179 / 201
第179話【混乱するアランガスタ王都】
しおりを挟む
「これは一体どうしたことなのでしょうか?」
王都の門の前に到着した僕たちの前には慌てて街を離れようとする人波で溢れかえっていた。
「ちょっと早くしてちょうだい!」
「ダルべシアはまだ大丈夫なのか?」
「金は払う!
誰かダルべシアに向かう馬車は居ないか!」
街を離れようとする者たちはこぞってダルべシアへと向かおうとしているように見える。
「何かあったのでしょうか?」
その様子を見ていたノエルが心配そうに僕にそう問いかけてくる。
「正直、情報が無さすぎてなにも答えられないよ。
おそらくだけど、さっきの揺れが原因のひとつじゃないかとは思うようにけれど確証は無いからまずはギルドに行ってみよう」
「そうですね。何が起きているのか分からなければ何もしようが無いですもんね」
僕はノエルの手を握りしめて商業ギルドへと走り出した。
「おい!
まだ手配は出来ないのか!?」
「早くしてよ!
また揺れたらどうするつもりよ!」
商業ギルドに着いた僕たちはここでも起こっている群衆らを目の当たりにする。
「落ち着いてください!
アランガスタの王都はまだ大した被害は出ていませんし今、無理にダルべシアへ行っても受け入れられる人数は限られているうえ、この混乱に乗じて野盗が活発化する可能性が高いですので十分な準備無しに出発するのはおすすめ出来ません!」
ギルドの職員が大声でパニックになりかけている群衆に向けて叫んでいた。
「やはりさっきの大きな揺れで民衆が危機感を持っているようだな」
「周りの話を聞いている限りダルべシアは大丈夫のようですね。もう少し情報が欲しいですのでギルドの職員に聞いてみましょう」
ノエルは辺りを見回して比較的人が集まっていないギルド職員を捕まえた。
「すみません。私はグラリアン出身の商人ですがダルべシアへ商売で行っていてこちらに戻ってきたばかりでこの騒ぎを見て驚いています。
状況の把握をしたいので分かる範囲でいいので教えてください」
「グラリアンの方ですか?
あちらは今大変な事になっていると聞いています。
地神様が現れて国全体が揺れ、多くの街道が寸断されているようで馬車では街ごとの行き来が出来なくなっているそうです」
「街の状況は分かっているのですか?」
「国境砦にグラリアンからの伝令が来たことによりそのような状況が伝わっているだけで実際に見てみないと詳しい状態は分かりません」
「そう……ですよね」
「グラリアンの行商人の方なんですよね?
つい先程アランガスタ王都商業ギルドからグラリアンに向けた支援物資の輸送依頼が出ています。
もちろん一人に託すではなく各地に向かうために複数の方にお願いしたいのですが国境から一番近いノーズの町までの輸送依頼を受けてもらえませんか?」
ギルド職員はそう言ってノエルをカウンターへと案内して依頼書を提示した。
【支援物資の輸送依頼:食料品および治療薬をノーズの町まで運ぶこと。
依頼期限:3日以内
報酬額:運ぶ量によって変動、馬車1台分につき金貨2枚。最高額は金貨40枚、最低額は金貨2枚】
「ノーズの町で良いのですね?」
「はい。
ノーズからは各主要町へはギルド便を使って荷物を運ぶ技術を確立させているそうなので支援物資はノーズで大丈夫と聞いています」
「そうか、その手があったな。
馬車での輸送移動が出来なければ各町が孤立してしまうが情報共有や物資共有が可能ならば各町で対応することが出来るだろう。
しかし、ロセリさんが頑張っているのだろうけど一人で賄える数ではないだろうから早く駆けつけてあげないといけないな」
「では、引き受けると言う事で良いですね?」
ノエルが念のため僕に確認をするがもとより受ける気しかなかったようで僕がうなずくとノエルはすぐに職員に依頼の手続きをするように促した。
「ありがとうございます。
こんな状況ですのでエンダーラ方面に向かう依頼を引き受けてくれる商人や護衛の冒険者がほとんど居なくて困っていたのです。
それで馬車の規模はどのくらいなのでしょうか?」
「その前に最大どのくらいの物資を運ぶ予定なのか聞いて良いですか?」
「今のところでは馬車20台分といったところですね。
あ、もちろんあなた一人に頼むわけではありませんので心配しないでください」
「馬車20台分ですか……ミナトさん、いけますか?」
ノエルは少し考えて僕の方を見てからそう聞いてくる。
「問題ないよ」
僕がそう答えるとノエルは職員の方を向いて答える。
「私たちが全て引き受けても問題ないならば引き受けます」
「え?
馬車20台も引き連れた大商隊なのですか?
いや、それでも今も商品が多数馬車に乗っているでしょうに、大丈夫なのですか?」
ギルド職員は驚きの表情で僕たちにも確認の視線を送ってくる。
「大丈夫だと思いますよ。
馬車は1台ですが僕のカード収納スキルを使えば問題なく運べるはずですから」
「カード収納スキル!?
あの使えないスキルですか?」
「ははは、まだこの辺りではその認識なのですね。
しかし、グラリアンではギルド便での輸送に使われるくらいには浸透しているスキルですよ。
とにかく急ぐならば荷物の所に案内してください」
「わ、分かりました。
とりあえず依頼の処理をしてからご案内しますのでお待ちください」
ギルド職員は半信半疑ながらも依頼書の手続きをして僕たちを倉庫へと案内してくれた。
王都の門の前に到着した僕たちの前には慌てて街を離れようとする人波で溢れかえっていた。
「ちょっと早くしてちょうだい!」
「ダルべシアはまだ大丈夫なのか?」
「金は払う!
誰かダルべシアに向かう馬車は居ないか!」
街を離れようとする者たちはこぞってダルべシアへと向かおうとしているように見える。
「何かあったのでしょうか?」
その様子を見ていたノエルが心配そうに僕にそう問いかけてくる。
「正直、情報が無さすぎてなにも答えられないよ。
おそらくだけど、さっきの揺れが原因のひとつじゃないかとは思うようにけれど確証は無いからまずはギルドに行ってみよう」
「そうですね。何が起きているのか分からなければ何もしようが無いですもんね」
僕はノエルの手を握りしめて商業ギルドへと走り出した。
「おい!
まだ手配は出来ないのか!?」
「早くしてよ!
また揺れたらどうするつもりよ!」
商業ギルドに着いた僕たちはここでも起こっている群衆らを目の当たりにする。
「落ち着いてください!
アランガスタの王都はまだ大した被害は出ていませんし今、無理にダルべシアへ行っても受け入れられる人数は限られているうえ、この混乱に乗じて野盗が活発化する可能性が高いですので十分な準備無しに出発するのはおすすめ出来ません!」
ギルドの職員が大声でパニックになりかけている群衆に向けて叫んでいた。
「やはりさっきの大きな揺れで民衆が危機感を持っているようだな」
「周りの話を聞いている限りダルべシアは大丈夫のようですね。もう少し情報が欲しいですのでギルドの職員に聞いてみましょう」
ノエルは辺りを見回して比較的人が集まっていないギルド職員を捕まえた。
「すみません。私はグラリアン出身の商人ですがダルべシアへ商売で行っていてこちらに戻ってきたばかりでこの騒ぎを見て驚いています。
状況の把握をしたいので分かる範囲でいいので教えてください」
「グラリアンの方ですか?
あちらは今大変な事になっていると聞いています。
地神様が現れて国全体が揺れ、多くの街道が寸断されているようで馬車では街ごとの行き来が出来なくなっているそうです」
「街の状況は分かっているのですか?」
「国境砦にグラリアンからの伝令が来たことによりそのような状況が伝わっているだけで実際に見てみないと詳しい状態は分かりません」
「そう……ですよね」
「グラリアンの行商人の方なんですよね?
つい先程アランガスタ王都商業ギルドからグラリアンに向けた支援物資の輸送依頼が出ています。
もちろん一人に託すではなく各地に向かうために複数の方にお願いしたいのですが国境から一番近いノーズの町までの輸送依頼を受けてもらえませんか?」
ギルド職員はそう言ってノエルをカウンターへと案内して依頼書を提示した。
【支援物資の輸送依頼:食料品および治療薬をノーズの町まで運ぶこと。
依頼期限:3日以内
報酬額:運ぶ量によって変動、馬車1台分につき金貨2枚。最高額は金貨40枚、最低額は金貨2枚】
「ノーズの町で良いのですね?」
「はい。
ノーズからは各主要町へはギルド便を使って荷物を運ぶ技術を確立させているそうなので支援物資はノーズで大丈夫と聞いています」
「そうか、その手があったな。
馬車での輸送移動が出来なければ各町が孤立してしまうが情報共有や物資共有が可能ならば各町で対応することが出来るだろう。
しかし、ロセリさんが頑張っているのだろうけど一人で賄える数ではないだろうから早く駆けつけてあげないといけないな」
「では、引き受けると言う事で良いですね?」
ノエルが念のため僕に確認をするがもとより受ける気しかなかったようで僕がうなずくとノエルはすぐに職員に依頼の手続きをするように促した。
「ありがとうございます。
こんな状況ですのでエンダーラ方面に向かう依頼を引き受けてくれる商人や護衛の冒険者がほとんど居なくて困っていたのです。
それで馬車の規模はどのくらいなのでしょうか?」
「その前に最大どのくらいの物資を運ぶ予定なのか聞いて良いですか?」
「今のところでは馬車20台分といったところですね。
あ、もちろんあなた一人に頼むわけではありませんので心配しないでください」
「馬車20台分ですか……ミナトさん、いけますか?」
ノエルは少し考えて僕の方を見てからそう聞いてくる。
「問題ないよ」
僕がそう答えるとノエルは職員の方を向いて答える。
「私たちが全て引き受けても問題ないならば引き受けます」
「え?
馬車20台も引き連れた大商隊なのですか?
いや、それでも今も商品が多数馬車に乗っているでしょうに、大丈夫なのですか?」
ギルド職員は驚きの表情で僕たちにも確認の視線を送ってくる。
「大丈夫だと思いますよ。
馬車は1台ですが僕のカード収納スキルを使えば問題なく運べるはずですから」
「カード収納スキル!?
あの使えないスキルですか?」
「ははは、まだこの辺りではその認識なのですね。
しかし、グラリアンではギルド便での輸送に使われるくらいには浸透しているスキルですよ。
とにかく急ぐならば荷物の所に案内してください」
「わ、分かりました。
とりあえず依頼の処理をしてからご案内しますのでお待ちください」
ギルド職員は半信半疑ながらも依頼書の手続きをして僕たちを倉庫へと案内してくれた。
3
お気に入りに追加
875
あなたにおすすめの小説
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される
こたろう文庫
ファンタジー
日頃からいじめにあっていた影宮 灰人は授業中に突如現れた転移陣によってクラスごと転移されそうになるが、咄嗟の機転により転移を一人だけ回避することに成功する。しかし女神の説得?により結局異世界転移するが、転移先の国王から職業[逃亡者]が無能という理由にて処刑されることになる
初執筆作品になりますので日本語などおかしい部分があるかと思いますが、温かい目で読んで頂き、少しでも面白いと思って頂ければ幸いです。
なろう・カクヨム・アルファポリスにて公開しています
こちらの作品も宜しければお願いします
[イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で学園最強に・・・]
異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる