6 / 38
6月22日土曜日【ディアファン】
しおりを挟む
これほど楽しみでたまらないなんて初めてかも。
朝起きた瞬間から機嫌がいいらしくて、家族や仲間から不思議がられてるよ。
でも、無理はしないでね。
できるだけ長く続いてほしいんだ。
ボクの姿を見たいわけじゃないって言ってくれたことに、実はとても安心しました。
というか、ボクらを少し理解してくれた感じがして嬉しかった。
ボクたちとキミたちとは、人間として進化していく過程のどこかで枝分かれして、独自の文化を持つ地球上の生き物として存在している。
だから透明という事以外は似ているけど、やっぱり文化も、体の構造もやっぱり少しずつ違う。
「姿を見たいわけじゃない」ってことは、ボクらという存在を受け入れてくれたと解釈するよ。
「異文化交流」が大好物だなんて、ホントにキミは好奇心旺盛なんだね。
普通はどちらかというと、異文化に対しては一歩引いてしまう事の方が多い気がする。
「交流」することは言い換えれば「垣根を超える」ことで、下手すると相手を冒涜する事にもなりかねない。
それを恐れて、ボクも含め、大方の人はなかなか初めからは踏み込めないと思うんだ。
でもキミは垣根を越えてきてくれようとしてる。
それは嬉しいと同時に、ボクにとっては少し怖い事でもある。
キミが思っているよりずっと、ボクは自分に自信がないんだ。
なんと言えばいいのかな? 誰にも認識されないということに、寂しさを感じると同時に、安心しているっていう感じかな。
でもキミとこうして話していると、だんだんとボクらのことをもっと知ってもらいたいっていう気になってくるんだよね。
キミはボクにエネルギーを与えてくれる存在だよ。
「大好物は何ですか?」っていう質問、一般的には「食べ物」のイメージだよね。
キミの大好物は「行動」だったから少し笑ってしまいました。
ボクの大好物の一つは「光を浴びること」です。
そう、日光浴。
光を透過するのにって思うかもしれないけれど、ボクらの細胞は紫外線の一部は透過しないんだって、前に少し書いたよね。
ボクらの体はその光で細胞内のミトコンドリアが「透過メラニン」を形成し、光合成のようにエネルギーも作っているからなんだ。
ちょっと植物っぽいよね。
ボクらはそのエネルギーで生きている。
つまり、経口摂取的な食事はしないってこと。
もちろん口はあるよ。
ほとんど退化してはいるけど消化器官のような臓器もあるにはある。
水分補給は皮膚から。ブヨブヨになっちゃうけど。
食べたり飲んだりのマネごとは可能だよ。ただ、そのまま排泄されちゃうけど。
味覚のような感覚はあるよ。
でもそれを「おいしい」とか「まずい」とかの判定はできない。
脳にそういう判断基準が刷り込まれていないのだと思うよ。
ボクらにとって、光を浴びることは「生きる糧」なんだよね。
だから大好物なのです。
五感は全部キミたちと同じだと思う。
まあ本当に同じかどうかはわからないけれど。
どこかにぶつけると痛いし、呼吸はしてるから臭いものは臭い。
味はさっき言ったように違いは判るけど、うまいまずいはわからない。
もちろん見たり聞いたりしゃべったりできる。
あまり体臭はないみたい。
ゼロじゃないけど。
だからたまに犬には気付かれる。
何にもない方に向かって吠えてる犬っているでしょ?
あれ、ほとんどボクらに吠えているから。
あまり一度に言っちゃうと、さすがのキミも気持ち悪くなっちゃうかも?
なので今日はここまでにします。
好きなことと言えば、食べ物以外には「アニメ」とかが好きだよ。
宮崎さんの映画とか全部観てる。
ああいう世界観が好きなのかも。
初めて会った時、キミも映画好きって言ってたよね。
どんなジャンルが好きなの?
何ていうタイトルだったかな。
ずっと昔、まだ小さな子供の頃に父と観たんだ。
ボクが生まれるずっと前の映画だ。
小さな子供が仕事で離れ離れになった父親に会うために、四国から大阪に行くんだ。
途中、色んな障害や冒険があって。
でも最後にはちゃんとたどり着く。
子供心にワクワクして、夢中で観てた。
終わって帰るとき、父の手をぎゅっと握って離さなかったことも懐かしい思い出だよ。
今日も一日雨だ。
気象庁の人じゃなくて、もう「栗花落」さんが梅雨入り宣言して良くない?
では、また。
朝起きた瞬間から機嫌がいいらしくて、家族や仲間から不思議がられてるよ。
でも、無理はしないでね。
できるだけ長く続いてほしいんだ。
ボクの姿を見たいわけじゃないって言ってくれたことに、実はとても安心しました。
というか、ボクらを少し理解してくれた感じがして嬉しかった。
ボクたちとキミたちとは、人間として進化していく過程のどこかで枝分かれして、独自の文化を持つ地球上の生き物として存在している。
だから透明という事以外は似ているけど、やっぱり文化も、体の構造もやっぱり少しずつ違う。
「姿を見たいわけじゃない」ってことは、ボクらという存在を受け入れてくれたと解釈するよ。
「異文化交流」が大好物だなんて、ホントにキミは好奇心旺盛なんだね。
普通はどちらかというと、異文化に対しては一歩引いてしまう事の方が多い気がする。
「交流」することは言い換えれば「垣根を超える」ことで、下手すると相手を冒涜する事にもなりかねない。
それを恐れて、ボクも含め、大方の人はなかなか初めからは踏み込めないと思うんだ。
でもキミは垣根を越えてきてくれようとしてる。
それは嬉しいと同時に、ボクにとっては少し怖い事でもある。
キミが思っているよりずっと、ボクは自分に自信がないんだ。
なんと言えばいいのかな? 誰にも認識されないということに、寂しさを感じると同時に、安心しているっていう感じかな。
でもキミとこうして話していると、だんだんとボクらのことをもっと知ってもらいたいっていう気になってくるんだよね。
キミはボクにエネルギーを与えてくれる存在だよ。
「大好物は何ですか?」っていう質問、一般的には「食べ物」のイメージだよね。
キミの大好物は「行動」だったから少し笑ってしまいました。
ボクの大好物の一つは「光を浴びること」です。
そう、日光浴。
光を透過するのにって思うかもしれないけれど、ボクらの細胞は紫外線の一部は透過しないんだって、前に少し書いたよね。
ボクらの体はその光で細胞内のミトコンドリアが「透過メラニン」を形成し、光合成のようにエネルギーも作っているからなんだ。
ちょっと植物っぽいよね。
ボクらはそのエネルギーで生きている。
つまり、経口摂取的な食事はしないってこと。
もちろん口はあるよ。
ほとんど退化してはいるけど消化器官のような臓器もあるにはある。
水分補給は皮膚から。ブヨブヨになっちゃうけど。
食べたり飲んだりのマネごとは可能だよ。ただ、そのまま排泄されちゃうけど。
味覚のような感覚はあるよ。
でもそれを「おいしい」とか「まずい」とかの判定はできない。
脳にそういう判断基準が刷り込まれていないのだと思うよ。
ボクらにとって、光を浴びることは「生きる糧」なんだよね。
だから大好物なのです。
五感は全部キミたちと同じだと思う。
まあ本当に同じかどうかはわからないけれど。
どこかにぶつけると痛いし、呼吸はしてるから臭いものは臭い。
味はさっき言ったように違いは判るけど、うまいまずいはわからない。
もちろん見たり聞いたりしゃべったりできる。
あまり体臭はないみたい。
ゼロじゃないけど。
だからたまに犬には気付かれる。
何にもない方に向かって吠えてる犬っているでしょ?
あれ、ほとんどボクらに吠えているから。
あまり一度に言っちゃうと、さすがのキミも気持ち悪くなっちゃうかも?
なので今日はここまでにします。
好きなことと言えば、食べ物以外には「アニメ」とかが好きだよ。
宮崎さんの映画とか全部観てる。
ああいう世界観が好きなのかも。
初めて会った時、キミも映画好きって言ってたよね。
どんなジャンルが好きなの?
何ていうタイトルだったかな。
ずっと昔、まだ小さな子供の頃に父と観たんだ。
ボクが生まれるずっと前の映画だ。
小さな子供が仕事で離れ離れになった父親に会うために、四国から大阪に行くんだ。
途中、色んな障害や冒険があって。
でも最後にはちゃんとたどり着く。
子供心にワクワクして、夢中で観てた。
終わって帰るとき、父の手をぎゅっと握って離さなかったことも懐かしい思い出だよ。
今日も一日雨だ。
気象庁の人じゃなくて、もう「栗花落」さんが梅雨入り宣言して良くない?
では、また。
6
お気に入りに追加
20
あなたにおすすめの小説
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【完結】亡き冷遇妃がのこしたもの〜王の後悔〜
なか
恋愛
「セレリナ妃が、自死されました」
静寂をかき消す、衛兵の報告。
瞬間、周囲の視線がたった一人に注がれる。
コリウス王国の国王––レオン・コリウス。
彼は正妃セレリナの死を告げる報告に、ただ一言呟く。
「構わん」……と。
周囲から突き刺さるような睨みを受けても、彼は気にしない。
これは……彼が望んだ結末であるからだ。
しかし彼は知らない。
この日を境にセレリナが残したものを知り、後悔に苛まれていくことを。
王妃セレリナ。
彼女に消えて欲しかったのは……
いったい誰か?
◇◇◇
序盤はシリアスです。
楽しんでいただけるとうれしいです。
愛すべきマリア
志波 連
恋愛
幼い頃に婚約し、定期的な交流は続けていたものの、互いにこの結婚の意味をよく理解していたため、つかず離れずの穏やかな関係を築いていた。
学園を卒業し、第一王子妃教育も終えたマリアが留学から戻った兄と一緒に参加した夜会で、令嬢たちに囲まれた。
家柄も美貌も優秀さも全て揃っているマリアに嫉妬したレイラに指示された女たちは、彼女に嫌味の礫を投げつける。
早めに帰ろうという兄が呼んでいると知らせを受けたマリアが発見されたのは、王族の居住区に近い階段の下だった。
頭から血を流し、意識を失っている状態のマリアはすぐさま医務室に運ばれるが、意識が戻ることは無かった。
その日から十日、やっと目を覚ましたマリアは精神年齢が大幅に退行し、言葉遣いも仕草も全て三歳児と同レベルになっていたのだ。
体は16歳で心は3歳となってしまったマリアのためにと、兄が婚約の辞退を申し出た。
しかし、初めから結婚に重きを置いていなかった皇太子が「面倒だからこのまま結婚する」と言いだし、予定通りマリアは婚姻式に臨むことになった。
他サイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより転載しました。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
サクラ舞い散るヤヨイの空に
志波 連
ライト文芸
くるくるにカールさせたツインテールにミニスカート、男子用カーデガンをダボっと着た葛城沙也は、学内でも有名なほど浮いた存在だったが、本人はまったく気にも留めず地下アイドルをやっている姉の推し活に勤しんでいた。
一部の生徒からは目の敵にされ、ある日体育館裏に呼び出されて詰問されてしまう沙也。
他人とかかわるのが面倒だと感じている飯田洋子が、その現場に居合わせつい止めに入ってしまう。
その日から徐々に話すことが多くなる二人。
互いに友人を持った経験が無いため、ギクシャクとするも少しずつ距離が近づきつつあったある日のこと、沙也の両親が離婚したらしい。
沙也が泣きながら話す内容は酷いものだった。
心に傷を負った沙也のために、洋子はある提案をする。
他のサイトでも掲載しています。
表紙は写真ACより引用しました。
6年後に戦地から帰ってきた夫が連れてきたのは妻という女だった
白雲八鈴
恋愛
私はウォルス侯爵家に15歳の時に嫁ぎ婚姻後、直ぐに夫は魔王討伐隊に出兵しました。6年後、戦地から夫が帰って来ました、妻という女を連れて。
もういいですか。私はただ好きな物を作って生きていいですか。この国になんて出ていってやる。
ただ、皆に喜ばれる物を作って生きたいと願う女性がその才能に目を付けられ周りに翻弄されていく。彼女は自由に物を作れる道を歩むことが出来るのでしょうか。
番外編
謎の少女強襲編
彼女が作り出した物は意外な形で人々を苦しめていた事を知り、彼女は再び帝国の地を踏むこととなる。
私が成した事への清算に行きましょう。
炎国への旅路編
望んでいた炎国への旅行に行く事が出来ない日々を送っていたが、色々な人々の手を借りながら炎国のにたどり着くも、そこにも帝国の影が・・・。
え?なんで私に誰も教えてくれなかったの?そこ大事ー!
*本編は完結済みです。
*誤字脱字は程々にあります。
*なろう様にも投稿させていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる