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息子の父親
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全員が固まったままティナを見ている。
ティナは苦笑いをしながら頭をかいた。
「なんというか・・・私はまだ正式に返事をしてないのですが・・・なんとなくそんな流れになって?」
『おいおいおいおい!ティナ!今更断るなよ?お前に捨てられたら俺は立ち直れんぞ!』
慌てふためいた神の声が四人の頭に響いた。
ティナを除く三人が一斉にティナの顔を見た。
ナサーリアが独り言のように呟いた。
「ティナ様・・・神様がおかわいそうです・・・神様を袖にするなんて・・・」
「そ・・・そうですよティナロア様。神が乞われているのですよ?」
「男であるわが身が恨めしいほどに・・・ティナロア様が羨ましい・・・」
三人が口々に小言をぶつける。
神の声が聞こえていない他のメンバーは何が起こっているのかわからない。
オルフェウス大神官が説明した。
キアヌ殿下が慌てて声を上げた。
「聖女ティナロア!神を振るなど・・・ありえない!」
その横で立ったままのユリア殿下もコクコクと頷いている。
ティナは全員の顔を見た後、肩を竦めて見せた。
「まあ、とにかく今は問題の解決を優先しましょう?本物の聖女と私の違いは納得していただけましたか?」
言葉もなく全員が何度も首を縦に振った。
「では、聖女ナサーリア様の保護は王宮でするのですか?それとも教会ですか?」
おずおずとナサーリアが手を挙げた。
「もしも我儘を言ってもいいのなら・・・私は教会にお世話になりとうございます」
「ナサーリア!王宮の方が安全だ!」
キアヌ殿下が悲痛な声を上げる。
「でも私は王宮で守られていては民のための活動ができません。それでは本末転倒だと思うのです」
ハロッズ侯爵が静かに言った。
「ナサーリアは神より授ずかったその力を身分を問わず、皆に使いたいと言うのだな?」
「はい、お父様。その通りでございます」
「では殿下、やはり教会がふさわしいでしょう。教会の警備を強化する方向で調整してはいかがですか?」
キアヌ殿下は納得しかねる表情で俯いた。
ユリア殿下が発言した。
「そうだな、聖女の力は国のために存在する。貴族だけで囲い込むのは間違っている」
再びキアヌ殿下が反対の声を上げた。
「しかし!今回のような事件が再び起こる可能性も視野に入れるべきです」
「それも一理ある。新たに聖女教会を建てるというのはどうだろう」
「兄上?聖女教会?なるほど・・・それは良いかもしれない」
ナサーリアが驚いた。
「と・・・とんでもありません!私のために教会を建てるなど!」
ユリアがにっこり微笑みながらナサーリアに言った。
「サーリ、そうでもないんだ。今の教会は老朽化しているからそろそろ手を入れなくてはいけないし、何より新しく建てる事によって万全の警備体制を敷ける。今の教会のまま聖女を住まわせるとなると、誰も近寄らせないほどの警備体制になり、それこそ本末転倒だ」
「・・・・・・」
ナサーリアは困った顔をして父親の顔を見た。
「サーリ、お前のための教会ではあるが、お前のためだけの教会ではないと殿下は仰っているのだよ?それにお前に続く聖女が現れた時、同じ問題に直面するのだ。わかるかい?」
「お父様・・・」
「ではこの件は任せてくれるね?」
「はい、仰せのままに」
「うん。いい子だ、サーリ」
褒められて嬉しそうな顔をしたナサーリアが慌ててハロッズ侯爵の袖を握った。
「ティナ様は?ティナ様もご一緒できるのですよね?」
全員がティナの顔を見た。
「え?私はアルベッシュに行きますよ?だって・・・ハーベストにもアーレントを会わせてやりたいし」
「「「「えぇぇぇぇぇ~!!!」」」」
(あれ?言っちゃいけなかった?)
神の声が響いた。
『ティナ!面白れぇぇ~やっぱお前って最高だな』
神がティナの肩をバンバン叩きながら爆笑している。
その姿が見えるのはティナとナサーリアだけだった。
ティナは苦笑いをしながら頭をかいた。
「なんというか・・・私はまだ正式に返事をしてないのですが・・・なんとなくそんな流れになって?」
『おいおいおいおい!ティナ!今更断るなよ?お前に捨てられたら俺は立ち直れんぞ!』
慌てふためいた神の声が四人の頭に響いた。
ティナを除く三人が一斉にティナの顔を見た。
ナサーリアが独り言のように呟いた。
「ティナ様・・・神様がおかわいそうです・・・神様を袖にするなんて・・・」
「そ・・・そうですよティナロア様。神が乞われているのですよ?」
「男であるわが身が恨めしいほどに・・・ティナロア様が羨ましい・・・」
三人が口々に小言をぶつける。
神の声が聞こえていない他のメンバーは何が起こっているのかわからない。
オルフェウス大神官が説明した。
キアヌ殿下が慌てて声を上げた。
「聖女ティナロア!神を振るなど・・・ありえない!」
その横で立ったままのユリア殿下もコクコクと頷いている。
ティナは全員の顔を見た後、肩を竦めて見せた。
「まあ、とにかく今は問題の解決を優先しましょう?本物の聖女と私の違いは納得していただけましたか?」
言葉もなく全員が何度も首を縦に振った。
「では、聖女ナサーリア様の保護は王宮でするのですか?それとも教会ですか?」
おずおずとナサーリアが手を挙げた。
「もしも我儘を言ってもいいのなら・・・私は教会にお世話になりとうございます」
「ナサーリア!王宮の方が安全だ!」
キアヌ殿下が悲痛な声を上げる。
「でも私は王宮で守られていては民のための活動ができません。それでは本末転倒だと思うのです」
ハロッズ侯爵が静かに言った。
「ナサーリアは神より授ずかったその力を身分を問わず、皆に使いたいと言うのだな?」
「はい、お父様。その通りでございます」
「では殿下、やはり教会がふさわしいでしょう。教会の警備を強化する方向で調整してはいかがですか?」
キアヌ殿下は納得しかねる表情で俯いた。
ユリア殿下が発言した。
「そうだな、聖女の力は国のために存在する。貴族だけで囲い込むのは間違っている」
再びキアヌ殿下が反対の声を上げた。
「しかし!今回のような事件が再び起こる可能性も視野に入れるべきです」
「それも一理ある。新たに聖女教会を建てるというのはどうだろう」
「兄上?聖女教会?なるほど・・・それは良いかもしれない」
ナサーリアが驚いた。
「と・・・とんでもありません!私のために教会を建てるなど!」
ユリアがにっこり微笑みながらナサーリアに言った。
「サーリ、そうでもないんだ。今の教会は老朽化しているからそろそろ手を入れなくてはいけないし、何より新しく建てる事によって万全の警備体制を敷ける。今の教会のまま聖女を住まわせるとなると、誰も近寄らせないほどの警備体制になり、それこそ本末転倒だ」
「・・・・・・」
ナサーリアは困った顔をして父親の顔を見た。
「サーリ、お前のための教会ではあるが、お前のためだけの教会ではないと殿下は仰っているのだよ?それにお前に続く聖女が現れた時、同じ問題に直面するのだ。わかるかい?」
「お父様・・・」
「ではこの件は任せてくれるね?」
「はい、仰せのままに」
「うん。いい子だ、サーリ」
褒められて嬉しそうな顔をしたナサーリアが慌ててハロッズ侯爵の袖を握った。
「ティナ様は?ティナ様もご一緒できるのですよね?」
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「え?私はアルベッシュに行きますよ?だって・・・ハーベストにもアーレントを会わせてやりたいし」
「「「「えぇぇぇぇぇ~!!!」」」」
(あれ?言っちゃいけなかった?)
神の声が響いた。
『ティナ!面白れぇぇ~やっぱお前って最高だな』
神がティナの肩をバンバン叩きながら爆笑している。
その姿が見えるのはティナとナサーリアだけだった。
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