25 / 26
スキルの活用に気付く
第25話 収縮拡張魔法スキルの良さが判明し始める
しおりを挟む
「よーし。じゃあ、市場に買い物に出かけよう! あれ? マリアさんは何をしているんですか?」
許可をもらったユーフェが花を買いに市場に行こうとすると、マリアが慌ててやってきて何やら唱え始めた。
「え? 祝福ですよ? この子達が買い物に行く時に怪我でもしたらと思うと心配ですからね。まあ簡単な擦り傷が治るくらいですけどね」
「便利ですね。私もその魔法が使えたらなー」
子供達に擦り傷が治るとの祝福を掛けていくマリアの様子に、ユーフェが羨ましそうな顔をしながら呟いているとマリアが意外だとの表情を浮かべながらも笑顔で提案する。
「え? 使えませんか? だったら教えますよ。もちろんお金は要りませんよ。先程の寄付でもお釣りが来ますから。ただ、ちょっと時間は掛かると思いますけど」
「時間はたっぷりありますから大丈夫ですよ。そんな簡単に教えてもらえるもんなんですね」
ユーフェの言葉にマリアが祝福は教会に寄付をすれば誰でも教えてもらえ、子供じゃなければ誰でも使っているとの事。
また、祝福以外にも着火や、軽い気温調整などもあると教えてくれた。
「生活に役立つ魔法も教えて欲しいですね。どこかで教えてもらえるんですか? マリアさんとか?」
「そうですね。お時間をもらえるのなら私がお伝えしますよ」
子供達に祝福を掛けながら話をしていたマリアがユーフェを見ると、詠唱を確認するようにブツブツと繰り返している姿があった。
そんな様子を微笑ましそうに見ていたマリアだったが、ユーフェが小さく「えい! 収縮魔法!」と呟きながら詠唱を開始すると指先が鈍く光り輝きユーフェの身体を包み込む。
「やった! 出来た。ステータス! おぉ! スキルが増えてる。これは収縮拡張魔法の活用方法を一つ見付けちゃった感じじゃない?」
「え? 私の詠唱を聞いただけで祝福が使えるように? う、嘘でしょ?」
マリアが子供達への祝福を途中で止めてユーフェの顔を見続ける。そんな視線に気付く事なく、純粋な眼差しでマリアに話しかける。
「私も出来る様になったので試してみてもいいですか?」
「え? い、いいですよ。失敗しても何も影響はありませんから。え? ユーフェさん。子供達を並べてどうするんですか?」
許可が出たとユーフェは喜びながら、祝福を受けていない子供達を並べると笑顔になる。
「では、みんなには私が祝福を掛けるね。えい! 拡張魔法からの『神の子達である汝らに祝福を与えん』。どう?」
「わー。みんなキラキラしてるー」「ユーフェちゃん凄い!」「お姫様じゃなくて、聖女様だったの!」
ユーフェの問い掛けに子供達が歓声を上げる。マリアのとは違い、エフェクトが発生しており、まるで英雄譚で出てくる聖女が最終決戦で勇者に与えた祝福のようであった。
「……。はっ! ちょっとユーフェさん。いまなにを?」
「え? マリアさんと同じ祝福をしただけですよ。私のスキル拡張魔法で範囲を広げましたけどね。ちゃんと祝福は掛かっていますよ」
呆然とした状態から再起動したマリアが混乱しながら確認したが、キョトンとしたユーフェが軽い感じで答える。
考えがまとまらない表情で、こめかみを押さえていたマリアだったが、自分の知識では回答が得られないと諦め、曖昧な表情を浮かべながら指摘をする。
「ユーフェさんが祝福を掛けた子供達は買い物に行けませんからね。そんなキラキラした状態で外に出たら、周りの人に何を言われるか分かりませんから。あと! その祝福はシスターが帰ってくるまで絶対に! 絶対に使わないでくださいね! いいですか!」
物凄い剣幕のマリアに、ユーフェはコクコクと頷く事しか出来なかった。
許可をもらったユーフェが花を買いに市場に行こうとすると、マリアが慌ててやってきて何やら唱え始めた。
「え? 祝福ですよ? この子達が買い物に行く時に怪我でもしたらと思うと心配ですからね。まあ簡単な擦り傷が治るくらいですけどね」
「便利ですね。私もその魔法が使えたらなー」
子供達に擦り傷が治るとの祝福を掛けていくマリアの様子に、ユーフェが羨ましそうな顔をしながら呟いているとマリアが意外だとの表情を浮かべながらも笑顔で提案する。
「え? 使えませんか? だったら教えますよ。もちろんお金は要りませんよ。先程の寄付でもお釣りが来ますから。ただ、ちょっと時間は掛かると思いますけど」
「時間はたっぷりありますから大丈夫ですよ。そんな簡単に教えてもらえるもんなんですね」
ユーフェの言葉にマリアが祝福は教会に寄付をすれば誰でも教えてもらえ、子供じゃなければ誰でも使っているとの事。
また、祝福以外にも着火や、軽い気温調整などもあると教えてくれた。
「生活に役立つ魔法も教えて欲しいですね。どこかで教えてもらえるんですか? マリアさんとか?」
「そうですね。お時間をもらえるのなら私がお伝えしますよ」
子供達に祝福を掛けながら話をしていたマリアがユーフェを見ると、詠唱を確認するようにブツブツと繰り返している姿があった。
そんな様子を微笑ましそうに見ていたマリアだったが、ユーフェが小さく「えい! 収縮魔法!」と呟きながら詠唱を開始すると指先が鈍く光り輝きユーフェの身体を包み込む。
「やった! 出来た。ステータス! おぉ! スキルが増えてる。これは収縮拡張魔法の活用方法を一つ見付けちゃった感じじゃない?」
「え? 私の詠唱を聞いただけで祝福が使えるように? う、嘘でしょ?」
マリアが子供達への祝福を途中で止めてユーフェの顔を見続ける。そんな視線に気付く事なく、純粋な眼差しでマリアに話しかける。
「私も出来る様になったので試してみてもいいですか?」
「え? い、いいですよ。失敗しても何も影響はありませんから。え? ユーフェさん。子供達を並べてどうするんですか?」
許可が出たとユーフェは喜びながら、祝福を受けていない子供達を並べると笑顔になる。
「では、みんなには私が祝福を掛けるね。えい! 拡張魔法からの『神の子達である汝らに祝福を与えん』。どう?」
「わー。みんなキラキラしてるー」「ユーフェちゃん凄い!」「お姫様じゃなくて、聖女様だったの!」
ユーフェの問い掛けに子供達が歓声を上げる。マリアのとは違い、エフェクトが発生しており、まるで英雄譚で出てくる聖女が最終決戦で勇者に与えた祝福のようであった。
「……。はっ! ちょっとユーフェさん。いまなにを?」
「え? マリアさんと同じ祝福をしただけですよ。私のスキル拡張魔法で範囲を広げましたけどね。ちゃんと祝福は掛かっていますよ」
呆然とした状態から再起動したマリアが混乱しながら確認したが、キョトンとしたユーフェが軽い感じで答える。
考えがまとまらない表情で、こめかみを押さえていたマリアだったが、自分の知識では回答が得られないと諦め、曖昧な表情を浮かべながら指摘をする。
「ユーフェさんが祝福を掛けた子供達は買い物に行けませんからね。そんなキラキラした状態で外に出たら、周りの人に何を言われるか分かりませんから。あと! その祝福はシスターが帰ってくるまで絶対に! 絶対に使わないでくださいね! いいですか!」
物凄い剣幕のマリアに、ユーフェはコクコクと頷く事しか出来なかった。
1
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
チート幼女とSSSランク冒険者
紅 蓮也
ファンタジー
【更新休止中】
三十歳の誕生日に通り魔に刺され人生を終えた小鳥遊葵が
過去にも失敗しまくりの神様から異世界転生を頼まれる。
神様は自分が長々と語っていたからなのに、ある程度は魔法が使える体にしとく、無限収納もあげるといい、時間があまり無いからさっさと転生しちゃおっかと言いだし、転生のため光に包まれ意識が無くなる直前、神様から不安を感じさせる言葉が聞こえたが、どうする事もできない私はそのまま転生された。
目を開けると日本人の男女の顔があった。
転生から四年がたったある日、神様が現れ、異世界じゃなくて地球に転生させちゃったと・・・
他の人を新たに異世界に転生させるのは無理だからと本来行くはずだった異世界に転移することに・・・
転移するとそこは森の中でした。見たこともない魔獣に襲われているところを冒険者に助けられる。
そして転移により家族がいない葵は、冒険者になり助けてくれた冒険者たちと冒険したり、しなかったりする物語
※この作品は小説家になろう様、カクヨム様、ノベルバ様、エブリスタ様でも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
放置された公爵令嬢が幸せになるまで
こうじ
ファンタジー
アイネス・カンラダは物心ついた時から家族に放置されていた。両親の顔も知らないし兄や妹がいる事は知っているが顔も話した事もない。ずっと離れで暮らし自分の事は自分でやっている。そんな日々を過ごしていた彼女が幸せになる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる