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いきなりアランに抱きしめられたティナは少し戸惑った。
「アラン?」
「ティナ・・・ありがとう・・・ありがとう・・・救われたよ。母も私も。あなたのおかげだ」
ティナは黙ってアランに抱きしめられるままになっていた。
シスターたちがロージーに駆け寄り最後の支度を整える。
オルフェウス大神官の指示のもと、ロージーは聖女に準じた葬送の儀が許された。
真っ白な花の上をロージーを収めた棺が進み、オルフェウス大神官の言葉で最後の祝福が贈られた。
ロージーの遺体は本人の希望通り、教会の裏手にある墓地に埋葬された。
空っぽになったロージーの部屋で佇むアランにティナが声をかけた。
「アラン・・・これからどうするの?」
「ああ・・・ティナ。戻るよあの街に。ラッテおばさんの助けになることが私にできる唯一のことだ。ティナは?ここにいるの?」
「ええ、この教会にお世話になることにしたの」
「そう・・・それなら安心だ。何か困ったことがあったら必ず連絡してね。何をおいても駆けつけるから・・・ティナ・・・母さんとの時間をくれたことを心から感謝する」
アランは跪いてティナの手を押し抱いた。
「アラン・・・どうかお元気で」
立ち上がりながらアランが応える。
「ええ、ティナも・・・どうかお元気で。本当にありがとう」
「それから・・・ビスタやリアのこと、よろしくね。そしてテラのことも気にかけてやってください」
「母の名に誓ってお約束します」
今夜の便で王都を発つというアランを教会の門まで見送ったティナは心を新たにした。
(よっしゃ!番をみつけて神に渡したら自由気ままにいきるぞぉぉぉぉ!」
そんなティナを見つめていた神が独り言ちた。
『う~ん・・・悪い予感しかしない・・・』
『ん?何か言った?まあ今のところは順調なんじゃない?ここに居られることにもなったし。あんたの番なんだから教会にも来るでしょう?』
『当たり前だろう?』
『だからさぁ、闇雲に歩き回って探すより可能性の高い場所で網張ってるほうがいいと思うのよ』
『網って・・・捕獲するなよ』
『あんたこそ見つけたとたんに襲わないでよ?』
『するか!お前じゃあるまいし』
『私だって会ってすぐってのは無いわ・・・で?番だって見分ける方法はあるの?』
『オーラが違うのだが・・・人間には判らないだろう。力を使ってくれたらいわかりやすいのだがな』
『力って?』
『聖なる力だ』
『何よその神がかり的な名前』
『お前なぁ・・・俺がだれかわかってる?』
『嫁探しに必死な大魔神?』
『・・・・・・』
いきなり神の気配が消えた。
にやっと笑うティナの後ろで乱暴に扉が開かれた。
「ティナさん!今・・・神と会話を?」
(やべぇ・・・)
「いいえ?どうされたのですか?フェルナンド神官様」
「いえ・・・そうですよね・・・あんな乱暴な口のきき方など・・・まだまだ修業が足りませんね。どうも慢心しているようです・・・」
「何か聞こえたのですか?」
「ええ・・・捕獲とか、襲うとか・・・ありえないですよね」
フェルナンドは肩を落とし静かに部屋を出て行った。
ティナはペンダントを握り心の中で叫んだ。
『ちょっと!大魔神!場所をわきまえないとまずいわよ?あの人たちに聞こえないようにできないの?』
『・・・善処する』
元気のない声が心になかに響いた。
『なによ・・・落ち込んだの?・・・悪かったわよ。ごめん。言い過ぎた。そんなこと思ってないからさぁ、機嫌直しなよ』
『・・・必死なのは確かだから・・・じゃあ頑張ってくれよ。会話の件は何とかするから』
『お・・・おう!任せときな!』
再び神の気配が消えた。
(案外シャイなのね・・・)
どこまでも神に対して不敬なティナだった。
「アラン?」
「ティナ・・・ありがとう・・・ありがとう・・・救われたよ。母も私も。あなたのおかげだ」
ティナは黙ってアランに抱きしめられるままになっていた。
シスターたちがロージーに駆け寄り最後の支度を整える。
オルフェウス大神官の指示のもと、ロージーは聖女に準じた葬送の儀が許された。
真っ白な花の上をロージーを収めた棺が進み、オルフェウス大神官の言葉で最後の祝福が贈られた。
ロージーの遺体は本人の希望通り、教会の裏手にある墓地に埋葬された。
空っぽになったロージーの部屋で佇むアランにティナが声をかけた。
「アラン・・・これからどうするの?」
「ああ・・・ティナ。戻るよあの街に。ラッテおばさんの助けになることが私にできる唯一のことだ。ティナは?ここにいるの?」
「ええ、この教会にお世話になることにしたの」
「そう・・・それなら安心だ。何か困ったことがあったら必ず連絡してね。何をおいても駆けつけるから・・・ティナ・・・母さんとの時間をくれたことを心から感謝する」
アランは跪いてティナの手を押し抱いた。
「アラン・・・どうかお元気で」
立ち上がりながらアランが応える。
「ええ、ティナも・・・どうかお元気で。本当にありがとう」
「それから・・・ビスタやリアのこと、よろしくね。そしてテラのことも気にかけてやってください」
「母の名に誓ってお約束します」
今夜の便で王都を発つというアランを教会の門まで見送ったティナは心を新たにした。
(よっしゃ!番をみつけて神に渡したら自由気ままにいきるぞぉぉぉぉ!」
そんなティナを見つめていた神が独り言ちた。
『う~ん・・・悪い予感しかしない・・・』
『ん?何か言った?まあ今のところは順調なんじゃない?ここに居られることにもなったし。あんたの番なんだから教会にも来るでしょう?』
『当たり前だろう?』
『だからさぁ、闇雲に歩き回って探すより可能性の高い場所で網張ってるほうがいいと思うのよ』
『網って・・・捕獲するなよ』
『あんたこそ見つけたとたんに襲わないでよ?』
『するか!お前じゃあるまいし』
『私だって会ってすぐってのは無いわ・・・で?番だって見分ける方法はあるの?』
『オーラが違うのだが・・・人間には判らないだろう。力を使ってくれたらいわかりやすいのだがな』
『力って?』
『聖なる力だ』
『何よその神がかり的な名前』
『お前なぁ・・・俺がだれかわかってる?』
『嫁探しに必死な大魔神?』
『・・・・・・』
いきなり神の気配が消えた。
にやっと笑うティナの後ろで乱暴に扉が開かれた。
「ティナさん!今・・・神と会話を?」
(やべぇ・・・)
「いいえ?どうされたのですか?フェルナンド神官様」
「いえ・・・そうですよね・・・あんな乱暴な口のきき方など・・・まだまだ修業が足りませんね。どうも慢心しているようです・・・」
「何か聞こえたのですか?」
「ええ・・・捕獲とか、襲うとか・・・ありえないですよね」
フェルナンドは肩を落とし静かに部屋を出て行った。
ティナはペンダントを握り心の中で叫んだ。
『ちょっと!大魔神!場所をわきまえないとまずいわよ?あの人たちに聞こえないようにできないの?』
『・・・善処する』
元気のない声が心になかに響いた。
『なによ・・・落ち込んだの?・・・悪かったわよ。ごめん。言い過ぎた。そんなこと思ってないからさぁ、機嫌直しなよ』
『・・・必死なのは確かだから・・・じゃあ頑張ってくれよ。会話の件は何とかするから』
『お・・・おう!任せときな!』
再び神の気配が消えた。
(案外シャイなのね・・・)
どこまでも神に対して不敬なティナだった。
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