29 / 43
28 空間の世界のマリア
しおりを挟む
もうずっと、まるで水の中にいるような感じだ。
昨日よりずっと何も感じなくなっているから、そろそろかなと考えていたら、誰かが部屋に入ってきたような気配を感じたが、うっすらとした光りしか感じなくなったこの目では、確認もできない。
少しだけ指先が温かいような気がするが何だろう。
誰かが手を握っているのだろうか?
消えかける意識の中でマリアがそう考えていた時、慈愛に満ちた優しい声がマリアの心に直接響いた。
「マリア……お前を迎えに来た。本来ならすぐにでも連れて行くところだが、辛い思いばかりだったお前に、願いをひとつだけ叶えてやろうと思って私が自らきたのだよ。さあ、何なりと言ってみるがいい」
「願い? あなたはどなた?」
「私は森羅万象を司る者」
「願い……」
マリアは数秒考え、この状況をすぐに終わらせることを望んだ。
自ら魂の解放を欲したのだ。
魂の解放……すなわちそれは『死』だ。
創造主は一度だけ小さく頷き、マリアの魂を抜き取る作業を開始した。
しかし、マリアの枯れ木のような手を握り続ける夫を見た創造主は、その作業を中断して暫し待つことにした。
慌てふためく夫の姿を、マリアの代わりに観察していると、今度は医者らしき男が入ってきた。
マリアの魂はいつでも抜き出せる状態にしてある。
医者に突き飛ばされながらも立ち上がり、夫は再びマリアの手を握った。
「今がベストタイミングだよね?」
創造主はマリアの魂を掌に乗せて『空間』の世界へと戻った。
その世界では『ファイア』と『ブロウ』が待っていた。
迷った挙句、まだ名を取り上げていなかった事を思い出した創造主は先手を打つ。
「さあ、お前たちの愛するマリアの魂を連れて来たよ」
まず『ブロウ』が駆け寄りマリアの魂を抱きしめた。
まだ名を与えていないその魂は、ところどころ黒ずんでいるが、予想より遥かにきれいな球体を維持していた。
そしてマリアの魂を抱きしめている『ブロウ』ごと包み込むように腕を回した『ファイア』が創造主に聞いた。
「この子は幸せでしたか?」
「いや、そうでもないかな」
「そうですか……」
「だから当分の間、私がしっかり甘やかしていこうと思うんだ。でも君たちはそろそろ輪廻に参加しないとね。もう会えないと思っていた子に会えたんだ。それで満足しておくれ」
「勿論です。ありがとうございました」
そう言うと『ファイア』は『ブロウ』を促して、創造主の前に跪いた。
その二人に寄り添うように、マリアの魂が浮遊している。
「では、名を返してもらうよ。じっくり休んで再び我が作りし世界の礎となりなさい」
創造主がほんの少し指を動かすと、仮の器が消えて透明の球体が現れた。
二つの魂は数度マリアの魂の周りを浮遊したあと、スッと上空に昇って行った。
「今度は君に名を与えようね。君の名は……やっぱりマリアだな。でもその前に黒ずんでるところをきれいにさせてくれるかい?」
創造主は掌のマリアの魂を包み込み、数度大きな息をした。
指の間から光りが漏れ始め、やがて光りの粒となって下に落ちてゆく。
創造主が指先を広げると、まるでクリスタルのように光り輝く透明な球体が現れた。
「やあ! きれいになったねぇ。うんうん、君は素晴らしく美しい」
そう言った創造主は、穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「マリア」
その途端、球体を核として人型が出現し、父親に連れ去られる前のマリアが出現した。
「きれいだね、マリア。こっちにおいで」
おずおずとしながらも、まっすぐ創造主に向かって歩を進めるマリアの顔は生気に満ちている。
「君はそんな顔で笑える子だったんだねぇ」
「神様ですか?」
「違うよ。神ではない。創造主と言われているみたいだけど、マリアには名前で呼ばれたいな」
「お名前ですか? なんとお呼びすればいいでしょうか?」
「子供の頃は『アース』って呼ばれてたよ」
「アース様?」
「うん、いいねえ。マリアに呼ばれるとなんだかとても嬉しい」
二人はニコニコと笑いあった。
アースに手を引かれ、マリアはポスッとその胸に倒れ込んだ。
アースはマリアの髪を撫でながら、ゆっくりと話し始める。
「覚えているだろう?」
「はい。私は死んでしまったのですよね? だからかしら、辛さとか悲しみとか怒りとかの感情が、全部なくなっちゃったみたいです。なんだかとても素直な気分で嬉しいわ」
「そうかい? それなら魂を修復した甲斐があったというものだ。死んだっていうのは、近いけど違うな。まあ器は壊れたから『死』といえばそうだが、完全に壊れきる前に私が救済したからね。だから君の魂は摂理に従った浄化には回れないんだ」
「浄化? 魂の浄化ですか? 本で読んだことがあります。神様が死んだ人の魂をきれいにして、また生まれ変わらせるって」
「ふぅ~ん。誰が言ったんだろ。近いとこ突いてるねぇ。偶にいるんだよ、記憶を持ったまま浄化に耐える強いのが。そのうちのどれかかな? まあ、いいけど」
「でもアース様は神様じゃないのでしょう?」
「うん、神様じゃないね。神様って呼ばれてるのも私が作ったから」
「……?」
マリアが小首を傾げてアースを見上げた。
「マリア……難しいことはいいさ。それより君はちょっとの間ここにいなさい。私の話し相手をしてくれると嬉しいのだけれど、どうかな?」
「はい、喜んで。でもアース様ってどうして透けて見えるのですか?」
「ん? まだ透けてた? ちょっと待ってて。すぐ直すから」
そう言うとアースはギュッと目を閉じて、すぐに開けた。
「あら! はっきり見えるようになったわ」
「これでいい? それともマリアの好きな感じにも変えられるよ?」
「好きな感じ? 猫とか?」
「マリアは猫が好きなのか。でも猫だと君を抱きしめてあげられないでしょ? やっぱり人型の方が良くない?」
「だったら……物語に出てくる王子様とか?」
「王子さまねぇ……いいけど、実際の王子ってロクな奴いないよ? じゃあこんなのは?」
アースは再び目をギュッと閉じた。
銀色のまっすぐな髪が腰まで伸びた美しい顔立ちの30歳くらいの男性が現れる。
「まあ、きれいな方! 素敵です」
「そう? じゃあマリアが飽きるまではこれでいこうかな」
二人は微笑み合って立ち上がった。
アースは銀髪を揺らしながらマリアに話しかける。
「マリア、私のためにお茶を淹れてくれるかな?」
「はい、私でよろしければ喜んで」
二人は歩き出した。
数歩歩くとマリアにとって見慣れたキッチンがあった。
「これって……」
「うん、君が使っていたキッチンだね」
「どうして?」
「どうして? その方がマリアも喜ぶかなって思ったからさ」
「ありがとうございます。アース様」
「うん、マリアの笑顔は私にとってご褒美だからね」
「すぐにお茶を淹れますね」
「ああ頼むよ。茶葉もカップも全てそのままだから使いやすいでしょ?」
マリアは一度アースを振り返り、ニコッと笑ってから戸棚に手を伸ばした。
紅茶を運んできたマリアを膝に座らせて、アースはゆっくりとカップを口に運んだ。
昨日よりずっと何も感じなくなっているから、そろそろかなと考えていたら、誰かが部屋に入ってきたような気配を感じたが、うっすらとした光りしか感じなくなったこの目では、確認もできない。
少しだけ指先が温かいような気がするが何だろう。
誰かが手を握っているのだろうか?
消えかける意識の中でマリアがそう考えていた時、慈愛に満ちた優しい声がマリアの心に直接響いた。
「マリア……お前を迎えに来た。本来ならすぐにでも連れて行くところだが、辛い思いばかりだったお前に、願いをひとつだけ叶えてやろうと思って私が自らきたのだよ。さあ、何なりと言ってみるがいい」
「願い? あなたはどなた?」
「私は森羅万象を司る者」
「願い……」
マリアは数秒考え、この状況をすぐに終わらせることを望んだ。
自ら魂の解放を欲したのだ。
魂の解放……すなわちそれは『死』だ。
創造主は一度だけ小さく頷き、マリアの魂を抜き取る作業を開始した。
しかし、マリアの枯れ木のような手を握り続ける夫を見た創造主は、その作業を中断して暫し待つことにした。
慌てふためく夫の姿を、マリアの代わりに観察していると、今度は医者らしき男が入ってきた。
マリアの魂はいつでも抜き出せる状態にしてある。
医者に突き飛ばされながらも立ち上がり、夫は再びマリアの手を握った。
「今がベストタイミングだよね?」
創造主はマリアの魂を掌に乗せて『空間』の世界へと戻った。
その世界では『ファイア』と『ブロウ』が待っていた。
迷った挙句、まだ名を取り上げていなかった事を思い出した創造主は先手を打つ。
「さあ、お前たちの愛するマリアの魂を連れて来たよ」
まず『ブロウ』が駆け寄りマリアの魂を抱きしめた。
まだ名を与えていないその魂は、ところどころ黒ずんでいるが、予想より遥かにきれいな球体を維持していた。
そしてマリアの魂を抱きしめている『ブロウ』ごと包み込むように腕を回した『ファイア』が創造主に聞いた。
「この子は幸せでしたか?」
「いや、そうでもないかな」
「そうですか……」
「だから当分の間、私がしっかり甘やかしていこうと思うんだ。でも君たちはそろそろ輪廻に参加しないとね。もう会えないと思っていた子に会えたんだ。それで満足しておくれ」
「勿論です。ありがとうございました」
そう言うと『ファイア』は『ブロウ』を促して、創造主の前に跪いた。
その二人に寄り添うように、マリアの魂が浮遊している。
「では、名を返してもらうよ。じっくり休んで再び我が作りし世界の礎となりなさい」
創造主がほんの少し指を動かすと、仮の器が消えて透明の球体が現れた。
二つの魂は数度マリアの魂の周りを浮遊したあと、スッと上空に昇って行った。
「今度は君に名を与えようね。君の名は……やっぱりマリアだな。でもその前に黒ずんでるところをきれいにさせてくれるかい?」
創造主は掌のマリアの魂を包み込み、数度大きな息をした。
指の間から光りが漏れ始め、やがて光りの粒となって下に落ちてゆく。
創造主が指先を広げると、まるでクリスタルのように光り輝く透明な球体が現れた。
「やあ! きれいになったねぇ。うんうん、君は素晴らしく美しい」
そう言った創造主は、穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「マリア」
その途端、球体を核として人型が出現し、父親に連れ去られる前のマリアが出現した。
「きれいだね、マリア。こっちにおいで」
おずおずとしながらも、まっすぐ創造主に向かって歩を進めるマリアの顔は生気に満ちている。
「君はそんな顔で笑える子だったんだねぇ」
「神様ですか?」
「違うよ。神ではない。創造主と言われているみたいだけど、マリアには名前で呼ばれたいな」
「お名前ですか? なんとお呼びすればいいでしょうか?」
「子供の頃は『アース』って呼ばれてたよ」
「アース様?」
「うん、いいねえ。マリアに呼ばれるとなんだかとても嬉しい」
二人はニコニコと笑いあった。
アースに手を引かれ、マリアはポスッとその胸に倒れ込んだ。
アースはマリアの髪を撫でながら、ゆっくりと話し始める。
「覚えているだろう?」
「はい。私は死んでしまったのですよね? だからかしら、辛さとか悲しみとか怒りとかの感情が、全部なくなっちゃったみたいです。なんだかとても素直な気分で嬉しいわ」
「そうかい? それなら魂を修復した甲斐があったというものだ。死んだっていうのは、近いけど違うな。まあ器は壊れたから『死』といえばそうだが、完全に壊れきる前に私が救済したからね。だから君の魂は摂理に従った浄化には回れないんだ」
「浄化? 魂の浄化ですか? 本で読んだことがあります。神様が死んだ人の魂をきれいにして、また生まれ変わらせるって」
「ふぅ~ん。誰が言ったんだろ。近いとこ突いてるねぇ。偶にいるんだよ、記憶を持ったまま浄化に耐える強いのが。そのうちのどれかかな? まあ、いいけど」
「でもアース様は神様じゃないのでしょう?」
「うん、神様じゃないね。神様って呼ばれてるのも私が作ったから」
「……?」
マリアが小首を傾げてアースを見上げた。
「マリア……難しいことはいいさ。それより君はちょっとの間ここにいなさい。私の話し相手をしてくれると嬉しいのだけれど、どうかな?」
「はい、喜んで。でもアース様ってどうして透けて見えるのですか?」
「ん? まだ透けてた? ちょっと待ってて。すぐ直すから」
そう言うとアースはギュッと目を閉じて、すぐに開けた。
「あら! はっきり見えるようになったわ」
「これでいい? それともマリアの好きな感じにも変えられるよ?」
「好きな感じ? 猫とか?」
「マリアは猫が好きなのか。でも猫だと君を抱きしめてあげられないでしょ? やっぱり人型の方が良くない?」
「だったら……物語に出てくる王子様とか?」
「王子さまねぇ……いいけど、実際の王子ってロクな奴いないよ? じゃあこんなのは?」
アースは再び目をギュッと閉じた。
銀色のまっすぐな髪が腰まで伸びた美しい顔立ちの30歳くらいの男性が現れる。
「まあ、きれいな方! 素敵です」
「そう? じゃあマリアが飽きるまではこれでいこうかな」
二人は微笑み合って立ち上がった。
アースは銀髪を揺らしながらマリアに話しかける。
「マリア、私のためにお茶を淹れてくれるかな?」
「はい、私でよろしければ喜んで」
二人は歩き出した。
数歩歩くとマリアにとって見慣れたキッチンがあった。
「これって……」
「うん、君が使っていたキッチンだね」
「どうして?」
「どうして? その方がマリアも喜ぶかなって思ったからさ」
「ありがとうございます。アース様」
「うん、マリアの笑顔は私にとってご褒美だからね」
「すぐにお茶を淹れますね」
「ああ頼むよ。茶葉もカップも全てそのままだから使いやすいでしょ?」
マリアは一度アースを振り返り、ニコッと笑ってから戸棚に手を伸ばした。
紅茶を運んできたマリアを膝に座らせて、アースはゆっくりとカップを口に運んだ。
52
お気に入りに追加
2,501
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
公爵家の家族ができました。〜記憶を失くした少女は新たな場所で幸せに過ごす〜
月
ファンタジー
記憶を失くしたフィーは、怪我をして国境沿いの森で倒れていたところをウィスタリア公爵に助けてもらい保護される。
けれど、公爵家の次女フィーリアの大切なワンピースを意図せず着てしまい、双子のアルヴァートとリティシアを傷付けてしまう。
ウィスタリア公爵夫妻には五人の子どもがいたが、次女のフィーリアは病気で亡くなってしまっていたのだ。
大切なワンピースを着てしまったこと、フィーリアの愛称フィーと公爵夫妻から呼ばれたことなどから双子との確執ができてしまった。
子どもたちに受け入れられないまま王都にある本邸へと戻ることになってしまったフィーに、そのこじれた関係のせいでとある出来事が起きてしまう。
素性もわからないフィーに優しくしてくれるウィスタリア公爵夫妻と、心を開き始めた子どもたちにどこか後ろめたい気持ちを抱いてしまう。
それは夢の中で見た、フィーと同じ輝くような金色の髪をした男の子のことが気になっていたからだった。
夢の中で見た、金色の花びらが舞う花畑。
ペンダントの金に彫刻された花と水色の魔石。
自分のことをフィーと呼んだ、夢の中の男の子。
フィーにとって、それらは記憶を取り戻す唯一の手がかりだった。
夢で会った、金色の髪をした男の子との関係。
新たに出会う、友人たち。
再会した、大切な人。
そして成長するにつれ周りで起き始めた不可解なこと。
フィーはどのように公爵家で過ごしていくのか。
★記憶を失くした代わりに前世を思い出した、ちょっとだけ感情豊かな少女が新たな家族の優しさに触れ、信頼できる友人に出会い、助け合い、そして忘れていた大切なものを取り戻そうとするお話です。
※前世の記憶がありますが、転生のお話ではありません。
※一話あたり二千文字前後となります。
あなたが運命の相手、なのですか?
gacchi
恋愛
運命の相手以外の異性は身内であっても弾いてしまう。そんな体質をもった『運命の乙女』と呼ばれる公爵令嬢のアンジェ。運命の乙女の相手は賢王になると言われ、その言い伝えのせいで第二王子につきまとわられ迷惑している。そんな時に第二王子の側近の侯爵子息ジョーゼルが訪ねてきた。「断るにしてももう少し何とかできないだろうか?」そんなことを言うくらいならジョーゼル様が第二王子を何とかしてほしいのですけど?
〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……
藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」
大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが……
ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。
「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」
エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。
エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話)
全44話で完結になります。
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
【取り下げ予定】お幸せに、婚約者様。私も私で、幸せになりますので。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる