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コワイコワイ

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「お気に召したようですね、マイレディ・ベラ」

連日カジノに通い詰めているベラは、今日も連れてきてくれたレナードに微笑んだ。

「今は少しだけ負けていますが、もう少しで取り返せそうな気がしますの」

「そう言いつつ何回目のゲームでしょう?そろそろ今日は切りあげませんか?」

「あら、今日はお急ぎですの?私はまだ続けたいのですわ」

「そういうことでしたらどうぞご存分に。私はバーカウンターにいますので」

呆れた様に肩を竦めるレナードを満足げに見たベラはカードテーブルに視線を戻した。
ディーラーがちらっとレナードを見る。
レナードは冷めきった顔で小さく頷き、バーカウンターへ向かった。
止まり木に寄りかかり酒を注文したレナードの横に男が近づいた。

「そろそろ切り上げるか?」

「そうだな、どのくらいになった?」

「例の娼館が出せるぎりぎり位かな」

「あまり高くすると売れなくなるな・・・明日にでもトップに確認するよ」

「お前らもなかなか面白い事を考えつくよ。で?母親の方はどうだ」

「ああ、あの女ならもう立派に仕込まれてるよ。レックスの言いなりさ」

「ははは!あいつはなかなかの手練れだからな。紹介した甲斐があるよ。でも流石にそろそろ限界みたいだぞ?」

「限界?あんなに儲けてるのに?」

「金はもう十分だから若い女を抱きたいそうだ」

「なるほど・・・仕事とはいえ、あそこまで求められると辛いのかもな」

「母親の方はお前にどのくらい借金してるんだ?」

「小さい城なら買える程度」

「そりゃ豪気だな!」

「ああ、買い手も決まったからそろそろ潮時だな」

ベラが陣取っているテーブルから嬌声が上がる。
何気に見るとベラが両手を上げてはしゃいでいた。

「あのディーラーもなかなかだな」

「ああ、うちのエースだ。気づかれない様に借金させる天才さ。あれで何人のご令嬢が娼館送りになったことか」

「お前もレックスもあのディーラーも地獄行き確定だな」

「それを言うならお前たちが先だ」

「ああ、違いない」

二人の男はグラスを上げて乾杯した。
帰って早く眠りたいと考えていたレナードは、ベラの視線を感じてテーブルを見た。
フッと小さくため息をついて追加のチップを出してやるよう指示を出す。

「今日も朝帰り確定だな」

「ご愁傷様。それにしても復讐というならあっさり切り捨ててしまえば良いのでは?」

「いや、それでは俺たちの腹の虫が収まらないんだ。あの母娘は俺たちの大切な女神を売り飛ばしやがったからな。同じ目に合わせないと割に合わんだろ」

「女神様を?娼館に?」

「ああ、彼女は血の滲むような苦労をして自力で回避した。まあ買った娼館主は俺が切り捨ててやったがな」

「なるほど、そういうご事情なら自業自得だな。それにしても湯水のごとく金を使うご令嬢だ。よくもまあ今まで無事で生きてこれたものだ」

「生きてこれたのではないよ。生かしてやってきたのさ。死にたくなるほどの目に合わせるためにね」

「コワイコワイ」

飲み飽きたレナードがバーテンにソーダ水を頼んでいたその頃、べルーシュはレックスの股座に顔をうずめていた。
何度も鞭で叩かれべルーシュの尻は真っ赤に腫れている。
レックスの一物を愛おしそうに撫でたり舐めたりしながらべルーシュが尋ねる。

「ねえレックス、どうしてあなたは私の中に入れてくれないの?いつも張形ばかりで」

「ああ、そうか。このところベルの中には入れてないな。でもそれはベルのためでもあるんだよ?」

「なぜ?たまにはあなた自身で感じたいわ」

「でもね、張形でイケる体になっておかないと今後が辛いことになるよ?例えば変態のサディストなのにインポテンツの男に飼われるかもしれないだろう?」

「そんな事・・・あるわけないでしょう?私は貴方のものなのに」

「そうだね、ベルは俺の虜だものね。じゃあ変態サディスト野郎に俺の目の前で犯されろと
命令したら?背くなら二度と抱かないと言ったら?」

レックスの言葉を聞いたべルーシュが体をくねらせて悶える。

「貴方の目の前で・・・変態に犯される・・・ああ・・・なんだかぞくぞくするわ」

「素敵なプランだろ?近いうちに嬲ってもらえるよう手配してやるよ」

「レックス・・・あら、少し硬くなってきたわ」

べルーシュがレックスのそれを頬張った。

「そう?もう粉も出ないけどな・・・お前には」

レックスの声はべルーシュの耳にはもう届かなかった。
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