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第十四幕
しおりを挟むぽかんと見上げる俺に、ふっとイワンが微笑んだ。
うおっ、なにその殺人的にかっこいい笑顔は。立ってなくて良かった。腰砕けた。
「順を追って説明しますが、貴方は生きていますシャクナさん。カイもですが体内に魔物が潜んでおりそれを魔剣で処理しました。先日魔物と相対した時に種を埋め込まれていたのでしょう。しかし魔剣では種が育ち実体化した魔物しか処理できないので、こうして体内を繋いで対応したのです」
「ひゃあうぁ!!!」
言いながらイワンは俺の尻穴に指をぐいっと突っ込みやがった。
「第一特務隊に所属している者の中には己の身体で魔物を浄化できる者もいます。私もその一人です」
「あぁ……にゃぁ、ま、まって……うご、うごかす、なっ…」
イワンはふっと柔らかい笑顔を浮かべながら俺の尻に突っ込んだ指を増やしてばらばらと動かす。絶対に気持ち悪いだけのはずなのに、俺の身体は快感を拾っている。
きもちいい、めちゃくちゃきもちいい。
「貴方の身体の奥深くにも魔物の気配がしましたので、念入りに浄化しました。もう安心してください」
ぐにゅぐにゅぐにゅと指を動かされて知らず腰が揺れてしまう。さらに乳首をれろっと舐められればビリッとした痛みに身体がしなる。勝手に、反応する。
「……ふぅ、ん……カイは無事……?」
「ええ、ご無事ですよ」
イワンの端正な顔が獣の様な力強い瞳で近づいてくる。その意図を感じて口を開いて舌を差し出せばばくりと食べられた。舌を吸われればぞくぞくっと全身を快感が走り抜ける。
「カイ……にも、こんなこと…したのか?」
ぢゅるっと舌を吸えばピタリとイワンの動きが止まった。ずるんと尻から指も抜き取られる。
「浄化して、くれたんだよな?」
もっと気持ちよくしてほしかったが終了なんだろう。俺がイワンを見上げれば、よく見る氷の壁の表情になっていた。そして俺をベッドに静かに横たえると、自分はベッドから降りて、なんと。
「……申し訳ありません!! 私は私欲に負けました。決して犯してはいけない罪を……私はっ」
土下座した。
絨毯に頭がつきそうなくらい深々と土下座している。うわぁ背筋ももりもりしててすげぇ、ってそうではなく。
「あの……どういう、ことでしょう?」
思わず俺も敬語になってしまった。というか、待ってくれ。俺は生きている??
「本当はこんな、こんな淫らな行為でなくても浄化はできるんです。カイは浄化用の飲み薬で様子を見ています。きっと今頃意識も取り戻しているでしょう」
「それは、よかった……けど。え?」
俺の、この、状態は……なに?
「貴方が、貴方が好きなんです。愛していますシャクナさん。どうか私のプロポーズを受けてください。生涯大事にします。結婚してください」
「は、い? はぁああ?」
「貴方に近づきたくて、自分から王女に護衛も申し出ましたし、今回のようなチャンスを逃したくなくて……、貴方の気持ちを無視し、このような無体を。責任はとります……」
土下座しながら何事か言っているイワンの言葉は半分も聞こえなかったと思う。
イワンが? あの、イワン・レイグナーが、俺を、好き???
俺は、生きてる?
そして、これ、は?
ぶっくりと乳首は腫れたように真っ赤に膨らんでおり、尻からは白い精液があふれ出ている。体中に散った噛み跡と赤いうっ血痕。
「しゃ、シャクナ!! ああ、シャクナさん! しっかりしてください!」
俺は泡を吹いて、再びぶっ倒れた。
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