアニメみたいに俺たちが体中に包帯巻くの? 絶対に嫌でしょ? じゃあ見ないまま制服が浮かんで歩いている状態に慣れてもらう? 無理だよ。もうオカルトの世界だもん。俺らの咳払いなんてほぼラップ現象だぜ? ヴィレッジの外で聞いたら俺でも驚くもん」

「だよな……どうして無理やり融合させようとするんだろう」

 ランプシィーが首を傾げて考え込みます。

「きっとバカなんだろう。お偉いさんたちがバカっていう笑えない現象?」

「ははは! なるほど。彼らがやろうとしていることってほとんどおとぎ話だもんな。無理がありすぎるよ」

「そう、おとぎ話だ。お菓子の家があるっていう方がよっぽど信憑性が高い。俺たちってそういう存在だもんな。まあ、俺はそれが気に入っているけど」

「ボクも気に入ってる。透明人間に生まれて良かったってもうもん」

 どうやら二人は若干引いた目線で今回の施策を眺めているようです。
 まあ、その方が客観視できて良い結果になるかもしれませんね。

「そういえば、お前ってあっちの人と付き合いがあるんだって? 彼女できたの?」

 ランプシィーの無遠慮な質問にディアファンは仰け反りました。

「彼女じゃないよ。友達って感じかな。だってそういう関係になれるわけ無いじゃん。ボクと彼女が付き合うってことは、犬が鳥に告白するようなもんだぜ?」

「美しいじゃん」

「完全に他人事だな」

「そうでもないよ……」

 ディアファンはランプシィーの言葉に驚いた顔をしました。

「お前って好きな子できたの? しかもあっちの人?」

「……言わない」

 あらあら。

「じゃあ聞かないでおこうか。お前の気持ちは痛いほど分かるよ」

「お前も辛いよな……」

 分かり合った二人は同じタイミングで盛大な溜息を吐いた。

「まあ考えても仕方がない。とにかくこの試練をどう乗り切るかだが……学校側の姿勢が重要だよな」

「それは本当にそうだよ。受け入れる側が拒否反応なら努力する意味もないもん。でね、僕の知り合いがいる小学校を指定してはどうかと思うんだ」

「ああ、なりほど。一人でもこちらの歩み寄ろうとする人間を育てるより、すでにいるところを選ぶってことか。うん、効率的だ」

 どうやらこの話を進める条件を設定することになったようです。
 ディアファンは言いだしたものの、かなり不安な顔をしていますね。
 はるかの方はどうなのでしょうか。
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