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第24話【職業の改編と商売の秘策】
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「今日はこの辺りで休むとしよう」
僕達はあの後エーフリの街をシミリの商人通行手形で次の目的地であるカイザックの港街へ行商の為という名目で出る事にした。
ちなみに僕は冒険者ギルドカードでパートナー及び護衛として一緒に届けた。
門番は僕のFランクカードを見て怪訝な顔をしたがシミリのパートナーだと説明したら一応納得してくれたようで許可は出してくれた。
「やはりFランクのギルドカードだと信用がないみたいだね。
カイザックに着いたら暇をみて少しばかりランク上げもしていこうかな」
「そうですね。
私の知る限りでは地方の街くらいならDランクまでいけば周りから軽視されなくなるようです。
これが王都クラスだとCランクで駆け出し。
Bランクでやっと一人前として扱われているみたいです」
「そうなんだ。
それならばとりあえずDランクまで上げておけばいいかな。
それで不都合が出たらその時に検討すればいい」
「それは良いのですけど、そんなに簡単にはランクアップは出来ないと思いますけど何か秘策でもあるのですか?」
「秘策って程のものではないけど、要するにギルドの依頼を受けて功績をあげてランクアップをしていくのだろうから受けられる依頼で商売のついでにこなせるものがあれば受けようと思ってるだけだよ。
確かにランクアップはした方が良いけど急ぐつもりはないから気楽に構えていこう」
「あはははは。
本当に秘策でも何でもないんですね。
でも、その方針はオルト君らしくて私は好きですよ」
シミリはクスクスと笑いながら夜営の準備を進めた。
「それで今向かっているカイザックの港街での行動方針の確認をしていこうか。
エーフリの街での情報ではカイザックは別の領主が治めている海沿い沿岸部の港街で他国との交易が盛んに行われており、商業は活発に推移しているらしい。
最近領主が代替わりをしたらしく若い新領主誕生に街はお祭りムードで景気も上向きと条件もいい。
暫くはカイザックを拠点に生活基盤の確立をしたいと思う」
「そうですね。私もその方針には賛成です。
商売は人々の購買力あってこその職業ですのでカイザックで地盤をつくる足掛かりを始められたら良いかと思います。
ですが、今の私達は商売する物がありません。
エーフリにて幾つかはめぼしい物を確保しましたが馬車も持たない私達がカイザックにて多量の物品売買をするのは不自然すぎますが何か良い方法でもあるのですか?」
「うん。これから言う事は他の人には絶対に喋らないで欲しいのだけど、僕には人とはちょっと違う特殊な力があって職業を自由に変える事が出来るんだ」
「えっ?それって職業の神様が与えてくれる生涯唯一の職業を好きに変える事が出来るって事ですか?
私は商人以外は出来ないけれどオルト君は何の職業でも出来るって事なの?
もし良かったらだけどオルト君のステータスプレートを見せてくれるかな?」
僕は前に隠蔽したままのステータスプレートをシミリに提示して説明を続けた。
「今の僕の職業は農夫なんだけど、なぜ農夫にしてるかと言うと冒険者登録をする時に万が一プレートの確認を強要された時に不自然ではないものにしたかったからなんだ。
それで僕がカイザックで売りたい物は薬、若しくは化粧品にしようと思っているんだ。
それならば量が嵩張らないからシミリの背負い鞄でも不自然なく持ち込めるだろうから検問時も安心だ」
「薬や化粧品?オルト君は薬とか化粧品とかを作る事が出来るのですか?」
「ああ、職業の指定を“薬師”に設定すれば作る事も出来るし、シミリに委託すれば販売も出来るから大丈夫だ。
とりあえず商人ギルドに販売する物を登録してから冒険者ギルドに売り込めば暫くの滞在費くらいはすぐに稼げると思うよ」
僕は自分のステータスプレートを改編して職業を“薬師”に、それに見合う数値を各パラメータに割り振っていき、出来たプレートをシミリに見せた。
「本当に職業が変わってる。
しかもパラメータ数値も……」
内容の変わったプレートを見てシミリは唖然としていたが「オルト君のやる事だから」と自分の中で現実を飲み込んでいた。
(ものわかりの良いパートナーで助かるな)
僕はそう思いながら街に持ち込む物品の試作品を作ってはシミリに内容の説明をしていった。
僕達はあの後エーフリの街をシミリの商人通行手形で次の目的地であるカイザックの港街へ行商の為という名目で出る事にした。
ちなみに僕は冒険者ギルドカードでパートナー及び護衛として一緒に届けた。
門番は僕のFランクカードを見て怪訝な顔をしたがシミリのパートナーだと説明したら一応納得してくれたようで許可は出してくれた。
「やはりFランクのギルドカードだと信用がないみたいだね。
カイザックに着いたら暇をみて少しばかりランク上げもしていこうかな」
「そうですね。
私の知る限りでは地方の街くらいならDランクまでいけば周りから軽視されなくなるようです。
これが王都クラスだとCランクで駆け出し。
Bランクでやっと一人前として扱われているみたいです」
「そうなんだ。
それならばとりあえずDランクまで上げておけばいいかな。
それで不都合が出たらその時に検討すればいい」
「それは良いのですけど、そんなに簡単にはランクアップは出来ないと思いますけど何か秘策でもあるのですか?」
「秘策って程のものではないけど、要するにギルドの依頼を受けて功績をあげてランクアップをしていくのだろうから受けられる依頼で商売のついでにこなせるものがあれば受けようと思ってるだけだよ。
確かにランクアップはした方が良いけど急ぐつもりはないから気楽に構えていこう」
「あはははは。
本当に秘策でも何でもないんですね。
でも、その方針はオルト君らしくて私は好きですよ」
シミリはクスクスと笑いながら夜営の準備を進めた。
「それで今向かっているカイザックの港街での行動方針の確認をしていこうか。
エーフリの街での情報ではカイザックは別の領主が治めている海沿い沿岸部の港街で他国との交易が盛んに行われており、商業は活発に推移しているらしい。
最近領主が代替わりをしたらしく若い新領主誕生に街はお祭りムードで景気も上向きと条件もいい。
暫くはカイザックを拠点に生活基盤の確立をしたいと思う」
「そうですね。私もその方針には賛成です。
商売は人々の購買力あってこその職業ですのでカイザックで地盤をつくる足掛かりを始められたら良いかと思います。
ですが、今の私達は商売する物がありません。
エーフリにて幾つかはめぼしい物を確保しましたが馬車も持たない私達がカイザックにて多量の物品売買をするのは不自然すぎますが何か良い方法でもあるのですか?」
「うん。これから言う事は他の人には絶対に喋らないで欲しいのだけど、僕には人とはちょっと違う特殊な力があって職業を自由に変える事が出来るんだ」
「えっ?それって職業の神様が与えてくれる生涯唯一の職業を好きに変える事が出来るって事ですか?
私は商人以外は出来ないけれどオルト君は何の職業でも出来るって事なの?
もし良かったらだけどオルト君のステータスプレートを見せてくれるかな?」
僕は前に隠蔽したままのステータスプレートをシミリに提示して説明を続けた。
「今の僕の職業は農夫なんだけど、なぜ農夫にしてるかと言うと冒険者登録をする時に万が一プレートの確認を強要された時に不自然ではないものにしたかったからなんだ。
それで僕がカイザックで売りたい物は薬、若しくは化粧品にしようと思っているんだ。
それならば量が嵩張らないからシミリの背負い鞄でも不自然なく持ち込めるだろうから検問時も安心だ」
「薬や化粧品?オルト君は薬とか化粧品とかを作る事が出来るのですか?」
「ああ、職業の指定を“薬師”に設定すれば作る事も出来るし、シミリに委託すれば販売も出来るから大丈夫だ。
とりあえず商人ギルドに販売する物を登録してから冒険者ギルドに売り込めば暫くの滞在費くらいはすぐに稼げると思うよ」
僕は自分のステータスプレートを改編して職業を“薬師”に、それに見合う数値を各パラメータに割り振っていき、出来たプレートをシミリに見せた。
「本当に職業が変わってる。
しかもパラメータ数値も……」
内容の変わったプレートを見てシミリは唖然としていたが「オルト君のやる事だから」と自分の中で現実を飲み込んでいた。
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