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第74話【納品した薬の驚きの効果】
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皆が唖然とする中で治療の順番が次の若い女性が治療を終えた男性に聞いた。
「正直、信じられないけど本当に完治したのですか?」
「おっおう。さっきまで痛くて上に上げる事も出来なかった腕だぜ。
ほら見てみな、上げるどころか思い切り回しても問題ねぇよ」
それを見た女性は決心して決めた。
「半信半疑だけど危険は無さそうだし、折角だから私もお願いするわ。
見ての通り私は足を骨折してて、杖を使わないと歩けないから依頼を受けることも出来なくて困ってるの。
骨折を治す治療って結構高いのよね。
お金に余裕がないから暫くおとなしくしてるのだけど、この薬はさすがに骨折には効かないわよね?」
女性は包帯ぐるぐる巻きの足を見せて僕に聞いてきた。
「骨折ですか?大丈夫、治りますよ」
「「「「「はあっ!?」」」」」
また、見物人達の声がハモった。
「まあ、とりあえず試してみて貰えると判ると思いますよ」
僕は薬を一本女性に手渡し飲むように促した。
女性は恐る恐る瓶の蓋をあけて薬を飲んだ。
「さすがに直ぐには効かないわよね?」
女性は自分の折れた足を見つめながら呟いた。
「ああ、骨折程度ならば直ぐに完治すると思いますよ」
僕は当たり前のように答え、女性の足に手を伸ばそうとした所でシミリに後ろから叩たたかれた。
「あいた!?何するんだよシミリ?」
「オルト君。こんな公衆の面前で、むやみに女性の足に触ろうとするなんて何を考えてるのですか!?」
僕が振り向いてシミリを見ると笑顔を張り付けた激おこなシミリの顔がすぐそこにあった。
(あっ。これは逆らったら駄目なやつだ)
僕の中で警笛を鳴らすセンサーが鳴りまくっていた。
「只の医療行為……って、いや、僕が悪かった。
ごめんなさい、軽率でした」
僕は手を引っ込めて直ぐに謝った。
そのやり取りを唖然とした顔で見ていた女性は突然『はっ』とした表情で骨折していた足の包帯を外すと手で足を軽く叩いて感触を確かめたかと思うといきなり立ち上がり跳びはねだした。
「嘘!?全く痛くない?
完全に治っているわ!
こんな事って……まるで魔法みたい!?」
女性はいきなり僕の手を握りお礼を言ってきた。
「本当にありがとう!
これでまた依頼を受ける事ができるわ!
すぐに掲示板を見にいかなくちゃ!」
女性は何度もお礼を言うと呆気にとられた見物人達を尻目に依頼掲示板の方へ走っていった。
「最後の方はどなたですか?」
サリーは驚きを必死に抑えながら最後の応募者を探した。
「あの……。私ですが、その薬は古傷にも効果はありますか?」
おずおずと手をあげて聞く女性に僕は少し考えて答えた。
「傷の状態とどのくらい経過してるかによりますが一度自然治癒した傷はこの薬では難しいと思います」
「やはりそうですよね。
無理を言ってすみません」
女性が諦めて戻ろうとした時に僕は思わず彼女を呼び止めていた。
「ちょっと待ってください。
その件に関しては後程お話を聞かせてもらっていいですか?
そういった内容に合った薬の調合もありますから、もしかしたら力になれるかもしれません」
「本当ですか?よろしくお願いします」
「いえいえ、では後程お話を伺いますのでお待ちください」
ーーー薬の審査は結局、もう一人別の男性の怪我を治して無事に合格した。
「疑ってすみませんでした。
まさかこんな凄い効果の薬とは思わなかったので、前例もあっていつもの調子で仕切ってしまいました。
で、依頼の報酬ですが予定額の二倍でお願いします。
本当ならばそれ以上の報酬を出したいのですが、あまり高いとギルドでの販売価格も高くしないといけないので怪我をした人に使えなくなる恐れがありますのですみません」
サリーが申し訳なさそうに二倍の報酬額を提示してきたので僕達は納得して了承した。
「ありがとうございます。
ではこちらの書類にサインをお願いします」
僕達は内容を確認してからサインをしてサリーから報酬を受け取った。
「ありがとうございました。
機会があればまた依頼を受けさせてもらいますね」
ギルドの依頼を終えたその時、後ろから聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
「正直、信じられないけど本当に完治したのですか?」
「おっおう。さっきまで痛くて上に上げる事も出来なかった腕だぜ。
ほら見てみな、上げるどころか思い切り回しても問題ねぇよ」
それを見た女性は決心して決めた。
「半信半疑だけど危険は無さそうだし、折角だから私もお願いするわ。
見ての通り私は足を骨折してて、杖を使わないと歩けないから依頼を受けることも出来なくて困ってるの。
骨折を治す治療って結構高いのよね。
お金に余裕がないから暫くおとなしくしてるのだけど、この薬はさすがに骨折には効かないわよね?」
女性は包帯ぐるぐる巻きの足を見せて僕に聞いてきた。
「骨折ですか?大丈夫、治りますよ」
「「「「「はあっ!?」」」」」
また、見物人達の声がハモった。
「まあ、とりあえず試してみて貰えると判ると思いますよ」
僕は薬を一本女性に手渡し飲むように促した。
女性は恐る恐る瓶の蓋をあけて薬を飲んだ。
「さすがに直ぐには効かないわよね?」
女性は自分の折れた足を見つめながら呟いた。
「ああ、骨折程度ならば直ぐに完治すると思いますよ」
僕は当たり前のように答え、女性の足に手を伸ばそうとした所でシミリに後ろから叩たたかれた。
「あいた!?何するんだよシミリ?」
「オルト君。こんな公衆の面前で、むやみに女性の足に触ろうとするなんて何を考えてるのですか!?」
僕が振り向いてシミリを見ると笑顔を張り付けた激おこなシミリの顔がすぐそこにあった。
(あっ。これは逆らったら駄目なやつだ)
僕の中で警笛を鳴らすセンサーが鳴りまくっていた。
「只の医療行為……って、いや、僕が悪かった。
ごめんなさい、軽率でした」
僕は手を引っ込めて直ぐに謝った。
そのやり取りを唖然とした顔で見ていた女性は突然『はっ』とした表情で骨折していた足の包帯を外すと手で足を軽く叩いて感触を確かめたかと思うといきなり立ち上がり跳びはねだした。
「嘘!?全く痛くない?
完全に治っているわ!
こんな事って……まるで魔法みたい!?」
女性はいきなり僕の手を握りお礼を言ってきた。
「本当にありがとう!
これでまた依頼を受ける事ができるわ!
すぐに掲示板を見にいかなくちゃ!」
女性は何度もお礼を言うと呆気にとられた見物人達を尻目に依頼掲示板の方へ走っていった。
「最後の方はどなたですか?」
サリーは驚きを必死に抑えながら最後の応募者を探した。
「あの……。私ですが、その薬は古傷にも効果はありますか?」
おずおずと手をあげて聞く女性に僕は少し考えて答えた。
「傷の状態とどのくらい経過してるかによりますが一度自然治癒した傷はこの薬では難しいと思います」
「やはりそうですよね。
無理を言ってすみません」
女性が諦めて戻ろうとした時に僕は思わず彼女を呼び止めていた。
「ちょっと待ってください。
その件に関しては後程お話を聞かせてもらっていいですか?
そういった内容に合った薬の調合もありますから、もしかしたら力になれるかもしれません」
「本当ですか?よろしくお願いします」
「いえいえ、では後程お話を伺いますのでお待ちください」
ーーー薬の審査は結局、もう一人別の男性の怪我を治して無事に合格した。
「疑ってすみませんでした。
まさかこんな凄い効果の薬とは思わなかったので、前例もあっていつもの調子で仕切ってしまいました。
で、依頼の報酬ですが予定額の二倍でお願いします。
本当ならばそれ以上の報酬を出したいのですが、あまり高いとギルドでの販売価格も高くしないといけないので怪我をした人に使えなくなる恐れがありますのですみません」
サリーが申し訳なさそうに二倍の報酬額を提示してきたので僕達は納得して了承した。
「ありがとうございます。
ではこちらの書類にサインをお願いします」
僕達は内容を確認してからサインをしてサリーから報酬を受け取った。
「ありがとうございました。
機会があればまた依頼を受けさせてもらいますね」
ギルドの依頼を終えたその時、後ろから聞き覚えのある声で名前を呼ばれた。
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