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第67話【真面目すぎる門兵とオルトの実力】
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「申し訳ありませんが、許可出来ません」
次の日の朝、僕達はリボルテに向かう為にカイザックの門で出発審査を受けていた。
領主のクロイスに貰った特殊プレートを提示して通行料を無料にして貰い、いざ出発という時に門兵の一人が馬車の前に立ちふさがっていた。
「どうしてですか?行き先も内容も商人許可証も特殊プレートも提示しましたよね。
書類上問題ありませんでしたよね?」
書類審査は通ったのに不許可とは意味が分からず僕はその門兵に聞いた。
「書類上は問題ありませんが、護衛の数が足りません。
リボルテの街までは片道約10日かかります。
行商の馬車一団体につきDランク冒険者が4名以上。
Cランク冒険者で3名以上が標準護衛戦力になります。
失礼ですが、シミリ様は冒険者ランクE、オルト様がCランクとはいえ2人だけでは道中のリスクに対応出来るとは思えませんので許可出来ません」
(うわっ面倒くさい奴だ。
でも何とかしないと通してもらえそうにないな。
仕方ないから交渉するか)
「あの、今の話にある標準的な護衛の数って誰が決めたのですか?
それとDランク4人にCランク1人が劣ると決めつけるのは横暴ではないですか?」
僕は何とかして門兵を納得させようと試みたが結果は無惨なものだった。
「護衛の数に関しては過去の護衛成功例から街の守衛室にて取り決められた数です。
しかし、そこまで言われるのならば実力を証明して貰いますよ」
門兵はそう言うと詰所を指差して行くように指示した。
「オルト君、交渉下手すぎ……。」
シミリの呆れた突っ込みを寂しく受け止めながら僕達は詰所の横にある訓練所に連れて行かれた。
「ここに居る4名は皆Dランク冒険者の資格を持っている。
この4名と模擬戦をして勝てたら許可を出しましょう。
そちらはお二人で挑戦されますか?」
門兵達は訓練用の模擬剣を準備して待機していた。
「いや、僕一人で大丈夫ですよ。
武器は模擬剣を貸して貰えるのですか?
なければその辺の棒でもいいですけど」
「なっ!?我々4人に対して一人で戦うのか?
しかも剣がなければ棒でもいいと?
舐められているのかCランクの余裕か?
いいだろう、その自信が本物か見極めてやろう」
4人のリーダーが僕に模擬剣を渡すと僕を取り囲むように位置取りをして開始の合図を待った。
普通に考えれば盗賊が4人しかいないとは限らないし、そもそも僕は探索系の魔法を使うからいきなり盗賊達に囲まれるヘマはしないのでこのシチュエーションは全く意味がないのだが一般的にはよくあるパターンなのだろう。
この囲みを打破してこそ実力を計れると考えているのだろう。
「それでは模擬戦、始め!」
「うおぉぉぉ!!」
開始の合図と共に男達が斬りかかってきたが僕は軽く受け流してから少しだけ力を込めて相手の模擬剣を叩き折った。
受け取った模擬剣はコッソリと折れないように強化しておいたので強く打ち付ければ相手の剣だけが折れるか弾き飛ばされるのは当然だった。
「なっ!?」
予想どおりの反応で動きが止まった残りの者達も怪我をさせないように体は狙わずに武器を弾き飛ばして決着をつけた。
手は痺れたかもしれないけれど骨は折れてはない筈なのでこんなところだろうと剣を置いた。
「しょっ勝負あり!勝者オルト殿!」
あまりにも一方的で呆気ない結果にシミリ以外は皆呆然としていたが僕の一言で我に返った。
「これでも実力不足ですか?
足りないならば人数を倍にしてもいいですよ」
「いえ、手加減をされてこの結果ならば十分な力をお持ちであると判断出来ましたので許可を出しましょう。
しかし、護衛が少人数の商隊は盗賊に狙われ易いのでお気をつけになってください」
「分かりました。ありがとうございます」
僕は許可を出した門兵にお礼を言ってから馬車を出発させた。
次の日の朝、僕達はリボルテに向かう為にカイザックの門で出発審査を受けていた。
領主のクロイスに貰った特殊プレートを提示して通行料を無料にして貰い、いざ出発という時に門兵の一人が馬車の前に立ちふさがっていた。
「どうしてですか?行き先も内容も商人許可証も特殊プレートも提示しましたよね。
書類上問題ありませんでしたよね?」
書類審査は通ったのに不許可とは意味が分からず僕はその門兵に聞いた。
「書類上は問題ありませんが、護衛の数が足りません。
リボルテの街までは片道約10日かかります。
行商の馬車一団体につきDランク冒険者が4名以上。
Cランク冒険者で3名以上が標準護衛戦力になります。
失礼ですが、シミリ様は冒険者ランクE、オルト様がCランクとはいえ2人だけでは道中のリスクに対応出来るとは思えませんので許可出来ません」
(うわっ面倒くさい奴だ。
でも何とかしないと通してもらえそうにないな。
仕方ないから交渉するか)
「あの、今の話にある標準的な護衛の数って誰が決めたのですか?
それとDランク4人にCランク1人が劣ると決めつけるのは横暴ではないですか?」
僕は何とかして門兵を納得させようと試みたが結果は無惨なものだった。
「護衛の数に関しては過去の護衛成功例から街の守衛室にて取り決められた数です。
しかし、そこまで言われるのならば実力を証明して貰いますよ」
門兵はそう言うと詰所を指差して行くように指示した。
「オルト君、交渉下手すぎ……。」
シミリの呆れた突っ込みを寂しく受け止めながら僕達は詰所の横にある訓練所に連れて行かれた。
「ここに居る4名は皆Dランク冒険者の資格を持っている。
この4名と模擬戦をして勝てたら許可を出しましょう。
そちらはお二人で挑戦されますか?」
門兵達は訓練用の模擬剣を準備して待機していた。
「いや、僕一人で大丈夫ですよ。
武器は模擬剣を貸して貰えるのですか?
なければその辺の棒でもいいですけど」
「なっ!?我々4人に対して一人で戦うのか?
しかも剣がなければ棒でもいいと?
舐められているのかCランクの余裕か?
いいだろう、その自信が本物か見極めてやろう」
4人のリーダーが僕に模擬剣を渡すと僕を取り囲むように位置取りをして開始の合図を待った。
普通に考えれば盗賊が4人しかいないとは限らないし、そもそも僕は探索系の魔法を使うからいきなり盗賊達に囲まれるヘマはしないのでこのシチュエーションは全く意味がないのだが一般的にはよくあるパターンなのだろう。
この囲みを打破してこそ実力を計れると考えているのだろう。
「それでは模擬戦、始め!」
「うおぉぉぉ!!」
開始の合図と共に男達が斬りかかってきたが僕は軽く受け流してから少しだけ力を込めて相手の模擬剣を叩き折った。
受け取った模擬剣はコッソリと折れないように強化しておいたので強く打ち付ければ相手の剣だけが折れるか弾き飛ばされるのは当然だった。
「なっ!?」
予想どおりの反応で動きが止まった残りの者達も怪我をさせないように体は狙わずに武器を弾き飛ばして決着をつけた。
手は痺れたかもしれないけれど骨は折れてはない筈なのでこんなところだろうと剣を置いた。
「しょっ勝負あり!勝者オルト殿!」
あまりにも一方的で呆気ない結果にシミリ以外は皆呆然としていたが僕の一言で我に返った。
「これでも実力不足ですか?
足りないならば人数を倍にしてもいいですよ」
「いえ、手加減をされてこの結果ならば十分な力をお持ちであると判断出来ましたので許可を出しましょう。
しかし、護衛が少人数の商隊は盗賊に狙われ易いのでお気をつけになってください」
「分かりました。ありがとうございます」
僕は許可を出した門兵にお礼を言ってから馬車を出発させた。
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