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遠くの空が濃紺から深い青色に変わり始めたころ、医務室の扉が開いた。
疲れ切った顔で出てきた王宮医に駆け寄るシェリーと、彼女を支えるブルーノ。
「先生!」
「ああ……妃殿下。こちらにずっと? それはお疲れでしょう」
「いいえ、私は大丈夫です。それよりアレックスは? 夫は無事ですか?」
「無事というのが命を取り留めたかということでしたら、殿下はご無事です。しかし、できる限りの解毒はしたのですが、やはり麻痺は残ると思います。それに……左足は……」
「左足? 左足は……切断……」
「はい、殿下のお命を優先しました。刺されたのが大腿部でしたので、ほぼ足の付け根から切る以外に方法はありませんでした」
「その手術は成功しましたか?」
「はい、成功いたしました。併発症を発症する恐れがありますから、当面は清潔なテントの中で治療を続ける必要があります。妃殿下もテントの外からしかお会いになれません」
「そんな!」
「姉さん。併発症は怖いんだ。義兄さんのためにも暫くは我慢するしかないよ」
ブルーノが冷静にシャリーを諫めた。
「先生、お疲れさまでした。姉は僕が部屋に連れて行きます。もしアルバート殿下の意識が戻ったらお知らせくださいますか?」
ブルーノの声に王宮医が頷いた。
「必ずお知らせ致します」
ブルーノが真っ青になって震えているシェリーの肩を抱いた。
「姉さん、行こう。姉さんも少し休まなければ」
二人が去った後に残った医師がポツンと呟く。
「おいたわしい……あの体では即位は難しいだろうな……」
医師が去った医務室前の廊下に、深い静寂が訪れた。
その頃宰相執務室では、シュラインがオースティンと共に貴族会議で発表する顛末を書き上げていた。
内容が内容だけに、通常なら文書で配布するところを口頭説明に留めることにしている。
そのことで苦情が出た場合、王命だと宣言することで黙らせるしかないと考えていた。
「さすがに文書では渡せないよな……保存は超国家機密文書綴りに残すだけにしたい」
シュラインの言葉にオースティンが何度も頷いた。
「想定問答はこんなものでしょうか?」
オースティンが何枚にも及ぶ書類をシュラインの前に置いた。
「すまん……読む気になれん。明日は僕の後ろに控えておいてくれ」
「ゲッ……帰りたかったのに」
シュラインはオースティンの言葉をまるっと無視した。
「僕は少し眠るよ。アルバートの手術が終わったら報告が来るだろうから、その時には起こしてくれ」
「畏まりました。では私はそこのソファーで仮眠をとりますから、宰相閣下は奥の小部屋のベッドでゆったりとお休みください」
「なんだか棘のある言い方だが……まあ、よろしく頼むよ」
それから数十分も過ぎただろうか。
疲れ切っているのに神経が昂って、すぐには眠れなかったシュラインがうとうとし始めた頃、執務室に続くドアがノックされた。
「まじかよ……」
シュラインはのろのろと起き上がり、扉を開けた。
目の下に盛大なクマを貼り付けたオースティンが、へらへらと笑いながら立っている。
「終わったのか? 結果は?」
その質問には答えず、体をずらして執務室への入室を促すオースティン。
執務室の扉の前に、疲労困憊の顔で王宮医が立っていた。
ソファーへ促し、オースティンに紅茶を淹れるよう指示をしたシュラインが口を開く。
「ご苦労様でした。先生、弟は?」
「できる限りの解毒は致しましたが、左足はやはり切るしかありませんでした。これから二週間程度は清潔なテントの中で治療を続けます。意識が戻られたら激痛が襲いますので、オピュウムの使用許可をお願いします」
「わかりました。できるだけ痛みの無いように取り計らってやってください。しかし中毒症状は困る。大量に必要ですか?」
「一時的には濃い状態で投与する必要があるでしょうが、中毒症状が出るほど継続することはありません。痛みが和らいで来たら中毒性の無い痛み止めに切り替えます」
「そうして下さい。オピュウムはブラッド侯爵に指示をしておきます。今年はオピュウムの栽培を休む年なので、保有状況なども確認しなくてはなりません。明日でも……ああ、もう今日か……夜が明けたら……ああ、もう明けてるのか……。なるべく早く準備します」
「よろしくお願いします。今はまだ意識が戻っておられませんので、その間に宰相閣下もお休みになってください」
「ええ、ありがとうございます。先生も短時間になるでしょうが休んでください」
二人は重病人よりもっと酷い顔色のまま、握手を交わして別れた。
ふらふらと小部屋に戻ろうとするシュラインを呼び止めたのはブルーノだった。
こちらも酷い状態だ。
「シュライン閣下。シェリー妃殿下を休ませてきました。僕は一旦屋敷に戻ります」
「ああ、ブルーノ。戻ってこないからどうしたのかと思っていたんだが、シェリーのところにいたのか」
「ええ、レモン嬢が慌てふためいて姉を探していたのですが、医務室の前にいたのです。手術が終わるまで動こうとしないので、付き合っていました。説明文はできましたか?」
「一応な。想定問答も作ったよ」
「さすがです」
「内容が……ファンタジーだが、おそらく誰も突っ込んでは来ないだろう。というか突っ込みどころ満載で、どこから突っ込めばいいのか分からないと思う。その隙に切り上げて会議を終わらせようと思っている」
「まあ父もシルバー伯爵も出席するでしょうから、もし何かあれば援護射撃くらいすると思いますよ。多分……」
「多分って言うな……おおっ! それと先ほど担当医が来てアルバートの術後の治療にオピュウムが必要だと言っていた。希釈度合などは医者に確認してもらうしかないが、かなりの量になるようだ。準備を頼む」
「畏まりました。今年のオピュウムは全て王城内に保管していますので、すぐに対応できますよ」
「ああ、助かるよ。なあ、ブルーノ。少し眠ろう。お前の顔……酷いぞ?」
「あなたに言われるほど酷いとも思えませんが、閣下も少し眠ってください。僕は屋敷に戻ります」
「分かった。ああ、レモン嬢はシェリーの部屋か?」
「ええ、僕と入れ違いに戻ってきましたよ。彼女はずっとサミュエル殿下に付き添っていたようです。一度意識が戻って、睡眠薬を投与されてまた眠ったとのことでした」
「そうか……本当ならすぐにでも行かねばならないが、寝ているなら仕方がないということにしてもらおう。マジで……眠い」
パラパラと手を振って小部屋に戻るシュラインを見送った後、ブルーノは屋敷に戻るために部屋を出た。
ドアを閉めるときに振り返ると、オースティンがソファーの後ろで床に転がって寝ていたが、起こしては可哀そうだと思い、そのままにした。
疲れ切った顔で出てきた王宮医に駆け寄るシェリーと、彼女を支えるブルーノ。
「先生!」
「ああ……妃殿下。こちらにずっと? それはお疲れでしょう」
「いいえ、私は大丈夫です。それよりアレックスは? 夫は無事ですか?」
「無事というのが命を取り留めたかということでしたら、殿下はご無事です。しかし、できる限りの解毒はしたのですが、やはり麻痺は残ると思います。それに……左足は……」
「左足? 左足は……切断……」
「はい、殿下のお命を優先しました。刺されたのが大腿部でしたので、ほぼ足の付け根から切る以外に方法はありませんでした」
「その手術は成功しましたか?」
「はい、成功いたしました。併発症を発症する恐れがありますから、当面は清潔なテントの中で治療を続ける必要があります。妃殿下もテントの外からしかお会いになれません」
「そんな!」
「姉さん。併発症は怖いんだ。義兄さんのためにも暫くは我慢するしかないよ」
ブルーノが冷静にシャリーを諫めた。
「先生、お疲れさまでした。姉は僕が部屋に連れて行きます。もしアルバート殿下の意識が戻ったらお知らせくださいますか?」
ブルーノの声に王宮医が頷いた。
「必ずお知らせ致します」
ブルーノが真っ青になって震えているシェリーの肩を抱いた。
「姉さん、行こう。姉さんも少し休まなければ」
二人が去った後に残った医師がポツンと呟く。
「おいたわしい……あの体では即位は難しいだろうな……」
医師が去った医務室前の廊下に、深い静寂が訪れた。
その頃宰相執務室では、シュラインがオースティンと共に貴族会議で発表する顛末を書き上げていた。
内容が内容だけに、通常なら文書で配布するところを口頭説明に留めることにしている。
そのことで苦情が出た場合、王命だと宣言することで黙らせるしかないと考えていた。
「さすがに文書では渡せないよな……保存は超国家機密文書綴りに残すだけにしたい」
シュラインの言葉にオースティンが何度も頷いた。
「想定問答はこんなものでしょうか?」
オースティンが何枚にも及ぶ書類をシュラインの前に置いた。
「すまん……読む気になれん。明日は僕の後ろに控えておいてくれ」
「ゲッ……帰りたかったのに」
シュラインはオースティンの言葉をまるっと無視した。
「僕は少し眠るよ。アルバートの手術が終わったら報告が来るだろうから、その時には起こしてくれ」
「畏まりました。では私はそこのソファーで仮眠をとりますから、宰相閣下は奥の小部屋のベッドでゆったりとお休みください」
「なんだか棘のある言い方だが……まあ、よろしく頼むよ」
それから数十分も過ぎただろうか。
疲れ切っているのに神経が昂って、すぐには眠れなかったシュラインがうとうとし始めた頃、執務室に続くドアがノックされた。
「まじかよ……」
シュラインはのろのろと起き上がり、扉を開けた。
目の下に盛大なクマを貼り付けたオースティンが、へらへらと笑いながら立っている。
「終わったのか? 結果は?」
その質問には答えず、体をずらして執務室への入室を促すオースティン。
執務室の扉の前に、疲労困憊の顔で王宮医が立っていた。
ソファーへ促し、オースティンに紅茶を淹れるよう指示をしたシュラインが口を開く。
「ご苦労様でした。先生、弟は?」
「できる限りの解毒は致しましたが、左足はやはり切るしかありませんでした。これから二週間程度は清潔なテントの中で治療を続けます。意識が戻られたら激痛が襲いますので、オピュウムの使用許可をお願いします」
「わかりました。できるだけ痛みの無いように取り計らってやってください。しかし中毒症状は困る。大量に必要ですか?」
「一時的には濃い状態で投与する必要があるでしょうが、中毒症状が出るほど継続することはありません。痛みが和らいで来たら中毒性の無い痛み止めに切り替えます」
「そうして下さい。オピュウムはブラッド侯爵に指示をしておきます。今年はオピュウムの栽培を休む年なので、保有状況なども確認しなくてはなりません。明日でも……ああ、もう今日か……夜が明けたら……ああ、もう明けてるのか……。なるべく早く準備します」
「よろしくお願いします。今はまだ意識が戻っておられませんので、その間に宰相閣下もお休みになってください」
「ええ、ありがとうございます。先生も短時間になるでしょうが休んでください」
二人は重病人よりもっと酷い顔色のまま、握手を交わして別れた。
ふらふらと小部屋に戻ろうとするシュラインを呼び止めたのはブルーノだった。
こちらも酷い状態だ。
「シュライン閣下。シェリー妃殿下を休ませてきました。僕は一旦屋敷に戻ります」
「ああ、ブルーノ。戻ってこないからどうしたのかと思っていたんだが、シェリーのところにいたのか」
「ええ、レモン嬢が慌てふためいて姉を探していたのですが、医務室の前にいたのです。手術が終わるまで動こうとしないので、付き合っていました。説明文はできましたか?」
「一応な。想定問答も作ったよ」
「さすがです」
「内容が……ファンタジーだが、おそらく誰も突っ込んでは来ないだろう。というか突っ込みどころ満載で、どこから突っ込めばいいのか分からないと思う。その隙に切り上げて会議を終わらせようと思っている」
「まあ父もシルバー伯爵も出席するでしょうから、もし何かあれば援護射撃くらいすると思いますよ。多分……」
「多分って言うな……おおっ! それと先ほど担当医が来てアルバートの術後の治療にオピュウムが必要だと言っていた。希釈度合などは医者に確認してもらうしかないが、かなりの量になるようだ。準備を頼む」
「畏まりました。今年のオピュウムは全て王城内に保管していますので、すぐに対応できますよ」
「ああ、助かるよ。なあ、ブルーノ。少し眠ろう。お前の顔……酷いぞ?」
「あなたに言われるほど酷いとも思えませんが、閣下も少し眠ってください。僕は屋敷に戻ります」
「分かった。ああ、レモン嬢はシェリーの部屋か?」
「ええ、僕と入れ違いに戻ってきましたよ。彼女はずっとサミュエル殿下に付き添っていたようです。一度意識が戻って、睡眠薬を投与されてまた眠ったとのことでした」
「そうか……本当ならすぐにでも行かねばならないが、寝ているなら仕方がないということにしてもらおう。マジで……眠い」
パラパラと手を振って小部屋に戻るシュラインを見送った後、ブルーノは屋敷に戻るために部屋を出た。
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