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第153話【買い物デート③】
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待つこと30分程で息を切らしたシェリルが僕よりも少し年上に見える男性を連れてお店に戻ってきた。
「ごめんなさい!
なかなか彼が捕まらなくって遅くなっちゃいました」
僕の顔を見るとシェリルが全力で頭を下げながらそう謝る。
「ま、まあ大丈夫ですよ。
それよりも彼を紹介してもらえますか?
カード収納スキルをお持ちなんですよね?」
僕はシェリルと一緒に訪れた男性に声をかけて尋ねた。
「私はシェリルさんの知り合いで商人をしているドットと申します。
所持しているスキルはメインに商人スキルでサブでカード収納スキルを有していますがカード収納スキルは使える場面もなくレベル1のままの死にスキルとなっております」
ドットと名乗った男性から聞くところによると予想どおりの答えが帰ってきて僕は内心苦笑いをする。
「そうですか。
確かにカード収納スキルはレベルが低いとほとんど使い物にならないとの認識が一般的ですからね。
しかし、努力してレベルを上げられた人の中には馬車荷車1台程度のものをカード化出来るようになった人もいますので死にスキルとして放置するのはかなりもったいないことですよ」
「なんと!?
馬車荷車1台ですか?
それは相当なアドバンテージになりますね。
その方はどのくらいの期間でそこまで上げられたのでしょうか?」
「専属の講師が付きっきりで鍛えて約1年ってところですかね。
ただ、その時はギルドの全面協力を得て各地の精鋭が集められた結果でしたけどね」
実際は精鋭ではなく各地の余裕がある人材がほとんどだったが今ではそれぞれが責任者として頑張っているのでそうしておいた。
「講師が付きっきりで1年ですか……。
まあ、そのくらいでそこまで使いこなせるようになられたのならば言われるとおり精鋭の皆さんだったのでしょうね。
しかし、今の私ではそれだけの訓練をする時間も講師をお願いするお金もありませんのでなかなか難しい話になりますね」
「そうですね。
今現在レベル1との事ですが、シェリルさんの依頼したい品物をカード化するのにはレベル3程度が必要となってきます。
これは効率よく鍛えていけば1ヶ月もすれば達することの出来るレベルになります。
実のところレベルは4からが大変になりサブの5レベルは相当長い期間鍛錬しないと達することは厳しいでしょう。
ですので、もし鍛えてみたいと言われるのであればレベル3になるまでの訓練方法をお教えすることが出来ます」
「ほ、本当ですか!?」
「はい。
ですが、僕たちは明日にはこの街を出発することになっていますので訓練のやり方を教えるだけです。
それは単純な事を延々と繰り返す地味な方法ですので見てる人がいないと辞めたくなるかもしれませんし、なかなか結果が出なければ更に放り出したくなるかもしれません。
それでも挑戦してみますか?」
実際に僕が1か月間付いて見れるわけではないので先にそう念をおしておいた。
「是非ともお願いします」
ドットは僕の提案に即座にそう答えて頭をさげた。
「あの、お礼は如何ほどになりますか?」
さすが商人だけあって情報を得るにはお金が必要だと認識しており、すぐに報酬の話をきりだした。
「そうですね。
この街で評判の良い薬屋を教えてくれたらそれで良いですよ」
「薬屋……ですか?
どうしてまた?」
「いや、もともと旅の備えとして薬を買おうと思って薬屋を探していたのですがこの店の看板を見て薬屋と勘違いをして入ったのがこの店との縁で話をしているうちに今の状態になったのですよ。
それであなたにコツを教えて試してもらっている間に当初の目的である薬屋に行ってみようかと考えていたんです」
「なるほど、それではこの店を出て目の前の通りを右方向へ3分程進んだところにあるイヤースという薬屋が品揃えも良くて評判もいいですね」
「意外と近いところにあったのですね。
では、これから訓練のやり方を教えるので銅貨を10枚準備してください。
その後は……」
訓練の方法を一通り説明した僕はドットに銅貨の出し入れをしばらく続けるように言ってからノエルと共におすすめの薬屋に向かった。
「――お、ここかな?」
僕たちは言われたとおりに歩いてきたので意外とすぐにお店は見つかったが、ふと看板を見るとやはり薬瓶のような図柄の看板でシェリルの工房と似たようなものだった。
「やっぱりこのマークは薬屋のマークだよな」
「ですよね」
僕はノエルとそう話して苦笑いをしながら薬屋のドアを開けた。
「いらっしゃいませ。
イヤース薬屋へようこそ。
本日はどのような薬をお探しですか?」
店に入ってすぐに店員にそう声をかけられた。
「このお店ではどのような薬を取り扱っているのでしょうか?」
商売の交渉はノエルの担当なので僕は彼女の後ろにさがって話を黙って聞くことにした。
「傷薬から痛み止め薬までいろんな種類の薬を揃えていますよ。
薬も服用タイプから塗布タイプまで多種多様に使い分けることによって用途にあわせたおすすめをしています。
特にこの店で人気のものはこちらになっています」
それらの商品の説明を順番に聞いたノエルは「では、あれとそれとこれを50個ずつお願いします」と言って料金を支払った。
「ご、50ずつですか?
まとめてのお買い上げありがとうございます。
在庫はありますが、かなりの重量になりますけれど馬車などで来店されているのでしょうか?」
「いえ、歩きですが全て持ち帰りますので準備をお願いします」
店員の言葉に僕がノエルの後ろからそう答える。
「いえ、しかし本当にかなりの重量になりますよ?」
店員が心配して再度確認をするが僕は表情を変えずに「大丈夫です」と答えた。
「ごめんなさい!
なかなか彼が捕まらなくって遅くなっちゃいました」
僕の顔を見るとシェリルが全力で頭を下げながらそう謝る。
「ま、まあ大丈夫ですよ。
それよりも彼を紹介してもらえますか?
カード収納スキルをお持ちなんですよね?」
僕はシェリルと一緒に訪れた男性に声をかけて尋ねた。
「私はシェリルさんの知り合いで商人をしているドットと申します。
所持しているスキルはメインに商人スキルでサブでカード収納スキルを有していますがカード収納スキルは使える場面もなくレベル1のままの死にスキルとなっております」
ドットと名乗った男性から聞くところによると予想どおりの答えが帰ってきて僕は内心苦笑いをする。
「そうですか。
確かにカード収納スキルはレベルが低いとほとんど使い物にならないとの認識が一般的ですからね。
しかし、努力してレベルを上げられた人の中には馬車荷車1台程度のものをカード化出来るようになった人もいますので死にスキルとして放置するのはかなりもったいないことですよ」
「なんと!?
馬車荷車1台ですか?
それは相当なアドバンテージになりますね。
その方はどのくらいの期間でそこまで上げられたのでしょうか?」
「専属の講師が付きっきりで鍛えて約1年ってところですかね。
ただ、その時はギルドの全面協力を得て各地の精鋭が集められた結果でしたけどね」
実際は精鋭ではなく各地の余裕がある人材がほとんどだったが今ではそれぞれが責任者として頑張っているのでそうしておいた。
「講師が付きっきりで1年ですか……。
まあ、そのくらいでそこまで使いこなせるようになられたのならば言われるとおり精鋭の皆さんだったのでしょうね。
しかし、今の私ではそれだけの訓練をする時間も講師をお願いするお金もありませんのでなかなか難しい話になりますね」
「そうですね。
今現在レベル1との事ですが、シェリルさんの依頼したい品物をカード化するのにはレベル3程度が必要となってきます。
これは効率よく鍛えていけば1ヶ月もすれば達することの出来るレベルになります。
実のところレベルは4からが大変になりサブの5レベルは相当長い期間鍛錬しないと達することは厳しいでしょう。
ですので、もし鍛えてみたいと言われるのであればレベル3になるまでの訓練方法をお教えすることが出来ます」
「ほ、本当ですか!?」
「はい。
ですが、僕たちは明日にはこの街を出発することになっていますので訓練のやり方を教えるだけです。
それは単純な事を延々と繰り返す地味な方法ですので見てる人がいないと辞めたくなるかもしれませんし、なかなか結果が出なければ更に放り出したくなるかもしれません。
それでも挑戦してみますか?」
実際に僕が1か月間付いて見れるわけではないので先にそう念をおしておいた。
「是非ともお願いします」
ドットは僕の提案に即座にそう答えて頭をさげた。
「あの、お礼は如何ほどになりますか?」
さすが商人だけあって情報を得るにはお金が必要だと認識しており、すぐに報酬の話をきりだした。
「そうですね。
この街で評判の良い薬屋を教えてくれたらそれで良いですよ」
「薬屋……ですか?
どうしてまた?」
「いや、もともと旅の備えとして薬を買おうと思って薬屋を探していたのですがこの店の看板を見て薬屋と勘違いをして入ったのがこの店との縁で話をしているうちに今の状態になったのですよ。
それであなたにコツを教えて試してもらっている間に当初の目的である薬屋に行ってみようかと考えていたんです」
「なるほど、それではこの店を出て目の前の通りを右方向へ3分程進んだところにあるイヤースという薬屋が品揃えも良くて評判もいいですね」
「意外と近いところにあったのですね。
では、これから訓練のやり方を教えるので銅貨を10枚準備してください。
その後は……」
訓練の方法を一通り説明した僕はドットに銅貨の出し入れをしばらく続けるように言ってからノエルと共におすすめの薬屋に向かった。
「――お、ここかな?」
僕たちは言われたとおりに歩いてきたので意外とすぐにお店は見つかったが、ふと看板を見るとやはり薬瓶のような図柄の看板でシェリルの工房と似たようなものだった。
「やっぱりこのマークは薬屋のマークだよな」
「ですよね」
僕はノエルとそう話して苦笑いをしながら薬屋のドアを開けた。
「いらっしゃいませ。
イヤース薬屋へようこそ。
本日はどのような薬をお探しですか?」
店に入ってすぐに店員にそう声をかけられた。
「このお店ではどのような薬を取り扱っているのでしょうか?」
商売の交渉はノエルの担当なので僕は彼女の後ろにさがって話を黙って聞くことにした。
「傷薬から痛み止め薬までいろんな種類の薬を揃えていますよ。
薬も服用タイプから塗布タイプまで多種多様に使い分けることによって用途にあわせたおすすめをしています。
特にこの店で人気のものはこちらになっています」
それらの商品の説明を順番に聞いたノエルは「では、あれとそれとこれを50個ずつお願いします」と言って料金を支払った。
「ご、50ずつですか?
まとめてのお買い上げありがとうございます。
在庫はありますが、かなりの重量になりますけれど馬車などで来店されているのでしょうか?」
「いえ、歩きですが全て持ち帰りますので準備をお願いします」
店員の言葉に僕がノエルの後ろからそう答える。
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