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第61話【ノエルの手料理】
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「――さて、荷物の整理が終わりましたので約束どおり夕食を食べに行きますか?」
カードの条件付与を済ませて使い方の説明まで終わった僕はノエルさんにそう言った。
「あ、あの……」
ロギナスの町で少しオシャレをして行ける食事処は何軒か心当たりがあったのでどこにするかを聞こうとした僕にノエルが少し顔を赤くしながら小さな声で言った。
「……夕食は私が作っても良いですか?」
ノエルはそう言うと更に顔を赤くして思わず下を向いてしまう。
「ノエルさん、料理のスキルは持ってませんでしたよね?」
前に彼女に聞いたスキル構成は『商売と鑑定』だったはずなので料理のスキルは持っていないはずであった。
「ええ、もちろん持ってません。
でも料理のスキルがなくても練習をすれば料理は出来るものですよ。
ただ、お店で出せるレベルにはなれないと言うだけです。
もしかして知りませんでした?」
ノエルの言葉に僕はスキルについて根本的に勘違いをしていた事に気がついた。
「あ、そうか。
そうですよね。
スキルがあるとその動作について補助が入るので比較的簡単に高いレベルの事が出来るようになるって話なんですね。
例えば料理スキルだとお店でお客に出せるレベルの料理が比較的簡単に作れてしまう。
だけど皆がいつもお店で食べる訳じゃないし自分で作って食べる人も居るはずだ。
初めはイマイチな料理しか作れなくてもだんだんと上手くなるのは不思議な事ではなく当たり前の事なんですね」
僕は独り言のように話しながら頭の中を整理していく。
そして、料理スキルを持たないノエルが自分で作った料理を食べて欲しいと言ってきた事に僕は嬉しさが込み上げてきた。
(前世では当然彼女なんて居なかったし、母親以外の女性が作ってくれた料理を食べるなんてありえない話だよ)
「本当に作ってくれるんですか?
嬉しいなぁ」
僕が本心からそう言うとノエルの不安そうだった表情が笑顔に変わり「じゃ、じゃあこっちの部屋で少し待ってて」と言って僕を食卓部屋に案内しようとしたので「料理を作るところも見ていたいな」と台所へとついていった。
「見られながら作るのは恥ずかしいけれどミナトさんがそう言うなら」と台所の壁にかけてあったエプロンを身につけるとフライパンを調理用魔道具の上に置き卵をふたつその上で割った。
「実は先ほどミナトさんが来る前にお店に買い物に行って来たんです」
フライパンの卵を見つめながらノエルがそう言ってはにかむ。
「僕もなにか手伝えることは無いですか?
簡単なものならばなんとかなりそうですけど……」
「えっ? ミナトさんって料理が出来るんですか?」
ノエルが驚いた顔でこちらを見る。
「えっと、最近は作ってないんだけど前は結構自炊していたからいくつかのレパートリーは持ってるつもりですよ」
(あ、でも前世と同じ調味料が手に入らないから再現は難しいかな)
「それ、食べてみたいです!」
ノエルが自分で料理を作ると言って卵を焼き始めたばかりだというのに話の流れがいつの間にか僕が作る事になっていた。
「うーん。
でも今から材料を買いに行かないといけないし、必要なものが揃うかわかりませんのでまたにしませんか?」
「えー、凄く残念です。
今度、絶対に食べさせてくださいね」
そう言って僕の手を握りしめてお願いをしてきた。
「わかりましたよ。
近いうちにちゃんと作れるかを調べておきますね。
ん? なんだか焦げた匂いが……?」
「きゃー! 大変!
たまごが! たまごが!」
話に気をとられたノエルはすっかりたまごの事を忘れており、匂いで気がついた時には既に真っ黒焦げになっていた。
「あー、高かったのに……たまご」
涙目になりながら黒ずみと化したたまごの残がいを見つめながら「さて、準備は出来てますからそろそろ食事に行きましょうか」と最初から何も無かったかのように焦げてダークマターと化した目玉焼きを魔道具からおろすとサッとエプロンを脱いでから僕にそう言った。
「あー、だったらノエルさんオススメの食事処を教えて貰えますか?
僕はまだ数軒のお店しか行ったことがないので行ったことがないお店を体験してみたいですね」
せっかくノエルの手料理が食べられると喜んでいた僕だったが、彼女が自分から変更を提案してきたからには素直に諦めるしかないだろうと思いせめてノエルの選んだお店で料理も彼女のオススメにしてもらう事にした。
「えっ?
私がお店を選んで良いのですか?」
「はい。
どんなお店でもノエルさんが選んだお店ならば良いので宜しくお願いします」
僕が笑顔でそう答えると彼女は少しばかり悩んだ表情となったがふと何かを思いついたらしく急に笑顔となり大きくうなずいた。
* * *
「ちょっと待っててくださいね」
結構、外食となったためにノエルはわざわざ洋服を着替えてもどってきた。
「お待たせしました。
では行きましょうか」
今日はノエルのエスコートでお店を決めるとしていたので僕は黙って彼女についていくとどうも見覚えのあるお店の前にたどり着いていた。
「このお店はある人から教えて貰ったのだけど凄くいい料理を出すから気に入ってるのよ」
ノエルはそう言うとお店のドアを開けた。
――リンリン。
ドア鐘の音が店内に響くと店員がすぐにご用聞きに寄ってきた。
「くつろぎ空間『酔いだくれ』にようこそ。
おふたりさまでしょうか?」
「はい、個室は空いてるでしょうか?」
お店の店員はパラパラと手帳を見て個室の予約が入ってない事を確認すると「空いてますよ。どうぞ」とふたりを案内してくれた。
「――もう何回か来たんですけどお店の雰囲気が良くて……あっ、これこれ!
この置物はうちの雑貨店で仕入れたものなの。
お店のオーナーに掛け合ったらすぐに気に入ってくれてまとまった注文を頂いたのよ」
そう嬉しそうに話すノエルに僕は微笑みながら相づちをうちながら部屋へと向かう。
「あれ?
もしかしてミナトさんこのお店は来たことがあったのですか?」
あまりにもスムーズに個室のある方へ歩く僕に違和感を覚えたノエルがそう聞いてくる。
「実は前に一度だけ来たことがあったんだ。
なかなか一人では入りづらい雰囲気もあるからあれからは来てないけどね」
嘘をついてもろくな事にならないだろうと僕は来たことがある事は正直に話した。
「へー、ひとりじゃ入りづらいお店に一体誰と来たんですか?」
上手く受け流したと思っていた言動だったが、しっかりとノエルの鋭いツッコミが待っていた。
カードの条件付与を済ませて使い方の説明まで終わった僕はノエルさんにそう言った。
「あ、あの……」
ロギナスの町で少しオシャレをして行ける食事処は何軒か心当たりがあったのでどこにするかを聞こうとした僕にノエルが少し顔を赤くしながら小さな声で言った。
「……夕食は私が作っても良いですか?」
ノエルはそう言うと更に顔を赤くして思わず下を向いてしまう。
「ノエルさん、料理のスキルは持ってませんでしたよね?」
前に彼女に聞いたスキル構成は『商売と鑑定』だったはずなので料理のスキルは持っていないはずであった。
「ええ、もちろん持ってません。
でも料理のスキルがなくても練習をすれば料理は出来るものですよ。
ただ、お店で出せるレベルにはなれないと言うだけです。
もしかして知りませんでした?」
ノエルの言葉に僕はスキルについて根本的に勘違いをしていた事に気がついた。
「あ、そうか。
そうですよね。
スキルがあるとその動作について補助が入るので比較的簡単に高いレベルの事が出来るようになるって話なんですね。
例えば料理スキルだとお店でお客に出せるレベルの料理が比較的簡単に作れてしまう。
だけど皆がいつもお店で食べる訳じゃないし自分で作って食べる人も居るはずだ。
初めはイマイチな料理しか作れなくてもだんだんと上手くなるのは不思議な事ではなく当たり前の事なんですね」
僕は独り言のように話しながら頭の中を整理していく。
そして、料理スキルを持たないノエルが自分で作った料理を食べて欲しいと言ってきた事に僕は嬉しさが込み上げてきた。
(前世では当然彼女なんて居なかったし、母親以外の女性が作ってくれた料理を食べるなんてありえない話だよ)
「本当に作ってくれるんですか?
嬉しいなぁ」
僕が本心からそう言うとノエルの不安そうだった表情が笑顔に変わり「じゃ、じゃあこっちの部屋で少し待ってて」と言って僕を食卓部屋に案内しようとしたので「料理を作るところも見ていたいな」と台所へとついていった。
「見られながら作るのは恥ずかしいけれどミナトさんがそう言うなら」と台所の壁にかけてあったエプロンを身につけるとフライパンを調理用魔道具の上に置き卵をふたつその上で割った。
「実は先ほどミナトさんが来る前にお店に買い物に行って来たんです」
フライパンの卵を見つめながらノエルがそう言ってはにかむ。
「僕もなにか手伝えることは無いですか?
簡単なものならばなんとかなりそうですけど……」
「えっ? ミナトさんって料理が出来るんですか?」
ノエルが驚いた顔でこちらを見る。
「えっと、最近は作ってないんだけど前は結構自炊していたからいくつかのレパートリーは持ってるつもりですよ」
(あ、でも前世と同じ調味料が手に入らないから再現は難しいかな)
「それ、食べてみたいです!」
ノエルが自分で料理を作ると言って卵を焼き始めたばかりだというのに話の流れがいつの間にか僕が作る事になっていた。
「うーん。
でも今から材料を買いに行かないといけないし、必要なものが揃うかわかりませんのでまたにしませんか?」
「えー、凄く残念です。
今度、絶対に食べさせてくださいね」
そう言って僕の手を握りしめてお願いをしてきた。
「わかりましたよ。
近いうちにちゃんと作れるかを調べておきますね。
ん? なんだか焦げた匂いが……?」
「きゃー! 大変!
たまごが! たまごが!」
話に気をとられたノエルはすっかりたまごの事を忘れており、匂いで気がついた時には既に真っ黒焦げになっていた。
「あー、高かったのに……たまご」
涙目になりながら黒ずみと化したたまごの残がいを見つめながら「さて、準備は出来てますからそろそろ食事に行きましょうか」と最初から何も無かったかのように焦げてダークマターと化した目玉焼きを魔道具からおろすとサッとエプロンを脱いでから僕にそう言った。
「あー、だったらノエルさんオススメの食事処を教えて貰えますか?
僕はまだ数軒のお店しか行ったことがないので行ったことがないお店を体験してみたいですね」
せっかくノエルの手料理が食べられると喜んでいた僕だったが、彼女が自分から変更を提案してきたからには素直に諦めるしかないだろうと思いせめてノエルの選んだお店で料理も彼女のオススメにしてもらう事にした。
「えっ?
私がお店を選んで良いのですか?」
「はい。
どんなお店でもノエルさんが選んだお店ならば良いので宜しくお願いします」
僕が笑顔でそう答えると彼女は少しばかり悩んだ表情となったがふと何かを思いついたらしく急に笑顔となり大きくうなずいた。
* * *
「ちょっと待っててくださいね」
結構、外食となったためにノエルはわざわざ洋服を着替えてもどってきた。
「お待たせしました。
では行きましょうか」
今日はノエルのエスコートでお店を決めるとしていたので僕は黙って彼女についていくとどうも見覚えのあるお店の前にたどり着いていた。
「このお店はある人から教えて貰ったのだけど凄くいい料理を出すから気に入ってるのよ」
ノエルはそう言うとお店のドアを開けた。
――リンリン。
ドア鐘の音が店内に響くと店員がすぐにご用聞きに寄ってきた。
「くつろぎ空間『酔いだくれ』にようこそ。
おふたりさまでしょうか?」
「はい、個室は空いてるでしょうか?」
お店の店員はパラパラと手帳を見て個室の予約が入ってない事を確認すると「空いてますよ。どうぞ」とふたりを案内してくれた。
「――もう何回か来たんですけどお店の雰囲気が良くて……あっ、これこれ!
この置物はうちの雑貨店で仕入れたものなの。
お店のオーナーに掛け合ったらすぐに気に入ってくれてまとまった注文を頂いたのよ」
そう嬉しそうに話すノエルに僕は微笑みながら相づちをうちながら部屋へと向かう。
「あれ?
もしかしてミナトさんこのお店は来たことがあったのですか?」
あまりにもスムーズに個室のある方へ歩く僕に違和感を覚えたノエルがそう聞いてくる。
「実は前に一度だけ来たことがあったんだ。
なかなか一人では入りづらい雰囲気もあるからあれからは来てないけどね」
嘘をついてもろくな事にならないだろうと僕は来たことがある事は正直に話した。
「へー、ひとりじゃ入りづらいお店に一体誰と来たんですか?」
上手く受け流したと思っていた言動だったが、しっかりとノエルの鋭いツッコミが待っていた。
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