このステータスプレート壊れてないですか?~壊れ数値の万能スキルで自由気ままな異世界生活~

夢幻の翼

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第45話【装飾品の価値は】

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「いらっしゃいませ!良いもの揃ってるよ!見て行ってね!」

 僕達は装飾品の店に入り品物と価格を見ていった。
 ベースの金属は金・銀・銅・ミスリル・白金と様々なランクの装飾品が売られていた。

 値段は希少価値の高い物ほど高く白金などはとても平民が買えるような金額ではなかった。

「かなり高い値段設定だね。
 これなんか金貨10枚もするよ」

 頑丈そうなショーケースには白金の鎖にダイヤモンドらしき大粒の宝石がついたネックレスが飾ってあり、それらに目を奪われていると後ろから声をかけられた。

「おや?オルト君にシミリさんではないですか。
 こんな所でお会いするとは奇遇ですね」

 店先で声をかけられた僕達はそこに見知った顔があった事に驚き思わず声をあげていた。

「ゴルドさん!こんな所でお会いするとは思いませんでしたよ。
 この後でゴルドさんの商会を訪ねてみようと思っていた所なんです」

「おや、そうだったのですか。
 それはちょうど良かった。
 私もお二人にお話があったのですよ。
 そうですね、この後で良いので私の店にいらしてください。
 食事でもしながら相談をさせて下さい」

「分かりました。
 そうだ、もし良かったらこのお店の装飾品を一緒に見て貰って良いですか?
 ちょっと他の方の意見も聞いてみたかったので……。」

「ええ、良いですよ。
 お二人はどういった物を見に来られたのですかな?」

「それが“これが欲しい!”と言った感じではなく、今の流行りや貿易品の品質のチェックを目的にしてるので、ゴルドさんみたいなベテラン商人の意見を聞いて勉強させて貰えればなと思っています。
 例えばこの指輪ですけど……。」

 シミリは展示されている一つの指輪を指してゴルドに質問をした。

「銀の台座に青く輝く宝石が嵌め込まれた指輪ですけど、たぶん宝石はサファイアだと思うのですが売値は金貨2枚です。
 この指輪をゴルドさんの商会で作ろうとした場合、原価はいくらになりそうですか?」

「そうですね。
 このサイズだと素材費が銀貨5枚、宝石の加工カット費用が金貨1枚ってところかな?
 元々僕の商会は装飾品加工はあまり得意ではないから加工カットを外注しないと難しいんですよ。
 自分の所で加工出来るなら費用は半分になると思いますがね」

「なるほどです。
 ならばこの指輪ひとつで金貨1枚の利益を出せると言うことですね。
 やはり装飾品は粗利が高いですね」

 シミリはゴルドと当たり障りのない会話をしながら僕に指輪の鑑定をするように目配せをしてきたので見てみる事にした。

『ーーー鑑定。サファイアの銀の指輪。
 素材価値:銀貨2枚。宝石のサファイアは純度の低い屑宝石が使われている。
 加工技術:粗。一見綺麗に見えるが拡大鏡で見るとカットが不揃いで精度も低い』
 僕は見たままをシミリにコッソリ伝えた後で自分でも宝石をじっくり見つめてみた。

「やはりそうなのですね」

 店内であるため小声で話すシミリだったがゴルドが目ざとく話に乗ってきた。

「何か問題でもありましたかな?」

「ええ、少々。この事も後程お話致しますわ。さてと、このお店での用事は済みましたので、これからゴルドさんの商会へ行ってみませんか?」

「おや、もう良いのですか?この店は今このカイザックで一番勢いのある装飾品店ですので指輪以外もなかなかの品揃えですよ?」

「ええ、大丈夫ですわ。
 私が装飾品に興味が薄いからでもありますが、興味に値する品物が無かったですから」

 シミリは申し訳なさそうな顔をしながらゴルドに謝った。

「そうですか……まあ、皆さん好みがありますからね。
 分かりました、これから私の商会にご案内しましょう」

 ゴルドはそう言うと僕達と世間話をしながら案内をしてくれた。

  *   *   *

「この店が私のカイザック港店になります。
 あとカイザックの中央付近に一店舗、北側と東側にそれぞれ一店舗の4店舗ほどで商売をさせて貰ってます。
 取り扱い量は商会としては中規模になりますね」

 そう言って案内された店舗はかなり大きい店舗で取り扱い品も食品から装飾品まで大抵の物は置いてあった。所謂いわゆるデパートみたいな店舗だった。

「ちょうどいい時間ですね。
 店舗の食事処に個室がありますので、そちらで食事をしながら話を聞かせてもらいますね。
 係の者に案内させますので先に行っておいてください。
 私は商談の準備をしてから参りますので」

 ゴルドはそう僕達に伝えると近くにいた従業員に指示を出してから店の奥に入って行った。

「こちらになります、旦那様は後程来られます。
 直ぐにお飲み物をお持ちしますので少々お待ちくださいませ」

 案内してくれた店員は深々と頭を下げてから厨房へ入って行った。
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