77 / 201
第77話【歴史が動く日】
しおりを挟む
その日の王都斡旋ギルドは緊張した雰囲気が建物全体から漂っていた。
「おい、キリュウ。
公表の準備は出来ているんだろうな?」
ギルドマスターのランスロットが王都の担当であるキリュウに声をかける。
「もちろんじゃよ。
既に各町からギルド便で届けられた品々は一番大きい部屋の第一会議室に持ち込んでおるわ。
それよりもスポンサーであるマグラーレ殿や各取材の者たちの案内は大丈夫かの?
せっかくのワシの晴れ舞台じゃ、しっかりと驚いてもらおうじゃないか」
予想どおりと言うか予定どおりと言うか王都ギルド所属のキリュウがこの企画の総責任者となった。
年齢的にもギルドマスターに対しても意見を言える胆力が備わっていることからも適任と言えた。
「では始めるとするかの」
キリュウの言葉に満足したランスロットが集まった取材陣を前に運用の概要と実用性の説明を話し始める。
「――以上が今回ギルドが主催となり運営していく新たな荷物運送の概要だ。
何か質問はあるかね?」
ランスロットの説明が終わると取材陣からは次々と質問が飛んだ。
「これはどんなものでも送る事が出来るのですか?」
「大きさは? 荷物の量は?」
「時間的なものはどのくらいを予想していますか?」
「この運送方法の最大のうりはなんですか?」
取材陣からの質問が一通り出尽くすまで聞き取りをしたランスロットは説明の場をキリュウに代わり自らは一歩引いた。
「質問の回答はワシがしよう。
ワシはこの度の新たに設立された運送部門の王都ギルド責任者を任命されたキリュウという。
この運送の肝は皆さんの良く知っておられるあのスキル……使えないとの認識が大多数であった『カード収納スキル』を利用した新たな運送方法じゃ。
今までは馬車に荷物を乗せて目的地まで運ぶ陸路が常識じゃったが、これには馬車に御者に加え盗賊や獣に対する備えとしての護衛、さらにそれらに対する食料や水などが大量に必要じゃった。
それらのいわゆる経費の上乗せがあったから運送には多額の費用がかかっておった。
しかし、今回ギルドが提案する運送方式は空路となる。
我々カード収納スキル持ちで一定の訓練を受けた者が各ギルドにて荷物をカード化し、ギルドの所持するゴーレム伝書鳩で各町のギルドへと運ぶことになる。
これにより運送時間の大幅な短縮と道中の人件費の削減、盗賊や獣からのリスク回避が見込まれ大幅なコストダウンによる運送費用の圧縮が可能となるのじゃ。
……どうじゃ? ワクワクするじゃろう?」
キリュウの説明に取材陣から多くのどよめきが起こる。
その声を聞いて側に控えていたランスロットが次の段階へと話を進める。
「分かってくれたかな?
ここでその証明として昨日各町の担当者から送られてきたカード化された品々を用意したものがここにある。
分かりやすいようにそれぞれの町特有の品々で本来ならば王都ではお目にかかれない物を用意させてもらった。
今から皆さんの前でカード化を解いてお見せすることとします。
――キリュウ、頼むぞ」
取材陣たちにそう説明をしたランスロットは再びキリュウへと代わる。
「任せるのじゃ」
キリュウはそう答えると裏返しで用意されていたカードを一枚ずつ表面にしていく。
「ここにあるのは今朝方ギルドに届いたばかりの品々じゃ。
送ったのはロギナスが昨日の朝、そのほかのエルガー、ザザリア、ノーズの3つは昨日の夕の鐘がなる頃に送り出してもろうたものじゃよ」
「ロギナスの町からたった1日?
馬車だと10日はかかる距離だぞ!」
「ありえん!
それに他の町からは一晩で運んだとはとても信じられないぞ!」
取材陣たちの言葉にランスロットが発言をする。
「一般的にはあまり公表していないがギルド間の情報交換にゴーレム伝書鳩を使用していることくらいは取材陣の方々ならば知っているだろう?
我々ギルドでは迅速な情報を得るために開発した魔道具を使い、ロギナスまでを1日で飛ぶ事を可能としている事実は我々ギルド職員ならば誰でも知っている情報だ。
『新たに作ったものではなく、もともと使っていたものを別の用途に利用する』だけだからなんら不思議でもなんでもないことだ」
「なんと!?
確かにそのような話は聞いたことはあるがギルドではそんな凄い魔道具を使っていたのか……。
それなら何故、今まで荷物の運送に使わなかったのでしょう?」
取材陣のひとりがそんな質問をするとランスロットは苦笑いをしながら説明をした。
「我々の勉強不足ですよ。
お恥ずかしい話ですがあれだけまわりの人の常識とされていた使えないスキルの代表格であるカード収納スキルを使ってこのような運送方法を思いつくなんて我々には無かった発想でした」
ギルドの長であるギルドマスターから自らの勉強不足を公の場で公表するなど思いもよらなかった取材陣たちはただただ驚きの表情をするだけでそれに対して突っ込む勇者は居なかった。
「で、ではこれらの品を見てもらおうかの。
――開放」
少しばかり冷たくなった部屋の空気を読んだキリュウが話の流れを強引に持ってくるためにカード化の開放を始める。
(やはり事前にカードの共有化はすませておいて正解じゃったな。
こんなに大勢の前で共有化スキルなんぞ使ったら騒ぎが大きくなるからの)
キリュウが一枚ずつカード化を解いていくとテーブルの上には各町特有の野菜や果物が新鮮なまま並んでいった。
「これは!?
ロギナスでしか栽培されていない果物、アマナッシーじゃないか!
コイツは痛むのが早いから収穫して遅くとも3日以内には食べないと苦くて食べれなくなる特徴がある果物だぞ!
本当に大丈夫なんだろうな?」
取材陣の中にはロギナスへ行ったことのある者も居てすぐに反応を見せる。
「試してみるかの?」
キリュウの言葉に二の足を踏む姿を見てキリュウ自身が目の前でアマナッシーにかぶりつく。
――しゃりしゃり。
ゴクリと唾をのむ取材陣にキリュウはニヤッと笑って一言「うまい」と言う。
「自分が試してもいいか?」
その時、ひとりの男が手を上げてキリュウの前に出る。
「ほれ、特別じゃ。
まず王都では食うことの出来ん貴重な果物じゃ、存分に味わうよよいぞ」
キリュウはそう言うと男にアマナッシーの実を手渡し食べるように仕草をした。
――がぶり。
男は言われるがままに果物を口に運び、意を決してかぶりついた。
「甘い……。
こんなに甘くて美味い果物は初めて食べた!
これがロギナスでしか食べられない果物アマナッシーか!」
男は興奮気味に何度も叫びながら無心で果物を食らった。
――ごくり。
その状況をそばで見ていた他の取材陣も次々に手を上げて『試させてくれ』と言い感嘆の声をあげていた。
「――素晴らしい事業ですね。
まさに、この国における運送革命の始まりの日と言える発表でした。
これがさらに発展することにより、私たち市民の生活も食生活を中心に大きく変わることでしょう。
いや、本当に素晴らしい」
取材陣たちが絶賛する中でお披露目の会議は無事に終わろうとしていたが最後にランスロットがスポンサーであるマグラーレを紹介しようとした時、入口からひとりの男性が怒鳴り声をあげながら飛び込んできた。
「おい、キリュウ。
公表の準備は出来ているんだろうな?」
ギルドマスターのランスロットが王都の担当であるキリュウに声をかける。
「もちろんじゃよ。
既に各町からギルド便で届けられた品々は一番大きい部屋の第一会議室に持ち込んでおるわ。
それよりもスポンサーであるマグラーレ殿や各取材の者たちの案内は大丈夫かの?
せっかくのワシの晴れ舞台じゃ、しっかりと驚いてもらおうじゃないか」
予想どおりと言うか予定どおりと言うか王都ギルド所属のキリュウがこの企画の総責任者となった。
年齢的にもギルドマスターに対しても意見を言える胆力が備わっていることからも適任と言えた。
「では始めるとするかの」
キリュウの言葉に満足したランスロットが集まった取材陣を前に運用の概要と実用性の説明を話し始める。
「――以上が今回ギルドが主催となり運営していく新たな荷物運送の概要だ。
何か質問はあるかね?」
ランスロットの説明が終わると取材陣からは次々と質問が飛んだ。
「これはどんなものでも送る事が出来るのですか?」
「大きさは? 荷物の量は?」
「時間的なものはどのくらいを予想していますか?」
「この運送方法の最大のうりはなんですか?」
取材陣からの質問が一通り出尽くすまで聞き取りをしたランスロットは説明の場をキリュウに代わり自らは一歩引いた。
「質問の回答はワシがしよう。
ワシはこの度の新たに設立された運送部門の王都ギルド責任者を任命されたキリュウという。
この運送の肝は皆さんの良く知っておられるあのスキル……使えないとの認識が大多数であった『カード収納スキル』を利用した新たな運送方法じゃ。
今までは馬車に荷物を乗せて目的地まで運ぶ陸路が常識じゃったが、これには馬車に御者に加え盗賊や獣に対する備えとしての護衛、さらにそれらに対する食料や水などが大量に必要じゃった。
それらのいわゆる経費の上乗せがあったから運送には多額の費用がかかっておった。
しかし、今回ギルドが提案する運送方式は空路となる。
我々カード収納スキル持ちで一定の訓練を受けた者が各ギルドにて荷物をカード化し、ギルドの所持するゴーレム伝書鳩で各町のギルドへと運ぶことになる。
これにより運送時間の大幅な短縮と道中の人件費の削減、盗賊や獣からのリスク回避が見込まれ大幅なコストダウンによる運送費用の圧縮が可能となるのじゃ。
……どうじゃ? ワクワクするじゃろう?」
キリュウの説明に取材陣から多くのどよめきが起こる。
その声を聞いて側に控えていたランスロットが次の段階へと話を進める。
「分かってくれたかな?
ここでその証明として昨日各町の担当者から送られてきたカード化された品々を用意したものがここにある。
分かりやすいようにそれぞれの町特有の品々で本来ならば王都ではお目にかかれない物を用意させてもらった。
今から皆さんの前でカード化を解いてお見せすることとします。
――キリュウ、頼むぞ」
取材陣たちにそう説明をしたランスロットは再びキリュウへと代わる。
「任せるのじゃ」
キリュウはそう答えると裏返しで用意されていたカードを一枚ずつ表面にしていく。
「ここにあるのは今朝方ギルドに届いたばかりの品々じゃ。
送ったのはロギナスが昨日の朝、そのほかのエルガー、ザザリア、ノーズの3つは昨日の夕の鐘がなる頃に送り出してもろうたものじゃよ」
「ロギナスの町からたった1日?
馬車だと10日はかかる距離だぞ!」
「ありえん!
それに他の町からは一晩で運んだとはとても信じられないぞ!」
取材陣たちの言葉にランスロットが発言をする。
「一般的にはあまり公表していないがギルド間の情報交換にゴーレム伝書鳩を使用していることくらいは取材陣の方々ならば知っているだろう?
我々ギルドでは迅速な情報を得るために開発した魔道具を使い、ロギナスまでを1日で飛ぶ事を可能としている事実は我々ギルド職員ならば誰でも知っている情報だ。
『新たに作ったものではなく、もともと使っていたものを別の用途に利用する』だけだからなんら不思議でもなんでもないことだ」
「なんと!?
確かにそのような話は聞いたことはあるがギルドではそんな凄い魔道具を使っていたのか……。
それなら何故、今まで荷物の運送に使わなかったのでしょう?」
取材陣のひとりがそんな質問をするとランスロットは苦笑いをしながら説明をした。
「我々の勉強不足ですよ。
お恥ずかしい話ですがあれだけまわりの人の常識とされていた使えないスキルの代表格であるカード収納スキルを使ってこのような運送方法を思いつくなんて我々には無かった発想でした」
ギルドの長であるギルドマスターから自らの勉強不足を公の場で公表するなど思いもよらなかった取材陣たちはただただ驚きの表情をするだけでそれに対して突っ込む勇者は居なかった。
「で、ではこれらの品を見てもらおうかの。
――開放」
少しばかり冷たくなった部屋の空気を読んだキリュウが話の流れを強引に持ってくるためにカード化の開放を始める。
(やはり事前にカードの共有化はすませておいて正解じゃったな。
こんなに大勢の前で共有化スキルなんぞ使ったら騒ぎが大きくなるからの)
キリュウが一枚ずつカード化を解いていくとテーブルの上には各町特有の野菜や果物が新鮮なまま並んでいった。
「これは!?
ロギナスでしか栽培されていない果物、アマナッシーじゃないか!
コイツは痛むのが早いから収穫して遅くとも3日以内には食べないと苦くて食べれなくなる特徴がある果物だぞ!
本当に大丈夫なんだろうな?」
取材陣の中にはロギナスへ行ったことのある者も居てすぐに反応を見せる。
「試してみるかの?」
キリュウの言葉に二の足を踏む姿を見てキリュウ自身が目の前でアマナッシーにかぶりつく。
――しゃりしゃり。
ゴクリと唾をのむ取材陣にキリュウはニヤッと笑って一言「うまい」と言う。
「自分が試してもいいか?」
その時、ひとりの男が手を上げてキリュウの前に出る。
「ほれ、特別じゃ。
まず王都では食うことの出来ん貴重な果物じゃ、存分に味わうよよいぞ」
キリュウはそう言うと男にアマナッシーの実を手渡し食べるように仕草をした。
――がぶり。
男は言われるがままに果物を口に運び、意を決してかぶりついた。
「甘い……。
こんなに甘くて美味い果物は初めて食べた!
これがロギナスでしか食べられない果物アマナッシーか!」
男は興奮気味に何度も叫びながら無心で果物を食らった。
――ごくり。
その状況をそばで見ていた他の取材陣も次々に手を上げて『試させてくれ』と言い感嘆の声をあげていた。
「――素晴らしい事業ですね。
まさに、この国における運送革命の始まりの日と言える発表でした。
これがさらに発展することにより、私たち市民の生活も食生活を中心に大きく変わることでしょう。
いや、本当に素晴らしい」
取材陣たちが絶賛する中でお披露目の会議は無事に終わろうとしていたが最後にランスロットがスポンサーであるマグラーレを紹介しようとした時、入口からひとりの男性が怒鳴り声をあげながら飛び込んできた。
4
お気に入りに追加
881
あなたにおすすめの小説
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる