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プロローグ
第4話 同僚と話し込んでいます。
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「資料を見る感じだと……。うん、そうね。言い方は悪いけど健亮さんメインの仕事が少ないから有給休暇取得を勧めやすくて助かったわ。まずは1か月ゆっくりしてね。久しぶりにマグナアルカナでもしたら? ここ最近、全然ログインしてないでしょ?」
河合とは入社してすぐに同じゲーマーである事で意気投合をしており、仕事が終わりや休日にゲームをする仲であった。
健亮の仕事が忙しくなってからはマグナアルカナへログインする時間が無くなっており疎遠であった。
「確かにしばらくログイン出来てなかったな。久しぶりにマグナアルカナでもするか」
趣味のゲームをしていない。そんな事に気付かなかった健亮は苦笑しながら、マグナアルカナへ再開する約束をする。
「ふふふ。健亮さんがログインしていない間に私も随分と強くなったのよ」
「だったら週末の土曜日に一緒にクエストを受けよう。それまでに感覚を取り戻しておくよ」
「楽しみにしているわ。結構、新クエストが追加されているのよ。そこで採れる素材を使って新しい武器とか防具が作れるようになっているの。その効果が凄くてビックリするわよ」
「興味深い! 新スキルが装備で発動するだって!? え? あのアイテム入手が簡単に周回出来るの? どれだけ時間を掛けて集めたと思ってんだよ。しかもログイン特典でレアアイテム配布なんて……」
「健亮さんだと復帰ログイン特典ももらえると思うよ。ふふっ。早く復帰したくなったでしょう。ぜひ、復帰特典を手に入れてね。課金でもいいアイテムが増えているわ」
「なるほど、課金アイテムは魅力的だな。最近、出費は減ってたから全力で課金するよ」
ヒアリングが終わった健亮と河合はゲームの話で盛り上がっていた。そして終業時間が近付いてきている事に気付く。
「……あら、もうこんな時間ね。ヒアリングよりもゲームの話が長かったけど聞きたい事は聞いたからOKね。健亮さんは自席に戻らず帰ってね。荷物はこっちに持ってくるから待ってて。それと、健亮さんが使っていたパソコンは人事部で回収するからね。あと、誰から連絡が来ても出ないように。部長からもよ。私や人事部の連絡のみ受け取ってね。もし連絡があれば誰からかを教えて欲しいの」
「それはいいけどさ。俺のしたことって大事になっているんだよな。そんな大事だとは思ってなかったんだよ。頼まれたから手伝っただけだったんだ」
恐る恐る確認する健亮に河合は苦笑しながら小さく頷いた。
「健亮さんの仕事はサポートレベルを超えていたの。全部やっちゃったら健亮さんの仕事になるじゃない。結果を受け取って自分の仕事にするなんて、社会人としてありえないわ。だから、そんな事をした人は人事評価見直しをするし、取引先には厳重注意よ。あと、人事評価見直しは健亮さんもだからね。仕事が正当に評価されないのはおかしいでしょ?」
「それを調べるための1ヶ月の有給休暇?」
「そうよ。とりあえず詳細が決まったら連絡するわ。今日はこれで終わりにしましょう。タクシーが到着する頃だから、連絡が来たら裏口から出るようにしてね。あと【マグナアルカナ】のお誘いも忘れないように。楽しみに待ってるんだからね」
「分かったよ。初めての長期休暇だからな。復帰特典と課金の力で大復活をするから楽しみにしといてよ」
「ふふ、それは楽しみね。新クエストの手伝いは任せておいて」
「ああ、泰子さんの成長を楽しみにしているよ」
健亮は笑いながら河合に答える。これまでの仕事が再評価されるのは純粋に嬉しかったが、何よりも久しぶりにマグナアルカナにログインできる事が健亮によっては喜ばしいのだった。
河合とは入社してすぐに同じゲーマーである事で意気投合をしており、仕事が終わりや休日にゲームをする仲であった。
健亮の仕事が忙しくなってからはマグナアルカナへログインする時間が無くなっており疎遠であった。
「確かにしばらくログイン出来てなかったな。久しぶりにマグナアルカナでもするか」
趣味のゲームをしていない。そんな事に気付かなかった健亮は苦笑しながら、マグナアルカナへ再開する約束をする。
「ふふふ。健亮さんがログインしていない間に私も随分と強くなったのよ」
「だったら週末の土曜日に一緒にクエストを受けよう。それまでに感覚を取り戻しておくよ」
「楽しみにしているわ。結構、新クエストが追加されているのよ。そこで採れる素材を使って新しい武器とか防具が作れるようになっているの。その効果が凄くてビックリするわよ」
「興味深い! 新スキルが装備で発動するだって!? え? あのアイテム入手が簡単に周回出来るの? どれだけ時間を掛けて集めたと思ってんだよ。しかもログイン特典でレアアイテム配布なんて……」
「健亮さんだと復帰ログイン特典ももらえると思うよ。ふふっ。早く復帰したくなったでしょう。ぜひ、復帰特典を手に入れてね。課金でもいいアイテムが増えているわ」
「なるほど、課金アイテムは魅力的だな。最近、出費は減ってたから全力で課金するよ」
ヒアリングが終わった健亮と河合はゲームの話で盛り上がっていた。そして終業時間が近付いてきている事に気付く。
「……あら、もうこんな時間ね。ヒアリングよりもゲームの話が長かったけど聞きたい事は聞いたからOKね。健亮さんは自席に戻らず帰ってね。荷物はこっちに持ってくるから待ってて。それと、健亮さんが使っていたパソコンは人事部で回収するからね。あと、誰から連絡が来ても出ないように。部長からもよ。私や人事部の連絡のみ受け取ってね。もし連絡があれば誰からかを教えて欲しいの」
「それはいいけどさ。俺のしたことって大事になっているんだよな。そんな大事だとは思ってなかったんだよ。頼まれたから手伝っただけだったんだ」
恐る恐る確認する健亮に河合は苦笑しながら小さく頷いた。
「健亮さんの仕事はサポートレベルを超えていたの。全部やっちゃったら健亮さんの仕事になるじゃない。結果を受け取って自分の仕事にするなんて、社会人としてありえないわ。だから、そんな事をした人は人事評価見直しをするし、取引先には厳重注意よ。あと、人事評価見直しは健亮さんもだからね。仕事が正当に評価されないのはおかしいでしょ?」
「それを調べるための1ヶ月の有給休暇?」
「そうよ。とりあえず詳細が決まったら連絡するわ。今日はこれで終わりにしましょう。タクシーが到着する頃だから、連絡が来たら裏口から出るようにしてね。あと【マグナアルカナ】のお誘いも忘れないように。楽しみに待ってるんだからね」
「分かったよ。初めての長期休暇だからな。復帰特典と課金の力で大復活をするから楽しみにしといてよ」
「ふふ、それは楽しみね。新クエストの手伝いは任せておいて」
「ああ、泰子さんの成長を楽しみにしているよ」
健亮は笑いながら河合に答える。これまでの仕事が再評価されるのは純粋に嬉しかったが、何よりも久しぶりにマグナアルカナにログインできる事が健亮によっては喜ばしいのだった。
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