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第19話【チートな悪巧みと入念な計画】
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「ふう、酷い目にあった。
シミリすまなかった、まさかギルマスがあんなに関与してくるとは思わなかったよ。
あまり酷いようなら別の街に拠点を変える事も視野に入れておこう。
いや待てよ、シミリの商人ギルドの事もあるから簡単にはいかないから暫くは様子見になるかな」
ギルドを出た僕達は拠点となる宿を探す事にした。
この街は比較的大きいので宿屋も数多くあり、冒険者の拠点としての営業を主にしている宿屋もあるようだった。
普通は冒険者ギルドで評判を聞くのが良いのだろうが今はギルドに戻る気にならないのでシミリの父親が生きていた頃に利用していたと話していた『朝霧亭』を探した。
朝霧亭はよくある宿屋の形で一階が食堂兼酒場で二階が宿屋の部屋になっていた。
とりあえず今日はここに泊まる事にして先ずは食事を頼んだ。
「なかなか旨い料理を出す宿だな。
シミリのお父さんが良く使っていたと言うのも分かる気がするよ。
後は部屋だな。若い男女だから夫婦でもない限り別の部屋が最適だけどコストを考えると二人部屋の方が断然安あがりだ」
しかし、行き掛かり上行動を共にしているだけで僕達は恋人同士でも無ければ夫婦でも無い。
「シミリ、僕は君とは同意無くして男女の関係になるつもりは絶対にない。
これは信用してもらう他は無いんだがこれから商売のパートナーとして行動する限りいつも別々とはいかない場面もあるはずだ。野営なんかは常に一緒だしな。
また、防犯上も一緒の方が護りやすいしね。だから出来れば同室を許容して欲しい」
シミリはすぐに頷くと快く了承してくれた。
「私はオルト君を全面的に信用しています。時々怖いくらいに誰にでも強気で行動するけど、全部私のためにしてくれている行動だって分かるから……。
だから私もオルト君が必要と言ってくれる限り一緒に居たいです」
「シミリありがとう。
その期待を裏切らないように頑張るよ」
話し合いの結果、二人部屋を借りて部屋の中でカーテン仕切りルールを実践する事になった。
「よし。宿も確保したし、いよいよ復讐の仕上げにかかるか。
シミリあのタヌキの店は知っているかい?」
シミリは勿論頷いた。
「よし。後で場所を教えてくれ。
ところでシミリ、商人にとって大事なものは自分の命の他には何がある?」
「普通ならば“お金”と答える商人が多いと思うけど、私のお父さんは“お客様の信用”といつも言ってたわ。
人の信用無くして商売は成り立たないと」
「うん、お父さんは良い商人だったんだね。
そうなんだよ、商売人たるもの信用をなくしたら商人では無いんだ。
そして奴は金で周りを動かしてるだけの“只の金持ち”に過ぎないんだ。
それを前提に奴の信用を失墜させるには“約束を守れない”ようにすればいい」
僕は悪そうな笑みを浮かべて“作戦”をシミリに話し始めた。
「今回はシミリの家族の敵討ちだ。
僕の仕返しだったら刺客を送られた時点で暗殺が決定するけど、シミリの両親は商店を潰された過労で亡くなったからちょっと事情が違うだろう。
まあ殺されたと取っても良いけど、やはり商売人は商売でやり返すのが僕は気持ち的に納得いくと思うんだ。
だけど大手と正面から喧嘩したって資金面で負けるから今回だけはズルい方法で困らせてやるんだ」
僕はそう言いながら収納鞄を取り出した。
「これは前にも見せたからどういった物かは分かっていると思うけど今回はこいつを使おうと思ってるんだ」
シミリは収納鞄を見て僕が何をしようとしているか分かったみたいだった。
「商会の荷倉にある荷物を狙う」
「うん、さすがシミリだ。
良く理解しているな。この鞄の真の凄さはそこにあるんだ。
簡単に言えばこの鞄にはいくらでも物を入れる事が出来るって事。
但し、生き物は無理だったけどね。
例えば箱にハエが入っていたらどうなると思う?」
「えっ?箱ごと入らないと思うんですけど、違うんですか?」
「うん。実は僕もそう思ってたんだけど、実際は箱は入ってハエだけが外に追い出されたんだよ。
つまり、いちいち中を確認しなくても大丈夫だと言うことなんだ。
ただ、中に危険な生き物が入っていたらいきなり出てきてびっくりするだろうけどね
「びっくりじゃあ済まない気もしますけど……」
「あはは。そんな事もあるって事で気をつけるよ。今回は商会には僕が行ってくるからシミリは宿で待っててくれる?」
「私も行きます!連れて行ってください!」
シミリが僕にそう言い切った。
今回はシミリの心に関する内容だから“危険だから駄目”とは言いづらい。
何とか危険を回避出来る作戦を考えなくてはいけない。
「分かったよ。
決行は今日の深夜だから今のうちに仮眠を取っておくといい。
僕はちょっと情報を集めてくるけど心配しなくても置いて行ったりはしないよ。
これはシミリの戦いなんだからね」
僕はそう言うと作戦が可能かの下調べをするために出かけていった。
シミリすまなかった、まさかギルマスがあんなに関与してくるとは思わなかったよ。
あまり酷いようなら別の街に拠点を変える事も視野に入れておこう。
いや待てよ、シミリの商人ギルドの事もあるから簡単にはいかないから暫くは様子見になるかな」
ギルドを出た僕達は拠点となる宿を探す事にした。
この街は比較的大きいので宿屋も数多くあり、冒険者の拠点としての営業を主にしている宿屋もあるようだった。
普通は冒険者ギルドで評判を聞くのが良いのだろうが今はギルドに戻る気にならないのでシミリの父親が生きていた頃に利用していたと話していた『朝霧亭』を探した。
朝霧亭はよくある宿屋の形で一階が食堂兼酒場で二階が宿屋の部屋になっていた。
とりあえず今日はここに泊まる事にして先ずは食事を頼んだ。
「なかなか旨い料理を出す宿だな。
シミリのお父さんが良く使っていたと言うのも分かる気がするよ。
後は部屋だな。若い男女だから夫婦でもない限り別の部屋が最適だけどコストを考えると二人部屋の方が断然安あがりだ」
しかし、行き掛かり上行動を共にしているだけで僕達は恋人同士でも無ければ夫婦でも無い。
「シミリ、僕は君とは同意無くして男女の関係になるつもりは絶対にない。
これは信用してもらう他は無いんだがこれから商売のパートナーとして行動する限りいつも別々とはいかない場面もあるはずだ。野営なんかは常に一緒だしな。
また、防犯上も一緒の方が護りやすいしね。だから出来れば同室を許容して欲しい」
シミリはすぐに頷くと快く了承してくれた。
「私はオルト君を全面的に信用しています。時々怖いくらいに誰にでも強気で行動するけど、全部私のためにしてくれている行動だって分かるから……。
だから私もオルト君が必要と言ってくれる限り一緒に居たいです」
「シミリありがとう。
その期待を裏切らないように頑張るよ」
話し合いの結果、二人部屋を借りて部屋の中でカーテン仕切りルールを実践する事になった。
「よし。宿も確保したし、いよいよ復讐の仕上げにかかるか。
シミリあのタヌキの店は知っているかい?」
シミリは勿論頷いた。
「よし。後で場所を教えてくれ。
ところでシミリ、商人にとって大事なものは自分の命の他には何がある?」
「普通ならば“お金”と答える商人が多いと思うけど、私のお父さんは“お客様の信用”といつも言ってたわ。
人の信用無くして商売は成り立たないと」
「うん、お父さんは良い商人だったんだね。
そうなんだよ、商売人たるもの信用をなくしたら商人では無いんだ。
そして奴は金で周りを動かしてるだけの“只の金持ち”に過ぎないんだ。
それを前提に奴の信用を失墜させるには“約束を守れない”ようにすればいい」
僕は悪そうな笑みを浮かべて“作戦”をシミリに話し始めた。
「今回はシミリの家族の敵討ちだ。
僕の仕返しだったら刺客を送られた時点で暗殺が決定するけど、シミリの両親は商店を潰された過労で亡くなったからちょっと事情が違うだろう。
まあ殺されたと取っても良いけど、やはり商売人は商売でやり返すのが僕は気持ち的に納得いくと思うんだ。
だけど大手と正面から喧嘩したって資金面で負けるから今回だけはズルい方法で困らせてやるんだ」
僕はそう言いながら収納鞄を取り出した。
「これは前にも見せたからどういった物かは分かっていると思うけど今回はこいつを使おうと思ってるんだ」
シミリは収納鞄を見て僕が何をしようとしているか分かったみたいだった。
「商会の荷倉にある荷物を狙う」
「うん、さすがシミリだ。
良く理解しているな。この鞄の真の凄さはそこにあるんだ。
簡単に言えばこの鞄にはいくらでも物を入れる事が出来るって事。
但し、生き物は無理だったけどね。
例えば箱にハエが入っていたらどうなると思う?」
「えっ?箱ごと入らないと思うんですけど、違うんですか?」
「うん。実は僕もそう思ってたんだけど、実際は箱は入ってハエだけが外に追い出されたんだよ。
つまり、いちいち中を確認しなくても大丈夫だと言うことなんだ。
ただ、中に危険な生き物が入っていたらいきなり出てきてびっくりするだろうけどね
「びっくりじゃあ済まない気もしますけど……」
「あはは。そんな事もあるって事で気をつけるよ。今回は商会には僕が行ってくるからシミリは宿で待っててくれる?」
「私も行きます!連れて行ってください!」
シミリが僕にそう言い切った。
今回はシミリの心に関する内容だから“危険だから駄目”とは言いづらい。
何とか危険を回避出来る作戦を考えなくてはいけない。
「分かったよ。
決行は今日の深夜だから今のうちに仮眠を取っておくといい。
僕はちょっと情報を集めてくるけど心配しなくても置いて行ったりはしないよ。
これはシミリの戦いなんだからね」
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