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第146話【ベベルの街】
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「あともう少しでベベルにたどり着くから気を抜かないようにお願いしますよ」
「「「おう!」」」
その後は大きなトラブルもなく護衛のメンバーを休ませることを優先しながらゆっくりと進み盗賊の襲撃があった場所からほぼ一日ほど進んだころにベベルの街へと到着した。
「ベベルの街へようこそ……ってロロシエル商会のトトルさんじゃないですか一体どうしたんですかそんなに慌てて」
街の門兵が馬車に向って走ってくるとすぐに異変に気がつき心配して声をかけてくる。
「王都からの道中で盗賊団の襲撃があった。
幸い護衛の皆の活躍でこちらのメンバーは怪我をした者こそいたが死者はひとりも居なかったが普通の盗賊団ではなかったのでギルドマスターに報告しなければならない案件だ」
「わかりました。本来ならば荷の確認等必要なのですが他ならぬロロシエル商会の荷物ですので今回は緊急性を優先してそのまま通しますのでそのまま商業ギルドへ向かってください」
「すまない。恩に着る」
トトルは門兵にお礼を言うと後ろの馬車の御者たちに合図を送ってすぐに馬車を発信させた。
――からんからん。
「すまないがギルドマスターを呼んでもらえないか?」
トトルは商業ギルドに入ると近くに居た顔見知りの受付嬢にそう告げる。
「あら、トトルさんじゃないですか。そんなに急いでどうされたんですか?
ギルドマスターならこの時間は自分の執務室にいらっしゃると思います」
「緊急で話したい事があるのでここへ呼んでもらうか私が執務室へ向うかだがどちらがいい?」
「伺って参りますので少しお待ちくださいね」
受付嬢はそう告げるときびすを返して奥の部屋へと早足で向かった。
「とりあえずギルドマスターとは話が出来るはずなので報告と盗賊の死体の確認をしてもらわなければならない。
ミナト、悪いがあんたはギルマスとの面会時に必要に応じて盗賊の死体を出してもらうことになるだろう」
「いいですよ。
ですが一纏めにしていたので出すとなると全員だすことになってしまいますね。
やっぱり面倒でも一人ずつにしとけば良かったかな」
「いえいえ、こちらがそうお願いしたのですから気になさらないでください。
出す場所とかは私が話して調整しますから」
僕のボヤキにトトルがすぐさまフォローをしてくれる。
そのとき入口のドアが開き先ほどの受付嬢が現れ、その後ろから壮年の男性が続いて部屋に入ってきた。
「この度は緊急の事ゆえ急ぎお呼びして申しわけありませんギルドマスター」
壮年の男性の姿を見るとトトルがそう言って頭を下げる。
「いや、問題ない。
おおまかな事のみ報告を受けたが詳しい情報が必要だ。
ここでは話が出来ないので第一応接室へ移動してもいいか?」
「話しはそこでも良いですが裏の解体所のような他人の目のない広場がある場所が必要になります」
「なんだと?
どういうことだ?」
「ここで話すのはちょっと……。
とりあえず応接室でお話をしてから移動にしませんか?」
「む、そうか?
ではこのまま移動することにしよう。
君は人数分の紅茶を準備してから通常業務に戻ってくれ」
ギルドマスターの男性は呼びに来た受付嬢にそう頼むと僕たちと共に応接室へと向かった。
「――それで、盗賊団と遭遇したと聞いたがまずは無事で良かった」
ギルドマスターを正面にトトルと僕と護衛リーダーのガラムが座って話をする。
ノエルは残りの護衛メンバーと共に休んでもらうようにしておいたのでこの場には不在だ。
「それで盗賊共がおかしかったとはどういうことなのだ?」
「それについては俺から説明しよう」
護衛リーダーのガラムがギルドマスターの言葉に説明を買って出た。
「王都からこの街に来るまでに2回ほど野営をする必要があるがその2回目の時やつらが襲ってきたんだ。
確かにある程度同じ場所で野営をする傾向はあるが馬車が停められることに加えて守りやすい地形となるとそれも仕方ないと思っているし、あの場所は随分以前から一度も盗賊の襲撃を受けたことがなかった場所で襲われたんだ。
それだけでも普通じゃないがこの盗賊たちは揃いもそろって顔に布を巻きつけて顔を隠して襲って来たんだ」
「ほう、それは怪しいな。
大体が盗賊たちは顔を見られて困るやつらはいないし、どうしてもまずかったら皆殺しをするだけだからな」
「妙に統率されたやつらだったのも印象的だったな。
戦いに不利になるとすぐに荷物を狙って馬車を燃やそうと魔道具を投げつけてきたんだ」
「そうか……確かに話を聞くだけでも何か裏がありそうだが立場上その話だけで鵜呑みに出来ないのも分かってくれるな?
せめてそいつらの死体か特徴的な持ち物でもあれば話しは違っただろうが……」
「ありますよ……死体」
ギルドマスターの言葉にトトルがすぐにそう発言をする。
「なに? それは本当か?」
「はい。
盗賊たちを返り討ちにした後証拠となるものを確保しようとしていたところ非常に運の良いことに盗賊の死体を運ぶことの出来るスキルを持った彼が同乗しておりましてベベルまで運んでもらったのです」
「盗賊の死体を運べるスキルだって?
そんな有用なスキルは聞いたことないがどのようなスキルなのだ?」
ギルドマスターが興味深そうに聞いてきたので僕は『ここでも認知度は低いのだな』と思いながらもそれに答えた。
「おそらくご存知のスキルだとは思いますがカード収納スキルですよ」
「「「おう!」」」
その後は大きなトラブルもなく護衛のメンバーを休ませることを優先しながらゆっくりと進み盗賊の襲撃があった場所からほぼ一日ほど進んだころにベベルの街へと到着した。
「ベベルの街へようこそ……ってロロシエル商会のトトルさんじゃないですか一体どうしたんですかそんなに慌てて」
街の門兵が馬車に向って走ってくるとすぐに異変に気がつき心配して声をかけてくる。
「王都からの道中で盗賊団の襲撃があった。
幸い護衛の皆の活躍でこちらのメンバーは怪我をした者こそいたが死者はひとりも居なかったが普通の盗賊団ではなかったのでギルドマスターに報告しなければならない案件だ」
「わかりました。本来ならば荷の確認等必要なのですが他ならぬロロシエル商会の荷物ですので今回は緊急性を優先してそのまま通しますのでそのまま商業ギルドへ向かってください」
「すまない。恩に着る」
トトルは門兵にお礼を言うと後ろの馬車の御者たちに合図を送ってすぐに馬車を発信させた。
――からんからん。
「すまないがギルドマスターを呼んでもらえないか?」
トトルは商業ギルドに入ると近くに居た顔見知りの受付嬢にそう告げる。
「あら、トトルさんじゃないですか。そんなに急いでどうされたんですか?
ギルドマスターならこの時間は自分の執務室にいらっしゃると思います」
「緊急で話したい事があるのでここへ呼んでもらうか私が執務室へ向うかだがどちらがいい?」
「伺って参りますので少しお待ちくださいね」
受付嬢はそう告げるときびすを返して奥の部屋へと早足で向かった。
「とりあえずギルドマスターとは話が出来るはずなので報告と盗賊の死体の確認をしてもらわなければならない。
ミナト、悪いがあんたはギルマスとの面会時に必要に応じて盗賊の死体を出してもらうことになるだろう」
「いいですよ。
ですが一纏めにしていたので出すとなると全員だすことになってしまいますね。
やっぱり面倒でも一人ずつにしとけば良かったかな」
「いえいえ、こちらがそうお願いしたのですから気になさらないでください。
出す場所とかは私が話して調整しますから」
僕のボヤキにトトルがすぐさまフォローをしてくれる。
そのとき入口のドアが開き先ほどの受付嬢が現れ、その後ろから壮年の男性が続いて部屋に入ってきた。
「この度は緊急の事ゆえ急ぎお呼びして申しわけありませんギルドマスター」
壮年の男性の姿を見るとトトルがそう言って頭を下げる。
「いや、問題ない。
おおまかな事のみ報告を受けたが詳しい情報が必要だ。
ここでは話が出来ないので第一応接室へ移動してもいいか?」
「話しはそこでも良いですが裏の解体所のような他人の目のない広場がある場所が必要になります」
「なんだと?
どういうことだ?」
「ここで話すのはちょっと……。
とりあえず応接室でお話をしてから移動にしませんか?」
「む、そうか?
ではこのまま移動することにしよう。
君は人数分の紅茶を準備してから通常業務に戻ってくれ」
ギルドマスターの男性は呼びに来た受付嬢にそう頼むと僕たちと共に応接室へと向かった。
「――それで、盗賊団と遭遇したと聞いたがまずは無事で良かった」
ギルドマスターを正面にトトルと僕と護衛リーダーのガラムが座って話をする。
ノエルは残りの護衛メンバーと共に休んでもらうようにしておいたのでこの場には不在だ。
「それで盗賊共がおかしかったとはどういうことなのだ?」
「それについては俺から説明しよう」
護衛リーダーのガラムがギルドマスターの言葉に説明を買って出た。
「王都からこの街に来るまでに2回ほど野営をする必要があるがその2回目の時やつらが襲ってきたんだ。
確かにある程度同じ場所で野営をする傾向はあるが馬車が停められることに加えて守りやすい地形となるとそれも仕方ないと思っているし、あの場所は随分以前から一度も盗賊の襲撃を受けたことがなかった場所で襲われたんだ。
それだけでも普通じゃないがこの盗賊たちは揃いもそろって顔に布を巻きつけて顔を隠して襲って来たんだ」
「ほう、それは怪しいな。
大体が盗賊たちは顔を見られて困るやつらはいないし、どうしてもまずかったら皆殺しをするだけだからな」
「妙に統率されたやつらだったのも印象的だったな。
戦いに不利になるとすぐに荷物を狙って馬車を燃やそうと魔道具を投げつけてきたんだ」
「そうか……確かに話を聞くだけでも何か裏がありそうだが立場上その話だけで鵜呑みに出来ないのも分かってくれるな?
せめてそいつらの死体か特徴的な持ち物でもあれば話しは違っただろうが……」
「ありますよ……死体」
ギルドマスターの言葉にトトルがすぐにそう発言をする。
「なに? それは本当か?」
「はい。
盗賊たちを返り討ちにした後証拠となるものを確保しようとしていたところ非常に運の良いことに盗賊の死体を運ぶことの出来るスキルを持った彼が同乗しておりましてベベルまで運んでもらったのです」
「盗賊の死体を運べるスキルだって?
そんな有用なスキルは聞いたことないがどのようなスキルなのだ?」
ギルドマスターが興味深そうに聞いてきたので僕は『ここでも認知度は低いのだな』と思いながらもそれに答えた。
「おそらくご存知のスキルだとは思いますがカード収納スキルですよ」
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