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第48話【カイザック版そうるふーど爆誕】
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「ーーーそろそろ良い時間ですかな?」
あの後、僕達はゴルドの薦める料理を堪能しながら世間話をしていたが、デザートを出しに来た店員がゴルドに厨房の準備が出来た事を告げるとゴルドの顔つきが変わり、やり手商売人の顔になった。
「そうですね。
厨房の方にはお手数をかけますが手早く完成させましょう」
「ーーーこちらが厨房になります。
試作を作ってくれるのは料理長のカールになります。
カール宜しく頼むよ」
「カールと申します。
本日は新しい調味料を使った新メニューの試作と聞いております。
旦那様の御眼鏡に適う逸品にしたいと思っておりますので宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いしますね。
きっと新しい価値観が生まれる事と思いますよ」
僕は料理長のカールと握手をすると、鞄から調味料を取り出してカールに渡した。
カールは渡された物を見ながら光に透かしてみたり匂いを嗅いだりしてから僕に聞いてきた。
「味見をしても良いですか?」
「どうぞ。何か閃きがあると良いですね」
カールは許可が出たので調味料を少しだけ手の甲に出して味見をしてみた。
「!?こっこれは……。
なんて深みのある味なんだ。
こっちは酸味があるのに甘くもある不思議な味だ。
こんな調味料が存在するなんて全く知らなかったよ」
(それはそうだろう、今日作ったばかりだし前世の知識を活かして作ったモノだから知らなくて当然だよな)
「では、指示のとおりに豪華版モージル焼き(麺ラー入り)を作ります。
今までの味付けはしないでこちらのソースをベースにマヨネーズをトッピングしてみます」
タン・タン・タン、ぐーるぐーる、ジュー、ジュー。
「焼けました!このソースと言う調味料が焦げる匂いが食欲をそそりますな。
マヨネーズとやらは彩りも良くなって匂いも甘い感じがします。
試食ですので皆さん一口サイズに切り分けますね」
カールは手際よく焼き上げたグレートモージル焼き(仮)をヘラで切り分けてから串を出して渡してくれた。
「どうぞ。お試しください……って私も試食させて貰いますね」
集まった皆でソレを口に放り込んだ。
(ああ、お好み焼きのモダン焼きだなこれは……。
懐かしいな。これは普通に旨いから売れるだろうな)
僕が試食をしながらそんな事を考えていると周りの皆は一言の声も出さずに試食が無くなるまで黙々と食べ続けていた。
ソレが全て無くなると料理長のカールがポツリと呟いた。
「なんだこれは?こんなモージル焼きは食べたこと無い。
自分で焼いておきながらこんな旨いものは初めて食べた気がするぞ」
「まさかこれ程の物とは思わなかったよ。
塩や安い香辛料の味と小麦粉が焼けた味しかしなかったモージル焼きが、濃厚なソースと酸味のマヨネーズのハーモニーが見事に融合されていて、普通の食事処で出すことが出来るレベルに爆上げされているではないか!?」
「素晴らしいですね。
先ほど屋台で食べた普通のモージル焼きでは無かった味の深みと麺のボリューム感が最高だと思いますわ」
(うん。概ね好評のようだな。
本当なら鰹節と青のりがあると良いんだけどさすがにそれは無理があるから別に何かないかな)
僕がそんな事を考えている側で三人が何かを話し合っていた。
「これは絶対に流行りますよ!この食事処の人気メニューになるだけの感動がある!」
「値段設定は幾らにするか?暴利を貪るつもりはないが薄利多売では面白くないからな」
「新しい名前を付けましょう!お洒落で万人うけする覚えやすい料理名を!」
「「「何か良い案はありませんか?」」」
最後は何故か僕に回ってきた。
仕方がないので前世の商品名をそのままパクる事にした。
「商品名は『お好み焼き』で。
好きな具材《トッピング》を選んで小麦粉とキャルベに混ぜてから焼く食べ物って事で……。
後、隠し味にこの液体を生地に混ぜると元気になりますよ」
僕は隠し味と偽ってリジェネポーションを出しておいた。
効果は軽微な物だけど食べたら体力が回復するから別の意味でも人気になるだろう。
「なるほど!具材を客に選ばせるのか!安く食べたい者はシンプルに。
旨い物が食べたい者は高級肉など具材のグレードアップをすれば万人が納得して食べる事が出来る!素晴らしい考えだ!」
「我がゴルド商会の食事処発祥の魂刻食事《そうるふーど》の誕生ですな。
売り込み方はメニューにオススメ記載をして煽りPOPを作って、それでも駄目なら試食を配って。
一口でも食わせたらこっちのもんだ!完全勝利ってやつだ!」
「あ、ゴルドさん。
この調味料の優先販売手数料は****になりますので宜しくお願いしますね」
(さすがシミリ。
しれっと手数料をいつもの2割増しに設定してるけど僕は気がつかない振りをしていた方が良いだろうな(笑))
後日談だが、試食会の翌日より販売を開始した食事処ゴルド亭カイザック港店は感動のあまり叫ぶ者、泣き出す者、笑いが止まらない者と端から見れば異様な阿鼻叫喚状態となり、驚いた通行人が警備に通報して説明と試食を持って廻るゴルド氏の姿があったそうだ。
あの後、僕達はゴルドの薦める料理を堪能しながら世間話をしていたが、デザートを出しに来た店員がゴルドに厨房の準備が出来た事を告げるとゴルドの顔つきが変わり、やり手商売人の顔になった。
「そうですね。
厨房の方にはお手数をかけますが手早く完成させましょう」
「ーーーこちらが厨房になります。
試作を作ってくれるのは料理長のカールになります。
カール宜しく頼むよ」
「カールと申します。
本日は新しい調味料を使った新メニューの試作と聞いております。
旦那様の御眼鏡に適う逸品にしたいと思っておりますので宜しくお願いします」
「こちらこそ宜しくお願いしますね。
きっと新しい価値観が生まれる事と思いますよ」
僕は料理長のカールと握手をすると、鞄から調味料を取り出してカールに渡した。
カールは渡された物を見ながら光に透かしてみたり匂いを嗅いだりしてから僕に聞いてきた。
「味見をしても良いですか?」
「どうぞ。何か閃きがあると良いですね」
カールは許可が出たので調味料を少しだけ手の甲に出して味見をしてみた。
「!?こっこれは……。
なんて深みのある味なんだ。
こっちは酸味があるのに甘くもある不思議な味だ。
こんな調味料が存在するなんて全く知らなかったよ」
(それはそうだろう、今日作ったばかりだし前世の知識を活かして作ったモノだから知らなくて当然だよな)
「では、指示のとおりに豪華版モージル焼き(麺ラー入り)を作ります。
今までの味付けはしないでこちらのソースをベースにマヨネーズをトッピングしてみます」
タン・タン・タン、ぐーるぐーる、ジュー、ジュー。
「焼けました!このソースと言う調味料が焦げる匂いが食欲をそそりますな。
マヨネーズとやらは彩りも良くなって匂いも甘い感じがします。
試食ですので皆さん一口サイズに切り分けますね」
カールは手際よく焼き上げたグレートモージル焼き(仮)をヘラで切り分けてから串を出して渡してくれた。
「どうぞ。お試しください……って私も試食させて貰いますね」
集まった皆でソレを口に放り込んだ。
(ああ、お好み焼きのモダン焼きだなこれは……。
懐かしいな。これは普通に旨いから売れるだろうな)
僕が試食をしながらそんな事を考えていると周りの皆は一言の声も出さずに試食が無くなるまで黙々と食べ続けていた。
ソレが全て無くなると料理長のカールがポツリと呟いた。
「なんだこれは?こんなモージル焼きは食べたこと無い。
自分で焼いておきながらこんな旨いものは初めて食べた気がするぞ」
「まさかこれ程の物とは思わなかったよ。
塩や安い香辛料の味と小麦粉が焼けた味しかしなかったモージル焼きが、濃厚なソースと酸味のマヨネーズのハーモニーが見事に融合されていて、普通の食事処で出すことが出来るレベルに爆上げされているではないか!?」
「素晴らしいですね。
先ほど屋台で食べた普通のモージル焼きでは無かった味の深みと麺のボリューム感が最高だと思いますわ」
(うん。概ね好評のようだな。
本当なら鰹節と青のりがあると良いんだけどさすがにそれは無理があるから別に何かないかな)
僕がそんな事を考えている側で三人が何かを話し合っていた。
「これは絶対に流行りますよ!この食事処の人気メニューになるだけの感動がある!」
「値段設定は幾らにするか?暴利を貪るつもりはないが薄利多売では面白くないからな」
「新しい名前を付けましょう!お洒落で万人うけする覚えやすい料理名を!」
「「「何か良い案はありませんか?」」」
最後は何故か僕に回ってきた。
仕方がないので前世の商品名をそのままパクる事にした。
「商品名は『お好み焼き』で。
好きな具材《トッピング》を選んで小麦粉とキャルベに混ぜてから焼く食べ物って事で……。
後、隠し味にこの液体を生地に混ぜると元気になりますよ」
僕は隠し味と偽ってリジェネポーションを出しておいた。
効果は軽微な物だけど食べたら体力が回復するから別の意味でも人気になるだろう。
「なるほど!具材を客に選ばせるのか!安く食べたい者はシンプルに。
旨い物が食べたい者は高級肉など具材のグレードアップをすれば万人が納得して食べる事が出来る!素晴らしい考えだ!」
「我がゴルド商会の食事処発祥の魂刻食事《そうるふーど》の誕生ですな。
売り込み方はメニューにオススメ記載をして煽りPOPを作って、それでも駄目なら試食を配って。
一口でも食わせたらこっちのもんだ!完全勝利ってやつだ!」
「あ、ゴルドさん。
この調味料の優先販売手数料は****になりますので宜しくお願いしますね」
(さすがシミリ。
しれっと手数料をいつもの2割増しに設定してるけど僕は気がつかない振りをしていた方が良いだろうな(笑))
後日談だが、試食会の翌日より販売を開始した食事処ゴルド亭カイザック港店は感動のあまり叫ぶ者、泣き出す者、笑いが止まらない者と端から見れば異様な阿鼻叫喚状態となり、驚いた通行人が警備に通報して説明と試食を持って廻るゴルド氏の姿があったそうだ。
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