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第26話【盗賊は神に与えられた職業?】
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盗賊が出た。
カイザックまであと一日くらいの距離で。
と言っても僕達を狙って来た訳ではなく、ちょうど水場で休憩をしていた商隊の馬車を狙ったらしい。
僕達も休憩の為に水場に向かおうとした時に戦闘音が聞こえてきたのだ。
「素直に荷物を寄越せば命だけは見逃してやってもいいんだぜ!
但し抵抗する奴は皆殺しだけどな!」
毎度聞き飽きたテンプレ台詞が空に響く。
きっと盗賊達の間には【盗賊の正しい台詞集】なるものが出回っているに違いない。
僕は盗賊に気付かれないように状況を確認するために遠視の魔法を発動し様子を見てみた。
盗賊達は10人程で馬車が逃げられないように周りを囲んでおり、馬車に乗った商人と盗賊達に向き合う形で戦闘体制を取るおそらく護衛であろう者達が5人程で馬車を背に臨戦態勢で守っていた。
「2倍の人数か……。
護衛の腕次第だけどかなり厳しいだろうな。
助けてやる義理もないけど目の前であんな奴等のゲスな笑い声が響くのを聞く事を思えばさっさと始末した方が気分もいいかも知れないな。
シミリはどう思う?」
僕の遠視魔法は当然シミリにもかけてあるので状況は分かっているので意見を聞いてみた。
僕が助けに入ればその間シミリの守りが薄くなる。
まあ、護衛アイテムがあるから心配はあまり無いのだが、それよりも盗賊とはいえ人を殺す所を彼女に好んで見せたい訳もないし見なかった事にしてこっそりやり過ごす事も可能だ。
まあ、見てしまったので後味は悪いかも知れないけれど……。
「オルト君ならば助ける事が出来るのですか?
出来る事ならば助ける事が出来る人を見殺しにしたくは無いです。
でも、オルト君が怪我したり死んだりするのはもっと嫌です。
だから無理せずに対処出来るのならばの話です」
「その心配なら大丈夫だ。
いざとなれば遠距離から魔法で殲滅させればいいからね。
他の人を巻き込むと悪いから別の方法を考えるけどね。
しかし、何処にでも盗賊って居るんだな。
もしかしたら奴等のステータスプレートの職業欄には盗賊と書いてあるんじゃ無いのか?
盗賊は立派な神に与えられた職業なんだ!とか言ってたら凄いんだけどな」
「オルト君。いくらなんでもそれは無いと思いますよ。
職業=盗賊とかだったらステータスプレートの確認時に全員捕まっちゃいますから」
「それもそうだよな。
いくらなんでも職業=盗賊は無いか。
ゲームの世界ならば盗賊は職業だったからあるかと思ったよ」
「ゲームの世界って何ですか?」
「いや、何でもないよ。
それよりも盗賊達に動きがあったようだな。
早めに対処しないと少しヤバイ状況になってるな。
仕方ないからちょっと行ってくるんでシミリはこの辺りで隠れていてね。
危なくなったら護衛アイテムを使うように」
「はい。オルト君気をつけてくださいね」
僕はシミリに見送られながらこっそり盗賊達の背後に回り込んだ。
「奴等は10人だ!お前達覚悟を決めろ!
降伏したってどうせ口封じの為に皆殺しになるに決まってるし、生き残りが街に行けば領主軍が盗賊討伐に出るから奴等が俺達を生かして帰す訳がねぇ!」
「分かってるよ!やってやるぜ!」
護衛のリーダーが武器を構えて仲間を鼓舞すると盗賊の親玉がニヤケながら言った。
「ちっバレたか。
大人しく降伏してくれりゃあ楽して殺してやれたのによぅ!
仕方ねぇ野郎ども皆殺ししてやれ!」
「「「へい!お頭!」」」
囲んでいた盗賊達が一斉に護衛達に襲いかかろうとした時、盗賊のリーダーの首が落ちた。
「うわぁぁぁ!?」
「なっなんだ!?お頭の首から上が無い!?」
「一体誰が!?何が起きているんだ!?」
いきなりの事にリーダーを失った盗賊達はパニックになり連携も取れないまま、固まってしまった。
「今だ!勝機を逃すな!
お前達は二人がかりで右側の3人を!
残りは私と共に左側と正面の6人に当たれ!」
護衛のリーダーはいきなり起きた盗賊のリーダー死亡に動揺はしたものの、盗賊達の混乱を見逃す程の無能ではなかった。
仲間達に適切な指示を出して自らも盗賊に斬りかかっていった。
カイザックまであと一日くらいの距離で。
と言っても僕達を狙って来た訳ではなく、ちょうど水場で休憩をしていた商隊の馬車を狙ったらしい。
僕達も休憩の為に水場に向かおうとした時に戦闘音が聞こえてきたのだ。
「素直に荷物を寄越せば命だけは見逃してやってもいいんだぜ!
但し抵抗する奴は皆殺しだけどな!」
毎度聞き飽きたテンプレ台詞が空に響く。
きっと盗賊達の間には【盗賊の正しい台詞集】なるものが出回っているに違いない。
僕は盗賊に気付かれないように状況を確認するために遠視の魔法を発動し様子を見てみた。
盗賊達は10人程で馬車が逃げられないように周りを囲んでおり、馬車に乗った商人と盗賊達に向き合う形で戦闘体制を取るおそらく護衛であろう者達が5人程で馬車を背に臨戦態勢で守っていた。
「2倍の人数か……。
護衛の腕次第だけどかなり厳しいだろうな。
助けてやる義理もないけど目の前であんな奴等のゲスな笑い声が響くのを聞く事を思えばさっさと始末した方が気分もいいかも知れないな。
シミリはどう思う?」
僕の遠視魔法は当然シミリにもかけてあるので状況は分かっているので意見を聞いてみた。
僕が助けに入ればその間シミリの守りが薄くなる。
まあ、護衛アイテムがあるから心配はあまり無いのだが、それよりも盗賊とはいえ人を殺す所を彼女に好んで見せたい訳もないし見なかった事にしてこっそりやり過ごす事も可能だ。
まあ、見てしまったので後味は悪いかも知れないけれど……。
「オルト君ならば助ける事が出来るのですか?
出来る事ならば助ける事が出来る人を見殺しにしたくは無いです。
でも、オルト君が怪我したり死んだりするのはもっと嫌です。
だから無理せずに対処出来るのならばの話です」
「その心配なら大丈夫だ。
いざとなれば遠距離から魔法で殲滅させればいいからね。
他の人を巻き込むと悪いから別の方法を考えるけどね。
しかし、何処にでも盗賊って居るんだな。
もしかしたら奴等のステータスプレートの職業欄には盗賊と書いてあるんじゃ無いのか?
盗賊は立派な神に与えられた職業なんだ!とか言ってたら凄いんだけどな」
「オルト君。いくらなんでもそれは無いと思いますよ。
職業=盗賊とかだったらステータスプレートの確認時に全員捕まっちゃいますから」
「それもそうだよな。
いくらなんでも職業=盗賊は無いか。
ゲームの世界ならば盗賊は職業だったからあるかと思ったよ」
「ゲームの世界って何ですか?」
「いや、何でもないよ。
それよりも盗賊達に動きがあったようだな。
早めに対処しないと少しヤバイ状況になってるな。
仕方ないからちょっと行ってくるんでシミリはこの辺りで隠れていてね。
危なくなったら護衛アイテムを使うように」
「はい。オルト君気をつけてくださいね」
僕はシミリに見送られながらこっそり盗賊達の背後に回り込んだ。
「奴等は10人だ!お前達覚悟を決めろ!
降伏したってどうせ口封じの為に皆殺しになるに決まってるし、生き残りが街に行けば領主軍が盗賊討伐に出るから奴等が俺達を生かして帰す訳がねぇ!」
「分かってるよ!やってやるぜ!」
護衛のリーダーが武器を構えて仲間を鼓舞すると盗賊の親玉がニヤケながら言った。
「ちっバレたか。
大人しく降伏してくれりゃあ楽して殺してやれたのによぅ!
仕方ねぇ野郎ども皆殺ししてやれ!」
「「「へい!お頭!」」」
囲んでいた盗賊達が一斉に護衛達に襲いかかろうとした時、盗賊のリーダーの首が落ちた。
「うわぁぁぁ!?」
「なっなんだ!?お頭の首から上が無い!?」
「一体誰が!?何が起きているんだ!?」
いきなりの事にリーダーを失った盗賊達はパニックになり連携も取れないまま、固まってしまった。
「今だ!勝機を逃すな!
お前達は二人がかりで右側の3人を!
残りは私と共に左側と正面の6人に当たれ!」
護衛のリーダーはいきなり起きた盗賊のリーダー死亡に動揺はしたものの、盗賊達の混乱を見逃す程の無能ではなかった。
仲間達に適切な指示を出して自らも盗賊に斬りかかっていった。
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