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第49話【美白と体型の二択は究極の選択か?】
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「あー!なんか今回は楽しかったな。
やっぱり旨い食べ物はテンションが上がるよね。
ゴルドさんも喜んでいたし、暫くは調味料納品でも稼げるだろうから今のうちにシミリのやりたかった事をしよう」
「いいんですか?じゃあ先ほど買った化粧品の鑑定と新しい商品の開発をしたいのですけど……。ここじゃあ無理ですね。
宿屋に帰りますか?」
「そうだな。それだけ難しい事ではないけどあまり周りに知られない方がいいから部屋に籠ってやりますか」
僕達は他の出店を幾つか冷やかしながらゆっくりと歩いて宿屋に向かった。
「暫く部屋で調薬作業をするから不要な訪問は控えてくれ。
食事は適当な時間に食堂に来るから大丈夫だ」
僕は宿屋の店主にそう伝えるとシミリと二階の部屋に入り鍵を閉めた。
(やはり僕の調薬方法は特殊だから出来るだけ他の人には見せないほうがいいよな)
「よし。シミリさっきの化粧品を見せてくれ。何か良くない成分が入っている気がするんだよな?」
僕はシミリから商品を預かると鑑定スキルで内容の分析をしていった。
『美白クリーム:素材・白蓮草の根、自然薯の粉末、銀粉製剤、栄枯の実、蒸留水、小麦粉』
「結構いろんな素材を使ってるんだな。
体に塗るものにまで小麦粉が使われているのには驚いたけど確かに気になる素材もあるね。
ところでシミリはこの化粧品の評判は聞いた事はあるのかい?」
「ええ、何人かの話を聞いてみてある重大な事に気がついてしまったの。
それはとても恐ろしい共通点で私だったらとても耐えられない案件だったわ。
それは……」
「それは?」
僕はシミリの言葉の意図がわからずに化粧品を持ったまま言葉の続きを待った。
「肌は確かに白くなってしかも細身スレンダーになるのだけれども、ーーーがーーーなるらしいの」
(ん?良く聞き取れなかったな。もう一度聞いてみるか……)
「シミリ、良く聞き取れなかったからもう一度いいかな?」
「ーーーが小さくなるの」
(小さくなる?……何が小さくなるのだろう?女の子で小さくなって欲しくないもの……あっ!まさか!?)
シミリは顔を赤らめながら体のある部分を隠しながら俯いていた。
僕はある結論に達して次の言葉を出すことが出来なかった。
『胸が小さくなる……』
僕はシミリから視線を外して化粧品を見ながら思考を巡らせた。
(言われてみれば港街を散策していてすれ違った若い女性達はかなりの確率でスレンダー体型だった気がする。
じっくり見た訳ではないので確信はないがあの化粧品が流行っている事からあながち間違いでは無いのだろう。
化粧品を使っている女性達はその事実を理解しているのか分からないが恐らく美白か胸かで葛藤しているに違いない)
「なるほど、それは看過できない案件だな。
それで、シミリはどういった商品を作りたい?」
僕はあえて自分の意見を言うのを控えてシミリに意見を求めた。
今回の商品プロデュースはシミリなのだから。
「それは、美白と豊胸の両取りが一番ですがあまり高性能な商品を作ってしまうと業界から目をつけられるかもしれませんので、美白効果のみにした上で塗るタイプを飲むタイプにして手入れの手間を省いたら人気が出るかと思いますわ」
「なるほど。
確かに顔や手足だけならともかく、身体中に塗るとなると背中とかは自分では難しいもんな。
飲むタイプならば調薬師が作って売っても不自然さは無いと思うから商人ギルドでもすんなり登録出来るかもしれないな」
「そうですね。
後は効果の証明をどういった形で説明するかを考えないといけませんね」
「それが一番大変なんだよな。
病気とか怪我ならば治ればいいけど。
美白とかは直ぐに効果があるものでもないし、いきなり変わりすぎても怪しすぎるからな」
その時、シミリがあることに気がついてハッとした顔になり僕に聞いてきた。
「ごめんなさい。
私、オルト君に聞かないといけない大事な事を忘れていたわ。
あれこれ条件の難しい商品が既に出来ているかの様に売り方や登録の仕方を話していたけれど、そもそも作れるのかを話してなかったです」
「ああ、そう言えばそうだったね。
僕もすっかり忘れていたよ。まあ、作れるかどうかで言えば『作れる』よ。
但し、対応する素材が普通に手に入るレベルじゃないと量産は出来ないかなぁ」
「また、簡単に作れると言いますね。
私、凄く難しいことを言っている自覚があるのですけど非常識なオルト君と居たら常識の概念が変わってしまいそうだわ」
「えー、非常識は酷いな、これでもシミリの前以外はかなり自重しているつもりなんだよ」
僕は心外だとばかりに軽口を叩きながらシミリの希望通りの薬を魔力液からスキルで生成していった。
「一応出来たけど、やっぱりレア素材が幾つか必要になるみたいだね」
僕は出来上がった薬を素材分析鑑定にかけてみたが、この辺りでは採取出来ないレア素材の名前が赤く光っていた。
やっぱり旨い食べ物はテンションが上がるよね。
ゴルドさんも喜んでいたし、暫くは調味料納品でも稼げるだろうから今のうちにシミリのやりたかった事をしよう」
「いいんですか?じゃあ先ほど買った化粧品の鑑定と新しい商品の開発をしたいのですけど……。ここじゃあ無理ですね。
宿屋に帰りますか?」
「そうだな。それだけ難しい事ではないけどあまり周りに知られない方がいいから部屋に籠ってやりますか」
僕達は他の出店を幾つか冷やかしながらゆっくりと歩いて宿屋に向かった。
「暫く部屋で調薬作業をするから不要な訪問は控えてくれ。
食事は適当な時間に食堂に来るから大丈夫だ」
僕は宿屋の店主にそう伝えるとシミリと二階の部屋に入り鍵を閉めた。
(やはり僕の調薬方法は特殊だから出来るだけ他の人には見せないほうがいいよな)
「よし。シミリさっきの化粧品を見せてくれ。何か良くない成分が入っている気がするんだよな?」
僕はシミリから商品を預かると鑑定スキルで内容の分析をしていった。
『美白クリーム:素材・白蓮草の根、自然薯の粉末、銀粉製剤、栄枯の実、蒸留水、小麦粉』
「結構いろんな素材を使ってるんだな。
体に塗るものにまで小麦粉が使われているのには驚いたけど確かに気になる素材もあるね。
ところでシミリはこの化粧品の評判は聞いた事はあるのかい?」
「ええ、何人かの話を聞いてみてある重大な事に気がついてしまったの。
それはとても恐ろしい共通点で私だったらとても耐えられない案件だったわ。
それは……」
「それは?」
僕はシミリの言葉の意図がわからずに化粧品を持ったまま言葉の続きを待った。
「肌は確かに白くなってしかも細身スレンダーになるのだけれども、ーーーがーーーなるらしいの」
(ん?良く聞き取れなかったな。もう一度聞いてみるか……)
「シミリ、良く聞き取れなかったからもう一度いいかな?」
「ーーーが小さくなるの」
(小さくなる?……何が小さくなるのだろう?女の子で小さくなって欲しくないもの……あっ!まさか!?)
シミリは顔を赤らめながら体のある部分を隠しながら俯いていた。
僕はある結論に達して次の言葉を出すことが出来なかった。
『胸が小さくなる……』
僕はシミリから視線を外して化粧品を見ながら思考を巡らせた。
(言われてみれば港街を散策していてすれ違った若い女性達はかなりの確率でスレンダー体型だった気がする。
じっくり見た訳ではないので確信はないがあの化粧品が流行っている事からあながち間違いでは無いのだろう。
化粧品を使っている女性達はその事実を理解しているのか分からないが恐らく美白か胸かで葛藤しているに違いない)
「なるほど、それは看過できない案件だな。
それで、シミリはどういった商品を作りたい?」
僕はあえて自分の意見を言うのを控えてシミリに意見を求めた。
今回の商品プロデュースはシミリなのだから。
「それは、美白と豊胸の両取りが一番ですがあまり高性能な商品を作ってしまうと業界から目をつけられるかもしれませんので、美白効果のみにした上で塗るタイプを飲むタイプにして手入れの手間を省いたら人気が出るかと思いますわ」
「なるほど。
確かに顔や手足だけならともかく、身体中に塗るとなると背中とかは自分では難しいもんな。
飲むタイプならば調薬師が作って売っても不自然さは無いと思うから商人ギルドでもすんなり登録出来るかもしれないな」
「そうですね。
後は効果の証明をどういった形で説明するかを考えないといけませんね」
「それが一番大変なんだよな。
病気とか怪我ならば治ればいいけど。
美白とかは直ぐに効果があるものでもないし、いきなり変わりすぎても怪しすぎるからな」
その時、シミリがあることに気がついてハッとした顔になり僕に聞いてきた。
「ごめんなさい。
私、オルト君に聞かないといけない大事な事を忘れていたわ。
あれこれ条件の難しい商品が既に出来ているかの様に売り方や登録の仕方を話していたけれど、そもそも作れるのかを話してなかったです」
「ああ、そう言えばそうだったね。
僕もすっかり忘れていたよ。まあ、作れるかどうかで言えば『作れる』よ。
但し、対応する素材が普通に手に入るレベルじゃないと量産は出来ないかなぁ」
「また、簡単に作れると言いますね。
私、凄く難しいことを言っている自覚があるのですけど非常識なオルト君と居たら常識の概念が変わってしまいそうだわ」
「えー、非常識は酷いな、これでもシミリの前以外はかなり自重しているつもりなんだよ」
僕は心外だとばかりに軽口を叩きながらシミリの希望通りの薬を魔力液からスキルで生成していった。
「一応出来たけど、やっぱりレア素材が幾つか必要になるみたいだね」
僕は出来上がった薬を素材分析鑑定にかけてみたが、この辺りでは採取出来ないレア素材の名前が赤く光っていた。
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