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第28話【通行税のカラクリと副ギルドマスターからの依頼】
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「なるほどそう言う事だったのか。
やけに通行税が高い気がしたのは保険分を払わされていたからなんだな。
上手いこと考えたもんだよ、商人ギルドに顔を出さないと保険料が帰ってこないから皆顔を出す。
ギルドは街にいる商人の動向を把握出来るって寸法だな。
おそらく馬車付きの商人の保険料は相当な額なんだろうな。
返ってくるとはいえ金貨とか言われたらたまらないだろうな」
「そうですね。
とりあえず私達も商人ギルドへ行ってこのプレートを提示してお金を返してもらわないといけませんね。
その時に薬の登録も済ませてしまいましょう」
シミリは受付で渡されたプレートをひらひらさせながら商人ギルドへ向かった。
カイザックの商人ギルドは中央ではなく港の側に建っていた。
港には別の大陸や他領の海路を使った商品やそれらを取り扱う商人達が大勢行き来をして賑わいをみせていた。
僕達は商人ギルドの扉を開けて受付カウンターに向かいプレートの提示と薬の登録をすることにした。
「すみません。
この街では今回初めて登録をするエーフリ商人ギルド所属のシミリと言います。
これが商人ギルド証明書でこっちが通行許可書とプレートになります。
そしてこれが今回、商人ギルドに登録したい商品になります」
「はい。ギルド証明書と通行許可書およびプレートの確認は完了しましたので銀貨2枚はお返し致しますね。
それと新規に登録したいとの事ですが薬の効果説明と入手経路をお願いします」
シミリはカウンターに出した2つの薬の説明を始めた。
「こちらの薬がメンタムと言って外傷用の塗り薬になります。
そしてこっちが万丸で丸薬タイプの疾病薬になります。
作ったのはこちらの彼で薬師の職業ステータスを持っています。
私の商業パートナーでもあります。
効果については新薬ですので申し訳ありませんが試して頂くしか証明出来る手段はありません。
薬ですので健康な方に試されても効果は分かりません。
どなたか紹介して頂けるならば無償提供は致しますけど……」
「……少々お待ち頂けますか?上の者に相談して参りますので」
受付の女性は自分の判断では難しいと判断して上司に相談する為に奥の部屋に向かっていった。
「やはり新規の薬登録は難しいのかな?」
「そうですね。
効果の確認には実際のところ病気の方や怪我をされている方が居ないと検証は出来ないですからね。
まあ、先方の判断に任せるしかないですね」
シミリと話していると受付の女性は上司らしき男性を連れてこちらに向かって来ているのが見えたのでおとなしく待っていた。
「商人ギルド副ギルドマスターのラックだ。
新薬の販売登録だと言う事だが自分達での効果確認は済んでいるのか?
それが無ければいくらなんでも他人にいきなりは使えないぞ」
「それは大丈夫です。
私自身に使ってみて効果があると確信したので登録をしたいと持ってきた次第ですので」
大嘘である。
ただの一回も試した事などありはしなかったが、まさかここでそれを言う訳にはいかなかったのでとりあえず誤魔化しておいた。
正直、効かない訳が無かったので試して効果無しとはならない自信はあったが……。
「そうか。ならば試して貰いたい人物がいるが大丈夫か?」
「はい。それは大丈夫ですがその方はどちらにいるのでしょうか?」
「奥の部屋にいる商人だがカイザックに来る道中に獣達に襲われて怪我をしてしまったらしい。
命は助かったが思いの外、傷口が深くて暫く行商は難しいと嘆いていたんだ。
どうだ?試してみるか?」
「分かりました。
傷口を見て見ないと断言出来ませんが少なくとも現状よりも改善させる自信はありますので案内をお願いします」
副ギルドマスターが無名の僕達を騙して危害を加えることはまず無いだろうから本当に試してみたいだけなのだろう。
効果が無ければ許可を出さなければいいだけだし、効果があれば儲けものだろうから……。
「少々怪我の具合が芳しくないから驚かないでくれ。頼んだぞ」
ラックはそう言うと僕達を部屋に招き入れた。
やけに通行税が高い気がしたのは保険分を払わされていたからなんだな。
上手いこと考えたもんだよ、商人ギルドに顔を出さないと保険料が帰ってこないから皆顔を出す。
ギルドは街にいる商人の動向を把握出来るって寸法だな。
おそらく馬車付きの商人の保険料は相当な額なんだろうな。
返ってくるとはいえ金貨とか言われたらたまらないだろうな」
「そうですね。
とりあえず私達も商人ギルドへ行ってこのプレートを提示してお金を返してもらわないといけませんね。
その時に薬の登録も済ませてしまいましょう」
シミリは受付で渡されたプレートをひらひらさせながら商人ギルドへ向かった。
カイザックの商人ギルドは中央ではなく港の側に建っていた。
港には別の大陸や他領の海路を使った商品やそれらを取り扱う商人達が大勢行き来をして賑わいをみせていた。
僕達は商人ギルドの扉を開けて受付カウンターに向かいプレートの提示と薬の登録をすることにした。
「すみません。
この街では今回初めて登録をするエーフリ商人ギルド所属のシミリと言います。
これが商人ギルド証明書でこっちが通行許可書とプレートになります。
そしてこれが今回、商人ギルドに登録したい商品になります」
「はい。ギルド証明書と通行許可書およびプレートの確認は完了しましたので銀貨2枚はお返し致しますね。
それと新規に登録したいとの事ですが薬の効果説明と入手経路をお願いします」
シミリはカウンターに出した2つの薬の説明を始めた。
「こちらの薬がメンタムと言って外傷用の塗り薬になります。
そしてこっちが万丸で丸薬タイプの疾病薬になります。
作ったのはこちらの彼で薬師の職業ステータスを持っています。
私の商業パートナーでもあります。
効果については新薬ですので申し訳ありませんが試して頂くしか証明出来る手段はありません。
薬ですので健康な方に試されても効果は分かりません。
どなたか紹介して頂けるならば無償提供は致しますけど……」
「……少々お待ち頂けますか?上の者に相談して参りますので」
受付の女性は自分の判断では難しいと判断して上司に相談する為に奥の部屋に向かっていった。
「やはり新規の薬登録は難しいのかな?」
「そうですね。
効果の確認には実際のところ病気の方や怪我をされている方が居ないと検証は出来ないですからね。
まあ、先方の判断に任せるしかないですね」
シミリと話していると受付の女性は上司らしき男性を連れてこちらに向かって来ているのが見えたのでおとなしく待っていた。
「商人ギルド副ギルドマスターのラックだ。
新薬の販売登録だと言う事だが自分達での効果確認は済んでいるのか?
それが無ければいくらなんでも他人にいきなりは使えないぞ」
「それは大丈夫です。
私自身に使ってみて効果があると確信したので登録をしたいと持ってきた次第ですので」
大嘘である。
ただの一回も試した事などありはしなかったが、まさかここでそれを言う訳にはいかなかったのでとりあえず誤魔化しておいた。
正直、効かない訳が無かったので試して効果無しとはならない自信はあったが……。
「そうか。ならば試して貰いたい人物がいるが大丈夫か?」
「はい。それは大丈夫ですがその方はどちらにいるのでしょうか?」
「奥の部屋にいる商人だがカイザックに来る道中に獣達に襲われて怪我をしてしまったらしい。
命は助かったが思いの外、傷口が深くて暫く行商は難しいと嘆いていたんだ。
どうだ?試してみるか?」
「分かりました。
傷口を見て見ないと断言出来ませんが少なくとも現状よりも改善させる自信はありますので案内をお願いします」
副ギルドマスターが無名の僕達を騙して危害を加えることはまず無いだろうから本当に試してみたいだけなのだろう。
効果が無ければ許可を出さなければいいだけだし、効果があれば儲けものだろうから……。
「少々怪我の具合が芳しくないから驚かないでくれ。頼んだぞ」
ラックはそう言うと僕達を部屋に招き入れた。
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