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第117話【不運と壊れステータスの関係】
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「そうですね。まずはこの世界に産まれる人々のステータスがどう決まるかについてから説明しましょう」
そう言いながらアスカルスが右手を振ると何も無かった空間にテーブルと椅子が現れた。
ご丁寧に紅茶のカップとケトルまで用意されて。
「この世界の人々は皆誰かの生まれ変わりになります。
毎日、誰かが死に、誰かが生まれていきますがその能力が引き継がれるのです。
オルトさんはこの世界に来て職業についておかしいと思いませんでしたか?
皆それぞれ天職と言っては誰しもひとつの職業しか出来ないとか不思議に思いませんでしたか?」
「ああ、確かにそれはかなりの違和感があったな。
でも、皆がそう言ってるからこの世界ではそれがルールなんだと割りきってたよ。
自分は好きに変えられたしね」
「そうなんですよね。
あなたはかなりのイレギュラーになりますから。
で、職業ですが世界の総人口に対して必要と考えられている仕事を新たに生まれてくる子供に振り分けているのです。
出来るだけ親の職業と同じくするように振り分けてますが、人数が片寄った場合は長男・長女以外は別の職業に振り分けるようにしています」
「なるほど、それで家の職業を継げるように調整してたんですね。納得しました」
「次にステータスの数値についてですが、これは『運の天秤』に左右されています」
「運の天秤?」
「ええ、先ほども言いましたが全ての人々は生まれ変わりですので必ず前世があります。
あなたのように外からくる人は稀ですが居ない訳ではありません。
そして、その前世での運が悪ければ悪いほどステータスは高めに振れるようになっています。
それと善悪もかなり影響します」
「それってつまり「前世で運が悪く、それでも善行を積んでいた人は高いステータスになる」って事なのか?」
「そうですね。基本的にはそうなる傾向が強いです。
あなたの前世を記憶から覗かせて貰いましたが、稀にみる『最凶運』の持ち主ですね。
あなたの前世ではやることなすこと全て裏目に出た経験ばかりではなかったですか?」
「そう言われればそうかもしれない。
受験はお決まりのインフルエンザで失敗、滑り止めに行けば不良のたまり場でろくなことが無かった。
それでも何とか卒業するも評判のいい会社に入れたと思ったら裏ではブラックを強要する会社だったし、辞めてバイトに出ればこれまた真っ黒だったし……数えたらきりがない人生だったかもしれない」
「まあ、そういった事案が積み重なっていって極めつけは『身代わりでの死亡』です。
これが身代わりになった女性の不運も巻き込んで天秤に乗せられたものだから今回のような考えられないモノになったのです」
「なるほど。僕は完全にイレギュラーな事案だった訳だ」
「次に固定のはずの職業が変えられる訳ですけど、はっきり言って分からないです。
憶測で言わせてもらえればあなたの前世での職業が原因ではないかと思われます。
あなたは前世でいろいろな仕事を押し付けられては無理矢理こなしていましたね?
それらが何らかの影響をしているのではないかと推測します。
なにぶん事例がないのであくまでも憶測にすぎませんが……」
「まあ、確かに何でもやったような気がするな。
理由が分からなくても出来る事実は変わらないからこれからゆっくり考えてみるよ」
「はい。そう言ってもらえると助かります。
以上であなたの転生についてと異常なステータスの説明は終わりますがほかに聞いておきたいことはありますか?」
そう聞かれて僕は幾つかの疑問を聞く事にした。
「そうですね。転生した僕がこの世界でやらなければいけない使命とかはありませんか?」
「いいえ。特にありませんよ。
別に勇者でもありませんし、この世界に魔王も存在しませんので普通に暮らされて良いかと思いますよ」
「そうですか、良かった。
あと、僕が街から出るたびに盗賊と遭遇するのは偶然ですか?」
「いえ、偶然ではありません。
ステータスに関しては前世が関係していると言いましたが、今世では今の運に左右されています。
オルトさんが毎回盗賊や狂暴な獣に出会うのは運の天秤のイタズラによるものです」
「運の天秤のイタズラですか?」
「はい。あなたのステータスは軒並み破格の数値だったと思いますが、実のところ『運』の数値は無かったと思います」
「そういえば無かった気がするな」
「それは『運』の数値は常に上下しているから表示されないのです。
普通の人々はステータスも高くないために運の振れ幅も僅かなんですがオルトさんみたいにステータスが高いと運の振れ幅も大きくなるのです」
「それって凄く運の良い時もある代わりに凄く運の悪い時があるって事ですか?」
「基本的にはそうなりますが、オルトさんの場合はどうも前世の負の値をステータスにふりすぎて今世でも運のパラメータが上がりにくくなってるみたいなんです」
「それってずっと不運が続くって事じゃないですか?」
「はい。ですがそれを回避する方法もあります。
善行、簡単に言うと『他人の為に良い事をする』事で負の運気を上げることが出来るのです」
そう言いながらアスカルスが右手を振ると何も無かった空間にテーブルと椅子が現れた。
ご丁寧に紅茶のカップとケトルまで用意されて。
「この世界の人々は皆誰かの生まれ変わりになります。
毎日、誰かが死に、誰かが生まれていきますがその能力が引き継がれるのです。
オルトさんはこの世界に来て職業についておかしいと思いませんでしたか?
皆それぞれ天職と言っては誰しもひとつの職業しか出来ないとか不思議に思いませんでしたか?」
「ああ、確かにそれはかなりの違和感があったな。
でも、皆がそう言ってるからこの世界ではそれがルールなんだと割りきってたよ。
自分は好きに変えられたしね」
「そうなんですよね。
あなたはかなりのイレギュラーになりますから。
で、職業ですが世界の総人口に対して必要と考えられている仕事を新たに生まれてくる子供に振り分けているのです。
出来るだけ親の職業と同じくするように振り分けてますが、人数が片寄った場合は長男・長女以外は別の職業に振り分けるようにしています」
「なるほど、それで家の職業を継げるように調整してたんですね。納得しました」
「次にステータスの数値についてですが、これは『運の天秤』に左右されています」
「運の天秤?」
「ええ、先ほども言いましたが全ての人々は生まれ変わりですので必ず前世があります。
あなたのように外からくる人は稀ですが居ない訳ではありません。
そして、その前世での運が悪ければ悪いほどステータスは高めに振れるようになっています。
それと善悪もかなり影響します」
「それってつまり「前世で運が悪く、それでも善行を積んでいた人は高いステータスになる」って事なのか?」
「そうですね。基本的にはそうなる傾向が強いです。
あなたの前世を記憶から覗かせて貰いましたが、稀にみる『最凶運』の持ち主ですね。
あなたの前世ではやることなすこと全て裏目に出た経験ばかりではなかったですか?」
「そう言われればそうかもしれない。
受験はお決まりのインフルエンザで失敗、滑り止めに行けば不良のたまり場でろくなことが無かった。
それでも何とか卒業するも評判のいい会社に入れたと思ったら裏ではブラックを強要する会社だったし、辞めてバイトに出ればこれまた真っ黒だったし……数えたらきりがない人生だったかもしれない」
「まあ、そういった事案が積み重なっていって極めつけは『身代わりでの死亡』です。
これが身代わりになった女性の不運も巻き込んで天秤に乗せられたものだから今回のような考えられないモノになったのです」
「なるほど。僕は完全にイレギュラーな事案だった訳だ」
「次に固定のはずの職業が変えられる訳ですけど、はっきり言って分からないです。
憶測で言わせてもらえればあなたの前世での職業が原因ではないかと思われます。
あなたは前世でいろいろな仕事を押し付けられては無理矢理こなしていましたね?
それらが何らかの影響をしているのではないかと推測します。
なにぶん事例がないのであくまでも憶測にすぎませんが……」
「まあ、確かに何でもやったような気がするな。
理由が分からなくても出来る事実は変わらないからこれからゆっくり考えてみるよ」
「はい。そう言ってもらえると助かります。
以上であなたの転生についてと異常なステータスの説明は終わりますがほかに聞いておきたいことはありますか?」
そう聞かれて僕は幾つかの疑問を聞く事にした。
「そうですね。転生した僕がこの世界でやらなければいけない使命とかはありませんか?」
「いいえ。特にありませんよ。
別に勇者でもありませんし、この世界に魔王も存在しませんので普通に暮らされて良いかと思いますよ」
「そうですか、良かった。
あと、僕が街から出るたびに盗賊と遭遇するのは偶然ですか?」
「いえ、偶然ではありません。
ステータスに関しては前世が関係していると言いましたが、今世では今の運に左右されています。
オルトさんが毎回盗賊や狂暴な獣に出会うのは運の天秤のイタズラによるものです」
「運の天秤のイタズラですか?」
「はい。あなたのステータスは軒並み破格の数値だったと思いますが、実のところ『運』の数値は無かったと思います」
「そういえば無かった気がするな」
「それは『運』の数値は常に上下しているから表示されないのです。
普通の人々はステータスも高くないために運の振れ幅も僅かなんですがオルトさんみたいにステータスが高いと運の振れ幅も大きくなるのです」
「それって凄く運の良い時もある代わりに凄く運の悪い時があるって事ですか?」
「基本的にはそうなりますが、オルトさんの場合はどうも前世の負の値をステータスにふりすぎて今世でも運のパラメータが上がりにくくなってるみたいなんです」
「それってずっと不運が続くって事じゃないですか?」
「はい。ですがそれを回避する方法もあります。
善行、簡単に言うと『他人の為に良い事をする』事で負の運気を上げることが出来るのです」
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