このステータスプレート壊れてないですか?~壊れ数値の万能スキルで自由気ままな異世界生活~

夢幻の翼

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第33話【女性ギルマスと依頼主の正体】

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 コンコン。

「ギルドマスター。先程お話したオルト様をお連れしました」

「入ってもらって」

 スーラは部屋のドアをノックするとギルマスに入室確認をしてから僕達を部屋に案内した。

「よく来てくれました。
 私がこのカイザックの冒険者ギルドをマスターとして管理しているセザンヌといいます。
 この度は難易度の高い無理な依頼を受けてくださりありがとうございます。
 先程使いを出しましたので、依頼人本人か代理人がまもなく到着すると思われます。
 依頼の詳細はその方から聞いてください。
 私も一応同席しますが基本的に発言権はありませんので質問された事にだけお答えしますので了承ください」

(ギルマスが女性なのも驚いたがEランク冒険者に対して丁寧すぎる言葉使いに依頼人に対しての弱気発言……。
 このギルマス皆に舐められていそうだが大丈夫なのか?)

「もう!お姉ちゃん!ギルドマスターなんだからもっとしっかりとした話し方をしないと駄目じゃない!もう少し威厳のある言い方をしないと周りから舐められて仕事が上手く回らないよ!」

「スーラ!。お客様の前ではギルドマスターと呼んでねと言ったはずよ。
 オルトさんすみません、妹はこんな性格なのでご迷惑をかけてないか心配で心配で……」

「ご姉妹でしたのですね。なるほど目元が良く似ていますね。
 お若い女性でしたので少々驚きましたが僕達は気にしていませんので気にしないでください。
 ところで依頼の内容の再確認をしたいのですが大丈夫ですか?」

「はい。大筋はスーラから聞いていると思いますが依頼人の娘さんの目の治療が依頼内容になります。
 報酬額は成功時のみ金貨100枚で失敗時は無報酬になります。
 依頼人については今から面会になりますのでその時に説明致します。
 よろしくお願いしますね」

 結局新しい情報は一切なかったが、とにもかくにも依頼人に会ってからって事だ。
 仕方ないので気になっていた事を聞いてみる事にした。

「あの。失礼かもしれないけれどまだお若いですよね?どうしてあなたみたいな若い女性がギルマスなんですか?」

「まあ、普通そう思われますよね。
 身内の恥ですので公表してないのですがどうしてもと言われるならば説明しても良いですが……聞きたいですか?」

「いえ、結構です。
なんか聞いたら面倒事に巻き込まれそうなので遠慮しておきます。
 ありがとうございました」

 僕は全力でフラグを回避しながら依頼人を待った。セザンヌは話したそうな顔を向けていたが僕が断ったので仕方なさそうに紅茶を飲んでいた。

 コンコン。

「ギルドマスター。お客様がお越しになられました」

「分かったわ。案内をして頂戴」

「了解しました」

 数分後、依頼人を連れた娘が部屋に入ってきて続けて一人の男性が入ってきた。

「ようこそおいでくださいました領主様。
 こちらが薬師のオルト殿になります。
 そちらの女性は商業パートナーのシミリ殿になります。
 ともにギルドランクはEですが薬師のオルト殿は先日ゴルド氏の護衛の治療を担当し、重傷者の回復に貢献した実績がありこの度推薦した次第です」

「あい、分かった。クロイス・フォン・カイザックだ。
 オルト殿この度は依頼を引き受けてくれるとの事、ありがたく思う。
 必要なものは出来るだけ揃えるが、まずは依頼詳細が必要だろう。
 今まで治療にあたった者達からの情報がこの紙に纏めてあるのでこれをまず確認して欲しい」

 そう言うとクロイスは僕に娘の状況を書いた紙を差し出した。
 僕はそれを受け取るとひとつずつ内容を確認していった。

「ところで最近ギルド運営はどうだ?上手く回っているのか?」

「はい、なんとか。あの馬鹿兄のせいでご迷惑をお掛けしています。
 兄は悪い人ではないのですが単細胞でお調子者で戦闘馬鹿なだけなんです。
 だから何時も副ギルマスに迷惑をかけて全力で胃をやられた彼が異動願いを出したと聞いた時は本気で兄を殴りましたよ。
 私の手が痛かっただけでしたが……」

「まあ、あれが悪人では無いことは私も知っているから反省も込めて領主邸で再教育をしてるのだがな。
 君には悪いが、暫くはギルマス職務代行をたのんだよ」

「は、はい。頑張ります」

 聞かずとも勝手に話し始めたふたりに書類を読みながら聞き耳を立てていた僕だった。
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