70 / 201
第70話【クセのある新人たち】
しおりを挟む
次の日の朝、僕たちはいつもどおりに食堂で朝食を食べていた。
「なんか、結局アーファさんに作ってもらうのが当たり前のようになってしまいましたね。
当初は持ち回りや外食もする予定でしたけど昼や夜はともかく朝はなかなかそうはいかないですし……」
「あはは、まあ私もメインスキルである調理の経験値を稼いでいると思えばそれだけの負担ではないですし、もともと料理をして人に振る舞うのは好きな事ですから朝食づくりくらい大丈夫ですよ」
「すみません。
出来ればこれからもお願いします。
もちろん他の人たちから調理に対する報酬は出させてもらいますので……」
「気にしなくてもいいと言いたいけれど、お互いの合意のうえでってことでありがたくそうさせて貰いますね」
朝食づくりの話がまとまり皆でオールの淹れた食後の紅茶を飲んでいた時、玄関から声が聞こえてきた。
「おっと、お客さんかな?
研修生が来るには少々早すぎる時間だと思うんだが……」
オールはそうつぶやくと椅子から立ち上がり施設の入口へと向かった。
「どんな人たちなんでしょうね?
仲良くなれたらいいな」
アーファがそう言う横ではナムルが緊張した面持ちで紅茶を黙って飲んでいた。
ほどなくしてオールが部屋に戻って来てやはり今回の研修を受けに来たメンバーとのことでお互い挨拶をしようなった。
「では、食堂で良いんじゃないですか?
紅茶を飲みながら自己紹介なんかをすればすぐに打ち解けられることでしょうし」
楽観的にそう答える僕に少し苦笑いをしたオールだったが「わかりました」と言って訪問者たちに食堂へ集まるように伝えた。
* * *
「はじめまして、僕が今回の企画をまとめているミナトといいます。
ここに来るまでに皆さんは僕の事や今回の研修についてギルドからある程度の情報を聞いているとは思いますが最終的な目標がぶれていたら意味がなくなりますので最初にそこだけは話をさせてください」
僕はアーファとナムルに加え新たに送り込まれてきた3名の男女を前にそう話を始める。
「ここに集まって貰った人たちの共通点は『カード収納スキル持ち』であることは当然分かっていると思います。
世間一般ではあまり評価をしてもらえていないスキルですが、レベルをあげれば使い方次第で素晴らしい活躍を期待できるものだと思っています。
今回の企画では現在馬車にて運搬されている物資の数々をカード化することにより軽量化、それだけでも価値があるのですがさらにその物資カードを斡旋ギルドがギルド便として使っているゴーレム伝書鳩を使い王都をはじめ各地の都市を結ぶ『空飛ぶ物資運送』の実現に向けた研修になっています。
初期メンバーに選ばれた皆さんには是非ともこの技術を習得されて物資運送の革命を共に成し遂げて頂きたいのです」
僕はそう言ってから集まった5名のメンバーを見回してから続けた。
「ではここで、先に研修を開始されたかたに加えて新たに加わった人もいらっしゃいますのでそれぞれ自己紹介をお願いしたいと思います。
話せる程度で良いので出身地とスキル構成、この場で言っておきたいことがあればお願いします。
そうですね、まずは僕からにしましょうか」
僕はそう言って紅茶を一口飲むと自己紹介を始めた。
「名前は先ほども言いましたがミナトです。
スキル構成はメインにカード収納、サブに鑑定を持っています。
ちょっと訳あって昔の記憶が曖昧なので正確な出身は不明ですが今はこの町を拠点に活動しています。
今回の主であるカード収納スキルのレベルは8、最大容量は3メートル四方程度になります。
他の能力に関しては研修を通して少しずつ説明をさせて頂きます」
僕の自己紹介を聞いた壮年の男性が椅子から立ち上がって思わず声をあげる。
「レベル8じゃと!?
カード収納がメインスキルなのも驚きだがその若さで既にそこまで達しているとは何か秘密があるのか?」
「秘密というほどの事はないですけど効率の良いレベルアップ方法ならばこの研修で実践をしていますよ。
僕の横に座られているおふたりも当初はレベル1でしたが、まだ1ヶ月もたっていない研修でレベル3まであげることが出来ています」
「なるほど、そのレベルは伊達ではないと言うことか……。
いやすまんな、年をとると自分の常識を越える事柄にあうとにわかには信じられないものでな。
ワシは王都ギルドからの代表で名をキリュウという。
スキル構成はメインが万能記憶でサブがカード収納じゃ。
カード収納スキルのレベルは4、サブスキルの最高は5じゃからあとひとつなんじゃがいくら使おうともレベルがあがらなかったんじゃ。
おぬし何か知っておるかの?」
「そうですね。
いくつか心当たりはありますがいまこの場で明確な答えは出すことは出来ませんので研修を通して確認させて貰えればと思います」
僕の答えにキリュウはひとつうなずくと隣に座っている男性を見た。
「次は俺の番か?」
そう言った男はポケットから一枚のカードを取り出して皆の目の前で開放する。
「開放」
男のスキルでカードから復元されたものは大振りのハンマーだった。
「コイツが俺の商売道具だ、ザザリアのギルドでは鍛冶職人として務めていた。
メインが鍛冶でサブがカード収納だ。
レベルは3、商売道具を持ち歩きたくてここまでは上げたが面倒になって止まっている。
正直、この研修のために1年も街を離れる事には納得していないがギルドマスターからの勅命だから仕方ねぇ。
だが、さっきの話を聞いて少しだけ興味が湧いたから暫くは付き合ってやるさ。
ああ、名はヤーゴだ」
ヤーゴがそう言うと隣の女性が話を始める。
「始めましてですね。
ノーズの街から来ましたロセリと申します。
ギルドでは主に裏方事務を担当しておりました。
スキル構成はメインが速読速記、サブがカード収納になります。
レベルは申し訳ありませんが使用する機会があまりなく1のままです。
本当に私なんかがこのようなギルドを代表する研修会に参加していても良いのでしょうか?」
自信のない表情のロセリがその身体と同じく小さな声でそう問う。
「大丈夫ですよ、私だってつい数週間前まではレベル1でしたから。
あ、私アーファって言います。
エルガーの街でギルド食堂で勤務してました。
メインが調理でサブがカード収納、レベルは3になったばかりです。
よろしくおねがいします」
「「よろしく」」
「――ナムルです。
この町のギルドで受付補助と事務全般をしています。
スキル構成はロセリさんと同じく速読速記、カード収納スキルレベルはアーファさんと同じく3になりました」
口下手なナムルだったが隣にアーファと僕が居たことによりなんとか自己紹介を終えた。
「じゃあ最後に、私がこの施設の管理をしているオールだ、この施設で分からないことがあればまず私に聞いて欲しい。
また、要望があれば可能な限り対応するつもりだから気軽に話してくれ。
まずは新しく来た3人には部屋を案内するからついてきてくれ」
オールの言葉に3人がうなずくとその場は解散となった。
「なんか、結局アーファさんに作ってもらうのが当たり前のようになってしまいましたね。
当初は持ち回りや外食もする予定でしたけど昼や夜はともかく朝はなかなかそうはいかないですし……」
「あはは、まあ私もメインスキルである調理の経験値を稼いでいると思えばそれだけの負担ではないですし、もともと料理をして人に振る舞うのは好きな事ですから朝食づくりくらい大丈夫ですよ」
「すみません。
出来ればこれからもお願いします。
もちろん他の人たちから調理に対する報酬は出させてもらいますので……」
「気にしなくてもいいと言いたいけれど、お互いの合意のうえでってことでありがたくそうさせて貰いますね」
朝食づくりの話がまとまり皆でオールの淹れた食後の紅茶を飲んでいた時、玄関から声が聞こえてきた。
「おっと、お客さんかな?
研修生が来るには少々早すぎる時間だと思うんだが……」
オールはそうつぶやくと椅子から立ち上がり施設の入口へと向かった。
「どんな人たちなんでしょうね?
仲良くなれたらいいな」
アーファがそう言う横ではナムルが緊張した面持ちで紅茶を黙って飲んでいた。
ほどなくしてオールが部屋に戻って来てやはり今回の研修を受けに来たメンバーとのことでお互い挨拶をしようなった。
「では、食堂で良いんじゃないですか?
紅茶を飲みながら自己紹介なんかをすればすぐに打ち解けられることでしょうし」
楽観的にそう答える僕に少し苦笑いをしたオールだったが「わかりました」と言って訪問者たちに食堂へ集まるように伝えた。
* * *
「はじめまして、僕が今回の企画をまとめているミナトといいます。
ここに来るまでに皆さんは僕の事や今回の研修についてギルドからある程度の情報を聞いているとは思いますが最終的な目標がぶれていたら意味がなくなりますので最初にそこだけは話をさせてください」
僕はアーファとナムルに加え新たに送り込まれてきた3名の男女を前にそう話を始める。
「ここに集まって貰った人たちの共通点は『カード収納スキル持ち』であることは当然分かっていると思います。
世間一般ではあまり評価をしてもらえていないスキルですが、レベルをあげれば使い方次第で素晴らしい活躍を期待できるものだと思っています。
今回の企画では現在馬車にて運搬されている物資の数々をカード化することにより軽量化、それだけでも価値があるのですがさらにその物資カードを斡旋ギルドがギルド便として使っているゴーレム伝書鳩を使い王都をはじめ各地の都市を結ぶ『空飛ぶ物資運送』の実現に向けた研修になっています。
初期メンバーに選ばれた皆さんには是非ともこの技術を習得されて物資運送の革命を共に成し遂げて頂きたいのです」
僕はそう言ってから集まった5名のメンバーを見回してから続けた。
「ではここで、先に研修を開始されたかたに加えて新たに加わった人もいらっしゃいますのでそれぞれ自己紹介をお願いしたいと思います。
話せる程度で良いので出身地とスキル構成、この場で言っておきたいことがあればお願いします。
そうですね、まずは僕からにしましょうか」
僕はそう言って紅茶を一口飲むと自己紹介を始めた。
「名前は先ほども言いましたがミナトです。
スキル構成はメインにカード収納、サブに鑑定を持っています。
ちょっと訳あって昔の記憶が曖昧なので正確な出身は不明ですが今はこの町を拠点に活動しています。
今回の主であるカード収納スキルのレベルは8、最大容量は3メートル四方程度になります。
他の能力に関しては研修を通して少しずつ説明をさせて頂きます」
僕の自己紹介を聞いた壮年の男性が椅子から立ち上がって思わず声をあげる。
「レベル8じゃと!?
カード収納がメインスキルなのも驚きだがその若さで既にそこまで達しているとは何か秘密があるのか?」
「秘密というほどの事はないですけど効率の良いレベルアップ方法ならばこの研修で実践をしていますよ。
僕の横に座られているおふたりも当初はレベル1でしたが、まだ1ヶ月もたっていない研修でレベル3まであげることが出来ています」
「なるほど、そのレベルは伊達ではないと言うことか……。
いやすまんな、年をとると自分の常識を越える事柄にあうとにわかには信じられないものでな。
ワシは王都ギルドからの代表で名をキリュウという。
スキル構成はメインが万能記憶でサブがカード収納じゃ。
カード収納スキルのレベルは4、サブスキルの最高は5じゃからあとひとつなんじゃがいくら使おうともレベルがあがらなかったんじゃ。
おぬし何か知っておるかの?」
「そうですね。
いくつか心当たりはありますがいまこの場で明確な答えは出すことは出来ませんので研修を通して確認させて貰えればと思います」
僕の答えにキリュウはひとつうなずくと隣に座っている男性を見た。
「次は俺の番か?」
そう言った男はポケットから一枚のカードを取り出して皆の目の前で開放する。
「開放」
男のスキルでカードから復元されたものは大振りのハンマーだった。
「コイツが俺の商売道具だ、ザザリアのギルドでは鍛冶職人として務めていた。
メインが鍛冶でサブがカード収納だ。
レベルは3、商売道具を持ち歩きたくてここまでは上げたが面倒になって止まっている。
正直、この研修のために1年も街を離れる事には納得していないがギルドマスターからの勅命だから仕方ねぇ。
だが、さっきの話を聞いて少しだけ興味が湧いたから暫くは付き合ってやるさ。
ああ、名はヤーゴだ」
ヤーゴがそう言うと隣の女性が話を始める。
「始めましてですね。
ノーズの街から来ましたロセリと申します。
ギルドでは主に裏方事務を担当しておりました。
スキル構成はメインが速読速記、サブがカード収納になります。
レベルは申し訳ありませんが使用する機会があまりなく1のままです。
本当に私なんかがこのようなギルドを代表する研修会に参加していても良いのでしょうか?」
自信のない表情のロセリがその身体と同じく小さな声でそう問う。
「大丈夫ですよ、私だってつい数週間前まではレベル1でしたから。
あ、私アーファって言います。
エルガーの街でギルド食堂で勤務してました。
メインが調理でサブがカード収納、レベルは3になったばかりです。
よろしくおねがいします」
「「よろしく」」
「――ナムルです。
この町のギルドで受付補助と事務全般をしています。
スキル構成はロセリさんと同じく速読速記、カード収納スキルレベルはアーファさんと同じく3になりました」
口下手なナムルだったが隣にアーファと僕が居たことによりなんとか自己紹介を終えた。
「じゃあ最後に、私がこの施設の管理をしているオールだ、この施設で分からないことがあればまず私に聞いて欲しい。
また、要望があれば可能な限り対応するつもりだから気軽に話してくれ。
まずは新しく来た3人には部屋を案内するからついてきてくれ」
オールの言葉に3人がうなずくとその場は解散となった。
1
お気に入りに追加
881
あなたにおすすめの小説
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされ、生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれてしまった、ベテランオッサン冒険者のお話。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?

料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
勇者パーティーにダンジョンで生贄にされました。これで上位神から押し付けられた、勇者の育成支援から解放される。
克全
ファンタジー
エドゥアルには大嫌いな役目、神与スキル『勇者の育成者』があった。力だけあって知能が低い下級神が、勇者にふさわしくない者に『勇者』スキルを与えてしまったせいで、上級神から与えられてしまったのだ。前世の知識と、それを利用して鍛えた絶大な魔力のあるエドゥアルだったが、神与スキル『勇者の育成者』には逆らえず、嫌々勇者を教育していた。だが、勇者ガブリエルは上級神の想像を絶する愚者だった。事もあろうに、エドゥアルを含む300人もの人間を生贄にして、ダンジョンの階層主を斃そうとした。流石にこのような下劣な行いをしては『勇者』スキルは消滅してしまう。対象となった勇者がいなくなれば『勇者の育成者』スキルも消滅する。自由を手に入れたエドゥアルは好き勝手に生きることにしたのだった。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる