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第72話【商人ギルドへの報告と納品】
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「お世話になりました。それではこれで失礼します」
守衛室で盗賊達の引き渡し手続きが終わり、報償金の話をまとめた後で僕達はまず商人ギルドに向かった。
ーーーちりちりん。
シミリがリボルテの商人ギルドの扉を開けた。
すぐに受付の御用聞きが来たので依頼書の提示をして説明を続けた。
「カイザック商人ギルドで依頼を受注した者です。
依頼の品をお届けしましたので確認と受理をお願いします」
シミリは依頼確認の受付カウンターでカイザックのギルドからの依頼書と自分の商人証を提示した。
「はい。カイザックからのお酒と干物の運搬依頼ですね、ありがとうございます。
最近は消費量が増えたにも関わらず運搬してくれる商人さんが減っていて困っているのです。
どうも道中で盗賊や獣に襲われる被害が増えているようで、盗賊や大型獣の増加に加えて護衛の実力不足も原因のひとつだと言われているようですね」
その時、受付の女性はふと思い出したように話題を変えた。
「そういえば先程聞いた話なのですが、この度十数人の盗賊団を捕まえた冒険者がいたそうですよ。
正直、信じられない事ですがその冒険者は盗賊達を一人も殺さず、自らも怪我ひとつせずに立ち回ったそうですよ。
世の中には凄い人もいるんですね」
シミリは当然オルトの事だと分かっていたが表情には出さずに冷静に対応を続けた。
「そうですね。
それで納品する品物はどちらに運べばいいですか?」
受付の女性はシミリの反応が薄い事を不思議に思いながらも淡々と書類を準備してくれた。
「結構凄い情報だと思ったのですが、あまり驚かれないんですね。
あっ失礼しました。
納品はギルドの横手にある扉からお願いします。
係りの者がおりますので納品完了確認書を貰ってきて下さい。
そのあとで完了報告書と依頼料の半分をお支払い致しますので残りの半分はカイザックに戻られてからギルドにてお受け取りください」
シミリはその言葉を聞いて頷くと馬車に戻って納品場所を僕に伝えてきた。
納品物の内容と数の最終確認をして欲しいとのことだった。
「了解だよ。それじゃあ納品に行こうか」
数の確認を済ませた僕達は指定された場所に酒と干物を運び込んだ。
「はい。数量の確認は問題なく出来ました。
納品ありがとうございました。
こちらを受付にお持ち下さいね」
シミリは納品完了確認書を受け取ってから受付に戻り提示した。
「これでお願いします。
あともう一つの依頼であるカイザック商人ギルドからの書状をお渡ししますので確認をお願いします」
「あっはい、ギルド便に出し損ねた書類ですね。確かにお預かりしました。
これで今回の依頼は全て完了になります。すぐにカイザックに戻られますか?
それともしばらくリボルテに滞在されますか?」
「冒険者ギルドの依頼もありますのでしばらくはリボルテに滞在する予定です。
カイザックに戻る前にはこちらにも顔を出すようにしますね」
「わかりました。
カイザックへの依頼もありますのでその時はよろしくお願いします」
シミリはカイザックでの依頼を完了させて少しほっとした表情をしていた。
無理もない、初めての行商で遠距離をリスクのある品物の運搬するだけでも大変なのに盗賊には出会い、逃亡中の冒険者には襲われるはめになったので正直かなり疲れただろう。
「シミリ、疲れただろうから先に宿を取って休むかい?
冒険者ギルドには僕だけが行くようにしようか?」
「いえ、大丈夫です。
それに冒険者ギルドには説明の為にディールさんが行っているはずですよね?
あまり待たせるのはどうかと思いますし、内容は私も伺いたいので一緒に行きましょう」
「わかったよ。
じゃあ、せめてこれだけは飲んでくれ。
疲労回復に効果がある飲みものだよ」
「ありがとうオルト君」
シミリは僕の渡した栄養ドリンクを受け取り一気に飲み干した。
「えっ!?凄い、本当に疲れがとれたわ。
いつの間にかまたオルト君がとんでもないものを作りだしていたのね」
シミリは僕をチラリと見ると一つため息をついたが、それ以上は突っ込まずに微笑んで僕の手をとりながら冒険者ギルドの扉を押した。
守衛室で盗賊達の引き渡し手続きが終わり、報償金の話をまとめた後で僕達はまず商人ギルドに向かった。
ーーーちりちりん。
シミリがリボルテの商人ギルドの扉を開けた。
すぐに受付の御用聞きが来たので依頼書の提示をして説明を続けた。
「カイザック商人ギルドで依頼を受注した者です。
依頼の品をお届けしましたので確認と受理をお願いします」
シミリは依頼確認の受付カウンターでカイザックのギルドからの依頼書と自分の商人証を提示した。
「はい。カイザックからのお酒と干物の運搬依頼ですね、ありがとうございます。
最近は消費量が増えたにも関わらず運搬してくれる商人さんが減っていて困っているのです。
どうも道中で盗賊や獣に襲われる被害が増えているようで、盗賊や大型獣の増加に加えて護衛の実力不足も原因のひとつだと言われているようですね」
その時、受付の女性はふと思い出したように話題を変えた。
「そういえば先程聞いた話なのですが、この度十数人の盗賊団を捕まえた冒険者がいたそうですよ。
正直、信じられない事ですがその冒険者は盗賊達を一人も殺さず、自らも怪我ひとつせずに立ち回ったそうですよ。
世の中には凄い人もいるんですね」
シミリは当然オルトの事だと分かっていたが表情には出さずに冷静に対応を続けた。
「そうですね。
それで納品する品物はどちらに運べばいいですか?」
受付の女性はシミリの反応が薄い事を不思議に思いながらも淡々と書類を準備してくれた。
「結構凄い情報だと思ったのですが、あまり驚かれないんですね。
あっ失礼しました。
納品はギルドの横手にある扉からお願いします。
係りの者がおりますので納品完了確認書を貰ってきて下さい。
そのあとで完了報告書と依頼料の半分をお支払い致しますので残りの半分はカイザックに戻られてからギルドにてお受け取りください」
シミリはその言葉を聞いて頷くと馬車に戻って納品場所を僕に伝えてきた。
納品物の内容と数の最終確認をして欲しいとのことだった。
「了解だよ。それじゃあ納品に行こうか」
数の確認を済ませた僕達は指定された場所に酒と干物を運び込んだ。
「はい。数量の確認は問題なく出来ました。
納品ありがとうございました。
こちらを受付にお持ち下さいね」
シミリは納品完了確認書を受け取ってから受付に戻り提示した。
「これでお願いします。
あともう一つの依頼であるカイザック商人ギルドからの書状をお渡ししますので確認をお願いします」
「あっはい、ギルド便に出し損ねた書類ですね。確かにお預かりしました。
これで今回の依頼は全て完了になります。すぐにカイザックに戻られますか?
それともしばらくリボルテに滞在されますか?」
「冒険者ギルドの依頼もありますのでしばらくはリボルテに滞在する予定です。
カイザックに戻る前にはこちらにも顔を出すようにしますね」
「わかりました。
カイザックへの依頼もありますのでその時はよろしくお願いします」
シミリはカイザックでの依頼を完了させて少しほっとした表情をしていた。
無理もない、初めての行商で遠距離をリスクのある品物の運搬するだけでも大変なのに盗賊には出会い、逃亡中の冒険者には襲われるはめになったので正直かなり疲れただろう。
「シミリ、疲れただろうから先に宿を取って休むかい?
冒険者ギルドには僕だけが行くようにしようか?」
「いえ、大丈夫です。
それに冒険者ギルドには説明の為にディールさんが行っているはずですよね?
あまり待たせるのはどうかと思いますし、内容は私も伺いたいので一緒に行きましょう」
「わかったよ。
じゃあ、せめてこれだけは飲んでくれ。
疲労回復に効果がある飲みものだよ」
「ありがとうオルト君」
シミリは僕の渡した栄養ドリンクを受け取り一気に飲み干した。
「えっ!?凄い、本当に疲れがとれたわ。
いつの間にかまたオルト君がとんでもないものを作りだしていたのね」
シミリは僕をチラリと見ると一つため息をついたが、それ以上は突っ込まずに微笑んで僕の手をとりながら冒険者ギルドの扉を押した。
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